連載パート3はOMENシリーズのノートPC。
もちろんゲーミングPCであり、基調は赤と黒で私のメインPCと同じなのはどうでもよろしい。今回は最上位にあたる17型のOC対応Core i7実機があったので説明と現物を少々見て参りましょう。
知れば知るほど考えられた設計。
ゲーミングノートPC「OMEN X by HP 17」の特徴
デスクトップに続きノート版OMEN Xの解説。スライド的にはこちらの方が先だったけれど。
2台背面合わせてXを表現しているのかと今気付いた。
スペックはこちら。
CPUはCore i7-7820HK(2.9-3.9GHz、4コア/HT、8MB、TDP45W)、グラボにデスクトップ版とほぼ同等の性能を持つGeForce GTX 1080を搭載しておりメモリは特盛りの32GB。
SSDはデスクトップ版OMEN Xと同様と思われるNVMe仕様のM.2スロットなやつでHDDの1TBはやや控えめ感。
他の類似製品との差が開くと思われるキーボードはこれまたメカニカルなやつで価格は約33万円。厚さ3.6cm、重量4.51kgが凄まじいですな。これ持って出張行こうとは思わない。
説明会で強調されていた箇所はエアフローの強化。
液体と蒸気が何なのかは後で出るので置いておき、下位モデルよりファンがデカいらしくヒートパイプも全部太いやつになったそうな。
冷却性能は55%アップ。
31CFMの目安は、デスクトップ用の一般的なCPUクーラーが50CFM前後なのでノートPCのファンにしては流量大きい。
下位モデルとの比較。
確かに155%、55%アップ。
冷却性能の詳細。
ベイパーチャンバーはデスクトップPC用のグラボで使われる技術で、上の説明にあった液体と蒸気はこれを指しております。ヒートパイプに冷媒が入っており、それが液体から蒸気、蒸気から液体を繰り返す事で冷えるというもの。
キーボードのメカニカルな部分。
キーキャップ外した状態のズーム。
これはShiftキーなので特殊なのかスイッチの両側にパンタグラフが付属。私が所有している赤軸のスペースキーも同じ構造になっており、うっかり適当に外すとはめる際に慣れなければ割と苦労する。
ストローク(キーを押し込める深さ)は見た感じデスクトップ用のキーボードと同じくらいと思われ、ゲームするなら浅いやつでは無理があるはずなので当然ともいえる設計。
そしてさすが外資系容赦無い、声出して笑ったDELLの17型ゲーミングノートAlienwareとの比較。
DELLが優る点は、解像度が高いQHD液晶パネルの採用。そしてTobii Eye Trackingは対応しているゲームなら視線で操作出来るという物。
これに対してHP製品はフルHD、アイトラッキングは付いていない。しかし視線で何かしたいならTobii Eye Trackerが外付2万円くらいで出ているので買えばOK。
OMEN Xはバックライト付のメカニカルキーボードがDELLの普通のバックライト付よりも優れている割に価格差は5万くらいあり比較的コスパ良いという話。
17インチOMEN Xゲーミングラップトップの質感
1枚だけ。「く」の時の長机2+2台の周囲に20人くらい+日本HP関係者が群がっている状態で中々近付けなかったらしい。
比較対象になるものが無いので解りにくいが17インチ。
割と大きめな15.6インチより更に対角線が1.4インチ(約3.6cm)デカい上、ベゼル(液晶パネルのふち)を狭くする必要性が無い、ゴツくて良い物なので更にデカい。
対角線43cmの16:9ならば液晶パネルの幅は38cmとなり、ベゼルが左右合計5cmくらいありそうなので足すと43cmに。
私が今これを書いているテンキー付、カーソルキー付のフルサイズ112キーボードが幅45cmなのでほぼ同じくらいの大きさ。
画像のテンキーや文字列のキー以外、左端に縦並びで6個のキーが追加されているP1~P6これらはマクロを登録出来るそうな。
そしてひと際目を引く物が左の四角い黒いやつ。ACアダプタだと思われさすがにクソデカい。というのはCPUはTDP45Wながら、グラボのGTX 1080が消費電力高いのでしょう。
NVIDIAが非公開としているので正確には解らないものの、「デスクトップ版ほどでは無い」との事でTDP180W未満。4Gamersによると、「10%くらい低いと思う」らしいので本当なら160Wくらい。
CPUとグラボだけで最大が200W超えてしまうとか聞いた事が無い。ノートPC用のACアダプタは最大でも90Wくらいと思っていた。こちらのAC電源は公式を見て来ると330Wらしい。
どうしてもゲームをノート型でやりたい人向け(感想)
または40万も40円もそう変わらないと思えるセレブゲーマー向け。
性能は確かに高いしモバイル版GTX 1080はGeForce 10シリーズの場合、デスクトップ版と同等の性能なのでノートだからと非力なわけではございません。CPUもノートな割にモバイル用で最大3.9GHzも確かに凄い。
しかし税別33万円ならばGTX 1080 Tiなデスクトップが余裕で行ける。
という考えをしてしまう時点でダメなのか。世の中には単に日時見るだけのために100万の時計を買う人も居れば、中身より財布のほうが高い人も居るのだから、価値があるとか安い買い物と考える人も居るのでしょう。
そういう事にすると、OMEN Xの価値としてはこれらが特長。
- 音声出力がAudio by Bang & Olufsenなので音質良い(はず)
- OMENコマンドセンターでOCが楽で安全に利用可能
- 同じく~センターで有線と無線LANをカスタム可能
- ノートなのにキーボードがメカニカルで多分青軸
音質の「はず」とした理由は、私らが音質聞いたノートはSpectreの方なので、OMEN Xノートでも同じか似た感じなのだろうという予想。
上記4点はOMEN Xでしか出来ないと思われる機能や性能で、個人的にはデスクトップ版OMEN Xと同じコマンドセンターの存在はデカいと感じております。
もう一つ強引に特長付すると、このノートに限らずVR ReadyなVR行ける性能があるノートならば重いとはいえデスクトップには出来ない持ち運びが可能なので、他人宅でVR試してもらうとかならノートの意味ある。
以上、お約束的&ネタ提供の御礼がてらリンク。
OMENシリーズ - ノートブック(個人) | 日本HP
http://jp.ext.hp.com/notebooks/personal/omen/
明日はラストのその4、ノートPCのSpectreシリーズ2種類で締め。
ノートPCをメインのゲーム機として使う方、それほど多いのでしょうか。頑張っても18.4型くらいの小さな画面なのですから、いっそ画面は持ち運べるギリギリな15.6型とし、自宅で据え置きのゲーム時は外付けモニタに繋ぐ前提とすれば良かろうと思うのですがね。
>厚さ3.6cm、重量4.51kg
肩に担いでだとやや重いですが、自動車で行くならどこへの出張でも、さして苦にはなりません。重いのは自動車から出し入れする数分だけ。
ちなみにノートPC用のキャリーバッグなんぞあります。キャリーバッグは移動時の衝撃が怖い気がしないことも無いですが、ノートPC用と銘打っているなら問題ないはず。
Amazon | Amazonベーシック ノートパソコン用キャリーバッグ
https://www.amazon.co.jp/dp/B00VIM9VQ8
>ヒートパイプ
熱輸送の仕組みから考えると、ヒートパイプは上下に伸びている(下側が加熱部、上側が冷却部)の方が望ましいですが、ノートPCだと無理が生じますね。まさかディスプレイの裏にヒートパイプを通すわけにも行くまいし。
>ACアダプタ
四角いACアダプタは初めて見ました。デザイン関係の仕事をしている方のノートPCもなかなか高性能でしたが、それでもACアダプタは長方形でしたし。12cm×12cm以上はありそう。