パソコン工房が新たな一手。
法人向けPC販売は量産系BTOメーカーならばどこも普通にやっているところ、パソコン工房はB2Bでのリセラーによる販売もやっており、以前からあったものの新しくなったようなので紹介。
適当に見て参りましょう。
パソコン工房が事業主向けの卸売り仕入れ会員募集
パソコン工房の公式通販サイトより、メニューにある「卸売り仕入れ」のリンクから行けるページ。
見ての通り特徴は掛売り(売掛)が利くところ。
売掛とはツケ払いの事で、審査や与信はあるとしても後払い可能ならば1ヶ月程度の現金での余力が生まれるので事業主にはありがたい仕組。おっさんの飲み屋のツケなら次の小遣いまで待ってもらえば昼食代が現金払い可能な感じ。
そして卸売り仕入れというからには、通常販売されている価格より安く購入できるはずなので、パソコン工房の代理店のような感じで利益を出せるのでしょう。
残念ながら個人では取引できないものの、法人以外に個人事業主でもOKらしいので、本気で節約したいならば税務署へ適当な屋号で開業届を出せばその日から個人事業主。但し確定申告が面倒なので、毎年パソコン買わないならすぐに廃業すべきか、そこまでするのかが問題。
ところで実は以前からパソコン工房はリセラーを募集しており、消極的ながらB2B(企業同士の取引)先の募集をしておりました。
ネタにした事は無いので過去記事にも書いた記憶は無し。なぜかはハードルが高く、年間120万円以上の利用かつ1回の取引は5万円以上という無茶振りであり、そこまでやれるならば利ざやのデカそうなNECなどを選ぶだろう、として。
今回の刷新ではそのような条件が書かれておらず、町の電気屋が年に数回1回5万未満でも発注できるのだと思うので、田舎のPC販売に向いているやも知れず。
取扱はBTOパソコン以外も。
中古のリセールはヤバいという意味で無いとしても、BTO以外に各メーカーPCも卸売り価格ならば、田舎のブランド信仰に向いていそう。
無印パソコンは自社ロゴのシールを作れば自社製品として。下半分は比較的規模のデカい商売向けでしょうな。
利点は在庫しなくて良い、これが最大の強みになると思われ、まさにBuild To Orderであり受注した後に発注すれば転売のごとく利益を出せてしまえる。棚卸しとか売れ残る心配も無い一人DELL状態に。
会員登録済ならそれを仕入れ用に切り替えるか、カード決済とポイント残したいなら新規登録するか。
この案内の下に取扱アイテム数は常時数千とあったので、パソコン工房が販売しているモノならほぼ全て卸売り価格になるのでしょう。知らないけれど。
オープン記念セールPCは本当に安いのか検証
オープン記念セールと称してパソコンが数量限定で特価販売。全部は分からないけれど、プレスリリースに3種類の完成品PCが掲載されております。
卸売り・仕入れのメンバーズサイト 8月8日(火)オープン-SankeiBiz
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170808/prl1708081412121-n1.htm
1つ目はこちらのノート、ASUS製品のスペックを引用。
製品名:A541SA-XX468TS
- OS:Windows 10 Home 64ビット
- プロセッサー:インテル Celeron N3060
- メモリ:DDR3L-1600 4GB
- SSD:128GB
- 光学ドライブ:DVDスーパーマルチドライブ
- グラフィック:インテル HD Graphics 400
- 液晶モニター:15.6型ワイドTFTカラー液晶
- ソフト:Microsoft Office Personal Premium
販売価格:49,980円(税別)、53,978円(税込)
※先着50台限定
50台限定といえるほどのモノなのか上から市販などの価格を当てはめて行くと、OSがまず1.4万円くらい、Celeronはインテル公式106ドルなので1.2万円切れるくらいの価値、SSD 128GBが2.5インチなら6千円、DVDドライブ2千円、メモリ3千円としましょうか。
ここまでの小計は3.7万円。引き算すると1.7万円がノートPCのベアボーン(本体部分)になるのでまあ普通といったところ。
ご丁寧に型番が書かれているので検索すると似たやつが出てきた、というか仕様で比較するとほぼ同じ。
source:http://www.ebest.co.jp/shop/g/g0889349671696
パソコン工房の方が7~8千円程度高いじゃないかと思ったなら違う。
仕様が「ほぼ」同じと書いたようにパソコン工房のASUSノートにはMSオフィスが標準で入っているのでマウスを参考に再計算。Personal Premiumは組込専用なのでカスタマイズより。
17,900円プラス消費税で約1.9万円の価値となり、これを加算するとノートPCの本体(ベアボーン)がマイナス2千円というわけの解らない計算になってしまう。
もちろんパソコン工房が市販品を購入したり、価格コムで買っているわけではないので利益はあるのだろうけれども、約5.4万円が卸売り価格ならば軽く6万円以上で販売してもおかしくは無い。
e-Bestの約4.6万円は現時点の最安なので、これに1.9万円をのせて6.5万円が妥当と言えそう。
2つ目はデスクトップPC、無印パソコンと称する製品。
製品名:SOLUTION-S008-P-HEM-OEM [Windows 10 Home]
- OS:Windows 10 Home 64ビット
- プロセッサー:インテル Pentium G3250
- メモリ:DDR3L-1600 4GB
- HDD:1TB 3.5インチ Serial-ATA HDD
- 光学ドライブ:DVDスーパーマルチドライブ
- グラフィック:インテル(R) HD Graphics
※モニターは付属しません。
販売価格:43,980円(税別)、47,498円(税込)
※先着10台限定
上から、1.4万、0.7万、0.3万、0.2万でここまで2.6万円。差額2.2万円は、ケース、電源、マザーボード、そしてキーボードとマウスが付くなら妥当な価格。しかしそれでは仕入れ価格としては高いと思う。
ラストはノートでこちらも無印パソコン。
製品名:SOLUTION-14HP012-C-CEM-OEM [Windows 10 Home]
- OS:Windows 10 Home 64ビット
- CPU:インテル Celeron N3450
- メモリ:DDR3L-1600 4GB
- HDD:500GB 2.5インチ Serial-ATA HDD
- 光学ドライブ:非搭載
- グラフィック:インテル(R) HD Graphics 500
- 液晶モニター:14型 HD対応光沢カラー液晶
販売価格:31,980円(税別)、34,538円(税込)
※先着10台限定
上から1.4万、1.1万、0.3万、0.5万で小計3.3万円。ノートPCのベアボーン部分が1,500円になってしまうのでこれは安い。但しCPUがApollo Lakeのくせに100ドルを超えるという意味不明な高額設定なので、のせるとしても数千円が妥当かと。
以上。1台あたりの送料が2千円、代引き手数料500円または振込手数料数百円などと加算されて行くならば、4万円程度のパソコンを1台受注し仕入れて販売、しかも仲介者がユーザのサポートセンターと化すならば割に合わない気がするので、ある程度の大口販売用だと思った。
同じMCJでも方向性の違うマウスとパソコン工房
マウスはテレビCMや街頭ポスター、LINEで見込み客を集めているところ、パソコン工房はハデな事はせずリセラー狙いや全国の実店舗がカナメ。
同じ会社でもやり方が違うので、以前何となく予想したMCJ一体化は無いのかも知れませんな。そんな事はマウスら言っておらず、単なる私の妄想。
マウスはマウス、工房は工房。TWOTOPやfaithブランドをパソコン工房が吸収したのでマウスによる工房吸収もあり得るかと思ったけれど、これ以上合体すると小回りが利かなくなってしまいそう。
NECなどの大手がPC市場で弱体化して行く中、BTOパソコンは売れ続けているのでしょう。MCJの株価が下がる気配無し。過去1年。
source:(株)MCJ【6670】:株式/株価 - Yahoo!ファイナンス
本当に東証1部へ上がるのかも知れない。有り金ぶち込みたいけれど私はギャンブルはしないと決めているので割りと残念かも知れない。
話がすこしそれますが
マウスコンピュータとパソコン工場ノートパソコンが似ていますがこれは悪質なパクリではなくて同じところから仕入れているだけらしいです。
https://www.pc-koubou.jp/pc/note_17inch_corei7.php?pre=bct1873_cam
http://www.mouse-jp.co.jp/m-book/mbw875/#mb-w875sn1-sh2
>ツケ払い
ツケ払いといえばZOZOTOWN。流行の服がツケ払いで今すぐ手に入る、という触れ込み。個人的には糖質0g麺で有名な紀文のオンラインショップとか、ニッセンやらオルビスやらのカタログ通販とかも後払い可能ですから、後払い方式はそこそこ身近。
痛いニュース(ノ∀`) - 『ZOZOTOWN』のツケ払いで支払い出来ない人の悲鳴続々…「余った金で服買おう!」など無計画な若者
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1921270.html
>年間120万円以上の利用かつ1回の取引は5万円以上
片手間にやるなら、中古のパーツを組み合わせて中古PCとして売った方が、よほど儲かりそうな条件。自分で仕入先を探す手間を考えれば安くて早くて安定なのやもしれませんが、専業で利益を出すのは並大抵の労力では無さそう。
>Celeron N3060
これ中身がAtomの雑魚CPUですから、SSDと組み合わせるのはもったいないですね。仕事用と割り切って320GBくらいのHDDと合わせるか、駆動時間を更に伸ばすためeMMCと合わせるかして、税込み5万円未満で売った方がマシ。
>インテル Pentium G3250
懐かしいCPU。20周年記念モデルのG3258が倍率ロックフリーで遊べるCPUとして、2014年の一時期に少し人気が出ましたね。
ITmedia PC USER - あのCeleron 300Aの再来か!:20周年記念の「Pentium G3258」で気軽に遊ぶ
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1408/05/news117.html
これが搭載されたPCだと、現代なら4.5万円が妥当では。仕入れ値が4.8万円、しかも10台限定では利益がを上げられる気がしない。