パソコン工房がHD7970搭載ハイエンドPC発売

2012年1月12日

高性能グラフィックカード(以下グラボ)搭載のBTOパソコン。

珍しくパソコン工房がパーツの新製品リリースと同時にパソコン本体を発売。普段はマウスやドスパラが同時発売し、若干遅れてユニットコム系が牌を倒すパターン。何をしているのか冷やかし程度に見て参りましょう。

ゲーム用PCを購入しようと思っているならやや真面目にどうぞ。

当日17時頃追記:本文内の2/3くらいで私の解釈が誤っております。訂正するとほぼ読めず、記事削除はしない方針なので文末の補足をどうぞ。失礼致しました>読者の皆様とパソコン工房の中の人

文末の補足はこちら

パソコン工房がRadeon HD7970搭載の高性能PCを新発売

HD7970の発売日は1月9日。当日は成人の日で祝日、休みと思われるものの気合が入っている御様子。

PC Watchの記事は1月10日公開で発売中となっております。

【PC Watch】 パソコン工房とフェイス、Radeon HD 7970搭載デスクトップ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120110_503372.html

pc-koubou-hd7970-bto.jpg

パソコン工房は約15万円でCPUにCore i7 2700Kとの組み合わせ。約18万円はCore i7 3930Kとなっており、発売記念と称して各1万円引き中。

フェイスは標準でブルーレイやケースにクーラーマスターのフルタワーなど使っており19万円と28万円というセレブ仕様なのでスルー。

PC工房に話を戻すと、コア数やキャッシュ容量は3930Kの方が勝るもののクロックは2700Kが若干上。価格差はCPU単品で約2.5万円くらいなので本体差額3万円の内5千円はCPUとチップセット代でしょうな。

というわけで比較的安い方、約14万円PCの標準構成より主な仕様。

Amphis BTO GS7020iCi7R TYPE-SRXX

  • OS:Windows7 Home Premium 64bit(DSP版)・・12千円
  • CPU:Core i7 2700K(3.5-3.9GHz、4コア/HT、8MB)・・27千円
  • マザー:P67 Express チップセット(MSI:P67A-S40)・・7千円
  • グラボ:Radeon HD 7970 3GB・・53~66千円
  • HDD:2TB(SATA2)・・11千円
  • メモリ:16GB(4GBx4、DDR3 PC3-10600)・・5千円
  • DVD:スーパーマルチドライブ・・2千円
  • ケース:ミドルタワー(INWIN:IW-PE689)・・3千円
  • 電源:700W(80PLUS)・・7千円

チップセットがZ68では無い理由はP67の在庫が有り、MSIのOEM型番のようなのでパソコン工房の利益が出易い、または安く構成(販売)出来るのでしょう。量産系BTOパソコンでは改造を前提としないので機能より価格を取るという事。

その割にCPUがi7-2700Kになっている理由は、2600やK付と差額がほぼ無く仕入の切替時期に入っているのだろうと推測。

普通の高性能PCでグラボが新製品な程度。それ以外は電源容量がやや盛って有り、やはりCPU以外にグラボの消費電力が関係するのかと。

マザーボードはPCI-Ex16が1本なので、これが近いと思われる物。

msi-p67a-c43-v2.jpg

source:価格.com - MSI P67A-C43 V2 価格比較

レイアウトが酷似しているもののBTOパソコン側はMSIがパソコン工房用に作っている為、全く同じでは無し。信頼性は別として、こちらに違いのメモ有り。

リストの各パーツ右端の値付けは価格コム最安のおおよそ。グラボは出たばかりな上に価格コムに未だ登録出来ないようなので各メーカーの実売予想より。

グラボが最安の玄人志向製品なら計127千円で工房側は13千円高め。MSIやSapphire製品なら約14万円となり同程度の価格。但しパソコン工房側は1万円値引後なので通常価格は更に1万円高めという事になっております。

注意する箇所はケースと電源の価格設定を私がてきとうにやっている事。700Wの80Plusだからやや高めに7千円くらい、INWINケースは似た物が1万円で出ているけれど、そこまでの価値は無いとして3千円というてきとうさ加減。

いつもなら自作PC用パーツ合計より量産系BTOパソコンの標準構成が安くなるけれど、14万円という高額さが問題。17万円前後を超えると自作の方が安くなる事が多め。

今回はピンポイントでグラボの在庫や保守が問題なのでしょう。少量の仕入は高く付き、売った時点で保守(修理用)パーツの在庫が必要になり資産価値減少へ。

以上、自作した方が安いという話、では無くHD7970はまだ買えない。

 

工房のRadeon HD7970搭載PCが買えない理由

言い訳しておくと、私はインテル信者(奴隷ともいう)なのでAMD製品を良く知らない上に高性能グラボに興味が無いのでGPUの詳細までは知らない。

それを踏まえると、PC初心者の気持ちになれるかも知れないとし、HD7970がどういうグラボなのか想像すると。

  • Radeon初の7000番台だから性能高そう
  • 7970という数値から見ても何となく性能高そう
  • 新製品で単品が53~66千円もするのだから性能高そう

一般的にはこのような印象を持つ人が多いと予想。

グラボ代だけで安い普通のパソコンが1台買えそうな価格なのでここは慎重に。性能を比較するにはベンチマークが参考になりましょう。ここから実際に調べつつ参ります。

新し過ぎるのかPassMarkにはスコアがまだ載っておらず、検索するとマイコミに掲載。数種類有るグラフの内1つ目を引かせてもらいます。

radeon-hd790-bench-mycom.jpg

source:【PC Watch】 AMDの新アーキテクチャGPU「Radeon HD 7970」をベンチマーク

HD7970との比較はHD6970のOC(オーバークロック)版とGTX580。

HD6970、GTX580ともに高性能かつ高額なグラボでグラフ1の3D Mark11ではHD7970が勝っている御様子。他のグラフでも18種類の計測中16種類でGTX580より性能高め。消費電力は3種類のでは最も低くなっております。

私の場合、興味は無くともブログを書いている影響で新製品の型番は勝手に頭に入る仕様になっており、確かGTX590やHD6990という物があったはず、と思い調べると海外サイトで何かの比較を発見。

anandtech-radeon-hd-7970.png

source:AnandTech - The Radeon HD 7970 Recap

PassMarkと比較するとずれておりますが、どちらがどうとは言えず。

passmark-highend-v-1-10.jpg

source:PassMark Software - Video Card Benchmarks - High End Video Cards

しかし騎神館NET殿による別サイトの翻訳によると。

HD 7970の3DMark 11スコアはHD 6970より50%速いです。(中略) これらのことは、HD 7970がGeForce GTX 590より速いことを意味します。

source:Radeon HD 7970 はGTX 590より速いかもしれません | 騎神館 Net

結局はベンチマークの結果が出回るまで待ち、と言いたい所では有りますが、根本的な所でパソコン工房は間違っております。

HD7970はPCI Expressの次世代規格と言われる3.0に対応しているものの、パソコン工房が汎用しているMSIのOEMなP67はPCI-Expressがもちろん2.0。大して安く無い割にフロンティア並のやっちまったな構成。

知らずに載せているのかと思いきや、faith(同じ会社、ユニットコム)の高級品ではいずれも3.0対応マザーが入っており、約19万円PCはASUSのP8Z68-V/GEN3、28万円の方は同じくASUSのP9X79 PROで構成。

X79のメモリにPC3-12800では無くPC3-10600を載せているレベルでは無し。新しいから出せば良いというものでは無かろうと。

 

パーツに詳しくないなら新製品は要注意(まとめ)

今回は珍しくパソコン工房が先陣を切ったというネタで始まったものの、調べて行くと何という情弱ホイホイ。

もちろん動かないわけでは無く、相当古いグラボと比較すると劇的な高性能と言えない事も無いけれど、それはこじつけ過ぎ。改造しない(保証の問題が有る)前提でこの仕様は戴けない。私が何が勘違いしているなら、はてブやSNSなどで御叩き有れ。

BTOパソコンの新製品はメーカーの新構成という意味で有り、構成と機種名を変更すると一応新製品。しかしパーツの新製品は未知な部分が有り、マニアックな自作PCユーザの中では人柱と言われる罠も存在。

ある程度判るなら上でやっているようにベンチマークを探してみたり、AMD公式のHD7970詳細ページで読み取れるかも知れないけれど、詳しくない、またはそこまで調べる気が無いなら待ちが基本。

何を信じてどれを嘘と判断するかかえって難しいかも知れないけれど、2chの該当スレッドや価格コムのレビューや口コミ掲示板の方が分り易いやも知れず。

PCパーツの新製品は当然ながら価格が最高値の状態で発売され、数ヶ月で数千円単位の値下がりをする物。BTOメーカーが仕入れる価格もやや遅れて似たように下がり、本体価格に反映されて参ります。

待てば値は下がる、しかし待った時間分は損をする。但し飛びつくと博打になる可能性。懐具合とのバランスも含め、新製品には御注意有れ。

しつこいけれど今回のパソコン工房は意味不明。BTOパソコンなら例としてH61チップセットにi7-2700Kも有りかと思うけれど、高性能を謳うグラボの性能を引き出せない仕様はメーカーとしてどうなのか。

やはり私が何か勘違いしているのかと思えて仕方無し。


当日17時頃追記:メールにて補足戴き、意味を変えず3点。

  • PCI Expressの2と3世代での性能差は誤差レベル
  • 3.0対応でもZ68やP67ではHD7970は3.0として機能しない
  • これらを考慮するとパソコン工房の構成は現実解かも知れない

(参考URL)http://www.4gamer.net/games/135/G013536/20111226081/

御指摘有難うございます。本文私の解釈が誤りと確認。また、タイムリーにドスパラの検証が本日上がっていたのでこちらも参考にどうぞ。

期待の新ビデオカード「RADEON HD7970」を速攻チェック | ドスパラ
http://review.dospara.co.jp/archives/51989330.html

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BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

高性能: ★★★★★ 保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安定: ★★★

初心者: ★★★★

性能とパーツの相場がある程度わかる人なら標準構成が多いのでコスパ重視で選びやすい。同じに見える同じ価格でも仕様の違いがどうなのか判る人には最適。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

10年以上前まではDELL=初心者向けの安いパソコン、それはもう通用しておりません。クーポン適用後が適正価格だと見抜けるパソコン詳しい人向け、または大人買いで割安になる法人向け。

日本HP

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★

初心者: ★★★☆☆

コスパと性能以外にも見た目も重視したいならHPのノートも選択肢としてアリ。自社製造状態なのでBTO=ダサい印象は払拭されるかと。デスクトップは法人用、ゲーミングは海外向き。

ツクモ

高性能: ★★★★★ 保証: ☆☆

コスパ: ★★★★ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

昔のマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。機種が少なく特徴的な少数精鋭状態なので選べる人を選ぶ。ヤマダ電機の一部、または自作PCのパーツ屋さん。

フロンティア

高性能: ★★★☆☆ 保証: ☆☆☆

コスパ: ★★★★ 安定: ☆☆☆

初心者: ★★★☆☆

フロンティア神代の解散後、現所長のパワハラがひどいとタレコミが複数あり、私から内情を運営会社へ伝えると逆ギレされて私を訴えるぞと謎すぎる返しがあり困惑中。

サイコム

高性能: ★★★★★ 保証: ★★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★★

初心者: ☆☆☆☆☆

PC自作したくない中~上級者向け、昔ながらの2chおっさん御用達な鉄板メーカー。動かない構成でも購入できるので初心者にはおすすめ不能。量産系BTOのようにコスパ悪くならないのでサイコムだけは自由なカスタマイズを激しくおすすめ。


※ドスパラはパーツの偽装疑いを誤魔化したり取引先を勝手に切る信頼性暴落した事件があり掲載中止(2020.11.26)

※マウスコンピューターは高いぞと書きまくったからか遠回しにリンク削除しろと言って来たので削除(2021.03.28)

勝手に評価シリーズ

結果として宣伝になっていますが依頼されたわけでは無く、依頼されてもやりません。

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ヒツジ先輩

書いてる人:

BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。