PCパーツの性能について。
自作する人やリアルタイムに情報を追っているようなマニアな人なら簡単でも、ハードウェアに詳しく無い人には、量産系BTOパソコンのカスタマイズ画面さえ頭痛がするかも知れないと思い解説。
専門用語を可能な限り抜きで参りましょう。
PC初心者向け・パソコンの性能の見方2015
2015年6月現在のパーツで書く為、あまりにも遠い未来から来た人には半分くらい役に立たないかも知れない。
AMD製品で構成するようなPC初心者は居ないと思うので、インテル+NVIDIAにて8項目。適当にメーカーのカスタマイズ画面を開き、見ながら読むと分かり易いと思う。
CPU
シリーズ名で言うと左が高性能、右は低価格。※Xeonなどは省略
- Core i7>Core i5>Core i3>Pentium>Celeron>=Atom
主な違いはコアとハイパースレッディング(HT)の有無。※6コア省略
- 4コア/HT>4コア>2コア/HT>2コア
コアはCPUの数、HTは1コアあたり2本の処理になる技術なので書き換えると、
- 8スレッド>4スレッド>4スレッド>2スレッド
Core i7の多くは4コア/HTなので最高8本の処理が同時に出来、Celeronデュアル(2)コアなら最高2本という違い。
ならばCore i7はCeleronの4倍凄いかと言えば一概にそうとも言えず、処理速度は別の表記となっており、ギガヘルツ単位でクロックという数値が付いております。
- 2.2GHz~ターボブースト時最大3.2GHz
- 3.0GHz~ターボブースト時最大3.3GHz
このGHzの数値が高いほど処理速度も速く、上の場合は上がCore i7で下がCore i5でも最大ではわずかにCore i5の方が高性能という見方。
動画を変換しながらとか、後ろでゲームを動かしつつブラウザでYouTubeを再生しブログを書くなど同時に色々やるならスレッド数の多い方が有利だけれども、ブログ書くだけなら変わらない。
自作やマニアでは無いなら、Core i7-の後の番号、キャッシュ~MB、最大TDPは気にしなくて大丈夫。
- 番号・・・一般的に大きいほど高性能で新しい
- キャッシュ・・・一時保存
- TDP・・・消費電力やクーラーの騒音の大きさに関係
相対的な比較はPassMarkのスコアを目安に。
PassMark Software - CPU Benchmark Charts
http://www.cpubenchmark.net/
最近のCPUなら左上3つの中に有るはず。
マザーボード
3例。
- インテル Z97 Express チップセット搭載
- インテル H97 Express チップセット搭載
- インテル B85 Express チップセット搭載
違いは機能制限の有無や拡張性、世代。
アルファベットの部分は機能制限の有無を指しているけれど、自作ユーザで無ければオーバークロック(CPU性能のブースト)遊びとか無縁と思うので気にせず。
イメージで言うと、
- X・・・マニアや業務用向けの高機能基板
- Z・・・一般的な基板の中で最も高機能で拡張性高い
- P・・・昔有った種類で現在はZやHへ
- H・・・中間
- B・・・最安で拡張性が低い
9や8はインテルチップセットの世代を表しており、数値が大きいほど新しいという意味なので、やはり気にしなくてよろしいかと。
- 9・・・インテル 9 シリーズ チップセット搭載マザーボード
- 8・・・インテル 8 シリーズ チップセット搭載マザーボード
- 7以下も同じで数値が低いほど古い
これらは自作ユーザがこだわる部分で、完成品なら無視して問題無し。無改造なら性能の上下はございません。
逆に、今どき(2015年6月)インテル7シリーズ構成の新品PCを売っていたなら在庫処分の可能性が高く、掘り出し物と言えるやも知れず。
グラフィック(ボード/ビデオカード/CPU内蔵)
通称グラボ。主に3Dゲーム用とするなら、全部GTXでしょうというわけで、GTX>その他となっておりGTXの付く物が上位品。
更に細かく分けると、※Quadroは省略
- GeForce GTX 980 Ti(VRAM:6GB)
- GeForce GTX 980(VRAM:4GB)
- GeForce GTX 750 Ti(VRAM:2GB)
- Intel HD Graphics P4600 ※CPUに内蔵
分解。
- VRAM・・・グラフィック専用メモリ、パソコン本体のRAMはメインメモリ
- 900番台・・・数値の大きい物が新しい世代
- 80番部分・・・数値の大きい物ほど高性能
- Ti・・・無印より高性能、時々80番台部分の性能が逆転する事も
- インテルHD・・・CPU内に統合されたグラフィック機能
選び方としては、
- プレイしたいゲームの推奨環境を超える物
- 出せる予算次第
- 3Dゲームしないなら不要
完成品PCの場合は、ビデオカードによりPC本体価格が大きく変わる為、ゲーム用なら細かく見た方がよろしいかと。
例として、自作ならば最初からデカいケースで電源容量を盛れば良いけれど、量産系BTOパソコンの場合はケースと電源に加え、マザーボードとCPUもビデオカードの性能に比例するかのように高級品になるもの。
というわけで、ゲーム用ならビデオカード性能から選ぶ、それ以外なら(3Dデザインを除き)CPU性能から。
相対的な比較は、やはりPassMarkを目安として。
PassMark Software - Video Card (GPU) Benchmark Charts
http://www.videocardbenchmark.net/
最近のゲーム用ならば左上、High End~の中に有るはず。
メインメモリ(RAM)
気にするのは容量だけで良いと思うけれど一応。
- 4GBx2(DDR3-1333MHz または PC3-10600)
- 8GBx1(DDR3-1600MHz または PC3-12800)
分解。
- GB・・・メモリの容量
- x・・・枚数
- DDR3・・・規格
- PC3の後の数値・・・処理速度
- MHz・・・処理速度
上の例は容量8GBなので同じだけれども、メモリ1枚あたりの容量の違い。昔は微妙に速度が向上する上に単価も安くなるのでデュアルチャネルを重視し2枚挿しが主流だったけれど、最近は大差無くなった為か1枚挿しも普通に存在。
規格はDDR3ならDDR2や4のメモリは使えず、世代を表す意味も。
PC3-10600と1333MHzは同じ意味で、MHzを8倍すると10600くらいになり、CPUでいうクロック、処理速度を表しております。しかし、このクロックを気にするほど最近のメモリは性能差を体感するは難しい。
最初に書いた通り総容量だけを気にするものとし、クロックや枚数は見なくても良いと思う。PC本体内に2例書いたメモリのどちらが挿さっているか、私なら体感では判別出来ない自信が有るほど。
ストレージ(SSD/HDD)
型番は様々なので大ざっぱに分けると、
- SSD・・・速い、低容量、高単価
- HDD・・・遅い、大容量、コスパ良い
その他の詳細は、
- 容量・・・1TB=1,000GB
- SATA 3 や SATA 6Gbps・・・速度 ※左の2つは同じ意味
- キャッシュ・・・一時保管
- rpm・・・1分間のディスクの回転数
メモリと同様に容量以外はメーカーお任せでよろしいかと。
光学ドライブ(DVD/ブルーレイ)
パソコンのパーツとして考えるより、テレビの録画機と同じと思えば良いでしょう。DVDはDVDだけ、ブルーレイならDVDも読み書き可能。
- DVD・・・DVD
- BD・・・ブルーレイドライブ
- -R・・・書込可能
- -ROM・・・読込専用
もはや個人的にこれらはPCパーツと思っていない為、これ以上詳しくはWikipediaのDVDとブルーレイをどうぞ。
電源ユニット
最近はこのような書き方が多いようで。
- 450W 80PLUS認証 Bronze 静音電源ユニット(Silver Stone)
分解。
- 450W・・・容量
- 80PLUS・・・電力変換効率80%以上
- 種類・・・チタン>プラチナ>ゴールド>シルバー>ブロンズ>無印
- ()内・・・電源ユニットのメーカー名
容量は完成品PCなら足りない構成にはなっておらず、カスタマイズで足りなくなれば警告や、後でメールにてお便りが来るはず。
80PLUSの部分は、設計時とか新品の時に変換効率80%の認証を受けているという意味で、品質とか劣化とは関係薄め。
メーカーのこだわりは個人の趣味に近い為、シルバーストーンとかオウルテックなら故障しないなどはございません。
高性能なゲームPCなどで800W電源搭載など有るけれど、常時800W消費しているのでは無く、大は小を兼ねる感じで低容量と同じ。
足りなければ動かないだけ。容量はコップの大きさで、パーツ全体の消費電力が水と思えば分かり易い。
ケース
ケースと言える物は4種類が主流。大きい順で、※フルタワーは省略
- ミドルタワー
- ミニタワー(マイクロタワー)
- スリムケース
- キューブ
自作ユーザがATXと言えばミドルタワー、Micro ATXと言うならミニタワーの事。量産系では無く、自作寄りのBTOショップではそう書かれている事も有るかも知れないので一応。
ケースの大きさは、自作ならば拡張性や搭載可能パーツの幅が増減したり、水冷用ダクトが通せるとか、CPUのバックプレートへのアクセス、裏配線の可否など様々な要素が有るけれど、完成品なら許せる大きさと見た目で選べば良いでしょう。
ケースは大きい方が熱がこもり難く、側板も開け易いのでクリーニングも容易。スリムやキューブはその逆。
ちなみに、ケースがATX(ミドルタワー)でマザーボードにm-ATXやMicroATXという表記が有るなら、デカいケースにミニタワーやスリム用のマザーボードを使用しているという意味。逆は無理。
この場合、自作PCなら勿体無い状態だけれども完成品なら無関係。妙な組合せはメーカーが在庫処分したいとか、同じパーツを流用しコストダウンしている可能性が考えられ、改造しないならむしろおすすめと言える構成と価格になっている事も。
CPU選びだけは用途に合わせて慎重に(まとめ)
私の自作PCを例にすると分かり難いので、「Xeon E3-1226 v3」を「Core i5」へ脳内にて置き換えて御覧有れ。
- CPU:Xeon E3-1226 v3(3.3-3.7GHz、4コア、8MB、87W)
- マザー:Intel Z97 Expressチップセット(ASRock Z97 Extreme6)
- グラフィック:Intel HD Graphics P4600 ※CPUに内蔵
用途は主にYouTubeを時々垂れ流しながらブログを書く程度なので、CPUは盛り過ぎたオーバースペック。CPU性能をブーストする遊びはしないのでZ97も本当は要らない。
なぜ盛っているかは、これら2つだけは後々どうにもならない為。
逆に言うと、メモリやストレージ、電源ユニットなどは足りなければ追加や交換すれば良いけれど、CPUとマザーは基本的に交換する物では無く寿命まで使い切るパーツ。
そして、ブログのネタ用に何かパーツを後付するやも知れずZ97にしており、もしゲームをしたくなったならグラフィックボードを増設するだけで簡単にゲームPCにもなるのでCPUはクロック高めな物を選択。
「ゲームしたいけれど予算が無いのでCeleronでグラフィックボード無し」とかやってしまうと、2年後くらいにグラフィック~は後付出来てもCPU性能で行き詰まりどうにもならない。
動画の編集でストレージ容量が足りなければHDDを買い足す手が有れども、CPUが非力ではやはりどうにもならない。
盛れば良いという物では無いけれど、下を見過ぎても後悔の元。
その点、量産系BTOパソコンならバランスが取られているのでゲーム用PCにCeleronとかまず無く、Celeron搭載PCに5万円級のグラボが載っているわけも無し。
というわけで、量産系BTOパソコンの標準構成なら予算とCPU、ゲームPCはビデオカードも見る程度で良いのでBTOパソコンおすすめ。
>※Xeonなどは省略
AMD「なんでや! AMDも省略されているやんか!」
>ターボブースト時最大
ブルースクリーンが頻発したので、ターボブーストは切っておりますw
>自作ユーザで無ければオーバークロック(CPU性能のブースト)遊びとか無縁
私のPCはZ77ですが、オーバークロックとかしませんしw
>主に3Dゲーム用とするなら、全部GTXでしょう
AMD「なんでや! Radeonは無視か!」
>3Dゲームしないなら不要
最近3DゲームしていないのにGTX660搭載なんですがw
>クロックや枚数は見なくても良いと思う
クロックまでは知らないですw メモリー増設の時には重要になるかもしれないけどw
>もはや個人的にこれらはPCパーツと思っていない
DVDはともかく、ブルーレイが必要になるのはアニオタか映像マニアぐらいでしょうしw
>カスタマイズで足りなくなれば警告
サイコムでは足りないくなる構成の場合は警告が出て注文できなくなりますw
>完成品なら許せる大きさと見た目で選べば良いでしょう
ミドルタワーは意外と大きいですw
>用途は主にYouTubeを時々垂れ流しながらブログを書く程度なので、CPUは盛り過ぎたオーバースペック。
Core i7を搭載しているのに用途はWebサイト閲覧、ブログ執筆、プログラミングなので、オーバースペックw
>CPU性能をブーストする遊びはしないのでZ97も本当は要らない。
私もオーバークロックしないのでZ77はいりませんw
>なぜ盛っているかは、これら2つだけは後々どうにもならない為。
私も後々のことを考えてi7にしましたw
>というわけで、量産系BTOパソコンの標準構成なら予算とCPU、ゲームPCはビデオカードも見る程度で良いのでBTOパソコンおすすめ。
やっぱり最後はこう締めるかw
ドスパラで頼んだ私ですが、電源ユニット(750W)は積み過ぎたとちょっとだけ反省しております。
用途はWebサイト閲覧、書類作成、音楽垂れ流し、写真整理など。
ヒツジ先輩やありにゃんさんとは違い、Core i5ですがこれでもオーバースペック。
ぶっちゃけ事務作業や音楽程度ならCore i3まで落としてその余った予算で周辺環境を充実させるとかでもいいと思います。
ゲーム?は最近WiiUを導入しました。4対4で童心に戻りインクを塗っております(この文章で分かる方いるかな?)。
CoD楽しいんですけど殺伐とした奴はやっぱり苦手ですな。BFもいいと言えばいいんですが、PCスペックのハードルが年々上がっていくので、多分家庭用機導入した方がコスト的には安く済むと思います…。
電源の表記間違ってました…。
誤:750W
正:700W
>CPU
個人的には
通常クロック×コア数×L3キャッシュ+スレッド数
Core i7 4770……3.4×4×8+8=116.8
Core i5 4690……3.5×4×6+4=88.0
Core i3 4370……3.8×2×4+4=34.4
Pentium G3470……3.6×2×3+2=23.6
辺りを目安に性能のあてを付けています。ただしキャッシュが多すぎるためXeonは除く。
>同時に色々やるならスレッド数の多い方が有利
ソフトが多コアに対応しているなら、ひとつの作業でも多コア、多スレッドのCPUが有利ですね。動画変換は特に、多コアや多スレッドの効果が顕著に現れます。
>主に3Dゲーム用とするなら、全部GTXでしょう
非GTXで多少のニーズがあるモデルだと、GeForce GT 730~GT 740辺りでしょうか。特長は
1.LowProfile対応品が多い
2.低発熱のためファンレス仕様が多い
3.消費電力がCPU内蔵GPUと大差ない
4.パフォーマンスはCPU内蔵GPUの1.5~2.0倍ほど
5.メーカによってはVRAMが2GBの仕様もあり
6.価格は一部モデルを除き1万円未満
7.DisplayPortは知り得る限り全モデルで非搭載
8.GDDR3とDDR3のバス幅64bitはKepler、DDRのバス幅128bitはFermiを採用
9.補助電源は不要
辺り。お勧めはしませんけれど、ファンの騒音は嫌、排熱で室温が上がるのは嫌、補助電源は嫌、DisplayPortは不要、多少なりともGPUパワーは欲しい、というニッチなニーズに答えるだけの魅力はあります。
>メインメモリ(RAM)
2枚と1枚の違いだと、2枚仕様は故障率が2倍だけれど1枚が壊れたら抜けば動く、1枚仕様は故障率が1倍だけれど壊れたらアウト、という違いもありますね。壊れたら修理を依頼する想定なら、1枚だろうが2枚だろうが違いはありませんけれど。
>光学ドライブ(DVD/ブルーレイ)
ほか「スーパーマルチドライブ」なら読み書き可能、という見方もできますね。というか一般的なサイトでは、光学ドライブの仕様に「-R」とか「-RW」とかは書いていなかったような気が。基本的にどのメーカも「スーパーマルチドライブ」の表記ではないですかね。
>量産系BTOパソコンならバランスが取られている
逆にバランスが取れているため、例えば「メモリだけマシマシで他は控え目」とか「CPUだけ多コア高クロックで他はおざなり」とか「最上のサウンドカード搭載で他のパーツは無音化」とか、飛び抜けた仕様は選びにくいのですよね。
何かに一家言ある方がそれに適したPCを選ぼうとした時、まずは何から選択を始めるのか、少し興味があります。その時のためにチャットで相談やらコンシェルジュやらが有るのでしょうかね。
一箇所修正&追記。
誤:GeForce GT 730~GT 740辺りでしょうか。特長は
正:GeForce GT 730~GT 740辺りでしょうか。お勧めは低性能な方のGT 730。特長は
ちなみにGT 740の方は性能は高いものの、小型ファン付き仕様が多く、無駄にホコリが溜まる気がするため、あまりお勧めはしません。GT 730との性能差の割に、価格差がやや大きい気もしますし。
何度も連投失礼。その後の特長にも一部間違いあり。
誤:GDDR3とDDR3のバス幅64bitはKepler、DDRのバス幅128bitはFermiを採用
正:GDDR5とDDR3のバス幅64bitはKepler、DDR3のバス幅128bitはFermiを採用