DELLのノート「Inspiron 14」が36,800円は本当に安いのか?

2011年6月23日

正確には36,980円、デルから14型ノートが発売。

3万円台中程の価格と言えばネットブックが多く、10~11インチの小型モニタで解像度は縦600ピクセルという狭さ。CPUはAtom、WindowsはStarterエディションという、マイクロソフト様の制限まみれが普通ですが、この価格でデルなら普通のノート。

インスパイロン14は本当に安いのか、購入検討シミュレーション。

デュアルコアCPU搭載、Inspiron 14の仕様と価格

DELLのブログらしき物に上がっていたニュースリリースより。

楽しみをシンプルにコンパクトに。 Inspiron 14、本日より販売開始
http://ja.community.dell.com/dell-blogs/direct2dell/b/direct2dell/archive/2011/06/21/inspiron-14.aspx

inspiron14-black-apple.png

仕様を販売ページより。DELL独特の書き方で分かり難くなっている箇所は、一般的な呼び方に変更しております。

  • OS:Windows7 Home Premium 64ビット
  • CPU:Pentium B940(2.00GHz,2Mキャッシュ)
  • メモリ:2GB (2GB x1) DDR3
  • HDD:320GB SATA(5400回転)
  • チップセット:HM67 Express
  • グラフィック:インテルHDグラフィックス
  • モニタ:14.0インチ HD(1366x768ピクセル)
  • 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
  • 無線:802.11b/g/nBT3.0+HS ※当日訂正:Bluetoothはオプション
  • 入出力:VGA、HDMIUSB2.0x3、Ethernet/RJ45
  • 重量:2.2kg

第一印象は、この性能で37千円はさすが安売りのDELL様。ノートが安くなっているとは言え、他の国内BTOメーカーのように39,800円とか39,980円にしない辺りも潔し。デルは本体送料込なので本当に36,800円で入手可能。

一応上から行くと。

DELLは半年以上前からWindows7は64bitで統一しているようで、問答無用で32bitは無し。法人は昨年までXPを粘っていたので32bitも有るかと思いますが知りません。

CPUはデュアルコアのPentiumで、Cleronとは違うのだよと言える動作クロックは2GHzとやや高め。メモリ2GBx1やHDD320GBは価格から入っておりこの程度になるのでしょう。

チップセットはSandyBridge用のHM67で、当然ながらインテルHDグラフィックを出力出来るマザーボード(メイン基板)という仕様。

ネットブックと比較した利点はモニタサイズで、14.0インチは最近流行っている15.6インチより小さめなものの、解像度はHD(1366x768)になっており問題無し。

そしてネットブックとは違いDVDドライブ搭載。法人がメインのメーカーに有り勝ちなDVDコンボ(書けない)というケチ臭い仕様でも無く。

無線はもはや太字にするまでも無かったと思う「n」付が標準。ノートなら必要かも知れないBluetoothは現在最新の3.0に対応しているようです※訂正:オプション=有料なので標準構成では対応していない

出力はしなければ意味が無いもののデジタルなHDMIを搭載し、一応VGA(D-sub15pin)も載っております。RJ45は有線LANの事。

魅力を欠く所は赤にしたUSB2.0しか無い事。そしてやたらと思い2.2kg。バッテリは6セルとだけ表記有り駆動時間は不明。おおよそだけでも書いて欲しいものです。

個人的にはアイソレーションキーボードのキーストローク(深さ)、液晶モニタが光沢な辺りが気になります。キーは慣れの問題、液晶は設置場所を選ぶでしょう。

ネットブックでは足りない、しかし適当に性能高めなWindows7仕様のノートが要るなら約37千円は良心的と言えましょう。

良い構成かつ良い価格かと思われ、DELL=有名で安いパソコンメーカーと思っているなら、飛び付いてよろしいかと。私はDELL信者では無い為、他のメーカーも見ます。

 

DELLにこだわらないノート比較は価格コム

DELLで無くとも良いなら他のメーカーもパソコンを製造したり組立や販売しています。分り易い以外に私が使い慣れている為、価格.comより。

CPUを合わせる為、Pentium B940搭載のノートを検索し安い順。

pentium-b940-kakaku.jpg

最も安いノートはdynabook。Satelliteという事は法人向けですな。

1と3番目のサテライトは全く同じ物で、1番目は型番に「-K」が付いたのみで価格コム専用としている8千円安い物。dynabookを購入するなら価格コムは一応見た方が良さそうです。

サテライトは画面サイズが15.6インチとやや大きい以外はDELLとほぼ同じ仕様。この価格でMSオフィスが付くわけも無く、DELLより5千円くらい高くなる計算。

2番目のエプソンダイレクトも健闘してはいるものの、利点はメモリが4GBになった程度。デルのInspiron14でメモリ4GBにするとプラス4千円くらいなのでデルノートが40,980円となり、価格で言えばエプダイの負け。

やはりDELLは安かった、と言いたい所ですが、Pentium B940にこだわる理由がございません。こういう調べ方をする人も居るだろうとして一応書いたのみ。

 

売れている人気のノートと性能と価格を比較

先にCPUの性能を比較。Pentiumより1つ上のCore i3シリーズより、現在最も性能が低い2310Eと比較。

Pentium Gがマイナーな為に比較するもので、i3-2310E搭載ノートを探す前提ではございません。

i3-2310-pen-b940.jpg

source:Compare Intel Products

長いので途中で切っております。下も必要ならリンク先をどうぞ。

コア数は同じく2、しかしCore i3はスレッド(処理出来る本数)が4と多め。クロックとキャッシュ容量もi3の性能が高くなっており、比較してi3が負けている箇所は無さそうです。

価格コムのノート売れ筋ランキングより上位20件、36,800円を基準として私が適当に3種類を選び挙げてみましょう。

売れ筋ランキング2位になっていたAcerノート。

aspire-as5742-kakaku.jpg

DELLのInspiron14より277円高くなるものの、CPUはCore i5 480Mと性能高め。他の仕様はほぼ同じ。画面サイズが大きくなり見易いでしょうな。

もう一つは12位とやや落ちるものの、安く性能も低くは無いノート。

emachines-eme732-kakaku.jpg

Inspiron14より2300円安いものの、CPUの性能が高め。eMachinesとは買収されまくりの末、現在はAcerの子会社となっております。余談ですがツクモが結構力を入れているメーカー。

ネットブックに近くなりますが、気になったのでもう一つ。人気8位。

idepad-s205-kakaku.jpg

画面サイズが小さくCPU(APU)はAMDのクロック低め。価格はInspiron14より1104円高額。しかし解像度は1366x768でメモリやHDD、OSはInspiron14と同様。

このネットブックもどきなノートの特徴は、CPUの性能を抑えている割にグラフィックはRadeon HD6310相当の性能を持つCPU内蔵グラフィック(AMDのAPUというもの)となっており、グラフィックに比重を置くなら有りかと。

 

DELLの「Inspiron14」を選ぶ理由が有るか?

デルの新製品のみで見ると確かに安い。しかし他のノートと性能や価格で比較すると、そうでも無し。

価格コムのノート比較では、「それらは新CPU(SandyBridge)では無いだろう」と言いたいかも知れませんが、旧Core iシリーズでもCPU性能はPentiumより高性能。

SandyBridgeの良い点は、USB3.0やSATA3が標準の如く付いているものですが、それはデスクトップの話。Inspiron14に限らずインテル6シリーズのチップセットでもUSB3.0無しは普通に有り、SATA3はSSDを搭載せずHDDなのだから速度の恩恵は皆無。SandyBridgeにする理由が「新しい」という価値観以外に無いわけです。

インスパイロン14の話に戻ると、私が個人で購入するか否かで言えば、安く用途から考えるとPentiumでメモリ2GBでも充分なので決定しそうですが、本当に買う段になればAcerにするでしょう。

何が言いたいかは、未だに釣れてしまうDELLパソコンを購入したにも関わらずアンチDELLになっている、意味不明な愚痴を書く人間。

私が本文でやったように他社も比較したなら他にも良いノートが有る事は簡単に判りますが、やっていないなら敢えて言うと情弱。調べてDELLが良いと判断し購入したなら何が有れど自業自得。

私には宝くじを購入しハズレたと騒いでいるようにしか見えず、故障したならそれは運が悪かったから。

逆にApple製品では「買って良かった」と言う人間が多く、対して意見は「それは良かったね」。アンチDELLは「DELLは最悪」など言われますが、対する意見は「なぜDELLで買ったの?」。

私はDELL製品が悪いとも良いとも思っていないものの選択肢に入らない理由は。

  • デスクトップは改造や増設前提、DELLはオリジナルな構造が多い
  • ノートは修理代が高く付くので使い捨て、DELLより安いメーカーは多い
  • 長期保証が他社BTOパソコンより高額、DELL製品を人に勧める事は無い

DELLのInspiron14。良いノートと思いますが他社の他製品でも良い物は多く有ります。しかし他人の意見は聞き流す程度とし、判断は自分でしましょう。


2011/06/24 22:09追記 コメントにて垂れ込み。39,980円に値上がりを確認。マイコミなど大手にプレスリリースしまくった後の改悪は企業の信用を失う行い。DELLジャパンの担当は阿呆ですな。私が販売側なら本文の機種を完売にして型番変更しメモリとかどうでも良い辺りを上げるという常套手段に出るでしょう。

inspiron14-39980.jpg

4万出すならこれを選ぶ理由が無い。ゴミ記事になり失礼。

コメント(4)

>SandyBridgeにする理由が「新しい」という価値観以外に無いわけです
私はMobile向けSandyの評価が高いのですが、それは内蔵グラのHD3000とそれ以前のIntel HDとの差が絶大だと思っておる点でして、エクスペリアインなんとかの数値も相当違うでしょうから精神衛生上いいのではないかとw

ノートはそもそもグラが弱いうえ、後付で強化もできないわけで、スタートの時点でグラ性能にウエイトを置いておくのはアリと考えとります。
よって、記事でも比べておられる旧Core i系のモノにはイマイチ魅力を感じないと申しましょうか、同じ価格帯であるなら新しいもの好きとは違う意味でHD3000内蔵のCore i3 2310搭載機に惹かれますね。


そういえばノートPCといいますと、私事で恐縮ですが昨日の深夜に余裕で目が覚めるレベルの物凄いカコンカコン音を上げつつ13年目のThinkPad235が遂にお亡くなりになられまして、常時起動を貫いて13年の大往生でしたw

実は使用機会はきわめて少ないものの、Win98でないと使えないアプリがございまして、近々これの代替用のWin98ノートを調達する気満々です。

ホントPCというモノは使用目的が明確であれば迷いが無いといいますか、他に選択肢の無い一択状態に成り得ると申しましょうか、他人様がなんでそんなモノwというものでも当人にとっては必須だったりするから困りますw

>Inspiron 14
>入出力:Ethernet/RJ45
DELLの詳細ページや各所のニュースリリースを拝見しても、有線LANの詳細は載っていませんね。SandyBridge搭載ノートでも有線LANが100Mbpsまで対応の機種はありますし、詳細ページにギガビット対応と書かないということは、Inspiron 14の有線LANは10/100Mbpsまで対応なのでは
重量2kgということは据え置きメインでしょうから、個人的にLANはギガビット対応だと嬉しいですね


新旧CPU内蔵グラフィックスについては、モバイルHD2000:モバイルHDグラフィックス=2:1、くらいの性能差ですが、実使用においてはどんぐりの背比べレベルしか性能差は無いでしょうね。モバイルHD2000の恩恵があるのは、Quick Sync Videoで動画変換をする際くらいでしょうか。モバイルHDグラフィックスのハードウェアデコーダより、2~3倍も早く処理できますし(そもそも前HDグラフィックスのハードウェア処理は、CPU処理より遅いのですが)

バッテリと有線LANが気になるのでDELLチャットで問い合わせると。

・バッテリ・・約3時間半
・RJ45・・最大100BASEまで

との事。値段相応という感じですな。

調べると言い残し返答まで15分も待たされたのでDELL最悪とか騒ぐと良いでしょうか。Firefoxを別窓に切り離して別の事をしていた為、個人的に気にはならず。

ちなみに対応の担当は三国志に出て来そうな格好良い名前の人。武力より知力が高そうな。日本語は私より上手かったものの、接客としては怪しいレベル。無料だから良しとしましょう。

本日(24日)ページを確認したら、価格改訂されてましたw

Inspiron 14 ベーシックパッケージ 39,980円
Inspiron 14 プレミアムパッケージ 46,980円

前者が最初に発表されたパッケージのようで、
後者はCPUにi3,i5が選択できるパッケージのようです。

買おうと思ってたのに、いきなり値上げされるとは・・・

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BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

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性能とパーツの相場がある程度わかる人なら標準構成が多いのでコスパ重視で選びやすい。同じに見える同じ価格でも仕様の違いがどうなのか判る人には最適。

DELL

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10年以上前まではDELL=初心者向けの安いパソコン、それはもう通用しておりません。クーポン適用後が適正価格だと見抜けるパソコン詳しい人向け、または大人買いで割安になる法人向け。

日本HP

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コスパと性能以外にも見た目も重視したいならHPのノートも選択肢としてアリ。自社製造状態なのでBTO=ダサい印象は払拭されるかと。デスクトップは法人用、ゲーミングは海外向き。

ツクモ

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昔のマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。機種が少なく特徴的な少数精鋭状態なので選べる人を選ぶ。ヤマダ電機の一部、または自作PCのパーツ屋さん。

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