和式新年4月、平成29年度開始。
約3年間にもわたる前年割れが続いた後、4年目最初の月となる今回も出荷台数はやや割れており、しかし昨年よりこれが今後の平常運転的な国内PC出荷数なのだろうと思える数値が出ております。
いつも通り前年比から。
国内パソコン出荷台数の前年比推移
ソースはこちらの2017年。
JEITA / 統計データ
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/
JEITAコメントより。
4月は、台数が前年に対し微減となったものの、金額は前年を上回った。
その微減した台数の前年比推移がこちら。
前年との比較なので、過去が上がれば未来は下がり逆もアリ。
しばらく経過して見ると、昨年6月頃から100%の前後というか上下付近で推移しており、2016年6月頃で出荷台数は底打ちしたと見て良さそうな流れ。
カテゴリ別。
珍しくずば抜けて100%を上回った一体型デスクトップ。
しかしオールインワンは分母が小さいので大きめに上下しようと全体への影響力は少なくブレ易いとしてスルーし、それ以外は全体的にマイナス。
JEITAの台数はNEC富士通レノボに多いノートPCが大きめに影響するのでA4ノート次第になりがち。
昨年と同程度の出荷台数と金額になりそう
折れ線グラフながら1つでは線が出ないので丸を付けた赤いやつが今回。
台数と金額いずれも昨年と一昨年同じくらいで、来月の台数は40~50万台、金額は400~500億円辺り、またはその範囲の上下大きくは外れないかと。
単純計算でパソコン1台あたりの単価が10万円は、DELLやマウスなどの大手ながら安いPCが入っていないので高めに出ているのでしょう。JEITAのいう国内PCとは約75%、3/4がNECレノボ、富士通、東芝な為。Apple入れると8割超える。
XP終了祭りの前と後の年度を足して2で割り算したグラフ。
これはもう完全にXPから7への移行が終わり、平均年の後からパソコン買い替え需要が激減した証拠と言えるのでは無かろうか。
スマホがタブレットがApple Watchがという問題では無く、明らかにXPが7が7がであること明白。ちなみにApple Watchは関係無い。
過去比と称した、まだパソコン売れまくっていた2011~2012年度の平均と本年度の比較。4月のみでは寂しいので前年度も上へ入れてみた。
5~6年くらい前と比較し出荷台数は5~7割にまで減少。
金額が2~4割減に抑えられているのは単純に単価が上がった、言い換えると需要無さ過ぎる割に2in1とか面倒な設計により高額化してしまい、それも台数減少につながっていそう。
私がPCメーカーならば2in1などのタッチ操作可能なタイプは全機種の2割未満とするか、1機種のみ試しに出しておく感じになるほど求められていない、その根拠がこちらのアンケート結果。
source:BTOパソコン.jp内ミニアンケート調査結果(2017年3月) - BTOパソコン.jp
メーカーさん、現実を見たり知ったりで製品を作り売ってくれ、と。
今後2年間は過去2年間と似た推移になると推測
出荷台数の過去6年分と本年度今月までの一覧。
オレンジはXP終了祭りなので爆売れした期間。その後はクールダウンし、祭り終了後の年度にて月ごとに比較しており、青が濃いほど同月の数値が悪い事を表現。
本年度4月は僅差でワーストとなり、他の月を見ると上下はあるものの過去2年と似たような数値になりそう。
この流れは来年、2018年度の右端3月辺りまで続くはずで、2019年度の左端4月からは2013年度6月からのような推移になるはず。実質、2019年12月で7終わるので。
本年度でXP終了祭り時に購入したPCは4年となり、買い換える人や企業が徐々に増えるやも知れず。但し同時にNECなどが規模を縮小して行くとも考えられ、需要は微増するも供給が微減して行く可能性も考えられるところ。
しかしそれは個人向け、家電量販店での話であり、法人の場合は代理店を通じた文字通りなBuild to Order、BTO状態で納品する事もあるだろうから、受注があれば作るでしょう。
問題はNECや富士通からPC導入していた企業がDELLや日本HPへ流れた場合。レノボならば(JEITA統計に出る意味で)良いけれど、他の外資系はApple以外JEITA統計に参加しておらず、数値に現れなくなってしまう。
実際どうなのかは、MM総研がそろそろ洋式の2016年度のメーカー別国内PC出荷シェアを出してくれるはずなので、それ見てJEITAどうなのか判断するべきでしょうな。
あまりにも乖離する(かけ離れる)ようならJEITA統計を見ての感想文はやめる予定で考えているけれど、毎月1本記事確定ネタが消えるのは割と困る。
>ソースはこちらの2017年
前々から思っていたのですけれど、JEITAへのリンク先が間違っていませんかね。「JEITA / 統計データ」と「http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/」のリンク先です。
JEITA / 統計データ
→リンク先は基本的に「www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/」
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/
→リンク先はいつも「www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/2015/」
2016年の記事から、ソースはこちら、としつつリンク先が2015年の集計結果に飛んでいました。たまに「JEITA / 統計データ」も2015年の集計結果へリンクされていることもありましたから、傾向を完璧に把握することはできず。2015年の集計結果以外へ飛んだことはありません。
自分で集計結果を確認するときに「あれ数字が違う」→「2015年だコレ」になるのが少し面倒なため、理由が分かるなら修正して下さると幸い。
>珍しくずば抜けて100%を上回った一体型デスクトップ
家族共用のPCとしては、一体型がそれなりに人気ですね。4万2,000台から5万6,000台ですから、1万4,000台のプラス。全PCの出荷台数は47万2,000台ですから、1万4,000台は全体で見ると3%くらいの影響力。確かに弱い。
>5~6年くらい前と比較し出荷台数は5~7割にまで減少。
ちなみにJEITA統計だと
2011年4月……90万4,000台
2012年4月……93万9,000台
2013年4月……64万9,000台
2014年4月……95万4,000台
2015年4月……47万3,000台
2016年4月……47万8,000台
2017年4月……47万2,000台
といった流れ。Windows7があればずっと90万台を維持していたとは全く思えませんが、OSが不出来でもPCそのものの魅力で40万台は売れる、と思えば強みが見えます。
>2in1などのタッチ操作可能なタイプ
仮面ライダーとかウルトラマンが大きな子供にも人気でしたから、PCも変身した方が人気が出るとでも思ったのでしょうかね。