ユニットコムよりライトゲーム用とされるBTOパソコンが発売。
ライトゲームとは、軽めな用途なPCユーザ向けのゲーム用PCかと思えば、軽めなゲーム用という意味のようで、ゲーム用PCとしては安めな7万円台しかも3種類。AMD構成も有り珍しいと思うのでネタとして。
PC初心者向けで参ります。
ライトゲーム用パソコン7万円台で3機種発売
ニュースリリースをPC Watchより。
パソコン工房、「ROBOTICS;NOTES」のあき穂とフラウをデザインしたビジュアライズノート ~ライトゲーム向けのデスクトップPCも発売 - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20130308_591024.html
現物のデザインやイメージが全く伝わって来ないけれど、画像も一応。
リリース文の前半は、ユニットコムが随時垂れ流している超割高な変態向けノートなのでスルーし、おまけのように載っているライトゲーム用PCより。
また、ライトゲーム向けのデスクトップPC「Amphis BTO GS5」シリーズも発売した。ブラックを基調としたミニタワーケースを採用した製品で、3モデルがラインナップされる。
3モデルの価格は下から、7.3万、7.5万、7.8万円。共通の仕様は以下。
- OS:Windows7 HomePremium 64bit
- メモリ:8GB(PC3-12800)
- HDD:500GB
- DVD:スーパーマルチドライブ
- ケース:オリジナルミニタワー
- 電源:450W
可もなく不可も無い無難な標準構成。メモリを4GBでは無く8GBにしているのは、2GBメモリの在庫の都合でしょうか。
そしてゲーム用を謳うなら、Windowsはまだ7が正解でしょう。8はゲームの対応状況が判らず早すぎる。
他の構成、最安の7.3万円PC(Di GS500-Ci5-GZ)は以下。
- CPU:Core i5-3470(3.2-3.6GHz、4コア、6MB、TDP77W)
- マザー:Intel B75 Expressチップセット
- グラボ:GeForce GT 640(2GB)
これまた無難な構成で、中程度とは言え高性能なCPU。
拡張性や機能を求めず、無改造前提とするなら廉価版インテル7シリーズ、B75でも充分。言い方を変えるとZやHは無駄に高くなるだけ。
ゲーム用としては珍しく、GeForceはGTXには届かずGT640。但しビデオメモリは2GBと大きめですな。
同じ構成で、グラボ違いの7.5万円(Di GS500-Ci5-IX)は以下。
- グラボ:GeForce GTX 650(1GB)
2千円追加すると1ランク上のGTX650へ上がるもののVRAM容量は低下。これにどういう意味が有るかはゲームにより違うと思うけれど、単純に2千円乗せるとグラボ性能が向上。
気になるAMD構成、7.7万円(GS500a10)は以下。
- CPU:AMD A10-5800K(3.8-4.2GHz、4コア、4MB、TDP100W)
- マザー:AMD A85Xチップセット
- グラボ:Radeon HD 7850(1GB)
AMDは何の事やら解らないけれど、CPUの動作クロックはCore i5より高く、キャッシュは少なめ。マザーはFM2というソケットで、A85Xが何かは良く知らない。
グラボはRadeon HDと付いており、一瞬CPU内蔵かと思わなかった理由はVRAMが1GBになっている為。
AMDのグラボはしばらく新製品が出ておらず、HD7850は上から4番目くらいの性能となっております。
実に選びにくい3択ですな。インテル入ってる方が良いと思うなら7.5万円、AMDでも良い、またはAMDが良いなら7.7万円、なのか。
グラボ性能をPassMarkのスコアで比較
個人的にAMDがさっぱり解らないので、いつも通りPassMark頼りにて。ビデオカードのハイエンドより。
いきなり勝負が付いたようですな。いくら何でも2倍以上の差を付けられては、某ゲフォ信者の方も納得されるでしょう。
上位も見ておきましょうか。
Titanはスコア以外に価格が反則(実売13万円クラス)なのでスルーし、GTX680以下を見るとHD7850は健闘している方と言えましょう。
CPU性能もPassMarkのスコアで比較
ゲームでグラボの次に重要と思うパーツはCPU性能。こちらもPassMarkより、CPUのハイエンドから抜粋。
勝敗はビデオカードと逆転。
ゲーム用としてならAMD構成、ゲーム以外の用途や利用時間が多いならインテル構成、と言いたいけれど、Core i5と良い勝負をしているとするなら、グラボとCPUの組合せではAMD構成の方が勝ると言えるかと。
ちなみに私はインテル信者。
内蔵GPU性能を一応比較
※ここから誤り(当日11:30頃訂正)
いずれのCPUにも内蔵グラフィック機能が有り、グラボがぶっ壊れて抜いて使う場合。海外にてピンポイントで比較しているサイトが有ったので一応。
source:AMD Trinity A10-5800K vs Intel Ivy Bridge i5-3470 - by VR-Zone.com
画像はバトルフィールド3というゲームで設定を上げた場合の一例。
他にも計測はいくつか有り、全体的にCore i5のGPUが微妙に勝っていると言えそうな結果となっております。詳細はソースのリンクをどうぞ。
※ここまで:VR-Zoneのスコアは内蔵GPUでは無く外付GPU搭載時のCPU性能比較とのご指摘有り訂正。有難うございます>ザンさん
CPU性能の比較としては妥当なスコア、但し内蔵GPU性能はAMDの方が平均2倍ほどインテルより高くなるとの事。
BTOパソコンなら自作PCより安くなるか?
PC初心者用としたので、自作PC(パーツ単品購入し自分で組立た場合)と価格を比較しておきましょうか。2013年3月現在、価格コム最安より千円単位へ四捨五入。
まずは全機種共通のパーツより。
- OS:Windows7 HomePremium 64bit・・10千円
- メモリ:8GB(PC3-12800)・・4千円
- HDD:500GB・・5千円
- DVD:スーパーマルチドライブ・・2千円
- ケース:オリジナルミニタワー・・6千円
- 電源:450W・・4千円
共通パーツは小計31千円。
Windows7は手動で最安を探し、ケースはInwinのZ675で海外では100ドルとか書かれていたけれど、設計を見ると良くて6千円だろうとして値下げ。電源もこんなものでしょう。
次にインテル構成部分。
- CPU:Core i5-3470(3.2-3.6GHz、4コア)・・18千円
- マザー:Intel B75 Expressチップセット・・7千円
インテル価格は小計25千円。
そしてAMD構成部分。
- CPU:AMD A10-5800K(3.8-4.2GHz、4コア)・・12千円
- マザー:AMD A85Xチップセット・・7千円
AMD部分は小計19千円。見づらくなるのでグラボは次で。
- グラボ:GeForce GT 640(2GB)・・7千円
- グラボ:GeForce GTX 650(1GB)・・9千円
- グラボ:Radeon HD 7850(1GB)・・17千円
小計とグラボを合計し、3機種のパソコン工房価格と自作価格を比較。左がパソコン工房の標準構成、右は自作パーツ合計。
- 7.3万円・・6.3万円
- 7.5万円・・6.5万円
- 7.7万円・・6.7万円
狙ったわけでは無く、きれいに全部1万円の差が出ており、自作パーツ総額の方が安いという結果に。
ケースと電源、Windows7のHome~の価格設定が厳し過ぎたか。または全体的に本当に最安で取っている為、グラボやマザーのメーカーにもよるでしょう。
それにしても1万円差は計算していた私が驚いた。せいぜいプラスマイナス2~3千円だろうと予想していた為。
PC初心者向けではないゲーム入門機(まとめ)
3種類の視点で考えてみましょうか。
1.パソコン工房の今回の狙い
BTOパソコンの通常モデルとして販売すると、グラボが載っている理由付けにならず、どのような用途としてなのか伝え難い。
ゲームPCとしては性能は劣るものの、この価格帯でゲーム推奨としている物は少なく、他社もやっていない。
中程度の性能というより、安さをアピールする為に7万円台で2~3千円刻みとして購入者に選んでもらおう。
2.私から見たライトゲームPC
今時ゲーム用とは言え10万円以上出せるPCユーザは居るとしても多くはなさそう。ハードルを下げる為に7~8万円で3機種の提案は上手い。
個人的に中途半端やバランスを崩した構成が好きなので、パソコン工房が何を言いたいか伝わるユーザには選ばれる。
FF14クラスでグラフィックの設定を上げるなどは無理が有るとしても、だいたいのゲームで中から上の設定で動くと思う。そう、Radeonなら。
3.ゲームPC初心者が見た場合
自分がやりたいゲームでどこまで精細に設定しスムーズに動くのかよく解らない。しかしPCメーカーがライトゲーム用としているのだから大丈夫なのか?
2番以外は妄想になっているけれど、ライトゲーム用という提案が中途半端で、ゲーム用と名付けるには無理が有りましょう。
ラグナロク~やリネージュ1、モンハン程度ならグラフィックを最高にしても何とかなると思うけれど、FF14やシムシティなどは中か下くらいまで落とさねば処理がカクカクになるはず。
それを知りつつ安く抑えたいなら選択肢に入るかも知れないけれど、PC初心者が安いという理由だけで選ぶものでは無し。それなりの性能で、それなりの価格。それなりのゲームならそれなりに、という判り難い構成。
ゲームにもよるけれど、本気でやるならPC本体のみで10万円以上は行く為、安いからという理由だけでてきとうに選ばないようご注意有れ。
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