BCNが記者発表会。
どういうわけかBCNは国内の家電量販店のPOSデータを持っており集計可能らしく、一般公開と分析をされております。画像がたくさんあるので前半はそれを見つつ、後半は感想文への突っ込みで。
先にJEITA統計との違いを少々。
JEITAとBCNのデータの違い
全然違うので前置き。
- JEITA・・・国内PC出荷台数。対象は主に国内メーカーでAppleとLenovoは入っているがDELLやHP、Acerなどは入っておらず5~6割が法人向け。
- BCN・・・家電量販店のPOSデータによる国内PC販売台数。対象はメーカー問わず大手家電量販店で売られる機器なので主に個人向け。
どちらの精度が高いかはどっちもどっち、抜けている台数多く調査方法が違うので比較はできず、それぞれ個別に過去データとの相対的な比較が正しい見方。
PC販売台数減少は家電量販店でも底打ち?
元ネタはこちら。
国内PC市場、Windows 8以来の不況も底打ちで回復傾向 - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1054580.html
その元となるデータがこちら、らしい。
青がタブレット、その下はパソコン。
2010年春頃からタブレットが増えている要因は、ほぼ間違いなくiPadの登場で、そこから2~3年経過しタブレットの販売台数指数とやらが増加。この指数の計算方法は解らないので触れない。
2013年以降はAndroidの機種が増えたり中華タブの登場により1万円前後まで低価格化して行ったので、タブレットの認知度が上がり数は出ていたのでしょう。iPadもサイズ変えただけ感の強いマイナーチェンジが続き売れていた頃。
そして2014年のアルマゲドン、XPサポート終了が大きくとんがっている棒で、そこからタブレットは売れているけれどパソコンの出荷台数が大きく減ったという、これ見て「タブレットはパソコンの代替え!」とか、「パソコンオワコン!」とか騒いでいた恥ずかしい人達を私は覚えているけれど触れないであげましょう。
本題となるべきはその後、2016年夏以降の赤い矢印と、その前の下り坂な赤い矢印。この差を見てBCNは、「パソコン販売数、底を打った(キリッ」と言っている模様。
しかしこのグラフだけではたったの3ヶ月分が上向きなだけで何とも言えない。きっとBCNはBCN以外のデータも参考にして底打ちと言っているはず。
JEITA統計によると2016年度は前年と同じくらいの推移となっており、BCNのグラフには説得力が無い。ブレだろうで片付けられてしまいそうなほど微妙かと。
次は色々あるけれど、左の中ほどにあるタブレット対PCを見ましょう。
金額は為替相場が円安、そして無駄に変形したりモニタとキーボード側が外れる無駄仕様にてコスト増からの売価アップしているだけなので見ても意味皆無。
話を戻し、青と黄色とついでに緑、タブレットとPC2種類対決を見ると、最新のデータではタブレットが大きめに減少。それまでも徐々に減っている傾向がありそう、と思うのが意味不明。
単月なのでブレがあるだろうと素人ながら突っ込みたい。これが元では無く、世間の傾向を見て「タブレット厳しい(キリリ」と言いたかっただけちゃわない感。
続いてPC販売台数の年度別。
これもうさんくさい。なぜXP終了直前を1.0という基準にしたのか。
1.0は無視すると、2014年度はまだマシだった、しかし2015年度は結構前年割れ、そして2016年度は2015年度をわずかながら超えそうな勢いという、これまた印象操作としか私には思えないわけで。
次、右のグラフをどうぞ。単月レベルでメーカー別見ても何も語れない為。
平均単価はAppleがトップなのは納得。
次は富士通が来ており、そのやや下に東芝とNECが沿う感じに。数年前まではNEC>=富士通>>東芝な価格設定が今は富士通>NECになっている点は少々驚いた。
そしてJEITAでは解らない、JEITAのノートPC単価は全体で約8万円前後だけれども、国内メーカーと台湾&中国メーカーで分けると平均も中央値の話が変わって来る。
- Apple・・・13万円くらい
- 国内大手・・・10万円前後
- 台湾&中国・・・5万円前後
Appleはアップルの言い値、家電量販店で買おうと公式だろうと大差無いのでスルーし、NEC大好きなおっさん達は10万円くらい出す、コスパ重視のライトユーザは5万円前後の予算という事が判る、これは良いデータですね状態。
要するにBTOパソコンのような知名度低めなメーカーは、4~6万円くらいで実用的なノートPCを出しつつ、それ以上はゲーム用のような普通は要らないレベルの高性能PC目指せば良いと思うのだけれども余計な世話なのでグラフはラストの次。
これまた無意味な、やる意味あるのか疑問な調査?一応は結果。タイトルをテキストで引用しましょう。
3年間安定的に売れていた「7」のパターンに近づきつつある「10」搭載モデル
これ書いた人、作った人はPC業界の中身知らないのだろうかとしか。
左から行くと、赤のVistaは当時メモリ4GB4万円レベルなのに4GB推奨にてクソOS認定され、その下でやや盛り上がっているXPが再び売れ始めてしまった。おそらくVistaからのダウングレード効果だと思う。
7の登場でVistaはフェードアウト。ちなみにこの時、マイクロソフトはVistaの販売を終了していないにも関わらずVistaはガッツリ落ちた、それほど7は蜘蛛の糸だった。私も修理現場に居た頃なので良く覚えております。
- 課長「ファッーーー!1GB必須で4GB推奨?」
- 私「4GBとは4千メガバイトの事でしょうか何それ怖い」
そして7時代が到来し7仕様PCが売れるのは当たり前。XPは7が出た頃には販売終了しており、Vistaからのダウングレードも終わった頃。市場の9割以上のPCが7仕様、それ当たり前。
から、8は短命、8.1も30点が38点になった程度なので短命、そして10が無料でガンガンばらまかれてシェアは上がったけれど無料が終わると停滞し、その頃になるといつの間にやら10以外は販売終了、新CPUサポートぶった切り。
この状態で、「10が7並に売れ始めて来た(クワッ」と書くとか馬鹿かと。「10以外ねえんだよド素人が」と言われても仕方無いレベルなのかBCN。
続いてテキストへ突っ込みを。
ノートPCよりも不調だったデスクトップPCも台数、金額ともに前年を上回っていることから、底打ちと見て良いのではとの見方を示した。
ここでいうデスクトップPCとは一体型、オールインワンを指しているはずで、BTOパソコンのようなセパレート(分離)型では無し。
まず、テレビが大画面なハイビジョンとか4Kなどが揃っており、タブレットやスマホでもフルセグ受信できたりの時代に一体型売れていないのはJEITA見れば判る。その小さな分母に対し、完成型PC販売の大半を占めるノートとの比較はこれまた意味不明。
また平均単価も上昇しており、価格低下によるものではなく売上が拡大しているという。
無駄に外れたり回転したりタッチ操作出来るから高くなる=パソコンが売れない原因の一つだと思う。
2in1 PCについては、キーボード着脱式はタブレット、ディスプレイ回転式についてはノートPCとして計上されている。
2in1は求められていない、という結果は当サイトで3回もやらかしたアンケートであぶり出されております。
source:BTOパソコン.jp内ミニアンケート調査結果(2017年3月) - BTOパソコン.jp
2in1、どっちもどっち。
この傾向反転の要因としては、2017年4月11日にサポートが終了したWindows Vistaの買い替え需要があるという。Vistaの利用者数は限定的と見られているが、販売店のPC引き取りサービスなどでVista搭載機が目立つとの声もあり、
頭大丈夫だろうか。
100人中4人のVistaユーザがサポート終了を知り、「Vistaから乗り換え」と言うだろうから目立つだけ。50人の7ユーザは、「パソコン故障したから買い換える」という、理由の意味を理解していないので目立つとか書いてしまうのかと。
また、「Anniversary Update」と「Creators Update」と大型アップデートが2度提供された点や、企業導入が進んでいるなど、Windows 10の安定化が個人消費者の精神的ハードルの低下を促し、買い替え需要を刺激しているとの分析を示した。
妄想ひどい。かまうのが面倒過ぎるので終わり。
本格的な出荷・販売数の復調は2019年から
IDCにしてもBCNにしても予想のような事は多く書くけれど、根拠に基づいた感想文が少ないと思う。逆に私は予想しても外れるだけ混乱の元になると考えているので逆な感じ。
なぜ2019年からかはもちろんWindows 7ワールドが崩壊する為で、現状のバージョン別シェアを見ていると判る、7ユーザは10にしない、10で良い人はもうしているので今はまだ10が伸びない=出荷や販売が大きく増えない。
source:Windows普及率、10と8系と7停滞続く(2017年3月) - BTOパソコン.jp
しかし、「故障したなら買い換えるのでは?」と思うでしょう、私も思った。
ところがVista機が故障して10へ買い換える人は多いだろうけれども、7機が故障して8系や10へ買い換えるかといえば難しい、私なら嫌、どうするかは多少PC古くとも残りのサポート期間を考慮し修理を優先するはず。
もう一つ、「7の延長サポートがXPの時のように伸びるのでは?」と思うかも知れない、私も一時期その確率は高そうと感じておりました。
ところが今のマイクロソフトの必死さ、強引さ、勝手さを見るに意地でも10へ移行させる可能性が高く、いくらシェア多かろうと7の延長はせずガチで2020年1月に終わらせると見ております。
大企業は金払えばもう少しOK、これはXPの時にあった事例より。
このように多くのユーザの心情を元にしたり、マイクロソフトの意地張り度の高さを根拠にしたりすると予想を超えた推測は容易だと思うのだけれども、大手メディアはなぜかそういう見方をしない。
私に限らず2chのおっさん達の方が専門メディアより核心を突いていたり自然な考え方をしている印象。
後2年半少々、7で行くならPCは修理を推奨。
パソコンのみ買い替えDSPやパッケージの7を入れようとしても、もうすぐSkylake以降、現在はKaby Lake以降に出たインテルAMD問わずCPUやAPUはWindowsアップデート阻止という嫌がらせをマイクロソフトがやらかしているのでご注意あれ。
私の近所にある家電量販店、PC売り場が縮小されて縮小されて縮小された結果、今ではデスクトップPCが4~5台、ノートPCが5~6台しか置いていない状況に。代わりにスマホは30台くらい置いてある模様。
>BCN
BCNは「Business Computer News」の頭文字らしいですね。BCNの本サイトでは言及しておらず、週刊BCNについて言及しているBCN Bizlineに記述があるため、普通は「BCNってなんだよ」と思うはず。情報を提供する会社がコレで良いのか疑問。
>2010年春頃からタブレットが増えている
2010年にiPad、2011年にiPad2、2012年にNew iPad、iPad mini、そしてNexus7、という塩梅ですね。そこから後は革新的なモデルの記憶なし。個人的にはNexus7以降、Androidを搭載した低価格なタブレットが増え、販売台数が一気に伸びたイメージ。
>タブレットが大きめに減少。それまでも徐々に減っている傾向
年末商戦の後なら、そら販売台数は減るはず。新生活に向けてタブレットを買う方は少ないでしょうし、入学や入社前にPCを買ったからついでにタブレットも買うか、な方も少ないですし。
>グラフはラストの次
この「OS別PC推移(OS別販売台数構成比)」とやら、新Windowsが旧Windowsの販売台数を追い越す時期が、ほぼ「新年に切り替わったタイミング」なんですけれど、そんな偶然が多々あるのですかね。
2012年11月……Windows 7は76%くらい、Windows 8は18%くらい
2013年01月……Windows 7は22%くらい、Windows 8は71%くらい
とくにここ、逆転現象が激し過ぎて驚愕の極地。
>Windows 10の安定化が個人消費者の精神的ハードルの低下を促し
「新Windowsの導入はSPが提供されてから」は、市場の大半を占めるライトユーザではなく、ミドルユーザ以上で更に一部の方が説く考えなはず。アップデートが買い替え需要を刺激した、とは思えないのですがね。