国内PC出荷台数、9月度はモバイル447%(by.JEITA)

2020年11月 7日

JEITAが2020年9月のデータを公開。

前月に続き今月もモバイルノートが暴走しており、タイトルの通り前年比で447%という、4倍以上の出荷台数を記録。8月の時はJEITAが間違えているのかとも思ったけれどGIGAスクール構想の影響で間違いなし。

適当に見て参りましょう。

国内パソコン出荷台数の前年比推移

元ネタはこちら。

一般社団法人 電子情報技術産業協会
https://www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/

ソースはテキストのURL内2020年。トップページ以外にリンクするなという社団法人様の言い分なのでクソ不便だと思うけれど従うとしております。

JEITAコメントより。

9月は、法人向けが好調に推移し、台数は2020年4月以来5カ月ぶりに前年同月を上回った。

え?と思った理由は8月のコメントと矛盾するため。

8月は、個人向けが好調に推移したものの、法人向けが前年需要増の反動もあり、全体としては台数はほぼ前年並みとなった。

GIGAスクールの「ギ」の字も出て来ない、書いた本人にもなぜ爆発的にモバイルが伸びているのか知らなさそう。それ以前にお役所仕事なので原因を気にしていだろうし調べるとかありえなさそう。

全体の前年比推移。気にしないと思うけれど、ここから全部ファイル名が jeita~ではなく neita~ になっているのは私の打ち間違い。

neita-2020-09-all.gif

7サポート終了特需終了後、2度めとなる100%オーバー。

PC全体が売れまくっている(出荷されまくっている)のではなく、モバイル以外は普通に水面下な状況は次のグラフにて。

カテゴリ別。

neita-2020-09-vat.gif

モバイルが2ヶ月連続で200%を軽く超えてしまっており表示不能。

というわけで、今回はカテゴリ別パート2として上限を500%へ。 

neita-2020-09-cat2.gif 

これを基準にしてしまうと今後のモバイル以外の推移がわかりにくくなってしまうため、嵐が通りすぎるまでは2種類貼りましょうか。多分1~2ヶ月で終わる。

8月の300%級に続き、9月は450%クラスへ大躍進。正確には447.1%という、インチキ情報商材屋も裸足で逃げ出す相対比較。

もうこうなると前年比表示する意味あるのかレベルに意味わからない。

 

モバイルノートの影響で更に下落する平均単価

前年比ではない実際の出荷台数と金額。

出荷台数と金額

出荷台数は大幅アップ、しかし金額は少しだけアップ。

なぜかは学校向けに数が出ても単価がやたらと低いためで、総額にすると他の月とそう変わらないわけですな。政府の支援が確か1台5万円だからでしょう。 

台数と金額をPCバブルの頃と比較したグラフがこちら。

過去比

こちらもどちらも割と大きめにPCバブル期超えた。

出荷台数はわかるとしても、なぜここでは金額も2割までプラスしているかは、昔のパソコンの平均単価が低くて当たり前だったためで、それと比較しているのでこうなる。 

平均単価。

平均単価

過去最低単価を更新。

グラフはギリ切れてはおらず、9月の平均単価は60,386円。以降で6万円を切るようなら上限を削り下限を追加する予定で。

このGIGAスクール構想は私の友人の会社も仕事が来ており、内情を聞いたところ、今年の9月から担当エリアの小中学校へ出向きネットワークやパソコンの使い方を教員に指導するそうな。

締切は3月で私も手伝えと言われているけれど、公務員とはどうも気が合わないので迷惑かけるやも知れず断った。

ずるずると再来年以降まで延期してスタートと予想していたけれど早いですな。3月までにミッションコンプならば4月からGIGAスクールな授業がスタートするのでしょう。知らないけれど。

 

GIGAスクール単価は一体いくらなのか?

当たり前ながらJEITAよりもPC Watchの方が詳しい。そのJEITAのデータを元にした感想文より。

統計上、GIGAスクール構想によるパソコンの出荷は法人向けパソコンのなかに含まれており、ここにもGIGAスクール構想の効果が見てとれる。

source:国内パソコン構成比でノート型が初の90%超え - PC Watch

元ネタであるJEITAのコメントをもう一度。

  • 8月は、個人向けが好調に推移したものの、
  • 9月は、法人向けが好調に推移し、

8月の時点ではなぜモバイルが伸びたかわからなかったのでしょう。

PC Watchの記事へ戻り、ラストシーンを引用。

なお、JEITAのパソコン出荷統計は(略)の8社が参加している自主統計で、日本HPやデルなどは参加しておらず、市場全体の7割弱をカバーしていると見られる。

PC Watch編集長にしてはレベル高いPC変態記事を書くなと思いきや勘違いで、大御所な大河原氏の作文と知り納得。

最後の「7割弱をカバー」との指摘もお見事で、2019年度のDELLとHPはMM総研調べなデータの28.8%を占める。分度器で測ると125度だった(125/360度=28.8%)。

m2ri-2019-pc.png

source:2019年度 国内パソコン出荷概要 | 株式会社MM総研

なぜ7割弱かは「その他」の大部分がJEITA統計ではスルーされているためで、私が過去に何度か計算した際のJEITAカバー率は65~67%なのでだいたい合っております。

その国内7割弱の分母で9月分の比率を出してみた。左は台数、右が金額。 

neita-2020-09-rd.gif

モバイルだけ台数>金額の差がデカい。

なぜかは平均単価がアホほど安い。

neita-2020-09-cav.gif 

一体型はムダに4Kとかオマケ要素でボッタクるジャンルなので16万は納得。単体は主にというか9割以上が法人向けと思えば7.6万にも納得。

そしていつもはデスクトップ単体より高い、下手しなくともノートよりも高めも珍しくないモバイルが5万円を切れており、大量の4万円前後PCが小中学校へ出荷されているのでしょう。

なお、JEITAもPC Watchのタイトルでも大げさに「ノート9割超え」とされているけれど、この数値はデスクトップに強いHPとDELL抜き、JEITAのデータは元からほとんどノートなので別に驚くものでもなく、普段から7割と言っている割にGIGAスクールPCがこれほど出ているのにたったの92%かとしか。

ノート7~9割(by.JEITA)に流されないよう 

2chまとめで「ほとんどのやつがノートPC」というアホなスレッドが年に数回立つけれど、それは出荷台数の話で使われている端末の比率ではございません。

まずJEITAがHPとDELLなし、そしてノートは故障すれば買い換えるに対してデスクトップはパーツ交換で延命できる、更にいうとガチなデスクトップ勢なBTOメーカーがJEITAにはパソコン工房くらいしかないし自作PC勢スルー。

私が以前試算した数値では、使われているパソコンのノートとデスクトップ比率は5割±5%未満でノートが少し多いくらい。

自分の用途や環境に合うパソコン、パソコン要らないなら別にスマホだけでもOKだろうし、よくわからない他人の意見に流されてノートだけに選択肢を狭められぬように。

コメント(1)

>今回はカテゴリ別パート2として上限を500%へ。
2007年9月:統計スタート(100)
2008年9月:128.9%(128.9)
2009年9月:95.6%(123.2284)
2010年9月:102.3%(126.0626532)
2011年9月:105.4%(132.8700364728)
2012年9月:101.4%(134.7302169834192)
2013年9月:105.4%(142.0056487005238)
2014年9月:71.0%(100.8240105773719)
2015年9月:96.0%(96.79105015427705)
2016年9月:113.8%(110.1482150755673)
2017年9月:104.8%(115.4353293991945)
2018年9月:115.9%(133.7895467736664)
2019年9月:139.4%(186.502628202491)
2020年9月:447.1%(833.8532506933373)

グラフだと以下な感じ。
https://i.imgur.com/bOxKRug.jpg

統計を始めた2007年9月のモバイルノート出荷数だけを比較すると以上な感じ。統計スタートからの増加率は約8.3倍。好調のひと言で済ますには異常な数値。

ただし統計学は「ひとつひとつの点」ではなく「点を繋げた線の形」から結果を導く学問。たった数か月のブレで問題を推し量るのは早計。という訳でJEITAの統計には珍しく、12月あたりの統計が楽しみ。

>公務員とはどうも気が合わない
都心と地方の教員は大きく違いますよ。仕事柄いろいろな場所の保幼小中高学校へ出向きますけれど、基本的に東京を中心とした都心部の教員はあまり応対が良くない印象があります。対話中に電話応対を始め、20分以上も「目の前で」待たせながら雑談に花を咲かせるなんぞザラですし。

地方の教員は往々にして良い意味で雑ですね。まれに暴力団とか政治家との繋がりをチラつかせて脅してくる妙な方も居ますが、やや無礼な振る舞いがあることは隅に置いておき、柔軟な対応をされる方が多いです。

という訳で私は都心の方とか地方の方とか関係なく、癖のある方が大好きです。

>平均単価
モバイルノートで高いのはSurfaceでしょうか。あれ小さいのは10型ですし、中サイズの12型もモバイルと言えますし。価格は6万円(Surface Go)から15万円(Surface Pro)くらいまで幅広い。

>ノート7~9割(by.JEITA)
さすがに9割までは行きませんが、家電量販店に置いてあるPCのノート:デスク比もだいたい7:3ですね。ところにより8:2くらいまでは行きます。

私は「故障時にすぐ抱えて電気屋まで持って行ける」ことや「あれこれパーツを選ばなくても本体を買えばそれだけで完結できる」ことから、どちらかと言えばノートの方を勧めることが多いです。何だかんだ言って「モニタとPC本体とキーボードがひとまとめ」というコンパクトさは、狭い住環境を考えると大きな利点ですし。

私はPCを使う理由の6割7割は「打ち心地のいいキーボードを使う」ことにありますから、デスクトップ一択ですけれど。

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※ドスパラはパーツの偽装疑いを誤魔化したり取引先を勝手に切る信頼性暴落した事件があり掲載中止(2020.11.26)

※マウスコンピューターは高いぞと書きまくったからか遠回しにリンク削除しろと言って来たので削除(2021.03.28)

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