NECが妙なデスクトップPCを発表。
Windows8祭りでプレスリリースが目立たなかったけれど、12月よりMateシリーズにて新型MCが発売予定。セパレート(本体モニタ分離)型のスリムケースで、法人向けに特化したと思われる機能や性能が見所。
もちろん興味は無いので適当に参ります。
法人用デスクトップ「Mate MC」はバッテリ駆動約10時間
リリース記事をPC Watchより。タイトルを一部省略。
【PC Watch】 NEC、企業向けのバッテリ内蔵のデスクトップ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20121022_567697.html
Windows8仕様の板PCやノートも有るけれどスルーし、最後に出て来るデスクトップPCにご注目有れ。
大容量バッテリを搭載し、長時間のピークシフトに対応したデスクトップPC
UPS(無停電電源装置)などという生半可な物では無く、NEC自称によると最大9.7時間もバッテリ駆動可能。但しJEITA測定なので盛られていると予想。
構成の一部をPC Watchから引かせてもらうと。
- OS:Windows8 Pro 64bit
- CPU:Core i5-3320M(2.6-3.3GHz、2コア/HT対応、3MB、TDP35W)
- メモリ:4GB
- HDD:320GB
- DVD:スーパーマルチドライブ
- モニタ:19型液晶(解像度:1440x900)
これで約24万円という、NECの平常運転価格。
電源、ケース、マザーボードを高めに計2.5万円とすると、PC本体は約6万円。19型モニタの価値を約1万円とするとバッテリ代が17万円くらい。意味が解らない高額さ。
19型液晶モニタも解像度が低い割にNECのカスタマイズでは4万円となっており、これも意味不明。
そのカスタマイズもえらい事になっております。
上部にフーレムモデル価格が14.4万円となっており、てっきりBTOメーカーでいう標準構成の事かと思いきや、HDDやメモリなどを見ての通りプラスされております。標準構成18.5万円。
HDDは市販の約2倍、メモリは10倍以上など凄まじいNEC価格。
また、このPCは構成を見ての通りノート用CPUを使っており、ノートのモニタとキーボードを取り払い、本体部分をスリムケースに入れたような物。
バッテリの物理的な大きさがノートPCの2~3倍くらいあるので、この形になったのでしょう。ちなみにレノボの15.6型ノートなら5~6万円の仕様。
NECかつ法人向けPCならではの特徴的な機能や性能
NEC製品が高額なのは今に始まった事では無く、それにはハードウェアの仕様以外に理由がございます。
個人向けPCとは違う特徴をMate MC公式ページより抜粋しつつ紹介。
最大9.7時間駆動のバッテリを搭載
結構でかいと書いたけれど、どの程度か写真が有るので拝借。
仕様詳細を見てもJEITAのインチキ測定による時間のみ書かれており、容量などバッテリそのものの詳細は無し。
バッテリがでかいモニタ無しノートと思えば良いでしょうか。なぜバッテリを積んでいるかは後で判るので続きをどうぞ。
パワーオフUSB充電機能に対応
簡単にいうと、PCの電源を落としてもUSBからの給電が可能なマザーボードを採用。私が今これを買いているPCのマザー(ASRock X58 Extreme3)もこれで、PCの電源を切れど5インチトレイのLEDは煌々と輝いております。
用途は携帯電話などの充電。停電でもPC本体にバッテリが載っているので充電出来るという。デスクトップPCでこれは珍しい。
映像出力はDVI-DとDsub-15pin
今時なぜHDMIにしないのかと思ったけれど、企業用の液晶モニタは古い物が多く、それに対応する為に意図的にDVIとDsubにしているのでしょう。
最近の個人向け、一般的なマザーボードはHDMIが主流、有ってもDVI。Dsubは2015年までにインテルやAMDがやめるらしく消滅の予定。変換すれば良いだけでは有ります。
自動ピークシフト、消費電力モニタ
バッテリを搭載している最大の理由と思われる機能がこのピークシフトと思われ、NEC様の御Mate MCなら自動制御可能。
そして消費電力モニタまで搭載されております。
これは凄い。のか、良く解らない。
電源オフで0Wに近付くACアダプタ
更に消費電力を気にする為に、ACアダプタがゼロワットACアダプタという物になっており、PC電源オフ時の消費電力を限り無く0に近付けるそうな。
私が所有しているネットブックは、ワットチェッカーで測ると電源オフでも常時0.5Wくらい消費しているので、0.5ワットさえ許さないなら利点。但し、完全に0では無さそうなので0.1Wとすると0.4ワットくらい(もういい
DeviceProtectorで接続機器制限
企業用だけ有り、USBや光学メディアへデータをコピーし勝手に持ち出させない機能も付いているとの事。
という事は、もちろんローカルエリア限定、インターネットには接続しない環境での利用となるのでしょうな。
FlyFolderで自動バックアップ可能
自動でオンラインストレージへバックアップ。DeviceProtectorとは併用しない場合とかそういう意味でしょうか。
しかし気になる事を発見。
「オンラインストレージ for FlyFolder」サービスは、2012年7月31日をもちまして終了いたしました。
NECは別のFlyFolderの事を指しているのか、他の機種から特徴ページをコピペしたミスかは不明。
ピークシフトアピール用、普通はノートで良い(まとめ)
このパソコンが矛盾している点は、バッテリ駆動時間を伸ばす為に全体的に省電力化されている事とピークシフト目的な点。
消費電力はアイドル時(と思われる)で約9ワット、最大構成の最大消費電力でさえ90ワットと低め。
平均20ワットを切れるとすると、蛍光灯1本消灯にも満たないレベルなので、企業などが数百台とか数千台規模で導入してくれなければピークをシフトする意味が薄いでしょう。
また、CPUがモバイルのTDP35Wになっているけれど、省電力を目指すなら更に省電力なU付にすれば良いと思ったけれど、あからさまに低過ぎ意味が薄いとバレる為、Uをやめたのかとも推測。
もう一つ、デスクトップPCにバッテリ搭載も矛盾しており、写真を見る限りではPC本体に外部電源出力は無し。要するに停電時はモニタが使えない=PCとして使えないわけですな。
ノートPCなら、ウルトラブックを例にするとバッテリ駆動は最低でも5時間。最近はAcerの安物でも10時間駆動のノートも有るので、バッテリ駆動という意味ならノートでよろしいかと。
このNECのバッテリ搭載デスクトップはあくまで企業が「ピークシフトしている(キリッ」と宣伝する為の物で、バッテリの実用やピークシフトの効果は微妙。
価格も異常な程高い為、大量導入で24万円を半額の12万円にしてくれるとしても、このスペックのノートなら先に書いたように6万円しないのでノートの方が経費削減かつ消費電力も元から低いのでお勧め。
個人的にはピークシフトやエコ宣言で働き難い環境を作る企業が嫌いな為、これを導入する企業は経営陣の自己満足でしか無いと感じておりますが、どうでも良いですな。
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