やたら高額な有名メーカーのパソコン、主にノート。
性能は同程度でも価格が2倍以上違うなどはいつもの事。説明が面倒なので「宣伝や人件費も搭載されている」などと適当に誤魔化す事も有るけれど、PC本体に掛かる原因は主に機能や付属物の違い。
どう違うのかPC初心者向けに解説して参ります。
性能と価格差を仮想の例として
- 有名メーカー:23万円(CPUは同じ、メモリ4GB、HDD 320GB・・・)
- BTOメーカー:99,800円(CPU同じ、メモリ8GB、HDD 500GB・・・)
パソコンに多少詳しい人間は価格と性能を見るもので、上記の場合はBTOメーカーPCの方が容量多く価格も安いとして良しとするわけですな。
なぜこのような見方になるかは、有名メーカーPCには評価者基準で使わない機能が満載されており、その価値をゼロにする為。
具体的に私を例にすると、ノートでテレビは見ないし3Dにも興味が無いので、それらの機能が付いていても無駄。
しかし使う人には価値が有り、デスクトップのように後々増設するにはノートでは厳しい。その機能について解説。
今回はNECのLavieを参考に書き出して参ります。
ソニーのVAIOや富士通のLIFEBOOKでも似たようなもの。但し東芝のdynabookはやや違うのでご注意有れ。dynabookは機能を削りBTOメーカーのような安さになっている為。
有名メーカーPCの「機能」と「価格」を解説
Lavieのカタログより11個の特徴と、その特徴にどの程度の価値が有るか市販パーツ単品価格を参考に適当に値付け。
Blu-rayドライブ(最新規格対応):1.5万円
パソコン用のブルーレイドライブは基本的に上位互換でCDやDVDなどのメディアにも対応しており、性能の違いとしては主に
- 読み書き機能の有無
- 読み書き速度の違い
- 対応メディアの種類
2012年6月現在、BTOパソコンで量産されるような安いノートはDVDスーパーマルチ(CD、DVD読み書き)ドライブの標準搭載が多いものの、有名メーカーの高額ノートはブルーレイドライブが標準になっている物が多め。
速度に大した違いは無いけれど、メディアが現在最新の大容量ディスク(BDXL)に対応していたり。大は小を兼ねるというやつで、後々ブルーレイが必要になった時に有利な高級仕様。
カードリーダー(最新規格対応):0.3万円
やはり2012年6月現在でいうと、BTOメーカーなどの安いノートはSDやSDHCカードには対応しているものの、他のメディアは外付けカードリーダーが必要な仕様が多め。
有名メーカーの最新機種ならカードリーダーの対応メディアも最新になる物が多く、SDXCに対応していたり。メモリースティックデュオなど、デジカメ以外にビデオカメラからの取り込みも初めから考えられているわけですな。
Microsoft Office:2~2.5万円
有名メーカーのノートは基本的に何でも載せて購入ユーザに物足りなさを感じさせない提案での売り方。BTOメーカーは必要最小限な考え方なのでオフィスの有無にも特徴。
NECや富士通のノートがやたら高いと思ったなら、マイクロソフトオフィスの有無を見てみましょう。オフィス2010でいうと、BTOパソコンのカスタマイズ価格に当てはめると、Personalなら2万円、Home and Businessなら2.5万円くらい。
WiMAX:1.3万円
WiMAXとは公衆無線LANサービスで、通話機能の無いインターネット専用携帯電話のような感じ。携帯電話キャリア(スマートフォンなど)より比較的安く高速、但しサービスエリアが未だ狭め。
内蔵されていてもプロバイダと契約しなければ使えないものの、この機能が内蔵されているなら端末代が浮くかも知れず。光などの高速回線が不要なら屋外でも使えるので便利。
WiDi:不明
インテルWiDi(ワイヤレスディスプレイ)は、無線で映像と音声を飛ばす技術で、大型テレビなどへ接続出来すると手軽に大画面に切り替え可能。NECや富士通の高級ノートなら最近は大抵標準で付いております。
映像と音声の受信側もWiDiに対応している必要が有り、受信機は単品で1万円くらい。WiDiの機能そのものは増設パーツなど無いので価値は不明。WiDi以外の同等機能、無線HDMIなら一式1.5万円くらいで販売されておりますが機能や性能は違うやも知れず。
インテル My WiFi Technology:不明
一般的に無線LANは、モデム(終端装置)から有線で無線の親機を接続し、そこを中心にパソコン内蔵の無線LANカードやUSBの子機と通信する物。インテルのMy Wifiは、ノートそのものが無線親機のような状態になる機能。
利点は無線の親機が不要で設定が簡単(らしい)。まだ実現はしていないものの、将来的にはWiMAXとMy WiFi無線と組み合わせで、固定回線と無線親機などが不要になるという噂もございます。
YAMAHA製スピーカ内蔵:0.5万円
ヤマハなので5千円くらいとしておりますが、ノートのスピーカーは物理的に小さくなければならず高音質は無理でしょう。2千円くらいの小型スピーカーよりは多少マシな程度かと。
スーパーシャインビューLED液晶:不明
NECはスーパーシャインビュー、富士通はフルフラットファインパネルなど独自の名称が付けられており、正直これらがどういう意味かは不明。
有名メーカーのノートの液晶は光沢が主流なので、反射を少なくきれいに見せる加工の名称と思われるものの、こればかりは店頭で現物を見なければ判らず。私は非光沢派なので解説不能。
ワンタッチスマートボタン:不明
NECならズームやエコボタンなる物がキーボードの周辺に付いており、拡大や省電力専用のワンタッチボタンが搭載。Windows上からややこしい設定や操作無く、直感的にこれら機能が使えるでしょう。
TVチューナー(リモコン付属):1.2万円
テレビチューナーには種類が有り、放送波は3種類(地上、BS、110度CS)、大型な一体型PCになるとカードは1つでは無く2~3枚内蔵されている物も有り、同時に録画出来る番組数が多くなるなど。
専用リモコンが付いているので、パソコンでテレビ放送受信と録画機能も一体化出来るわけですな。省スペース重視なら凄まじい効率化。後付するとはみ出したり、録画用アプリケーションがしょぼかったりするのでハードルが高め。
3D対応モニタ(メガネ付属):不明
15万円くらいを超えると機能全部載せで更に3D対応のノートも。現在の3D映像は東芝以外ではアクティブシャッター方式と偏光方式の2種類が有り、いずれも専用メガネが単品で1万円とか。
モニタそのものの仕様なので後で3Dモニタに取り替えるなどは不可能。今要る場合や後々必要になると判断するなら初めから有った方が良いでしょう。
以上。私は全部要らないわけです。
有名メーカーPCは本当に高額過ぎると言えるのか(まとめ)
価格不明な機能が多かったけれど、挙げた機能全ての価値を合計すると10万円くらいにはなりましょう。
NECや富士通などは発売時の価格(店頭予想、実売予想)は値下がり前提で、発売1週間後には数万円値下がりしたりポイントが10%になったり。更に2~3ヶ月待てば4~5割引きも当たり前。
有名メーカーが23万円、BTOメーカーが10万円なら差は13万円。しかし23万円が11万円くらいまで落ちるなら、性能が同じくらいでも機能による価値の差が出るでしょう。
しかしそれらを使うならの話で、私のように全部要らない人間には1円でも安い方が良く、パソコンオタクはデスクトップユーザが多い為、そういう機能は後で付ける物と考えているわけですな。
NEC=高い=駄目、のように決め付けず、本当に必要な機能が載っているなら安物ノートよりコストパフォーマンスは高くなる可能性有り。
高確率でそれら機能に価値が無くなる原因は、有名メーカーPCを選ぶユーザにPC初心者が多い為。需要と供給の価値が合わず「価格が高過ぎる」となるのでしょう。
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