ツクモがMX 150搭載ノートの価格を値下げ。
時々目にするGeForce MX 150なるモバイル用ビデオカードを載せた3種類を以前から販売しており、最上位のCore i7搭載モデルが10万円を切る価格設定になったので勝手に宣伝して差し上げようかと。
主にMX 150の性能比較で。
ツクモがGeForce MX 150搭載ノートPCを値下げ
こちらの3機種が値下げしたノート。
どのくらいの値下げかは3種類全てで税別マイナス5千円。
お求めやすくなったかは個人差はあるとしてもパーツの価格や性能で見ると確かにコスパはよろしい印象。
全モデル共通でメモリ8GB、GeForce MX 150搭載、フルHD15.6型IPS液晶。違いはCPUがCore i3、i5、i7の他、Core i3の最安ノートだけはストレージがHDD 500GBとなっており価格もそれなりの差。
ITmediaの提灯らしき記事が苦しそうで面白い。
重量は約2.3kg。自動車での移動や長期の出張であれば持ち運びも視野に入るギリギリの大きさだ。
source:超快適ノートPCが10万円で手に入る 「eX.computer note N1544J」のコスパがすごい (1/2) - ITmedia PC USER
2.3kgを分かりにくく言うと、キティちゃん2.6人分くらいの重さ。
2.3kgで15.6型のクソ重いデカいノートを出張で?長期だとか自動車で運ぶとか無理がありすぎでは無かろうか。どうしてモバイルにも、としてしまったのか不明。
2ページ目より。
結果は満充電の状態からバッテリー残量が5%になるまで198分動作した。公称の約4時間には届かなかったものの、(中略)、3時間以上のバッテリー性能は停電時などの簡易UPS代わりとしても便利だ。
ノートPCのバッテリを簡易UPS(無停電電源装置)代わりとして提案する辺りも苦しそう。いや、確かにそうだろうし私も時々そういう表現はするが、あえて突っ込むところなのか。
私ならば、「いくらCPUとGPUが省電力とはいえ、性能の高さからバッテリは3.3時間しかもたなかった。しかし15.6型2.3kgはモバイル用途では無いため、自室から居間、事務所から会議室への移動で電源を切る必要がないとするなら問題にはならない」にする。
突出した部分はないが、大きな欠点もない、というのが本製品の総評だ。
「何の特徴もない」とも言えますな。大丈夫かこのライター殿は。もしかして、プロなりのかなり高度な笑わせる作文なのだろうかと思った。
しかし確かに私もそう思う。何の特徴もない、悪い言い方をするとかなり中途半端なのでどのような用途に最適なのか全然思い浮かばず。
省電力ノート用グラボGeForce MX150の性能は?
相変わらずNVIDIA公式は詳細が無いので詳しいスペック見るならこちら。
source:NVIDIA GeForce MX150 | TechPowerUp GPU Database
後で結果発表があるものを先に言ってしまうとGeForce GTX 1050くらい。VRAM 2GBでクロックもそう変わらないけれど、特徴はモバイルとして、ノート用のACアダプタで余裕で動作するためと思われるTDP 30Wは凄い。
ツクモのノートでは3.3時間しか動かないけれど。しかもGPU負荷かけて3.3時間ではなく、モニタの輝度を40%まで落とすというチート状態での計測なので、ゲームをバッテリ駆動は無理があると思う。
Core i5モデルでのベンチマークとMX 150の性能
ITmediaで3D Mark系のベンチ各種。
Core i5搭載モデルでのPC Mark10のスコアは3,258との事。
3D MarkはResultを検索できるので調べてみた。ここからの結果一覧は全てCPUをツクモのCore i5-7300HQに合わせており、近いスコアとグラフィック部分以外を暗めに加工。
Search
https://www.3dmark.com/search
全く同じスコアは同じくなMX 150。そのスコアの周囲を見るとGeForce GTX 1050ばかりですな。
次はFire Strike ExtremeがITmediaでスコア1,693なので検索。
少し下にGeForce 950Mがございます。左のランキングのような数値は気にせず。私が適当に範囲指定しただけなので深い意味はございません。
次、Fire Strikeは3,304なので合わせて検索。
やはりMX 150と950Mが同じくらいの結果。
その他、ITmedia計測のSky Diver、Cloud Gate、Ice Storm Extreme、Ice Stormの4種類を検索するとやはりGTX 1050と950M、そしてMX 150が出ておりました。ちなみにITmediaがTime Spyと書いているスクリーンショットはIce Stormなので誤り。
PassMarkも一応。
source:PassMark - Video Card Benchmarks - High End Video Cards
950Mとだいたい同じくらい。
GTX 1050はどこへ行ったのか探すともっと上、スコア4,390なので2.3倍もの開きがございます。1050はデスクトップ用とモバイルでそこまで違うのだろうか。
CPUの性能差でベンチスコアはどの程度変わる?
Game WatchがツクモのCore i7仕様でベンチしておりました。
ツクモ「eX.computer note N1544J-720/T」レビュー - GAME Watch
https://game.watch.impress.co.jp/docs/review/1085874.html
CPUの性能はCore i7の方がクロック300MHz高くHT対応。
- Core i7-7700HQ(2.8-3.8GHz、4コア/HT、6MB、TDP 45W)
- Core i5-7300HQ(2.5-3.5GHz、4コア、6MB、TDP 45W)
ITmediaのCore i5との比較をグラフ化。
Ice Storm Extremeのせいで見づらくなってしまった。
重いベンチほどグラフィック性能がボトルネックとなりCPU性能が高くとも意味が薄くなり、グラフィック性能が足りているならCPUでの差はつく、という事にしておきましょうか。正直よくわからん。
中途半端な性能のCPUとグラボで何をするか疑問
MX 150のベンチマークはCPUなど含めたトータルスコアがGTX 1050、GTX 950Mと同じくらい。GeForce 10シリーズはデスクトップとモバイルで性能差が大して無いならこの辺り。
GTX 1050で検索した人気ランキングの高い順。
source:価格.com - GTX 1050のグラボ人気ランキング
最高45位は存在が空気。
なぜここまで人気無いかはデスクトップPC用は1ランク上のGTX 1050 Tiが+5千円くらいで買えてしまえる上に性能は1050より高めなのでそちらへ流れているのだと予想。
1050 Tiが無ければ1060はハードルが結構上がってしまい1050無印で妥協する人は増えるだろうとして、性能低めでも需要はあるとしても何に使うのか。
デスクトップならばバランスを考えてCPUはPentium Gくらいにすれば総額6万円くらいになるところ、ノートは完成品でメーカーが構成するのでいくらツクモが値下げしても割高な印象。
更にPassMarkのGTX 1050のスコアはデスクトップ用であり、3D Markの検索結果のGTX 1050はモバイルだとするなら差はかなり広くなり、デスクトップ用1050の1/2以下の性能。
メモリ8GBは今時ならば解る、CPUがCore i3までは良いとしてi5やi7は必要か?最大の謎はMX 150で何をするのか。ゲーム用としては中途半端に性能低い、事務用としては中途半端に性能高くないだろうか。
ノートでゲームしたいなら予算は15万円以上、しないなら8万円以下でOKと考える私には理解できないけれど、MX 150採用に「こういうのを待っていた」と思う人が居るのだろうか。
省電力CPUに省電力ビデオカードでノート売ってみたかった感が凄い。予想以上に売れず値下げしたのだろうと予想。
おまけ:他のサイトでのGTX 1050のデスクvsモバイルvsMX 150
どうしても気になるので調べて来た。
まずはGTX 1050のデスクトップとモバイル。
source:GeForce GTX 1050 Mobile vs 1050
ややモバイルが下なもののだいたい同じか。
次、MX 150対デスクトップ版GTX 1050。
source:GeForce MX150 vs GTX 1050
やはりやや下回るものの大差無し。
ラスト、MX 150とモバイル1050。
source:GeForce MX150 vs GTX 1050 Mobile
わけがわからないよ・・・
>重量は約2.3kg
15.6型で2.45kgのノートを持ち運んでいる私は異常だと。出張もコレですよ。慣れれば重くても問題なし。基本的にPCバッグはサイズが大きいほど高値なため、持ち運び用途にPCを買うなら、なるべく小さい方が何事においても得ではあります。
>突出した部分はないが、大きな欠点もない、
それ一般的には「コストパフォーマンスが悪い」と評されるモデルでは無かろうか。
>GeForce GTX 1050くらい
いやそれは全然ちがいます。
GTX 1050
シェーダ数:640基
GPUクロック:1,354~1,455MHz
メモリバス幅:128bit
メモリ帯域:112GB/s
MX 150
シェーダ数:384基
GPUクロック:1,227~1,468MHz
メモリバス幅:64bit
メモリ帯域:48GB/s
GT 1030
シェーダ数:384基
GPUクロック:1,227~1,468MHz
メモリバス幅:64bit
メモリ帯域:48GB/s
という感じで、どう考えてもGT 1030と同等。懐かしのGT 740より少し上、と思えば良いくらい。ちなみにGT 1030のTDPも30W。ひとことで言えばローエンドGPU。
>PC Mark10
PCMark 10は無料のベージックエディションですと、あまりGPUに負担を掛ける処理が行なえませんから、CPUの性能を測ったと見るのが妥当かと。i5-7300HQに載っているGPUが似たようなモノ、という結果。
>MX 150と950Mが同じくらいの結果
「MX 150の3D性能は940Mの1.33倍」とNVIDIAが謳っていますから、ストライクな性能なのでは。
4Gamer.net - NVIDIA,ノートPC向けGPU「GeForce MX150」を発表。Pascal世代のエントリーモデルは「940MXより33%速い」
http://www.4gamer.net/games/382/G038221/20170527002/
>1ランク上のGTX 1050 Tiが+5千円くらいで買えてしまえる
ついでにGTX 1050Tiは、補助電源不要のグラボで今のところ最上位の性能ですから、どうせ買うならTiを選ぶ方が多いと予想。
ひとつ訂正。
海外記事やベンチマークサイトでは「MX 150のGPUクロックは1,227MHz~1,468MHz」と表記しているところが多いですけれど、日本のニュースサイトやブログ等では「1,468MHz~1,532MHz」前後と表記しているところも散見されます。
もしかしたら海外向けと日本向け、またノートPCのモデルにより若干の上下があるのやも。流石に演算ユニットやバンド幅などまでは変わらないため、GPUクロックが上がっても性能の向上は僅かでしょうが、GT 1030と全く同じという訳では無いらしい、ということで。
>どのような用途に最適なのか
低〜中の画質でゲーム用に使うパソコンだと思いますよ。
その記事にも「ファイナルファンタジー XIV 紅蓮のリベレーター」のベンチマークが貼ってありますので軽くゲーム用途だとおもいますよ。
私はゲームはしないので他はわかりません。
>持ち運びも視野に入るギリギリの大きさ
出張には間違いなく向いていないかと。
出張や持ち運びたいなら別のノートパソコンがいいです。
一応持ち運べるだけです。
>GeForce MX150の性能
適当ですがファイナルファンタジーのベンチマークも最高品質が3658ほぼ同じなので多分950Mと同じくらいの性能だと思います。
こちらの950Mを参考にしました。
mouse m-Book K の実機レビュー/一般向けノートPCとしては高性能 - the比較 http://thehikaku.net/pc/mouse/17m-book-k.html
NVIDIAがGeForceのノート用GPUのMを省いてしまったので混乱するのでデスクトップならGeForce GTX 1050ノート用ならGeForce GTX 1050Mのようにして欲しかった。
>2.3kgで15.6型のクソ重いデカいノートを出張で?
背負ってしまえば、気にならない気もしますね。最近はビジネスリュックも浸透しているようですし。
サンワダイレクト スクエアリュック ブラック 200-BAGBP004BK
https://www.amazon.co.jp/dp/B00ZTN2KA6
手持ちの15.6インチのノートPCは奥行き25cmでしたので、バッグの方は横27cmも有れば、インナーバッグに入れた15.6インチのノートPCも入ると思います。
出張なら、27L位のアウトドアリュックの方が向いているかもしれませんね。
>MX 150採用に「こういうのを待っていた」と思う人が居るのだろうか
4コアのi5で10万円を切ってますので、居ると思いますよ。
10万円って、予算のひとつの分水嶺な気がします。
(メモリ16GBとHDD1TBを追加したら、120,000円弱になりました…)
最新GPU GeForce MX150を搭載したスタンダードノート[N1544Jシリーズ]を9月22日に新発売!
https://blog.tsukumo.co.jp/ex/2017/09/gpu_geforce_mx150922.html
自力での換装は可能っぽく見えますね。裏蓋を外すだけのようなので。
HDD非搭載でも、HDD用のブラケットも付いているようです。(左下の方)
「保証などに影響無く換装可能」なら、HDDは7mm厚の2TBの物も有りますし、選択肢は増えますね。
メモリは価格的に悩むところですけど。
・ITmediaの記事より抜粋
高品質(ノートPC)解像度1280×720 8972 非常に快適
最高品質(ノートPC)解像度1280×720 6805 とても快適
最高品質かつ解像度1920×1080 3685 快適
MX150の場合、FHD(1920×1080)では設定を変更しないと不安が残りますが、HD(1280×720)では快適に遊べそうです。
高品質より下の設定にすれば、HD+(1600X600)あたりでも「とても快適」付近にはなりそうです。
FF14は、処理が重い方のゲームになるので、遊べるゲームの幅はとても広いという事になりますね。
全てのゲームをFHDで遊びたいという層には向きませんが、ライトゲーマー層にはアリだと思います。
GPU計24製品で試す「FFXIV 紅蓮のリベレーター」公式ベンチマーク。平均60fpsを得るのに必要なスコアはいくつなのか - 4Gamer.net
http://www.4gamer.net/games/360/G036007/20170505001/
●ベンチマークスコアとプレイの目安
7000以上:非常に快適
5000~6999:とても快適
3500~4999:快適
2500~3499:やや快適
2000~2499:普通
1500~1999:設定変更を推奨
1000~1499:設定変更が必要
1000未満:動作困難