良く解らない物を購入する際、価値を判断する指標の一つが価格。
価格と同時にパソコン場合は、有名メーカーで高性能かつ高機能そして発売間もない新製品が高くなるもの。NECのインテルCPU搭載な地デジ3D対応一体型PC新製品などが笑える程の高額になるように。
パソコンという物の価値について、PC初心者用に書いて参ります。
先に有名メーカーやブランドという個人の趣味のような価値を外して考える事に。BTOパソコンは、用途を満たす性能を可能な限り安くが目的になる為。
車に置き換えると分り易いでしょうか。
- NECの高機能一体型(30万円)・・トヨタ アルファード(500万円)
- 日本HPの高性能ノート(12万円)・・マツダ RX-8(300万円)
- ドスパラの低価格ノート(3万円)・・ダイハツ ミゼット2(80万円)
頻繁に家族で旅行に行くなら高級大型車が良いかも知れないけれど、業務用で配達に使うなら安く小回りが利く軽自動車の方が良いでしょう。
片道10分通勤の為だけに燃費の悪いスポーツカーはどうかと思われ、カーレースで大型車は用途としておかしい。
用途から考えると、スバルや日産などの名前は関係無く個人の趣味。NECや富士通、ドスパラやDELLも同じように各々の好き嫌い程度。
パソコンは車と比較し中身はメーカー関わらずほぼ同じなので、メーカーで良し悪しをいう理由が更に無し。同じインテルやAMDのCPU、ASUSやECSのマザーボードやベアボーン。HDD、SSD、メモリ、光学ドライブも製造メーカーはだいたい決まっている物。
というわけでパソコンの場合、NECは高いから物が良い、DELLは安いから悪いという事にはならず価値の選択から除外し次へ。
マウスとPC工房のノートを例にするけれど、ここからもメーカーやブランドは無視し、価格や性能で見て参りましょう。
マウスコンピューターよりSSD+HDD搭載ノート発売
マウスより、高性能ノートの新製品。
もはや2ストレージ構成、SSDとHDDの同時搭載は珍しく無くなって来たけれど、価格が性能の割に控えめでグラフィックカードが標準搭載。
最小構成は標準価格で約12万円(119,700円)。
主な仕様を一覧。オタク用なので解らない箇所は飛ばしてどうぞ。
- OS:Windows7 Home Premium 64ビット
- CPU:Core i7-2670QM(2.2-3.1GHz、4コア/HT対応、6MB)
- メモリ:4GBx1(PC3-10600 DDR3 SODIMM)
- グラフィック:GeForce GTX560M-1536MB
- モニタ:15.6型光沢(解像度:1920x1080)
- ストレージ1:インテルSSD 520シリーズ 120GB(SATA3)
- ストレージ2:HDD 500GB(SATA、5,400rpm)
- 光学ドライブ:※無し
- 端子:USB2.0x3、USB3.0x2、1000Base-T対応、IEEE1394x1、eSATAx1(USB2.0x1共用)、DVI-Ix1、HDMIx1、S/PDIFx1 など
- 無線:IEEE 802.11 b/g/n、BlueTooth3.0+HS
- バッテリ駆動:約3時間
- 重量:約3.17kg
このシリーズでは最安の構成なのでメモリがこれでもやや少なめ。グラフィックカードはベアボーン(ノート本体部分)一式に内蔵されていると思われ、上位機種でも同じくGTX560Mとなっており中程度の性能。
特徴は2ストレージで起動用にSSD、データ保存用でHDD。SSDは起動用という程の小容量では無く、コストパフォーマンスが悪くならない境界線の120GBを搭載。ノートで計620GBは凄い。上位機種ではHDD容量が2倍の1TBもでかい。
その他は全体的に高額なノートに有り勝ちな高性能仕様となっており、代償としてバッテリ駆動が短く重量は半固定になるレベル。
能書きは敢えてここまでとし、以前1本書いたパソコン工房のレサンセ ノート(ウルトラブック)を再度引き出し。
約12万円と6万円のノートPCを性能と価格で比較
価格は約6万円なので、マウスの高性能ノートの約半額。送料を入れると半値以下になる事も実際の購入時は注目する所。
同じように主な仕様を一覧。
こちらはかなり省略しており、端子類は大した特徴が無かった為に書いていない物がございます。
- OS:Windows7 Home Premium 32/64bit(セレクタブル)
- CPU:Core i5 2467M(1.6-2.3GHz、2コア/HT対応、3MB)
- グラフィック:インテルHD Graphics 3000 ※CPUに内蔵
- メモリ:4GBx1(空きスロット0)※最大4GB
- ストレージ1:SSD 64GB(起動ドライブ)
- ストレージ2:HDD 500GB
- 光学ドライブ:※無し
- モニタ:14型ワイド光沢液晶(解像度:1366x768)
- LAN:無線 IEEE802.11b/g/n、有線 1000BASE-T
- バッテリ駆動:約5時間 ※JEITA測定法
- サイズ:幅333mmx奥230mmx高19mm ※突起含まず
- 重量:約1.64kg ※バッテリ含む
これとマウスの高性能ノートを比較すると、マウスPCが勝る箇所は
- CPUが高性能
- グラフィック性能が上
- メモリの増設可能容量が8倍
- SSD容量が大きく(おそらく)速度も上
- 画面が1インチ大きく、解像度が1ランク上
- USB3.0有り、その他接続用の種類と数が多い
パソコン工房のウルトラブックが勝っていると思う所は
- バッテリ駆動がやや長め
- 重量が半分くらい
- やや小型
- 薄い
性能で比較するとマウスノートが明らかに上、工房ウルトラブックはノートPCという物体としてやや利点かと言える程度。
では、マウスノートの利点に対して約6万円の価値が有るか考えてみましょう。先に私がこのノートを購入する属性、ゲーマーや動画編集者になったつもりで。
意味不明な所は飛ばしても問題無し。
CPU:Core i7-2670QM(2.2-3.1GHz、4コア/HT対応、6MB)
ゲーム用として考えるとクロック周波数がやや低いけれど、上位機種のi7-2860QM搭載ノートは約20万円もするのでコストパフォーマンスが悪い。予算を12万円くらいとするならこの程度になるでしょう。
メモリ:4GBx1(PC3-10600 DDR3 SODIMM)※最大32GB
標準4GBでは将来性にやや不安なものの、最大32GBという事は2012年現在の市販品から考えて4スロット(最大8GBx4枚)と思われ、増設(改造)前提なら安物ウルトラブックより有利。Windows7はHome~で良いので16GB(4GBx4)への変更が最大としすると増設費用も現実的。
グラフィック:GeForce GTX560M-1536MB
DirectX11なので9までのゲームではどうかと思われ、性能もかなり高いとは言えず、やはり本体12万円という価格から考えると妥当。増設グラフィックによるVRAMの多さはエンコードにも有利。
モニタ:15.6型光沢(解像度:1920x1080)
ゲームをするなら視界が広い事は重要で、ものにより性能以上の利点。モニタサイズが小さい気がするけれど、これ以上を求めるならデスクトップにした方が良いと思うので、ノートという使い方として15.6型は妥当か。
ストレージ1:インテルSSD 520シリーズ 120GB(SATA3)
ゲームはキャッシュや一時ファイルをSSDに置き、スクリーンショットや動画はHDDへ保存。地デジ録画や編集をする際のデータは500GBや1TBでも足りないかも知れない為、USB3.0接続のHDDへ逃す前提。
以上は私が仮想ゲーマー&動画編集ユーザになったつもりの感想文。
現実は事務用やブログを書くくらいにしか使っていない為、ライトユーザの感覚で価格も更に考慮しつつ書いて行くと。
- CPU:i7-2670QM・・確実に性能を全て使い切る事が出来ず
- メモリ:4GBx1・・4GBでも充分な大容量、2GBでも良いくらい
- グラボ:GTX560M・・CPUの内蔵グラフィックで充分、確実に不要
- モニタ:15.6型フルHD・・表示が小さくなるので1366x768HDで良い
- SSD:インテル120GB・・有った方が良いが市販約16千円は高過ぎ
インターフェイスも差が有るので全部ケチを付けて行くと
- USB3.0・・HDD500GBも有れば外付HDD不要
- IEEE1394・・今更な規格、対応機器の所有無し
- eSATAx1・・同上、外部電源の配線が鬱陶しい
- DVI-I、HDMI・・ノートで映像を外部出力しない
- S/PDIF・・音声デジタル転送に興味や機器無し
- BlueTooth・・必要な時にUSB用を約千円で買う
こうなるとマウスノートの約6万円差はライトユーザなら無駄金。
1つ強引過ぎた点はUSB3.0で、バックアップに慣れていない(NASやサーバが無い)ユーザなら大きな利点。
他は全てオーバースペック、または使わない機能に金を出す事に。
価格や性能の高いPCが安物より良いとは限らない(まとめ)
「とりあえず一番いいやつをくれ」は、短距離の通勤専用に維持費の高いスポーツカーを使っているようなもの。
その車(マウスの高性能ノート)が好きで使用し、走行(ゲームなど)が趣味なら良いけれど、性能と価格を理解せず購入すると金の無駄になり、その予算で周辺機器を揃えた方が良かろうという事でございます。
駄目押しで高性能「ノート」PCの難点を挙げると
- 性能の割に高額、2年程度で低性能化
- 高熱や高回転で故障率や騒音が上昇
- 修理費が他のパソコンと比較し高額
パソコンは進化の速度がやたら早く、現在超高性能でも2年も経てば超も付かず高性能とさえ言えない物になるもの。
ノートに限らないけれど、性能を高くする事は冷却ファンの回転数が高くなる以外、限界に近付ける事なので故障の点でも不安が有り、修理費用は当時の価格でやるものなので経年に比例しコストパフォーマンスは悪化。
価格と性能を求めるならデスクトップ、手軽に使うなら安価なノート。高性能ノートは趣味や金持ちの道楽なので、それを理解して購入しなければ後悔する元になり易く御注意有れ。
用途無くして性能や価格を語る事は出来ない為、性能と価格、更にメーカー名で良し悪しを言う意見は話半分か3割くらい、または嘘かも知れないと疑いましょう。
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