パソコンのメーカーと価格と質について。
先日書いた性能と価格の比較とは見方を変え、今回はメーカーと質と価格。前回はメーカーやブランドの好き嫌いは個人の趣味で有り、他人に押し付けるものでは無いとして参りましたが、NEC信者と思われる人から超長文メールが来たのでネタに。
BTOメーカーより、3種類のコンピュータを挙げて参ります。
量産系BTOメーカーが最近発売した高額PC3つ
私が勝手に量産系と定義している、ドスパラ、マウス、パソコン工房などは、自作PCより安くなるとしコストパフォーマンスの面で良いとしておりますが、それらのメーカーでも高額高級な物はございます。
そのようなPCは需要が限られておりマニアック。特定の専門知識を持った人が自力で探したり、メーカーの営業が紹介するものなので滅多にここで書かないだけ。
2012年3月に出た物を3種類見て参りましょう。
パソコン工房よりゲーム用PC発売(約39~48万円)
最も安い標準構成でも約39万円もするゲームPC。
ゲーム用パソコンは主にCPUとグラフィック性能が高くなり、最も価格が跳ね上がり易いパーツ。しかし普通の高性能ゲームPCでもパソコン工房なら12万円くらいで有るもの。
何故39万円か、特徴と言える性能を抜粋。
- ケースがアルミ製、内部をゲームPC用に設計
- 高性能グラフィックボード(GTX580-1.5GB)2枚挿し
- インテルの最新チップセットと高性能CPUの組合せ
- 大容量SSD(240GB)2台を繋げて高速化(RAID0)
- 読み書きブルーレイ、大容量HDD(3TB)も標準搭載
上記は39万円の内容の一部。最上位の標準構成約48万円モデルは、どのように組み立てると最高額に近付けるかを試してみたような構成。
パソコン工房がこれを本気で売っているとは思えず、発売当時はGTX680が出る直前なので年に数回ニュースに流す看板用と推測しております。
マウスコンピュータよりデザイン用PC発売(約47万円)
設計やデザインなどの3Dグラフィック、動画制作用のパソコン。
画像はイメージ、本体のみで約47万円となっており、このクラスのPCを使うならモニタは10万円以上のナナオ製品になると思われ総額は60万円とか。
更に3D CADやAdobe製品が入り、大型プリンタも必要なら総額100万円を超えるも珍しくは無し。PC本体のみの買い換えなら約47万円という事。
特徴は
- 高性能CPU(i7-3960X)を搭載し、冷却は簡易水冷
- 大容量SSD(240GB)とHDD(2TB)、メモリ64GB標準
- グラフィックボードはOpenGL用のQuadro 5000-2.5GB
パソコン工房のゲームPC程ストレージ(SSD、HDD)が大容量では無い理由は、グラフィックボードが超高額なので実用を考え抑えたと推測。
高額なものの本当に業務用として使えるつもりで構成されており、2012年3月現在ではマウスコンピューターのクリエイターPCの最上位。
グラフィックボードは更に上の物が有るけれど、最上位のQuadroはグラフィックボードのみで50万円を超える為、いくら何でもやり過ぎでしょう。
ドスパラより法人用サーバーやWS発売(約28~116万円)
ドスパラの法人部門が売っているサーバーやワークステーション。
上の画像はDVDドライブや3.5インチHDDの4連結では無く、ラックサーバーというもので、これ単体で設置するのでは無く、サーバーラックにマウントして使う物。
イメージを@ITより拝借。
source:富士通、大規模データセンター向けサーバ新製品を発表 - @IT
大企業以外に身近な所では、今読んでいるBTOパソコン.jpが置かれているレンタルサーバー(さくらインターネット)もこのような感じと予想。
私がサーバーの事を良く知らない上、特徴を書いても普通のパソコンとは違うのでピンと来ないかも知れないけれど、似せて特徴を一応挙げると
- インテルの主にサーバー用CPU、Xeon2個搭載
- メモリはECC(エラー訂正)対応、最大384GB
- OSは用途で変わる為、Windows標準では無し
国内ではNEC、富士通、日本HP、DELLがこの手のサーバーを扱っており、ドスパラの違う所は買い切りになっている事。
リースやサポート契約という形式では無いようで、自社で何とかするか卸として販売しているのでしょう。
以上、メーカー別で3種類。3月の1ヶ月間でこれだけの物が出ており、他のBTOメーカーも合わせて年間通せば特殊で高額なPCは結構な数が出ているでしょう。
NECパソコンは国産で品質が良いから高額と思っている人へ
NEC信者と思われる人からのメールを要約すると以下。
- NECは一流の国内メーカー、中国製BTOパソコンなんかとは違う
- 高額な価格設定は国産で品質が良い為で中国製とは比較不可
- 現代のユーザが求めているものは性能ではなく機能や使い方
3は同意。有名メーカーPCの性能が(BTOパソコンと比較し)低めで高額な設定は昔から。しかし、2012年現在のCPUやグラフィック性能は大抵が何でも高性能で、メモリとHDDは大容量過ぎる割に価格は下がる一方。
一般的な用途から考えると、普通の人なら今時のパソコンはメーカー問わず充分な性能と容量になっております。
しかし1と2は妄想や思い込みで、NECも10年くらい前までは国内で製造していたかも知れないけれど、現在は富士通とパナソニックが自慢しているくらい国内製造は少なくNECは違うでしょう。
また、国内製造とはマザーボードの一部やケースの一部くらいのもので、中身のパーツはほぼ全て海外製品。先日の日曜まとめで書いたので詳しくはレノボの日本製と言いたがる疑問にて。
その他、NEC全盛期の昔話が6割くらい書かれておりましたが読む気がせず。1990年代に何が有ったのかという知識の量は凄いけれど、現代では役に立たない質の無い事を一方的に伝えようとしても意味が無い。
今回挙げたの3機種は、BTOメーカーでも高額なPCなど販売している事と、価格が品質とはほぼ無関係と言いたかった為。
BTOメーカーの価格設定は私でも分かるくらい根拠が有り、PC工房は高性能グラボが2枚とSSDで240GBとか無茶をしている為で、マウスはグラボだけで20万円もする物、ドスパラはサーバーなので知らないけれど115万円ワークステーションはCPU2個だけで40万円相当。
NECや富士通のPCがなぜ3~4ヶ月で半値程度になるか考えると、単純に小売の利益が50%以上乗っていると言えましょう。20万円が10万円になるという事は、元から10万円程度の価値であり、品質が比例するなら10万円の質の物を20万円で販売していた事なり良いとは言えず。
NECが標準の時代は軽く10年以上前に終わっており、今はPCというハードウェアのメーカーで比較するものでは無く、WindowsかApple系かAndroidか。
根拠が無いのでNECの品質が悪いとは言わないけれど、同時に良いとも言えないでしょう。信者は自己満足で完結し、他人へ押し付けようとしないように。
有名メーカーとBTOメーカーのパソコンの売り方の違い(まとめ)
BTOパソコンと有名メーカーの売り方の違いは
- BTO・・使用目的が明確な人用に低価格で性能の組合せを提示
- メーカー・・誰にでも何にでもある程度の事に使えるよう機能を満載
釣り好きがロッドやリールに数十万や数百万円出すように、高性能PC好きでゲームが人生ならパソコン工房の看板PCを購入するもおかしくは無し。
クリエイターで儲かっているならマウスの高級PCは作業効率以外に節税にも最適。サポート不要な環境なら、ドスパラのサーバーは安いでしょう。知らないけれど。
有名メーカーのパソコンは、特に何をしたいという目的が無く、パソコンでインターネットや色々やりたい人用。機能以外にバンドルの試用ソフトも満載されているのはそれが理由。
安く買いたいなら量産系BTOパソコン。こだわりたいなら自作やショップPC。特に決まっておらず家電メーカーが良いならNECなどでもよろしいかと。
私はPCに関して本当にメーカーはどうでも良いと思っており、どうしてもという特定のメーカーやブランドがなければこだわるのはやめましょう。選択肢が狭まるだけ損。
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