キングジムがノートパソコンを発売予定。
キングジムと言えばテプラが有名、ヒットしているかは微妙ながら一部の愛好家が存在するポメラも特徴的。今回はWindows 10仕様のマジなパソコンを発表しており、2016年2月に発売予定との事。
現物では無くフォトレビューというやつにて。
KINGJIMの8型ノートPC「PORTABOOK」
こちら。
キングジムがPC市場参入。8型で12型相当のキーボード-PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20151208_734086.html
はみ出ているキーボードは変形し、中央から折れ曲がりノートPCの幅にて収納出来る仕組。それで本体が8型なのに12型相当のキーボードが実現しているわけですな。
それ以外で一般的なノートPCと違う点は、タッチパッド部分はマウスの代用では無くボタンが3つ搭載。左右クリック以外に謎のセンターボタン有り。
マウス操作はキーボード中央付近の黒いセンサーで行うようで、レノボのトラックポイントのように物理的に圧を掛けるのでは無く、光学式らしいのでマウスを裏返しセンサー部分へ指を当てる感じと予想。
気にならない性能は以下の通り。
- OS:Windows 10 Home 64bit
- CPU:Atom x7-Z8700(1.6-2.4GHz、4コア、2MB、SDP 2W)
- メモリ:2GB
- ストレージ:eMMC 32GB
- モニタ:8型ノングレア(解像度:1280x768)
- 無線:IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0 +EDR
- 有線:HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、USB 2.0、SDカードスロット
- サイズ:幅204x奥153x高34mm(展開時:幅266mm)
- 重量:約830g
- バッテリ駆動:約5時間 ※JEITA2.0
- その他:Office 365(1年分)
省電力の固まり、最近の小型PCやタブレットの仕様あるある状態ですな。私が所有している2万円の棒PC(Picoretta)より少し多機能で高性能なくらい。
CPUはProでは無い方のSurface 3で採用されていたAtomと同じ物で、インテルの大人買い参考価格は37ドルなので4千円少々。この時点で何をどうすると9万円になるのか謎だけれども続けましょう。
メモリはスルーし、ストレージが32GBという事はWindowsが半分くらい占めると思われ、オフィス365が1年限定で入っている為、One Drive利用前提なのか。
重量830gはパソコンとしては優秀な軽さ、横サイズも変形キーボードのお陰で約20cmまで短くなっており、奥行き15cmくらいという事はA4用紙を丁度半分に折った大きさ、A5サイズはかなり小さい。
ポータブックの少ない利点と多過ぎる難点
公式はこちら。
フルサイズをコンパクトにたためるパソコン「ポータブック」 | キングジム
http://www.kingjim.co.jp/sp/portabook/xmc10/#view-size
フルボッコする前に利点もございます。
携帯端末用バッテリで充電可能
消費電力はアイドル時3.5W、最大13.5Wとかなり低い為、スマホなどの充電用バッテリが使えてしまう点は凄い。
他は軽い点とキーピッチ18mmが良いくらい。以上とし、ここから難点。
低性能+低容量で用途は限られる
個人的には大きな難点とは思っておらず、理由は高性能向けな使い方をしなければ良い為で、このPCでYouTube再生しつつパワーポイントで資料作る人は居ないと思う。
しかし、CPUのAtomを体感した事が無いなら、おそらく想像以上に低性能。いくら4コアとは言え、負荷により温度が上がるとこいつら性能を下げてしまうというヘタレ仕様なので要注意。
CPUの冷却はファンレス仕様。静音性の点では有利だけれども、高負荷に弱い点は不利。夏場の室温が高い場所での利用は厳しいやも知れず。
8型モニタでWXGAは有りなのか?
画面サイズが少しデカいタブレット程度なので仕方無いとしても、解像度1280x720で仕事になるのだろうかという疑問。
安物ノートの解像度はHD(FWXGA)、1366x768が多い気がするので比較すると横86pix、縦48pix小さい程度なので大差無いとも言えるけれど、少し狭い以外に8インチで1280x720という解像度の高さが問題にならないだろうか。
要するに画面は少し狭いけれど、表示はかなり小さいわけで、10.6型でさえ有り得ないと感じている私には8インチでWXGAも無しと感じる。
キーボードは本当に12型サイズ?
キーボードは収納時は本体幅と同じなので8型、実際には画面の縁(ベゼル部分、枠)が有るので画面より少し大きい。
8型のモニタ幅は約17.7cm。仕様によるとキーボード収納時の幅は20.4cmなのでベゼル幅は計2.7cm。キーボード展開時は26.6cmなのでベゼル幅を引くとモニタサイズとしての幅は23.9cm相当。
約24cmとすると、これは10.6型モニタのサイズとなってしまい、細か過ぎるけれど、展開時12型相当と言うならば、収納時は8型では無く9型(幅19.9cm)相当のノートPCになってしまうのでは無かろうか。ややイチャモンか。
キーボードを折り畳む意味が薄い
26.6cmが20.4cmになるという事は幅6.2cmの縮小。
幅が3/4まで小さくなる点は携帯性として利点と言えるけれど、当然ながら奥行きは変わらず、今時のモバイルノートとして厚み3.4cmはどうなのか。
展開時のキーボードのピッチ(キー間の距離)18mmを維持しつつ、幅が12型相当まで広がるならば最初から12型で出せば良かったのでは無かろうか。
12型ならキーボードを変形させる必要は無い単なるノートPC。この約6cm幅のこだわりの為に何万円か乗せているのならば意味が解らない。
なぜメモリ2GBで64bit版なのか謎
メモリ2GB、増設も交換も不可ならば普通は32bitでしょう。
ビデオメモリも兼ねているので足りない、おそらくChromeブラウザは動かない、4K映像出力は無茶過ぎると思う。
拡張性はUSB2.0では厳しいと思う
背面の画像と説明。
プロジェクタ接続も考えた映像出力の性能と2本装備はお見事。
しかし、それ以外にはUSB2.0が1本のみとなっており、右端のMicro USBは棒PCのように電源専用なのでUSB接続としては使えない。せめて3.0ならまだしも、2.0x1は今時のパソコンとしてどうなのか。
BluetoothやWi-Fiでどうにかする前提なのだろうけれども、おそらくこれ使う人はマウスを外付すると思うので、それでUSBが潰れて終わり。外付HDDとかプリンタは繋がないとしても、USBメモリの棒くらいは挿したいと思うので、せめて2本にするべきだったかと。
どう使えば良いのか解らない製品は売れない(まとめ)
ポータブックという製品は、コンセプト(概念)やターゲット(需要)が不明というやつで、ポメラに有ったような良さが無い、キングジムらしくない。
ポメラはこれ。
source:デジタルメモ「ポメラ」 | KING JIM
単なる電子メモ機。
文章作成以外は何も出来ないに等しい、PC版キーボード+印刷出来ないワープロ、のような割に実売は約2万円という、一見すると意味不明な高級機。
しかし乾電池2本で丸1日使える、約400g、最長部17cm程度、起動は2秒、電源オフしてもメモは消えないという特長が有り、思い付いたらメモする人や、文字書きの仕事をする人には最適。
下手に多機能や高性能では無いのでシンプルで分かり易い。スマホでメモ出来る人はそれで良いだろうけれども、長文をすぐに書き始め即終わる事が可能な専用端末としては有りでしょう。
ポータブックの場合はWindowsなので、どうしても他のWindows PCと性能を比較され、8型なので携帯性はタブレット+キーボードとも比較されてしまい、何も特徴が無くなってしまう上、どちらとも価格まで比較されてしまう。
実売約9万円は強気を通り越し、Surface並に意味不明。3万円でも高いと思うので変形キーボード、またはキングジム税が6万円なのかと思えるほど。
キングジムの製品は発想が独特なので、「この製品は一部の人は超欲しいだろう」と思える物が少なく無いものの、ポータブックは今からでも発売を中止した方が良いと思える凡庸な端末。
何がしたいのか解らない点では、オンキヨーのWindows 7タブレットや、やたら高額なノートPCに似ていると思った。マジで発売は中止した方が良いと思う。
>変形キーボード
折りたたみキーボードだけで売ればっと一瞬思ったが、
amazonに腐るほど折りたたみキーボードがあってびっくり。
>キングジムの製品は発想が独特
>ポータブックは今からでも発売を中止した方が良い
確かに、キングジムは他社に無い製品を売ってる感じが魅力だけど、
ポータブックはノートPCの三流品と言われても仕方ない感じ
まあ、文具(デジタル文具)がメインの会社な
気がするから、pcに疎いのかな。
キングジムと言えば、私はタブレット型の電子メモ「ブギーボード」を使用中。
ブギーボード | KINGJIM
http://www.kingjim.co.jp/sp/boogieboard/
主な用途は電話を受けた際のメモ書き。
1.電話を取る
2.話の内容をブギーボードに殴り書き
3.書いた内容を整理してPCに保存、もしくは社員へメッセージを送付
4.ブギーボードの内容を消す
以上の流れ。8.5インチ(BB-1N)と大型なため、滅多なことではスペースが足りなくなる事態は無し。感圧式のため、画面に手を置きながら書けるのが楽。ただし私以外の社員はみんな紙のメモを使用している模様。
>KINGJIMの8型ノートPC「PORTABOOK」
個人的にキングジムの製品は「変態仕様だけれども欲しい方にとっては安い」か「特定の用途にのみ便利でそこそこ安い」の2択に魅力を感じるため、予価9万円なら究極の変態仕様が良かったですね。例えば
・キーボードはテンキー付きエルゴノミクスデザインの静電容量式
・緊急時にはハンドルを取り付けて手回し充電可能
・指紋認証に3回失敗後、パスワード入力も失敗するとストレージ内の全データを消去
・MIL規格(MIL-STD-810)に準拠し、2m程度からコンクリ面への落下にも耐える
これくらいの仕様なら、10万円でも良さ気。
>携帯端末用バッテリで充電可能
ACアダプタ無しで持ち運べるのは便利ですね。出張時にスマホ&タブレットの充電器と、ノートPC用のACアダプタを分けて持って行く手間とスペースが節約できます。
>1366x768が多い気がするので比較すると横86pix、縦48pix小さい程度
ヒツジ先輩自身も上の仕様一覧で書いていらっしゃいますが、PORTABOOKの画面解像度は1,280×768です。1,366×768は比率16:9、1,280×768は比率16:10ですから、小さい画面なことを考慮すると、ワイド画面からスクエア画面に多少なりとも近づくため一覧性は良くなるやも。8型で何言ってんだと思われそうですが。
>10.6型でさえ有り得ないと感じている私には8インチでWXGAも無し
8型で1,280×768だと、密度は約187ppiでドットピッチが0.136mmですね。これは11.6型でフルHD、23.5型で4Kと同等。Webサイト閲覧とかゲームとかがメインのタブレット機なら問題ないでしょうが、キーボードをフル活用する用途だと確かに「表示は小さくて精細なのに画面が狭くて窮屈」という印象を受けやすいやも。
というか、アレコレやるのに8型は小さすぎる、で片付きましょうかね。
>26.6cmが20.4cmになるという事は幅6.2cmの縮小。
マイクロトートとかミニトートとか、いわゆる「Sサイズ」と呼ぼれるクラスのトートバッグは、大きくても縦横 24×24cm くらいですね。形状が逆台形なモノが多いですから、幅 20cm に高さ 15cm なら、小さなトートバッグでも収納が可能です。
ただしこのサイズ分けは女性向けのモノ。男性向けだとA4サイズ(21.0×29.7cm)以上ばかりでしょうから、ターゲットが女性に向いていないであろうPORTABOOKが、トートバッグでも入る大きさを目指したとは思えませんけれど。
>ポメラに有ったような良さが無い、キングジムらしくない
キングジムは時たま迷走が平常運転なイメージですね。ポメラでさえ「DM11G」のような「ジオン軍モデル」だとか「シャアモデル」だとか、ふざけたモデルを出していましたし。
KING JIM:デジタルメモ「ポメラ」機動戦士ガンダムコラボレーションモデル
http://www.kingjim.co.jp/pomera/dm11g/lineup/index.html
カメラ付きマウスなんぞも、ネタ以外に欲しくて買った方がどれだけ居たのか疑問。
KINGJIM:「カメラ付マウス」
http://www.kingjim.co.jp/sp/cms10/