液晶モニタの仕様について。
デスクトップPCを購入しても多くのPC本体は単体販売で液晶モニタは別売り。カスタマイズでセットにすれば良いけれど、最安では無いとか別のメーカーや機種が良いなど人それぞれと思うので解説。
先に必ず見るべき項目から。
これをサンプルにしましょう。
source:EX-LD2071TB 仕様 | ワイドモデル | IODATA アイ・オー・データ機器
最低限必要な液晶モニタの仕様の見方
3つ、ここだけおさえておけばまず大丈夫。
1.映像入力端子
I/O液晶の場合、アナログRGB、DVI-D、HDMIの3種類で最近よくある構成。違いを@ITからが画像で拝借。
source:ミニD-Sub 15ピン・コネクタ - ケーブル&コネクタ図鑑 - @IT
左から、
- アナログRGB(ミニD-sub15ピン)・・・映像のみ、アナログ
- DVI-D・・・映像のみ、デジタル
- HDMI・・・映像+音声、デジタル
PC本体がアナログ+HDMI、モニタがアナログ+DVI-Dならばアナログでしか接続出来ず画面がボケるのでもったいない。
HDMIは音声も流せるので一見良さそうに見えるけれど、モニタのスピーカーは音質最悪なので気にしなくてよろしいかと。モニタから更にヘッドフォンなど接続するなら話は変わるけれども、そこまでするならPC本体からで良いと思う。
とりあえずHDMIとDVI端子のいずれか1つがPCとモニタどちらにも有るかの確認を。画像右端のDisplay Portという端子も有るけれど、主に超高解像度用であり2016年現在はHDMIとDVIが主流。
2.サイズと解像度
特に太字へご注目有れ。
- パネルタイプ・・・TFT20.7型ワイドLED/非光沢パネル
- 最大表示解像度・・・1920×1080
- 外形寸法(W×D×H)・・・スタンドあり490×178×352(mm)
非光沢(別名:ノングレア)とは画面の表面にややざらつきの有る、反射防止の画面と思えばOK。逆に光沢は反射する難点はあるけれど映像が綺麗に見えるという利点が有り、どちらが良いかは人それぞれ。
外形寸法の490は幅なので49cm未満のPCデスクならはみ出す前提、17.8cmは最低でも接地面約18cmの奥行きが必要となり、モニタが壁から10cmくらいに位置するならば自分の目からモニタまでの距離がだいたい判る。
重要なのが型(インチ)数と解像度で、例としてノートPCで採用されるHD解像度(1366x768)とI/OのフルHD(1920x1080)で比較した場合、このくらい表示できる面積が違う。
デスクトップPC用の外付大型モニタならまずフルHD以上だろうけれども、逆に高解像度過ぎる物にご注意有れ。
- 小型+高解像度・・・表示が小さくなり文字などが見づらい
- 大型+低解像度・・・ドット(液晶の粒)が見えてしまい荒い
27型フルHDでは荒く見えてしまうという人も居るなら、27型4K(横4000前後)は小さすぎて無理が有るという私も存在。普通の人ならフルHDで20~27型くらい、主流は23.6~24型なのでバランスを考えましょう。
ちなみにWindowsが10ならOSや最新ソフトは4K解像度でも自動で拡大表示に対応していたりするけれど、古いソフトを入れて使うとメニュー見えない押せないなど笑えない状況になる可能性もございます。
3.駆動方式
ラストは駆動方式。I/Oの仕様には載っていないので、こういう時は型番で検索してみましょう。こちらがヒット。
仕様にはパネルの記載ありませんが、視野角:上下:160° 左右:170°なので視覚でもTNパネルと断言できます
私もそう思う。主に採用される方式は3つ。
- TN・・・視野角が狭い代わりに描画が速い
- VA・・・TNとIPSの中間な感じ
- IPS・・・視野角が広い代わりにやや遅い
昔はTNが最も安くIPSは高級品だったけれども、タブレットやスマホで使われ始めた為か現在はIPSも価格はそう変わらず。超高速なゲームや動画で何か判別したいなどの理由が無ければIPSがお勧め。
遅いと言えどもIPSとTNを並べて同時に見ている私でさえ判らないレベル。どう違うか簡単に比較するなら、適当なウィンドウを開きドラッグして左右へ動かしてみると判る。
IPSは軌跡が出るように描画が遅れるけれど、TNは軌跡が出ない。家電量販店のIPSとTNで比較してみましょう。多くの人は視野角の広さを取ると思う。
ちなみにあまりにもひどいTNの場合、上下のみでは無く左右でも明るさが大きく変わるとか上下の変色が凄まじいなどございます。
気にしなくて良いレベルの仕様の見方
ここからはマニアック過ぎるので気にしなくて良いと思うけれど、私は気にする所も有るのでまとめておきたいのでメモがてら10個。
1.視野角度(上下:160°左右:170°)
重要な方で出た視野角。なぜこちらへ入れたかは数値がアテにならない為で、メーカーによりどのくらいまで見えるかの基準が違うので方式で判断した方が良い。
上下160、左右170度まで明るさや色が正確に見えるという意味では無く、見えない事も無いレベルが多目。左右135度とか狭過ぎるTNも存在するので、TNを選ぶなら見た方が良いかも知れない。ちなみにIPSなら多くが上下180度近い。
2.最大輝度(250cd/m²)
単位はカンデラ毎平方メートルで日本語の通り最大輝度。
基準としては200も有れば充分と思われ、屋外とか日差しの強い窓際ならば300有った方が良いかもと思うくらい。
私が今見ているメインモニタ(FORIS FS2332)も250cd/m²だけれども、輝度は60%まで落としているので150cd/m²くらい。ほぼ常時カーテンを閉めており、蛍光灯は40Wx1つだけなので150がちょうど良い感じ。
3.コントラスト(1000:1)
白と黒の比率、黒が1に対して白は1000。
こちらも輝度と同様に最大1000:1で、最大では色の差がきついので私は少し落としております。コントラスト比が大きいほど色の境界がハッキリするものの上げ過ぎるとキツイ。個人的には500:1でも結構。
4.応答速度(5ms)
単位はmilli second、カナにするとミリ秒。
液晶のドットが反応する速度が5msという意味で、私が利用中のモニタも全て5ms。1/1000秒単位を気にするような使い方ならば気にしましょう。
5.垂直走査周波数(Hz)(56.3~75.0)
別名リフレッシュレート。水平は無視。
なぜ変化するのだろう?変更可能という意味か?最大で良いのでは?と思えばI/Oのページの下に一覧が有り、このモニタはフルHD表示ならば60Hzとの事で解像度別で細かく記載有り。
1秒間に何回描画するかを表しており、60Hzならば60回。これを下回るようだと画面のチラつきが気になる人も居るくらい。60Hzが標準的と思われ、私のモニタも3枚全て60Hz。
6.スピーカー(1W + 1W(ステレオ))
入力1ワットのスピーカーが2個搭載。ワット数が大きいほどデカい音量をまかなえるわけで、1Wでは大きくするほど割れたり雑音まみれになるはず。
多くのモニタ搭載スピーカーは小さな物となっており音楽や映画鑑賞などには向いておらず、Skypeなどの会話用や英語覚える為にラジオを流し続けるくらいの用途になるかと。
7.消費電力(最大27W、通常18.3W、待機0.4W)
最大27Wは最近の20型クラスなら普通に省電力、輝度を落とせば20Wは余裕で切れるでしょうな。PC用モニタで100W超えるような物は30型を余裕で超えると思う。
8.チルト角/スイベル角(上:20°下:5°/ -)
チルトは上下、スイベルは左右。
上20度下5度までスタンドそのまんまで画面の角度を変更出来るという意味で、スイベルは「-」なので角度調整不可。普通、横方向はスタンドごと、モニタ本体丸ごと回すと思う。
9.VESAマウントインターフェイス(100mmピッチ)
モニタアームを取り付けるなら必要となるVESA規格。
VESAマウント100mmならば、VESAに対応している10cm四方のネジの配置になっているという意味。モニタアームなども一般的にはVESA対応なのでサイズだけ気にすればよろしい。
一般的に23型以上は100mm、23型未満は75mmか100mmのいずれか。稀に対応していないアホなモニタも有るので、VESAのアーム付けたり小型PC貼り付けるなら注意。
10.質量スタンドあり(約3.0kg)
PCデスクがしょぼいならば気にした方が良いのが重量。
しかも私のように23.6型3台も設置しており重めなモニタアームも取り付けるならば合計何kgになるか、デスク側の耐荷重量が問題なので個人的に重要なところ。
以上。細かく見るならで、ほとんどの人にはあまり関係無いと思う。
モニタに関してメーカーが教えてくれる事(まとめ)
東芝のテレビにソニーの録画機を接続しソニーへテレビの事を聞いても答えてくれないと同様、ドスパラで購入したPC本体をiiyamaのモニタへ接続してもドスパラはモニタに関して対応する必要は無し。
例外として、DELLやHPのようにモニタも自社ブランドで販売しているとか、マウスやパソコン工房のようにiiyamaが子会社ならばモニタセットで購入するとサポートはしてくれるかも知れない。
しかし、全く別のメーカーの組合せでPCとモニタを購入してもパソコン本体側の事ならサポート有り。
映像を出力する端子まではPCメーカーのサポート範囲なので、今回のI/O~モニタの端子を調べ、「アナログ入力とHDMIとDVI入力の有るモニタは使える?」と聞けば本体側がどうなっているかメーカーは回答可能。
また、PC本体側の事ならば、「HDMIとDVIの同時出力でデュアルディスプレイ出来る?」と聞いても答えてくれるはず。
というわけで、なぜ私が今回20.7型という小さめな上に1万円前後の安物モニタを紹介したかは、PC初心者であろうとデュアル(2画面)をお勧めしたい為。
23.6型以上を2台横並びは設置面積的に厳しいとしても、20型くらいなら2枚置ける人は多いのでは無かろうかと。また、2万円くらいの24型1台より、1万円くらいの20型2台の方が良いのでは、という提案。
TN方式でデュアルは視野角が気になるけれど、TNの多くは上下に弱いだけで左右は自分と水平になるよう設置すればよろしいかと。
ちなみに私は23.6型3枚の内2枚をデスク上へ置きややはみ出し気味、1枚はアームで吊っており完全にデスクの外にはみ出しております。左右のモニタは自分方向へやや傾けているので右はTNだけれども問題無し。
要らない人には2枚とか不要、それより大画面1枚の方が見易いかも知れないけれど、もし画面内が狭いと感じているならマルチディスプレイおすすめ。
但しデジタル入出力でトリプル(3枚)モニタ以上はハードルが一気に上がるのでご注意有れというか考えない方が良いと思う。2枚は簡単、メーカーに聞きましょう。
<参考にしたページ>
>要らない人には2枚とか不要、それより大画面1枚の方が見易いかも
>知れないけれど、もし画面内が狭いと感じているなら
>マルチディスプレイおすすめ。
個人的には画面1枚で十分w
エクセルとネット or パワポ or pdf or etc(各資料)を
並べて表示できればOK
あとは、タスクやタブ切り替えやスクロールで何とかするわ的な。
画面2枚だと目か首がしんどい気がするw
マルチディスプレイ使用中の人はどんな使い方してるの?
たまたまでしょうか。
この液晶にレビューが出てますね。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/yajiuma-mini-review/20160317_748640.html
NTT-X Storeでは、結構掘り出し物に巡り会いますね。
別にショップのヨイショをしているわけではありませんが、NTT系列なので安心感もあります。
>稀に対応していないアホなモニタも有る
俺のモニタのことかwwww
>今回20.7型という小さめな上に1万円前後の安物モニタ
モニターも安くなったねぇw
>23.6型以上を2台横並びは設置面積的に厳しいとしても、20型くらいなら2枚置ける人は多いのでは無かろうかと。
現在は23型モニターを横置き1枚、縦置き2枚、合計2枚並べていますw
>ちなみに私は23.6型3枚の内2枚をデスク上へ置きややはみ出し気味、1枚はアームで吊っており完全にデスクの外にはみ出しております。
WQHDのトリプルも憧れますが、絶対はみ出すんだろうなw
>要らない人には2枚とか不要、それより大画面1枚の方が見易いかも知れないけれど、もし画面内が狭いと感じているならマルチディスプレイおすすめ。
私もそう考えていた時がありましたwそれどころかSXGAで十分と考えていましたw
>映像入力端子
安物のデスクトップだと、HDMIに比べてロイヤリティが安いせいか「映像出力は D-sub と DisplayPort のみ」な事もあるため、特にCPU内蔵GPUのみを使用しているPCの場合、自分が使っているPCの映像出力端子を確認した方が良いですね。「HDMI」と「DisplayPort」は形が似ているため、外見で安易に判断するのは少し危険。
第2回 DisplayPortからD-Subまで――液晶ディスプレイの「映像入力インタフェース」を網羅する | EIZO株式会社
http://www.eizo.co.jp/eizolibrary/other/itmedia02_02/
>光沢は反射する難点はあるけれど映像が綺麗に見える
コントラストが高く見えるというか、色のメリハリが強く鮮やかに見えて、写真や動画を頻繁に映すなら光沢(グレア)が強いですね。事務処理では目潰しにしかなりませんが。
>消費電力
LEDバックライトだと消費電力と共に発熱も減りますから、夏場は重宝しますね。安物のディスプレイは基本的に省機能なためか消費電力が少ないですから、2万円以下のモデルなら消費電力を気にする必要は無いと思います。
ヒツジ先輩が挙げた注意点以外ですと、私は「付属ケーブルの種類」を挙げます。安物のモニタだとHDMI端子が有りながらHDMIケーブルは付属しない場合が多いですから、モニタが届いて繋ごうとしたらケーブルが無く電器屋へ走る、という面倒なことになります。