BTO風に言うとメインメモリ、その価格について。
夏頃にパソコン用のメモリが今後値上がるというニュースが複数回あり、それから3ヶ月以上が経過するも大きな価格変動は見られず。自作PC以外にも完成品PCの価格にも影響する話。
メモリ繋がりでSSDも見て参りましょう。
PC用メモリの値上がりはまだ来ないのか?
10月27日のAKIBA~の記事より。
メモリが全面的な値上がり傾向。特にこの1~2週間というもの、急上昇が目立つ。
source:DDR4-2133が急騰、一部の上げ幅は20%以上、他のメモリも全般的に値上がり - AKIBA PC Hotline!
調査期間は2016年10月1~22日。
更に1ヶ月以上前の9月6日にも値上がりという話。
DRAM Contract Prices to Rise Over 10% in Q4, Says TrendForce Published: Sep 06,2016
Q4は洋式の第4四半期なので10~12月を指しており今がそう。
実は更に1ヶ月前、7月の下旬にも値上がりのニュースがございます。
1年以上にわたり、ほぼ一直線に下げ続けてきたDDR3だが、過去最安の水準を目前にUターンした格好だ。
source:DDR4-2133 8GB×2枚が上昇傾向、DDR3 DIMMも値上がりの動き - AKIBA PC Hotline!
調査期間は7月2~23日なので、それから4ヶ月くらいが経過。
本当に値上がりしているのか確認してみましょう。
価格.com - メモリー 人気売れ筋ランキング
http://kakaku.com/pc/pc-memory/ranking_0520/
上位5種類の価格推移、1位から。
珍しくノートPC用のDDR3L、8GBx2がトップ。
ノートPCを自作する人はまず居ないと思われ、完成品のメモリを換装しているはず。とするならば合計16GBは盛り過ぎなので、もしかするとGTX1千番台搭載のノートでも購入しVR用などの用途で使うのか。
または、最近ほんのり値上がりしているとはいえ8千円も満たず16GB可能なのだから今更4GBx2とかやっていられないとか。もしくはNUC(小型PC)のベアボーン用に豪華16GBを盛られているのだろうか。
2位はデスクトップPC用のDDR4、こちらも8GBx2枚。
グラフの期間は全て3ヶ月となっており、値上がりの噂が出た8月に入れども大して上がっておりません。過去2年くらいの推移で見ると、直近3ヶ月は値下がりしていないので値の上下バランスが取られた形だろうか。
3位はデスクトップPC用のDDR3、4GBx2枚。
どう見ても停滞ですな。過去2年は下り坂で順調に値下がりしていたところ、直近3ヶ月は4千円を切れる価格帯で水平線状態。DDR4登場から1年以上経過したけれど、まだまだDDR3の需要あり。
4位、デスクトップPC用のDDR3で8GBx2枚。
平均価格が思い切り上がっている原因は取扱ショップが減少したのか、最安も数百円ながら10月頃に値上がり。しかし、元が7千円台中~後半なのだから8千円になろうとも財布は大して痛くないレベル。
5位、デスクトップPC用のDDR3で8GBx2枚。
最安は現在9,800円だけれども、上位2店舗は問い合わせになっているので在庫が無いのか、最安3番手は1.3万円という空気を読まない価格設定。間違い無くバランスがおかしいので、そのような強気な設定では売れないと思う。
以上、まだ値上がりが始まっていないのか、始まっているけれど時間の経過による値下がりと相殺され停滞しているのかは謎。とりあえず値上がりはほぼしていないと言えましょう。
見方を変えると全体的に平均価格は上がっている為、最安のショップの在庫が無くなれば上向き、価格上昇傾向になるとも言えそう。
SSDが微妙に値上がりしている気がする件
SSDも価格コムを参考。
価格.com - SSD 人気売れ筋ランキング
http://kakaku.com/pc/ssd/ranking_0537/
1位はSAMSUNGの250GB、もちろん2.5インチ。
7月頃に少し盛り上がっているもののここ2ヶ月くらいは7千円を切れる辺りでほぼ停滞と言えますな。250GBが7千円とか、SSDの値崩れ速度が徐々に上がって来た感。
2位はcrucialの525GB。
右端がやや上向いており、ここに来て値上がりへと転じそうな気配。今が底値ならば525GBを1.3万円以下で購入出来るチャンス、かも知れない。
3位はSanDiskの240GB。
不自然なほど跳ね上がっており、1位のサムスンの250GBが7千円切れているのだから上がり過ぎ感がございます。
という感じで、むしろSSDの2.5インチの方がメモリより値上がりしている物が多めであり、先月が底値だったのかも知れないと思える。
ちなみに不足しているのはPC用メモリ以外にモバイル用のeMMCであり、SSDに使われるNANDフラッシュメモリとは別モノ。
おまけでM.2のNVMeも3種類見て参りましょう。
11位はインテルの600pシリーズで256GB。
発売から2ヶ月しか経過していない為か順調に降下中。しかし10月下旬から横ばいとなっており、今が一旦の買い時なのか。シーケンシャルのリードは1,500MB/s出るけれどライトが500MB/sという、やや罠品。
13位は同じくインテルの600pシリーズで512GB。
1.8万円を切れたなら買おうか迷おうと思っていたけれど、いざ切ってしまうと1.5万円を切るまで待ちたくなってしまうのが私。必要では無いけれど、NVMe仕様の体感速度が知りたい、今256GBなので次は500GB級が良いと考え中。
私のメインPCのWindows 7は、Windows起動開始からマウス操作可能になるまで15~16秒くらい。これをどこまで短縮出来るのかにも少し興味ある。
ラストは17位にあったPLEXTORの512GB。
発売後の一気すぎる値上がりは発売記念セールが終わったとかでしょう。一時期3万円近く上昇したものの現在は2.3万円まで落ちております。
これとSAMSUNG製のM.2仕様は発熱が凄いらしく、SSDなのに80度前後行くらしい。ヒートシンク無しの方が売れているという事は皆さん自力でヒートシンク付けるというDIYでもお楽しんでいるのかと。
というわけで、年内はBTOパソコンがメモリなどによる影響で値上がりするとは思えないので、冬のボーナスやお年玉を注ぎ込もうと思っているならご安心あれ。
なぜかは、メーカーはメモリを大量に発注し、大陸などからは船便で輸送するので手配から届くまで4~8週間必要。それを販売しきるまで2~3ヶ月は要するとするならば、今発注したメモリなどは売り切るまで3~5ヶ月かかるので来年まで余裕という考え方。
しかし良く考えると今回見た価格推移は国内での話。既に2ヶ月前には値上がりしていたとするならば、今から2ヶ月後から値上がりメモリが載る、ならば来年早々数千円上がるかも知れない。
ちなみになぜ時間を要するかは、DELLなどは福建省から空輸しているのだろうけれども、空輸は輸送費がかなり割高。
よって船便になるのだけれども、仮に福建省辺りに工場があるとすると、一度香港まで陸送し米ドル決済の確認とコンテナにぶち込み出発の準備。それから日本へ来るけれど、東京まで運ぶ前に門司港や神戸などに寄り道して再び陸送するので4~8週間かかるという仕組だとメーカー居た頃に聞いた。
となると、パソコン工房は島根なので比較的早い、ドスパラは神奈川県、マウスは長野県という違いで4~8週間くらいだろうとしております。
今以上の容量や性能が必要になるのか迷う(まとめ)
今とは私のメインPCを指しており、メモリは合計8GB、SSDはシーケンシャル読み書き500MB/sの256GB。
SSDはフリーソフトや試用版のシェアウェアなどをインストールして消さないというアホな使い方をしているので空き容量が圧迫されて来たものの、消せば問題無し。
メモリは8GBを超える容量を載せても体感で差は不明、おそらくSSDをこれ以上速くしても体感で差が判るのか疑問に思える速度まで来ている気がする。
自作PCの場合は安い時に買うより必要な時に買い足す人が多く、私も価格よりタイミングだろうと感じております。
source:メモリの価格が値上がりへと反転したらしい(2016年8月) - BTOパソコン.jp
しかし長い目で見ると現在の私のメインPCは移行してまだ1年。もう2年以上は使うだろうと思えば今の内にDDR3の8GBx2辺りをおかわりしておくべきか、3年後には24GB必要になるのだろうかと迷っております。
SSDの方は個人的にストレージへ出せる金は1.5万円以内と決めているのでNVMeの500GBクラスにはまだ手が出ないけれど、今後M.2のNVMe仕様を搭載する人が増えるならば1.5万円切りは遠い未来では無いと思う、けれど必要と言えるかは疑問。
というわけで、やはり安いから買うとか衝動買いを楽しむ趣味が無いならば、「今は時期が悪い」と思い込む方が良さそうですな。
「せっかくM.2スロットがマザーボードにあるのだから」という、中身より入れ物が先になってしまった感が否めない。
>2位はデスクトップPC用のDDR4、こちらも8GBx2枚。
16GBが1万円しないなら、十分に安いというのが心情です。現状で1GB単価600円ですが、1,000円を超えた辺りで高いと感じるくらいですかね。
>DDR4登場から1年以上経過したけれど、まだまだDDR3の需要あり。
PCの性能的な寿命が伸びたおかげですね。DDR3対応のマザーボードもまだまだ有りますし、需要は来年半ばくらいまでは高そうです。
>むしろSSDの2.5インチの方がメモリより値上がりしている物が多め
メモリと違って「何を選んでも性能にさして差がない」モノではありませんから、欲しいモデルは値上がり前に買っておくのも手ではあります。
とはいえ黎明期のように「40GBで1.2万円」なんぞまで値上がる事は無いですから、欲しい時に買うでも良さそうですけれど。
>NVMe仕様の体感速度が知りたい
99.95%くらいの確率で「SATAとの違いは分からない」になるでしょう。
>Windows起動開始からマウス操作可能になるまで15~16秒くらい
私のWindows10_SSD仕様デスクトップは、電源ボタンを押してから操作可能になるまで16~18秒くらいですね。Windows起動開始からだと12~14秒くらい。もちろんコールドブート。
>今以上の容量や性能が必要になるのか
私のメインPCは120GBのSSDを載せていますが、今のところ容量不足は感じず。興味のあるソフトを根こそぎインストールする環境だと足りないでしょうが、データの保存には別ドライブがある環境なら、メインのSSDは250GB以下で十分、と感じるところです。