今年は仕事が早いMM総研。
先日、IDCが国内PC出荷台数を発表したと思えばMM総研も。いつもはもっと遅いはずだけれども私の勘違いかと疑い過去データを見ると、2018年度分は2019年6月発表になっていたので合っております。
暦年データ2つでの答え合わせの試みは初。
2019暦年度PC出荷台数と前年比(by.MM総研)
MM総研も良い仕事をする。JEITAが無能とは言っていない。
2019年の国内PC出荷台数は1570万台―MM総研 - ITmedia
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2003/10/news131.html
エスパー私、というかIDCが答えを書いていた件。
富士通ではインテルCPUの調達に問題があったことによって年内に出荷できなかった数量がかなり大きかったと推測
日本HPのMM総研2位、あり得ない話では全然なくなった。
本当に2位を取ってしまった日本HP。ITmediaのグラフでは細かい数値が書かれていないのでMM総研ソースより。
- NECレノボ・・・26.8%
- 日本HP・・・18.6%
- DELL・・・16.3%
- 富士通・・・15.9%
- dynabook・・・7.7%
それにしてもNEC強いですな。
富士通PCが間に合わないので日本HPで代用したとは思えず、国内風メーカーつながりで富士通不足はNECが補ったとするならば、HPとDELLの伸びが異様にデカい。
私の勝手な印象では、NECなどは役場とか老舗の大手企業とかその下請けや子会社。HPとDELLは医療関係、ベンチャー、社名が横文字の企業で多い気がする。気のせいかも知れないけれど。ちなみに中小企業な弊社はパソコン工房一色。
そして非常に珍しいグラフも出ております。
個人と法人の割合、しかも年度別とか初めて見た。
法人向けは2015年から減るどころか毎年増加しており減っているのは個人向けで、その個人が久々な5年ぶりに増加、更に法人が昨年度激増したという。
JEITAがよく「法人8割」のような表現をしていたものの、最古な2015年度で見ると8割どころか7割も怪しいくらいの比率。但し2019年度に限ると法人比率は圧倒的ですな。
気になるのでピクセル単位で割り算してみた。
- 2019年度・・・個人26.9%:法人73.1%
- 2015年度・・・個人43.5%:法人56.5%
全然8割ではなかった件。
ちなみに個人の青い棒は、2019年170ピクセルに対して2015年は178ピクセルだったので、個人の2019年は2015年に負けております。やはりスマホなどの影響か。
これら合計の台数がどこまで落ちるかは2015年度並な1千万台、あるいは反動減が効いてもっと下がるやも知れず。
IDCのデータと比較し答え合わせしてみる
MM総研の数字を3箇所引用。
出荷台数は過去最高の1570万台(前年比41.5%増)
個人系ルートは424万台(前年比18.4%増)
法人系ルート(企業・官公庁向け販売)は実績が1146万台(前年比52.6%増)
IDCの数字は、全体1735万台(前年比45.7%増)、個人475万台(18.1%増)、法人1259万台(59.7%増)なので分母はIDCの方がデカい模様。
IDCに対するMM総研の数値は、全体90.5%、個人89.3%、法人91.0%、なので1割くらいMM総研が取れていない数値をIDCは持っていることに。
メーカー別はグラフで見ましょう。
IDCはNECと富士通が合計になっているため、MM総研のデータも合計して比較するとこうなる。上の図がIDC、下MM総研。カッコ内はMM-IDC
- レノボ/NEC/富士通・・・135.1%(+1.7)
- 日本HP・・・182.5%(-3.8)
- DELL・・・146.6%(-8.7)
- dynabook(シャープ)・・・129.2%(-29.0)
双方、どこから何の数値を持って来たのかわからなくなってしまった。カッコ内の差は前年の分母も違うと思われ、特にdynabookがひどい。
最後にMM総研予想の個人と法人。
2020年のPC出荷台数は前年比26.3%減の1157万5000台と予測している。
内訳は、個人系ルートで3645万5000台(前年比14.0%減)、法人系ルートで793万台(前年比30.8%減)で、Windows 7の延長サポート終了に伴う買い替え需要が一巡したことによる「反動減」を見込んだ
法人3割減で利くだろうか。
極端な話、私の居る職場では昨年に全部Windows 10にした。アップグレードしたり買い替えたり、そして性能不足や年代物もついでに買い替えたので今年は故障や従業員を増員しない限り1台も導入予定がございません。
テレワーク需要とか正気で言っているのか?
締めの一文より。
働き方改革によりテレワーク(リモートワークや在宅勤務)によるモバイルPCに対する需要や、eスポーツを始めとするPCの用途拡大により、中長期的にはPC市場は拡大基調になるとも予測している。
まずeスポーツはNECや富士通関係ないと思われ、DELLとかHPでさえ日本国内のゲーミング市場には入り込めていない印象があり、ボッタクりノート路線なdynabookは論外、Apple関係無いとしてゲームはBTOか自作PCが主流でしょう。
そしてテレワーク需要が正気の沙汰とは思えない、とは私がそう思っているだけではなく、2chまとめでもそういうことが書かれておりました。
うちも新型コロナでテレワーク推奨になって希望者に自宅で作業してもらうよう促してるんだけどおよそ二週間経って各社員の作業効率がものすごく落ちて社内で問題視されてる
source:テレワーク始めたけど... : PCパーツまとめ
弊社、少なく見ても2割の効率下落、部署により5割とまでは行かないまでも4割くらい生産性が落ちてしまったのは私の居る職場に限らないはず。
実施(実験ともいう)してみてわかったことは、在宅勤務で良いのならば非正規やフリーランスが下請けできるのでは、という疑問。
今はコロナ騒ぎで取引先などの活動も落ちているのでバランスが取れているとしても、自社のみテレワーク率を高めるとそのバランスが取れるわけがないと確信できるほど非効率。
私も休みの日は在宅勤務状態になる時があるからわかる、どうしても集中力が落ち、小休止からブログのネタを漁るなどサボってしまう、誘惑が多すぎる。
その点、非正規雇用ならば非効率な人間はすぐに切れるし、対価に見合わないフリーランスも契約終了すれば良いとしても、社員でこれやると日本だからなのか生産性がガッツリ落ちるのは仕方ないのか。
サボらないとしても急な打ち合わせで誰かの音声が入らないとか、呼び出して集合できるまで時間を要するなど、やはり現場で集う農耕民族の働き方に合わないのが在宅勤務と実感しております。
よって、一時的に、コロナ騒ぎが終わるまでは在宅祭りになるとしても、さすがに年内には治まるだろうとすると来年以降のPC市場氷河期は待ったなしとしか推測不能。
私は「とりあえずやってみる」が基本なので、いきなり95%目指して在宅に切り替えてみたけれど、もしやるなら少しずつ緩やかに移行を試した方が良いと忠告申し上げたい。
やはり日本人や国内企業にテレワークは合わない。やるなら海外のように非正規状態や下請扱いの実力や成果主義でなければ難しい。
というわけで、
MM総研では、2020年のPC出荷台数は前年比26.3%減の1157万5000台と予測している。
ならば1千万台は余裕で割るでしょう。大手PCメーカーには関係ないeスポーツ需要や一時的なテレワーク特需を入れての1157.5万台予想なのだから。
>HPとDELLは医療関係、ベンチャー、社名が横文字の企業で多い気がする
保険の営業さんが持ってくるノートPCも2社のモデルをそこそこ見かけます。半分くらいは富士通だった気がしますけれど。
>中小企業な弊社はパソコン工房一色
弊社はレノボが多いです。NECレノボではなくレノボ。ほかはHPとDELL。生き残りのエプソンもあり。
>テレワーク需要
テレワークって準備から実施まで1ヶ月やそこらでやるなら、よほどフットワークが軽いか従業員数が10人以下の小さな会社かコンプライアンスが皆無かくらいしかありませんから、あと10ヶ月くらい新型コロナが猛威を振るい続けない限りテレワーク需要は生まれないでしょう。