エプソンダイレクト(以下、エプダイ)より新製品。
省スペースで低価格なデスクトップPCを発売したというニュースを見て期待して行ったみたところ、新製品に限らず全体的に高価、本物の低価格PCが見当たらないので報告する次第。
高級路線で行くのだろうか。
エプダイ省スペースPC「Endeavor AT10」発売
PC Watchのプレスリリース、画像は公式より。
エプソン、6万円台からの省スペースPC - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1054160.html
source:パソコントップ | Epson Direct Shop |
価格は見ての通り約6万円でモニタは別。
6万円のデスクトップPCならば、今は時期的にAMDがソケット変わりたてなので下位のAPUは今更感があり無いとして、インテルでこのくらいかと予想した構成が以下のような感じ。
- OS:Windows 10 Home 64bit
- CPU:Core i3-7千番台
- マザー:B250かH270 Expressチップセット
- メモリ:4GB
- ストレージ:HDD 500GB、またはSSD 120GBクラス
- 光学:DVDスーパーマルチ
- ケース&電源
メモリが少な過ぎる感があるものの、この価格帯で8GB搭載すると上位機種の価値が薄れてしまいそうなので、メーカー側はあえて4GBにしそう。SSDは現在値上がりしているので今ならHDD、500GBが妥当かと。
しかしこう来た。
最小構成は、CPUにCeleron G3900(2.8GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ2GB、250GB HDD、DVD-ROMドライブ、OSにWindows 10 Homeを搭載し、税別価格57,000円からとなっている。
いくら何でもケチり過ぎでしょう。
Celeron G3900はインテル公式大人買い価格42ドル、価格コム最安5千円を切れる安物。デュアルコアでクロック2.8GHzは昔のCeleronとは違い性能高め、Pentiumに近いと思われるが本体6万円でG3900は低すぎ。
メモリ2GBも意味不明な少なさで、標準のWin10 Homeは64bitなのだから低性能CPUとの組合せでは厳しすぎる。
メモリにしてもHDDにしても、よく今時そんな低容量なパーツを持っていると逆に感心するレベル。DVDの「ROM」に関しては、法人向けなので仕方ないと考えるべきか、オマケと思い込むべきか。
更に不可解な件がこちら。
BTOでは、Core i3-6100(3.7GHz、同)、Core i5-6400(3.2GHz、同)、メモリ4GB/8GB、500GB/1TB HDDや128GB/256GB SSD、DVDのスーパーマルチドライブなども選択可能。
なぜ今更第6世代のSkylakeなのか。i3-6100発売は1年半前の夏頃であり、現在の主流は第7世代のKaby Lake。
パーツが全体的に売れず在庫残りまくっているとしか思えず、それなら叩き売って現金化した方がよろしそう。
私の感覚がずれているのか、為替相場の影響でも出ているのかと気になったのでマウスで似た価格帯のミニタワーを確認するとこのくらい。
上で書いた予想の構成とピタリと合っております。税込6万切り。
エプソンダイレクトのコスパ悪さが凄い
省スペースのみならず、以前ネタにした良ケースのモデルも。
左の約9万円モデルの最小、標準構成。
- OS:Windows 10 Home 64bit
- CPU:Celeron G3900
- マザー:H270 Expressチップセット
- メモリ:4GB ※期間限定で8GB
- ストレージ:HDD 500GB
- 光学:DVD-ROM
- ケース&電源
マザーがKaby Lake世代用なのでカスタマイズすればCore iシリーズの7千番台も選択出来るけれど、ここでも5千円クラスなCeleron G3900再び。
インテル100と200シリーズのマザーの価格差が無いとするならば、HDDが250から500GBになりケースが変わった程度で省スペースよりなぜか3万円以上高くなってしまうという。しかもHDDフロントアクセスの方と比較すると5万円以上の差。
ノートは更にえらいことになっております。
突っ込みどころ満載すぎる。
まずCPUがノート用とデスクトップ用で違いが判るような用途前提なのか、メモリの速度差が体感出来るのか、GPU(グラフィック性能)の差が判るような使い方をする構成では無いのでは?など。
価格はコミコミ13万円らしいけれど、こう来た。
上げる前提のようなストレージ、付けなければノートPCとしてどうなのか理解に苦しむ標準で無線LANの内蔵無しとか、他にも重量2.6kgも何がしたいのかさせたいのか全く解らない提案。
仕様一覧に決め打ちで書かれているバッテリ駆動7.8時間は凄いけれど、それはCeleronならばの話であり、無線載せたりCPUをカスタマイズでデスクトップ用i7-6700へ上げたなら4時間もてば良いレベルでは。
見せかけサイコム風、売り方量産系BTO、実際はLenovo感
サイコムはガチな最小構成なのでカスタマイズするが基本。
それを知っている自作系ユーザが組み立て面倒なので代行を依頼する用なので、メモリ2GBだろうと標準Celeronだろうと関係無し。性能上げても市販パーツを買う差額とは大差無し。
だが、エプダイはカスタマイズも高い。
量産系BTOメーカーは標準構成でカートへぶち込むが基本。
カスタマイズすると無駄に高額化してしまうので、量産用に仕入れられた割安なおすすめ風パーツのまんまで買うがコスパよろしい。性能は上げず下がらず、予算と性能とついでに見た目で決めるだけ。
だが、エプダイは標準構成が高い。
レノボは発売直後からクーポンを掲載。
それ二重価格では?と過去記事で突っ込みを入れたものの、私には関係ないので騙されるなら好きなだけ騙されればOK。今なら10万、通常価格は17万円、とてもお得ですねハイハイというくだらなさ。
エプダイはクーポン無しのレノボ状態。複数台まとめ買いするのならば、という条件で法人向けエアクーポンが存在しているのだろうか。
エプダイは法人向けか?おっさん向けか?
NECや富士通ほどの規模では無いものの国内BTOメーカーよりは法人市場に強い印象があり、デジタルサイネージや同じWindowsでもEnbeded(組込専用)版も取り扱っていそうな提案多数。
そちら方面以外にも普通のパソコンまとめ買いで安くなるような事も書かれているので個人向けは割とどうでも良いのだろうか。
PCメーカーとしてはNECほど知名度やブランド力は高くないはずなので安くなければ売れないと思うけれど、国内BTOメーカーとして見るとクソ高い。
昔々、パソコンと言えばNEC、NECならばPC-98や88シリーズと言えるレベルで98などが市場を席巻というか制圧並に広まっていた頃、エプソンが98互換機を製造販売しておりました。
98が50万ならエプソンの98互換機は27万円のような良心的価格。一部ソフトウェアは動かなかった記憶があるので完全互換とは言えないものの、それなりに売れていた印象。
その当時を知っているおっさん(じいさん?)達が今でも、「パソコン=NEC」+「エプソン=NECより安い」と思い込みエプダイで購入するのだろうか。
最近見なくなった、やめたのか知らないけれどニッケーPCランキングでエプダイがサポート部門で毎年トップという、本当かよ感あふれる結果が出ていた辺りも、おっさんの愛好家が多そうな気がする。
現在のエプダイは万人向けとは言えず、法人かおっさんか、金かかっても良いので修理保証延長したいとかサポートが必要な人限定だと思う。
PC出荷規模が減少しているのでパソコン以外で生き残ろうとしているのかも知れませんな。現状、価格設定がおかし過ぎるのでおすすめ不能。
>エプソン、6万円台からの省スペースPC - PC Watch
表題が「6万円台から」で、実売が「税抜き57,000円」は珍しいパターンですね。普通なら「5万円台から」と書きそう。
>構成
Endeavor AT10の魅力としては
1.いまどきPS/2端子が2つ
2.Windows7も選べる
3.Celeron G3900 から i3 6100 へのカスタマイズが+5,000円と安い(キャンペーン)
4.何となく良さ気なレーザー刻印のキーボードが900円で手に入る
くらいですかね。本体価格が高いためか、全般的にカスタマイズは富士通やらNECやらより割安ですね。どんなにカスタマイズしても「これは安い」と思う構成にはなりませんが。
>標準で無線LANの内蔵無し
私の手元には何故か無線LANの子機が5つくらい転がっていますから、無くても困らないことは困らない。無線なしのノート、久しぶりに見ましたね。PCカードを差して無線に繋ぐノートで見ましたけれど、はるか昔。