ほぼ同時期にオンキヨー、HP、エプダイからノートの新製品。
性能はそれぞれ違う為、3社で比較という事では無く、「本当にこの新製品は良い物なのか」という判断について。良いという定義はここでは、性能、価格、付加価値の3点。ノート購入を検討している自称PC初心者の人へ参考として。
いつも通りやや偏るので話半分くらいでどうぞ。
VAIO並に高額なオンキヨーの新製品
高いノートは、定番になりつつ有る価値に見合わぬ価格設定をしてくれるオンキヨー製品。発売は2011年7月26日、型番はDR425(店頭版DR425A7)でサイズはA4よりやや大き目で14インチ。
オンキヨー、“Sandy Bridge”搭載の14型ノートPC - ITmedia
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1107/26/news099.html
一見何の変哲も無いノートですが、そのまんま平凡なノート。強いて特長を挙げるならBlurayの読み書きドライブが標準で搭載されている事。
どのようなSandyBridgeが載っているかは、他のメーカーでも多く採用されている Core i5 2410M。
店頭とBTOのスペックは同様。主要構成を一覧にすると。
- OS:Windows7 Home Premium 64 ビット
- CPU:Core i5-2410M(2.30GHz/TB最大2.90GHz、3M、2コア/HT対応)
- チップセット:インテル HM65 Express
- グラフィック:インテルHDグラフィックス 3000
- メモリ:4GB(2GB×2)PC3-10600/1333MHz DDR3
- HDD:500GB (SATA 3Gb/s、5400rpm)
- ODD:ブルーレイディスクドライブ(書込R,RE,DL対応)
- モニタ:14型ワイド、光沢、LED(1,366×768ドット)
- 有線:10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応
- 無線:IEEE802.11b/g/n
- その他:HDMI出力、USB2.0x3、SD系カードリーダーなど
- 重量:2.2kg
- バッテリ駆動:約5.2時間 ※JEITA測定法
他社のノートはBlurayの箇所がDVDスーパーマルチになっている事が多く、この構成でDVDドライブならAcerやLenovoなら5万円くらい。
ブルーレイの価値を+1万円少々とするなら6万円強が妥当かと思われますが、何とオンキヨー(ソーテック)ブランドでは実売予想価格が79800円。約2万円弱はどこから来たのかと。
具体的な例として、DELLから似たような構成を一つ。
鬱陶しいチャット窓を敢えて残したInspiron15Rプレミ(略)は約8万円。しかし発売当初から値引きしていると思われ、値引き後の価格は約63千円。オンキヨーより17千円くらい安い。
画像の左側、または右下を見ての通りパーツのカスタマイズは不可な特急便。CPUやOS、メモリ、BlurayなどはONKYOとほぼ同じで、Bluetooth3.0が付属しております。
では79800円出すとどこまで行けるのか。
source:価格.com - SONY VAIO Cシリーズ VPCCB19FJ/W [ホワイト]
VAIOの春モデルが購入出来るレベル。ちなみにこのVAIOは発売当時に約16万円と大変なセレブ価格。良く有る事ですが、3ヶ月少々で半値になった御様子。
オンキヨーのノートに負けている箇所はバッテリ駆動3.5時間(JEITA測定)と短め、そして重量2.85kgと重めな程度。
それを補う程の付属する機能などは。
- (オフィス:Office Home and Business 2010)?
- グラフィック:AMD Radeon HD 6470M 512MB
- その他:Bluetooth 2.1、USB3.0x1
MSオフィスは価格コム側には書かれており、ソニー直販では表記無し。おそらく登録ミスと思われるものの、私の勘違いかも知れない為、一応。
オフィスは無いとしても、グラボにRadeonが載っており性能としては上で、これの為にバッテリ駆動時間が落ちているのでしょう。
利点はBluetoothやUSB3.0で、特にUSB3.0はノートのバックアップには必須とも言える端子。未だ3.0対応の外付け用HDDやアダプタの価格は高いものの、有った方が良いでしょう。
以上、SOTECの頃なら「激安」という取り柄が有ったけれど、それを高くしたONKYOブランドには特長が無く、社員や株主以外はDR425を選択する理由が無いと思われます。
エプダイの本気かも知れない普通ノート
ONKYOより性能としてはやや落ちる、エプソンダイレクトのPentium B940搭載ノート。偶然にも右はオンキヨーと同じくCore i5 2410M搭載モデルが有り、DELLより高い割にBlurayでは無くカスタマイズも無し。
しかし左のPentium B940搭載機は安めの価格設定で、i5-2410Mは当て馬かと思う程に良心的。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- CPU:Pentium B940(2GHz)
- チップセット:インテル HM65 Express
- グラフィック:インテルHDグラフィックス 3000
- メモリ:4.0GB(4.0GB×1) PC3-10600 DDR3 SDRAM
- HDD:320GB シリアルATA 300MB/s対応 5400rpm
- ODD:DVDスーパーマルチ
- モニタ:15.6型 WXGA(1366x768)
- 有線:1000Base-T/100Base-TX/10Base-T対応
- 無線:IEEE802.11a/b/g/n
- その他:HDMI出力、USB2.0x2、USB3.0x2、SD系カードリーダーなど
- 重量:2.5kg
- バッテリ駆動:約5.3時間 ※JEITA測定法
これで約5万円。
そしてエプダイは有料ではあるものの、電話サポートや保証期間の延長がカスタマイズより可能な為、性能よりそちらへ予算を回すなら有りかと。
敢えてONKYOと比較すると、CPUの性能を落としBlurayが要らないなら、3万円の差額はでかいと言えましょう。
他社製品と比較すると、dynabook(Satellite B351)が45千と安いものの、メモリは2GBに落ちてUSB3.0が無し。メモリは何とかするとしても、やはりノートはUSB3.0の価値が大きいと見ます。
エプソンダイレクトの安い機種は標準構成の性能が低く、カスタマイズするとバカ高くなるという仕組が多く有りますが、このノートに関してはカスタマイズが無い為高くなれない。標準構成では普通の価格なので、エプソンが好きまたはエプダイで良いなら有りでしょう。
本気で検討するならITmediaの検証をどうぞ。
Sandy Bridge世代+USB 3.0で4万9980円:この価格、本当デスカ?──「Endeavor NY3200S」のコストパフォーマンスに驚く (1/2) - ITmedia +D PC USER
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1107/25/news007.html
この価格本当ですか?は言い過ぎ。そこまで安く無い。
ノートに強いHPは考え方が他社とは違う
安いノートはHP。と言いたい所ですが、AcerやLenovoなど完成品はショップ在庫が安め。BTOならHP。他社のようにインテル入ってる、をしないノートを新発売。
ASCII.jp:Llano搭載のエントリーノート HP g6-1100の実力は?
http://ascii.jp/elem/000/000/623/623953/
特長はCPUにAMDのAPU(グラフィック統合CPU)を載せており、現在では最新と言えるA4-3300Mを標準搭載。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- CPU(APU):AMD A4-3300M(1.90GHz/最大2.50GHz、2MB)
- グラフィック:AMD Radeon HD 6480G ※CPU統合
- チップセット:AMD A60M FCH
- メモリ:2GB(2GB×1)PC3-10600 DDR3-SDRAM ※最大8GB
- HDD:320GB SATA 5400rpm
- ODD:DVDスーパーマルチ
- モニタ:15.6インチHD(1366x768)
- 有線:100Base-TX/10Base-T対応
- 無線:IEEE802.11b/g/n
- その他:HDMI出力、USB2.0x2、SD系カードリーダーなど
- 重量:2.36kg
- バッテリ駆動:約6.25時間 ※MobileMark 2007
価格は約4万円(39,900円)と少し前のネットブック並の安さ。ニュースでは「3万円台」とか「4万円を切る」とか書かれておりますが、HPは送料が高い(3150円)ので実質43,050円となり、全然4万円を切っておりません。
CPUとGPU(グラフィック)が統合されているので合わせて言うと、これらの性能は先に出たエプダイのPentium D940より上と思われ、しかし価格は1万円安め。理由はインテル入っていないからという、ブランドの差によるもの。
エプダイと比較し弱い所は。
- メモリが2GB
- 有線LANが100BASEまで
- USB3.0が無い
これらが気にならないなら約43千円でネットブック(ミニノート)では無い普通のノートが手に入るわけです。
個人的に日本HPなど外資系の良いと思う箇所はバッテリ駆動時間。日本のメーカーが基準にしているJEITA測定はインチキな程に長めに書かれており、HPやDELLはベンチマークソフトや無線LANを使用し実測したりが良く有ります。
メモリが2GBで充分とし、USB3.0やLANの高速性を利用しないなら有りでしょう。バックアップは無線LANの「n」で通信し、軽めの用途ならメモリ2GBでも充分かと。
詳細はベンチマークや分解も有るので、先に入れたITmediaのレビューにて。しかし、筆者殿の主観が多い為惑わされぬよう。
アイソレーションが使いづらいとか、タッチパッドは左に寄せた方が使い易いなどは人それぞれ。キーボードは慣れ。私の場合はタッチパッドが左に寄ると手首が当たる為、中央が最適と考えます。
新製品ノート比較「2011年夏休み版」まとめ
新製品が偶然似たタイミングで出たという事で3種類を勝手に評価しておりますが、ノートと言えば有名メーカーの型落ち狙い。
約1ヶ月前、やたらと値下がりが早くなっており今年のノートは夏モデルも検討しようと書いた記事を更に追ってみると。
価格は左から、発売時、6/22時点、7/30時点。
- 11.5万円 -> 6.8万円 -> 6.4万円 ・・LaVie S LS150/ES6B
- 12.0万円 -> 8.3万円 -> 7.0万円 ・・FMV LIFEBOOK AH54/D
- 15.0万円 -> 8.5万円 -> 8.8万円 ・・FMV LIFEBOOK AH56/C
- 17.5万円 -> 10.4万円 -> 8.7万円 ・・LaVie L LL750/ES6B
- 16.0万円 -> 10.7万円 -> 8.5万円 ・・FMV LIFEBOOK AH56/D
3のみ春モデルで、価格が上がっている理由は底値かつ在庫しているショップが減り競合が薄くなっている為。
他は夏モデルで、9月を待たずに落ち着きそうでは有りますが、秋冬モデルが出ない内から在庫を切らせるとは思えない為、今年の夏は夏モデル狙い、そして在庫処分が長めになると考えた方が良さそうです。簡単に言うと安い時期が長い。
いつが買い時かは上の一覧では無く、前回の記事より各機種のリンク先から価格コムへ行き、グラフが横ばいになっているか確認。取り扱いショップが10軒以上で3週間以上値下がりしていないようならおそらく底値。
以上、やはりノートはBTOより有名メーカーの方が安いという話では有りますが、修理代は阿保のように高いので、カスタマイズで長期保証を付けるか使い捨てるつもりで利用しましょう。
しかし4番のNEC(LaVie L LL750/ES6B)ひどいですな。
i7-2630QM、4GBメモリ、HDD 750GB、USB3.0x2、Bluray(読み書き可)。これで8.7万円はまだ高い、と思われる事無かれ。
MSオフィス~2010(BTOならカスタマイズで2万円相当)が付いている為、MSオフィスに2万円の価値が有るとするなら本体は6.7万円の計算。DELLでさえ高く見える型落ちマジック。
NECなどの新発売はぼったくり価格なので御注意有れ。2ヶ月少々で半値になっておりますが、彼らのノート価格はこれが普通。
だめだこれはまずい…悪影響が…
昨日までの3連投HP格安SSDノートレビューの後に見るとわりとどうでもいいっていうか、この記事のラインナップのスペックに全く興味を惹かれない件についてw
>グラフが横ばいになっているか確認
>3週間以上値下がりしていないようならおそらく底値
よーし、今日のポイントはきっとこれだな。これってことにしよーw
私の感覚ですと1.5月程フラットなら底値確定と見てまして、ただし市場からほぼ消えかかっているという諸刃の剣
>彼らのノート価格はこれが普通
これでも一時よりだいぶ下がったほうですよね。
イメージ的に発売時20万割ってるとか在り得なかったものw
>SONY VAIO Cシリーズ VPCCB19FJ/W [ホワイト]
>MSオフィスは価格コム側には書かれており、ソニー直販では表記無し
価格コムに登録されている販売店の販売ページをいくつか拝見しましたが、ソフマップやECカレント、またPC DEPOT等の比較的に大きなサイトには「Business 2010 搭載」と書かれていますから、搭載されているのでしょうね
>エプソンダイレクトのPentium B940搭載ノート
こちらIntelの罠なのですが、B940搭載のGPUでは高速GPUエンコードのQuick Sync Videoに対応しないのですよね
Intel内 Pentium B940の詳細ページ
http://ark.intel.com/ja/products/55626/intel-pentium-processor-b940-%282m-cache-2_00-ghz%29
Intel内のCPU比較ページのリンクを以下に貼ってみます
http://ark.intel.com/ja/compare/55626,52224,50072,43230,46483,53490,53491
左端が今回のB940、左から2~3個目はSandy Bridge世代のノート用i5、左から4~5個目はClarkdale世代のノート用Pentium、右から2つはSandy Brige世代のデスクトップ用Pentium
右2つは旧世代GPU採用に合わせ、命令セット拡張にAVXがありません。そしてこれは右端のB940も同様という点からすると、B940が採用しているGPUは旧世代のHDグラフィックスなのでは
>Llano搭載のエントリーノート HP g6-1100
HPは私の知る限りで昔から、同モデルでIntel系CPUorAMD系CPUのどちらを搭載するかを選べましたから、AMDとのパイプは強いのですかね。改まって見ると、ノート用チップセットは登場しても各所でレビューが掲載されませんから、特にAMD系のチップセットはパッと見で「ああこのくらいの性能だな」と当たりを付けるのが難しいですね
ところでChromeOS搭載の2万円切りくらいのノートは、いつ頃ご登場に遊ばせやがりますでしょうか
前日までのHPのノートPCの方が魅力的だったので、まったく欲しいと思えなかったり……。
実際はあまりノートPCの性能には拘らない方なんですがね。
同じ土俵のものではありませんがノートではあるのでこちらを
ネタが尽きないAlienwareの4gamerの「広告企画」記事より
http://www.4gamer.net/games/092/G009238/20110726018/
広告記事ではあるにせよ構成価格38万円って・・・
確かにベンチマークはデスクトップに勝るとも劣らないものではありますが、比較対象のデスクトップは恐らくディスプレイ込みでも半額以下でしょう。場所を取らない選ばないことと、デスクトップと比べてのいくつかのデメリットにプラス20万を出すのはどうなのかと。
ノートをメインに使っている人からすれば十分ありなんでしょうか。