マウスコンピューターより、ようやくウルトラブックが発売。
マウスと言えば新製品の発売が早く、ドスパラやパソコン工房を牽制するような低価格が特徴と思っておりましたが今回は遅め、しかも価格が約9万円なので安いとは言えず。意図が良く解らない新製品。
適当に見て参りましょう。
マウスのウルトラブック、直販モデル「LB-X200S」は約9万円
2012年6月15日発売。ニュースリリースは3日くらい前に出ておりましたが詳細が判らず待ち、当日これを書いております。
イメージを販売ページより。
この画像の見せ方は上手い。Xをイメージしていると思われ、1枚でノート正面と背面のデザインが判る見せ方。
直販モデルの最安は正確には89,880円。主な仕様は
- OS:Windows7 Home Premium 64ビット
- CPU:Core i5-2467M(1.6-2.3GHz、2コア/HT対応、3MB)
- グラフィック:インテル HD グラフィックス3000
- メモリ:4GBx1(PC3-10600)※最大4GB
- SSD:120GB(SATA3、ADATA製)
- モニタ:11.6型ワイド光沢液晶(解像度:1366x768)
- 無線:IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth4.0+LE
- バッテリ駆動:約5.5時間
- 重量:985g
- 厚み:17mm
量販店モデルはCPUがi7-2657Mになりプラス1万円。
通販モデルは、OSがPro~になると約9.5万円(+0.5万円)、更にマイクロソフトオフィスPersonal 2010が付くと約11.5万円(+2万円)へ。
カスタマイズで良さそうな価格幅の3段階では有りますが、なぜかは完成品として3機種となっておりカスタマイズ無し。
パーツ選択のページは、光学ドライブやマウスなどの外付け機器のみ となっており、ほぼ何も選べず、OSのエディションやオフィスの有無さえ選択は無し。
構成で気になる箇所は、なぜか今更SandyBridgeが搭載。他社がIvyBridgeに乗り換え新発売している時期に良く判らない新発売。
その他はウルトラブックに有りがちなメモリ4GBx1が最大となっていたり、SSDは割安になって来た120GBを搭載。ADATAの120GBは2種類、現在の最安は8~10千円。メーカーまで書くなら型番も記載して欲しい所。
SSDの割にバッテリ駆動が短い原因はバッテリそのものの容量が少ないのでしょう。CPUは省電力、光学ドライブ無し、そしてSSD、ここまで省電力化して5.5時間(しかもJEITA測定)は短い。
特長は重量と厚みで、1kg切りは珍しく、17mmはMacbook Air並。個人的にはだからどうした思うものの、本当にノートを持ち運ぶユーザや、うすうすマニアには利点と言えましょう。
難点ばかりが目立つ「LB-X200S」の性能と価格と時期
いつもは利点と難点を同数としバランスを取っておりますが、今回は難点が多く利点が皆無と言えるほど。
個人的なマウスコンピューターの印象は、他のBTOメーカーと比較し
- (提案が)上手い
- (価格が)安い
- (新製品が)早い
今回のウルトラブックは上手いとは思えず、安いとも言えず、今更な旧製品という印象がございます。
薄さと軽さ以外の特長が皆無な完成品ノート
LuvBook-Xのデザインが良いかどうかは個人の趣味なので別として、1kgを切る軽さは凄いけれど11.6型なので一般的な13.3型ウルトラブックより軽くて当然。その軽さの為にバッテリ駆動時間が短いならモバイル用途として矛盾しておりましょう。
薄さ17mm、最薄部5.5mmも凄いけれど、私にはなぜ薄いノートが良いのか理解できず、やはりここでもバッテリ容量に無理が出ている原因と推測。
OS(Windows7)のエディションさえ変更出来ない本当の完成品の為、これならLenovoやAcer、ASUSのウルトラブックで良いのでは。
まずい事に延長保証まで選択が無く標準の1年保証のみ。マウス側でさえいじらないベアボーンと思われ、故障すると修理費用が高額になり詰むパターン。
9万円なら型落ちのdynabookが買える価格
約1ヶ月前にASCIIを参考に作った一覧。
左の2つは完売なのでスルー、他メーカーも価格が下がっている物が有り。
この古めな一覧から見るとMacbook Airが近い性能なものの、Macより1万円も高いWindowsノートという事に。
右端のdynabookは現在最安は9万円。マウスと同等の構成かつWiMAXなど付加価値が多く、とどめはオフィスのHome and Businessが付いているので2.5万円の価値とするとオフィス無しのマウスのウルトラブックを選ぶ理由が無くなりましょう。
DELLの事としても書いたけれど、安くないマウスのパソコンを選択肢に入れる理由が無いわけですな。
Ivy Bridgeと比較しメモリとグラフィック性能で劣る
Sandy Bridgeとの比較を簡単に書き出すと、Ivy~は
- CPUに内蔵のグラフィック性能(インテルHD~)が向上
- インテル7チップセットなら限界がPC3-12800へ向上
- CPUそのものの性能または省電力性が向上
CPUやチップセットの価格は大して上がっておらず、今ここでSandy Bridgeで出してしまう意味が解らない。
半年以上前の新製品を今のタイミングで新製品として出すなら、それなりに価格が下がっていても良さそうなものの、9万円は高過ぎでしょう。
量販店モデル有り、基本的に完成品な事から、売れ残りベアボーンを大量に買い叩いたかと思いきや、この価格と性能で勝負するのはマウスらしく無い。
マウスよりウルトラブックLuvBook-Xシリーズ発売(まとめ)
何を考えているのか解らない程に高額。競合出来ない型落ちや値下がりパーツでの構成。そしてカスタマイズ出来ず、保証さえ伸びないマウスコンピューターのウルトラブック。
マウスは量販店モデルを分けており、直販(通販)モデルは自社サイト以外では販売せず、ショップ在庫なども流れないので値下がりは期待出来ない売り方。
BTOパソコンなら、メモリが今なら8GB、HDDが今なら1TB、など有るけれど、OSさえ変更出来ない仕組ではそれも期待出来ず。
- Windowsで無くとも良いならMacbook Airが約8万円
- 同じ性能でオフィス入りが良いならdynabookが約9万円
- 安く高性能なウルトラブックが良いならASUS製が約8万円
どうしても11.6型で1kgが切れて最厚部でも17mmのWindowsウルトラブックが必要という限定されたユーザ以外には魅力の無い製品。
ASCIIが軽めにレビューしているので一部引かせてもらうと
バッテリーベンチは実測4時間18分と重量を考えるとまずまず。インターフェースは少なめですが、USB3.0を搭載し、1キロを切る軽さは大きな魅力です。
JEITA測定法(画面暗くしたりデタラメ)なら5.5時間。5時間以上がウルトラブックの要件になっておりますが、ASCIIの実測では余裕で切れている御様子。
USB3.0はIvy Bridge(インテル7チップセット)なら標準搭載なので特長に非ず。小型だから1kgを切ったのでしょう。
今回は量販店のオマケのような罠モデル。次回作に期待。
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