BTOメーカーがメジャー進出の気配。
マウスがテレビCMをやっているのは首都圏だけかと思っていたけれど、長崎と神戸の友人に聞いたところ、そちらでも見た事があるとの事なので全国ネットで垂れ流しているのでしょう。
ノートPCが看板モデルになっているので紹介。
全国ネットCMで国内PC市場を本気で狙うマウス
このCMが流れていたらしい。私も飲食店のテレビで見たことがある。
2017年6月現在で再生回数は40万回を超えており、アイドルオタクの支持を集めている模様。
LINEで流れていた広告がこちら。
税別でギリ4万円を切れてはいるけれど込にして送料を含めた合計は46,224円でありマウスは送料が高い、3,240円は取り過ぎでは無かろうか。
何が4コアCPUかと言えばもちろんCeleron、しかし安いながらもSSDの搭載は好印象。これがHDD 500GBとかなら割とどころかかなりどうでもいい。
主な仕様を一覧。
- OS:Windows 10 Home 64bit
- CPU:Celeron N3450(1.1-2.2GHz、4コア、2MB、TDP6W)
- グラフィック:インテルHDグラフィックス 500 ※CPUに内蔵
- メモリ:4GBx1(PC3-12800) ※空きスロットx1、最大8GB認識
- SSD:120GB(SATA3)
- モニタ:15.6型(解像度:1366x768)ノングレア
- 有線:USB2.0x2、3.0x2(TypeAとC) など
- 無線:IEEE 802.11ac/a/b/g/n + Bluetooth V4.2 + LE(M.2)
- バッテリ:最大5.4時間
- 重量:約2.2kg
- サイズ:377x259x22.8mm ※突起含まず
CPUがクソ性能な以外はバランスの良いやや性能高めな仕様。
CPUのどこがマズいかはひとえにクロックの低さであり、最大2.2GHzはCeleronにしては優秀だけれども4コアが頂けない。これ、あえて2コアくらいに抑えて下手にマルチコアな使い方を制限した方が良かったCPUなのでは?と毎回思う。
何の事を言っているかは、4コア全部使うような何かをしたならクロックは1.1GHzに落とされると思われ、2コア制限した方が多少は処理速度上がるのでは、な感じ。
OSのWindows 10はもうあきらめるとして。
メモリはギリで4GB。空きスロットや最大容量まで書いている理由は暗に増設可能と言っているようなもので、カスタマイズ画面を見て来ると8GBも選択肢に。という事は私らでも増設可能を意味しております。※ハデな分解はせずとも行けるという意味。
SSDは120GBでどこの何が入っているかは届いてみてのお楽しみ状態。以前はメーカーとかMLC、TLCにこだわる人が多く私も若干そうだったけれど、書き換え寿命数十年とか出始めた頃から結構どうでも良くなって来た感。
やはりカスタマイズにてSSDも増設が可能。但し6Gbps(SATA3)とだけ書かれており、2.5インチとは言っていない辺りはM.2スロットかも知れませんな。これも私らユーザでも比較的簡単に増設出来ると言っているようなもの。
SSDのカスタマイズによる増設は標準と同じ120GBではなく128GBで120GBとか無いのでM.2スロットのSATA3接続と予想。
15.6型2.2kg、幅約38cmはモバイルでは無く主に半固定ノートPC。
最大の特徴と感じる部分は安いながらもUSBのType-C(小型、裏表区別無し)を装備しており、3.1では無く3.0ながらも今後の周辺機器を変換せず接続可能。
最大の良く解らないポイントは無線LANとBluetoothの仕様の書き方で、802.11のac/a/b/g/n/全対応は良いとしましょう。その後にプラス記号が付きBluetoothの表記後、カッコしてM.2が何を指しているのか。
M.2はM.2スロットの事でしょう。ところが無線LANとBluetoothの間に「+」が入っているのでBluetoothがM.2なのか、無線LANとBluetoothが一体型とかあるのか?と思えば有ってしまった。知らなかった。
source:インテル Dual Band Wireless-AC 7260 + Bluetooth
マウスの方は最大433Mbpsなのでこれより劣るものの、それでも100Mbps超えるならば充分実用的。私の自宅の環境ならば、先日無線LAN親機を買い替えたので実測300くらい出るのかも知れない。但しWAN(インターネット)は最大100M、実測60~70。
SSDと無線が高速、問題はボトルネックはCPUになりそう。
しかしパソコンで何か重い作業をするような人はPCハードウェア性能の見方を知っていたり、過去にAtomやCeleronで痛い目を見ているとするなら簡易用途なパソコンとしてはアリでしょうな。
マウスを知らない、普段NECとか富士通を電器店で買ってしまうような人がこのパソコンを使うと安い割に速い点で驚くはず。特にWindows 7以前のインチキスリープ無しなOSからの乗り換えなら起動の速さにも驚けそう。
ブラウザくらいしか使わないならこれで充分。店頭で10万円前後のノート買うなら5万円で釣りが来るマウスのCMノートはおすすめ。
限定14,000台という数の意味
マウス本気出しているなと感じる箇所が金を注ぎ込んだテレビCMや駅の街頭ポスターの他、個人的に気になる箇所がこの台数の桁。
BTOパソコンといえばサイコムのような量産でも個人ショップでもない中堅を除くと、どうしても規模が小さい、無名、品質の疑問がわくものでしょう。PC詳しくない人なら修理含むサポートも。
マウスの上手い所はこれら全部をカバーしているところで、規模の小さなショップがテレビCMとか出来るわけが無いだろうし、人気あるらしきアイドルや俳優の起用で知名度を上げつつ安心でチューのフレーズ。
そして1.4万台という規模は全然個人ショップレベルでは無く、しかも限定とまで付けているからには他の機種は1.4万台どころでは無いとも誤認できる。いや、知らないけれど。
私は店頭へ行かない人間なので今どうなのか不明ながら、今後は電器店での在庫販売も始めるのかも知れない。ここまでパソコンというものがオーバースペックになった現在、「自分仕様へカスタマイズ」はもはや時代遅れ感さえある。
「国産ノートPC」?
気になる箇所はこのフレーズで、日本HPのメイドイン東京とかVAIOの安曇野フィニッシュまではまだセーフとしましょう。マウスの場合は飯山トラスト。
しかしLINEの画像の中には明確に「国産ノートPC」と書かれており、これはセーフなのかグレーなのかアウトなのか、個人的にはグレーだと思う。
内訳を推測すると、おそらくベアボーン(ノートPCの本体部分)はパソコン工房と同じく台湾のCLEVOというメーカーの可能性が高く、CPUはインテルなのでマレーシアとか、メモリはおそらく韓国、SSDも日本で作られているとは思えず、バッテリは中国だろうとして日本製の部品は何も無いはず。
なぜ「国産」と言っているかは長野県で組立てたから。この書き方も卑怯すぎる、私に言わせると上手すぎる表現。左の飯山TRUSTの上の注意書きにご注目。
「*一部モデルは海外製造も行っています。」という言い回しは逆に言えば「ほとんどのモデルは国内製造しています」とも捉えてしまえるので、より国産な印象が高まる。
正確にはスティックPCやタブレットのような丸ごと中国や台湾で製造した機種以外は国内で製造(パソコンを組立、ノートはベアへ組込)しているわけで、これらを国産と言って良いのだろうか。
国産、Made in Japan、これらの定義を毎回探すのだけれども明確な線引きなどは無いようで、国内で組立てているなら国産を名乗っても問題は無い模様。
以上。マウスのノートの話は終わり。ここから盛大に脱線。
Apollo Lake後継Gemini Lakeが2018年登場予定
Apollo Lakeの次、Gemini Lakeが来年の早い時期に出るそうな。ちなみにマウスのノートのCPU、Celeron N3450がアポロ~な繋がり。
Intel Apollo Lakeの後継Gemini Lakeの存在が明らかに - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1063203.html
Atomのキャンセルでこの低価格&低性能路線はもうやめるのだろうと勝手に憶測していたものの後継ありな予定。
上の図のEmbeddedとは組込用、M/BはマザーボードなのでCPUのロードマップでは無いけれど、マザーだけ出るわけが無し。おそらくCPUが基板へハンダ付けされた状態のマザーボードを指しているのかと。
Apollo Lakeは現在、ローエンドのPentiumおよびCeleronブランドで展開されているが、Gemini Lakeはその後継となり、製品ブランドも踏襲する
らしいので、来年もAtom並に低性能なCeleronやPentiumが出るという事に。これら2つはブランド名だけで性能の見当をつける時代はすでに終わっているので、同じPentiumという名前でも性能やコードネームで見分けるべき。
低価格な省電力CPUの性能が上がり続ける未来
普段からCeleron N~と聞けばクソ性能クソ性能とバカにするけれど、今回のマウスのノートはスティックのような超小型PCとは大きく違う箇所が本物のSSDを搭載している点。
フラッシュメモリーとだけ書かれており容量が64GB以下の場合はまずeMMC、旧Surfaceに至っては128GBでもeMMCという劣化SSDとも言えるストレージが搭載されているので、クソ性能なCPUに合わせてドライブの性能も低い。
PC Watchの記事より。
Gemini LakeはApollo Lakeよりさらに性能が引き上げられるとしている
どのくらい上がるかはインテルの担当も知らないらしいので不明ながら、この調子で性能が上がり続けると数年後には普通の人はCore iシリーズとか要らなくなるのでは無かろうか。
Celeron N3450の位置をPassMarkのCPUベンチスコアより。
source:PassMark CPU Benchmarks - Low Mid Range CPUs
すぐ上にノート用ながらCore 2 Duo、下にもノート用ながら第2世代Core i3、Gemini Lakeは少なくともこの辺りのスコアよりは上になるとするならば、いつかCore iシリーズを載せていようものならゲーマーなのか?と言われる日が来そうな予感。
AMDが今年から本気出しているのでインテルも価格を上げるに上げられず、そうなればパソコンはもっと安くなり、円高傾向になろうものなら再び3万円で割と使えるノートが買えるようになるやも知れず。
その方向で進むならばBTOパソコンとかカスタマイズなどの意味が薄れて行き、マウスやDELLのようなコスパ重視メーカーがバランスを取った完成品を買うものになる気がする。
となると、私のようなゲームとかデザインとかエンコードとかしない人間が自作PCする意味も薄れて行きそうで何となく寂しい。
>このCMが流れていたらしい
私はTV見たことが無いです。自宅外のTVでも無し。埼玉の秘境に住んでいるせいでしょうか。
>送料を含めた合計は46,224円であり
CM記念モデルと銘打つなら、送料無料サービスくらいした方が良いですね。46,000円なら240GB搭載のモデルが既にありましたし。
マウス - 限定台数 15.6型ノートPC m-Book B502E(完売)
http://www.mouse-jp.co.jp/m-book/mbb502/
Celeron N3160、4GB-RAM、240GB-SSD(SATA3)、15.6型グレア(1,366×768)
以上で税抜き 39,800円
>主な仕様を一覧。
15.6型の良い点は、本体が大きくキーボード面積も広く取れるため、キーボード配列に無理が生じないところですね。特によく使うエンターキーが極細になっていると、心地よいタイピングは絶望的。
マウス - B503E 写真ギャラリー イメージ11:キーボード
http://www.mouse-jp.co.jp/images/m-book/mbb503e/gallery/gallery11_mbb50_l.jpg
イメージ21:キーピッチ、キーストローク
http://www.mouse-jp.co.jp/images/m-book/mbb503e/gallery/gallery21_mbb50_l.jpg
ついでに書くと、左下の端にファンクションキー(Fn)を配置するメーカは絶滅すべき。コピペが失敗する上にミスタイプで文字が消える憂き目に遭います。
>CPUがクソ性能
いちおうCore2 Duo E6400(2.13GHzの2コア)くらいの性能はありますから、激遅で使い物にならない程度では無し。ただしシングルコア性能は非常に低いため、単純にCPUパワーが必要な処理は諦めた方が良さ気。ちなみにPassMark基準で、N3450のシングル性能は710、E6600のシングル性能は800。
>無線LANとBluetoothが一体型とかあるのか?
つまりココに障害が起こると、Bluetoothと無線LANが一挙に働かなくなると。部品点数を減らせるため、メーカとしては有り難いのでしょうか。
>「国産ノートPC」?
産地がどうたら言い始めたら、メイド・イン・ジャパンの製品なんぞ8割以上が消滅するのでは。もしかしたら「国産ノートPC」=「国(内総生)産(に計上される)ノートPC」やも。
>Gemini Lake
どうせ「性能は1~2%アップ(ただしシングル性能はダウン)」とか「消費電力は15%ダウン(6W→5W。ただし発熱量は変わらず)」とか、微妙な変化でしょう。いっそ多コア化を推進して「消費電力15W、コア&スレッド数16、クロックは1.20GHz(バースト時1.80GHz)」とかやらかしてくれれば、時間のかかる作業、たとえばダビングとか動画変換とかオンラインゲームの売店とか、放置系の用途として需要が少しは広がりそうな気がしない事も無いですが。
ひとつ訂正
誤:E6600のシングル性能は800
正:E6400のシングル性能は800
E6600のシングルスコアは905でした。並列で見ていたため取り違えました。失礼。
>このCMが流れていたらしい。
自室のでは滅多につけませんが、家族と夕食を食べながらテレビを見ているので、このCMは知ってます。それなりの頻度で流れてる印象ですね。
ちなみに私はとちぎちほーの秘境です。
>以前はメーカーとかMLC、TLCにこだわる人が多く
最近はMLCすらあまり見かけなくなり、新製品はほとんどTLCですね。
以前ほどのTLCへの拒否感はなくなりましたし、SSDコントローラーなどももはやあまり気にしていません。
>15.6型2.2kg、幅約38cmはモバイルでは無く主に半固定ノートPC
私の出張用モバイルノートはバリバリの15型2.5kgです(笑)
なかなかいい筋トレになりますよー。来月さいたままで行かなきゃー。
>私は店頭へ行かない人間なので今どうなのか不明ながら
つい先日、元同僚の方からノートパソコンの購入相談をされたので、一緒に何店か巡ってきましたが、ディスプレイされているものはほとんどCeleron+HDDマシンでしたね。マウスなら5万円以内で買える性能が、店頭にあるような国内メーカー製品だとたやすく10万円オーバーな価格になってしまい、とてもオススメできるようなものではありませんでした。最近のCeleronなら一般用途であれば問題ないのかもしれませんが、やはりちょっと抵抗があります。
結局、マウスのi3+SSD256GB+RAM8GBマシンを紹介しました。
>国産
「国産」という言葉は、パソコンを値段以外で測ることができない人たちからすると、ものすごく安心感につながるようです。
>私のようなゲームとかデザインとかエンコードとかしない人間が自作PCする意味も薄れて行きそう
いっそ意味を創ってみてはいかがでしょう?VRマニアになるとか。
>普段からCeleron N~と聞けばクソ性能クソ性能とバカにするけれど
やっぱりあきません。
高速SSD+低速CPUと言う組み合わせは、
高偏差値+有名大学卒
でありながら、実社会で役に立たない、馬鹿のイメージしか沸きません。
実際に頭(高速CPU)が必要な場面では・・・
こんなん使いたくも無い。