2chまとめで面白記事を発見。
PCメーカーのサポートセンター、コール担当経験者が面白クレームを書かれており、連動する修理現場で働いていた私にもあるあると判るネタが結構多く、久々に2chまとめで楽しめたので紹介。
私の体験談もオマケで入れております。
PCメーカーのコールセンターでの面白いクレーマー達
元ネタはこちら。
PCのサポセン勤務経験から面白いクレーム公開する : PCパーツまとめ
http://blog.livedoor.jp/bluejay01-review/archives/49905556.html
1から1つ引用というか転載させてもらいましょう。
・ゲームやっててキレて画面殴って壊したからメーカー保証して
「ゲームにムカついて画面を殴るのはとても一般的なこと」
「つまり普通に使用していて画面が壊れたということ」
「メーカー保証期間内だから対応して」なお、要求を拒否すると発狂する模様
他の2つ、その他スレ内の1の体験談も秀逸と思うので、ぜひリンク先でお読みあれ。まとめ内のスレッド全体は青い文字が1なので時間を短縮したいなら青文字のみ読み進めると話が早い。この人は頭良いしセンスも良いと思う。
ところでそのような人間、モニタ殴り壊しイチャモンつけるとか、本当に居るのか?に対する第三者、4の突っ込み。
大規模のところですら稀な内容
でも確実にいる自分がこんな客に当たるのは自販機の当たりくらいの確率だけど
規模によるだろうけれども、私が居た現場のコールセンターでも年に数回は発狂するクレーマーが湧いていたと思う。知らないだけでもっと居た可能性もアリ。
12に対する1の返信。
>>5
3時間も拘束されたらSVからストップ入るやろ>>12
二次受けのわし無事死亡
だろうと思った。クレーマーに対する返し方が毎回手本のような上手さ、素人には思いつかない、「そう返信すれば良いのか」と感心することしきり。
二次受けとは、通常のオペレータでは判断出来なかったり手に負えなかったりした際、1段階上のエスカレーション先の事。給料は高いだろうけれども、個人的には一生やりたくない職業。
この人が有能な例が66のこちら。
ぼく「本体手前にランプがあると思いますが転倒しているものはございますか?」
お客「全部消えてる」
ぼく「さようでございますか」
コンセント入っていない可能性があるなーぼく「それでは一度放電作業をしてみましょう」
ぼく「まず、通電を止めますので一度コンセントを抜いていただけますでしょうか?」
お客「わかりました、あっ!」 (以下略)
オペレータならば常識のような返し方なのかも知れないけれど普通に、「コンセントにプラグ挿しているか確認を」のような言い方では100人中1人くらいは怒る人が居るはず。
もう一つオマケ的に。
ショップ店員が馬鹿すぎるのは実は珍しくない
直接は知らないけれどコール担当から聞いた事がございます。BTOパソコンを修理に出す際、NEC製品などのように家電量販店へ持ち込むパターン、これおすすめしない。
彼ら全員がパソコンに詳しいわけでは無い割に仲介として間に入ってしまうので、かえって修理完了が遅くなるとか。また、家電店により店員アホまみれなところもあるので困るとか。
ラストのこれが本題。引用するには範囲がデカすぎるので画像にて。
ノートPCが下のようになるタイプだと思ったのでしょう。
冗談のような、しかし有り得そうな話。
Windows 8の発売以降、2in1とか変形するノートが増えたのでタッチパネル搭載で当たり前とか、画面が360度回って当然など勘違いする若い人が存在しそう。
話を戻すと、ここでの1の対応はややおかしい。
360度だろうと力が入ってしまおうともユーザ過失による物理破損なのだから通常使用とは言えず、保険では無いメーカー保証では保証期間内であろうと普通は無償対応しないはず。
「修理費用高いの(震え声)」へ答えるとクソ高い。以前Twitterで暴れていたクレーマーの迎撃記事を読むと詳しく判る、ベアボーン交換になるので修理費用はスーパー高額。
仮に10万円のノートでベアボーン(ノート本体部分)が輸送費など含めた修理用パーツとして1台あたり7万円だったとしましょう。なので7万円、なわけはございません。
最低でもメモリとHDD、CPUがソケットならばCPUも載せ替えが必要となり、無線LANカードなどメーカーの後付ならばそれらも換装。バッテリ付け替えはタダとしても、パーツの交換費用が盛られ修理代は10万円を超える可能性。
再び話を戻すと、1の入れ知恵と修理担当のお陰で保証対象として修理されているけれど、細かい事ではなく会社に対する背信行為、もっと言えば横領とされてもおかしくは無し。
しかし、
でもすごく腰の低いお客さんで新しく買ったPCが壊れて凹んでて
背信や横領ではなくともコールセンターと修理現場ではこういう事が稀にある。私も1度やらかしたので、1のように対話形式で書いてみましょう。
データ消さないで新しいPCに移して・・・
コはコールセンターのオペレータ、私は私。
- コ「このお客様のデータを何とか消さずに修理できない?」
- 私「Windows起動しないのでリカバリが必要、無理」 ※HDD正常
- コ「そこを何とか。家族の写真が全部保存されているらしい」
- 私「修理中止か消して良いか二択。修理規定はご存知でしょう」
- コ「亡くなったおじいちゃんの写真があるそう」
- 私「会社としてのルールがあるし、私には関係ない」
- コ「HDD故障していないなら、私がデータ退避して良い?」
- 私「良いわけない。そういう事をやらかすときりがない」
- コ「責任は自分で持つので見なかった事にして」
- 私「もう・・・あんたがやるなら私がやっても同じ」
- コ「え?」
- 私「HDDのアクセス音が気になるので読み書きテストをする。データはHDDの中身丸ごと退避しドキュメントフォルダへ書き戻してみる。うっかり消し忘れて修理完了してしまうかも知れないので、もし消し忘れていた場合は他言無用とお伝えする事。なおデータ破損の有無などは一切関知しない。」
- コ「マジで?ヒツジ先輩が融通利かせてくれるとは思わなかった」
- 私「べっ、別にあんたのために(以下略」
マジで2択なので、OSやHDDなどが故障していそうならばメーカーでは無くパソコン詳しい人やデータ退避してくれる業者などへ相談しましょう。症状は電源が入り画面に何か表示されるけれどOSが起動しないならまずOSかストレージの故障。
この時に交換元のHDDを販売してくれという人が居るけれど、市販品ならば可能かも知れないものの、大量に仕入れるバルクやOEM製品ならば個人ユーザへ販売してはいけない契約などしている事があるので無理な可能性あり。
そして、PCメーカーがデータ移行などすると保証期間内のPCの作業工程が増え、HDDやメモリ、CPUの故障などでデータが破損していた場合にメーカー側が悪いとクレーム化するとも考えられ、ハードウェアならまだしもユーザのファイルとか修理のしようが無いのでデータの移行はやらない(のだと思う)。
というわけで他言無用。「あのメーカーのコールの◯◯さんに言えば、修理担当のヒツジ先輩という奴がタダでデータ退避し残してくれた」とか2chなどで書かれると、私らがスーパー困るかクビになるのは想像容易かと。
ちなみになぜ私がルール違反をしたかは、このコール担当の人が優秀で何度か問い合わせで助けてもらった為、プラス単に年代近いので仲が良かったともいう。
サポセンのコールや修理の人もユーザと同じ人間
2chの1と修理担当、コール担当と私、当たり前だけれども皆人間が動いているのだから1が何種類か挙げてくれた面白クレーマーになるのは損するだけ。
クレーマーはメーカー側の人間を困らせてでも言い分をゴリ押ししたいのだろうけれど、メーカー側やコールの外注先には1のような二次受けによるプロが居るのだから理不尽な要求は絶対に通らないと思われた方がよろしいかと。
クレーマーあるあるな言い分は、
- 消費生活センターへ言うぞ
- 警察へ相談するぞ
- 二度と買わない
いずれも「どうぞ」であり脅しになっておりません。
消費~へ行くと窓口が話を聞き第三者としてメーカーへ電話してくれるけれど、どちらが正しいか常識で考えてくれるので相談したクレーマーが頭おかしいと思われるだけ。
警察は民事不介入。詐欺という人も居たけれど、どう詐欺なのか、メーカーが何をどう騙そうとしたのか、どのような詐欺被害があったのか説明できるわけが無い。
二度と買わないならメーカーに言わせるとラッキーでしかございません。逆に、「もう10台買うぞ」と言われた方がダメージがデカいと思う。
逆に、平身低頭な物言いや泣き落とし、あまりにも協力的な場合の方が困ると思われ、個人的には協力的な人の方が精神的に来るものがあった。
保証切れて10日くらい経過した修理品
クレーマーならば、「10日くらい大目に見ろ」とか無茶を言うのだろうけれども、気持ちは解る、しかし逆効果。
クレーマーはたちの悪い客、性格の曲がった頭おかしい人ばかりなので通してしまい、「メーカーAの部長Bへゴネたら保証切れPCタダで修理してくれたwww」などと2chやTwitterなどで勝ち誇られては困る。だから絶対に通らない、通さない。
逆に私が経験した困ったのは良い人。
修理なので依頼者と直接会話する機会は無いけれど、修理PCの箱へのお手紙は同梱可能。意味を変えず思い出しながら書いてみましょう。
メーカーA 修理ご担当者の皆様
症状は電源を入れても画面が真っ暗で進みません。
グラフィックボードを抜きマザーボードの出力へ切り替えると正常に動いたのでグラフィックボードを交換しようと思いましたが、念のため貴社サポートへ問い合わせるとWindowsのライセンス違反になる可能性があるとご助言いただいたので断念し修理依頼に至りました。ちなみに電話問い合わせの受付番号は123456でした。
保証期間は過ぎていますので見積をお願いいたします。なお、急ぎませんので見積が出るまで1ヶ月くらいかかっても結構です。お忙しいなら他のお客さんの修理品を優先してあげてください。よろしくお願いいたします。
のような感じ。
本音なのか意図したものかは知らないけれど、ここまで言われるとこちらが恐縮してしまうレベルであり、こちらとしても故障箇所が判明している修理はスーパー簡単。
しかもライセンス違反を回避した上、時間を要しても良い、とどめは保証切れ10日しか経っていないにも関わらず、ゴネないどころか金を払う前提とは潔すぎる。
私がどうしたかは、ソッコーでグラボを交換し修理完了までの検査を開始。サポ履歴を見ると問い合わせ時点で保証切れから2日のギリギリアウト。
前述のコール担当へ事情を話し、「セーフにしてあげるべき」と意見が一致したので口裏を合わせ責任者へ報告し説得開始。
- コ「保証切れからわずかなのに・・・不気味ですね」
- 私「デスクトップ画面のファイルやフォルダ名などを見た印象では少しヤバい人かも知れないと思った」
- 責「どうヤバい?」
- 私「まあ、お察し下さいというやつで・・・」<頬を人差し指で縦へスライド
- コ「クレーマーに変身するパターンでしょうか。履歴見ると問い合わせは保証期間終了の2日後でした。まさか、故意で保証終わるまで待ってたとか?」
- 責「ならば、「今回に限り」で行こう」
嘘は言っておりません。私が根拠無くヤバいと思っただけで、コール担当は誘導している(ように見える)だけ。私は頬がかゆかったので指でかいただけでヤクザだと明示しているわけでも無し。
「保証期間終了から間もなくの故障という事で責任者へ相談したところ、今回に限り無償修理を適用させていただくことになりました」
修理品の返却前にコール担当がそう伝えると、次のパソコンも御社の製品を使いたいと言われたらしいので損して得取った形になったと思いたい。
私らの言い分ややっている事は間違っている、背信になりそうだけれども、判断したのは責任者なのだから私ら2人に責任は無いというからくり。要するに会社が例外と判断した。
滅多にない事、しかし実際にあった事。ここが日本で私らが日本人だからこそかも知れませんな。親切にされると親切で返したくなるのが人情というものでしょう。
というわけで、クレーマーになれども何も得るものは無く、メーカー側の人間の心象を悪くし修理に出しづらくなるという、何かを失う可能性はアリ。これでもかというほど協力的ならば、失うものは無く何かを得るかも知れないという話をもう1つ。
届いた新品PCのクーラーが外れていたなら?
急いでいたならムカつくだろうけれど、それはPCメーカーではなく佐川急便 間違えた、配送会社が悪い可能性がウルトラ高いのでPCメーカーへ矛先を向けない方がよろしいかと。
しかし、納品完了まではPCメーカー側の責任と思われ、ユーザがメーカーへ苦情を出し、メーカーが配送会社へ苦情を言うという流れになれども当然。
事故による初期不良扱い。あなたならどうする?
電話で怒鳴り、「急ぎで同じ構成の新品を出せ」と言われても結構。メーカー側もそうするべきでしょう。梱包や緩衝材に問題があったのかも知れないのだから。
しかし、私がコール担当と関わった時の神客は違った。
症状は、電源を入れると30秒で切れる、すぐに再び電源を入れると3秒で切れる。おそらくCPUクーラーが機能していない、もしかすると外れていると伝えたところ、笑って許し代替品も不良品の返送後で良いとされ、苦情どころか配送会社の扱いがひどいのだろうと同情される始末。
メーカー側としてどう対応したかは、ソッコーで同じ構成で組立て、インテルやマイクロソフトの非売品グッズを詫び状と一緒に数種類オマケして再送したそうな。
ちなみにデータベースのその人の履歴には、「凄く良い人」とかも書かれ、修理担当者も見るかも知れない。私なら良い人をうっかり優先して修理してしまうかも知れない。
メーカー修理にご協力を、という話になった気がする。
スティーブ・ジョブズのスピーチのパクり風にいうと、「Stay Kindness, Stay handsam.(親切であれ、素敵であれ)」
>私が居た現場のコールセンターでも年に数回は発狂するクレーマーが湧いていたと思う。
学生時代、スーパーでアルバイトをしていたことがあるのですが、売り物のみかんを食べて、まずいからお金を払わないと怒鳴っていた客がいました。
たしか10代後半の頃だと思いますが、こんな人間が世の中にいるのかと驚いた記憶があります。
>マジで2択なので、OSやHDDなどが故障していそうならばメーカーでは無くパソコン詳しい人やデータ退避してくれる業者などへ相談しましょう。
世の中の大多数であるPC関係に疎い人はこれがなかなか理解できないと思います。「修理するのになぜデータが消えてしまうの?」というふうな。メーカーにとっての修理は購入時の状態に戻すことですけど、ユーザーは壊れる直前の状態を望むでしょうから。
失って初めてバックアップの必要性を強く感じるのでしょうね。ソースは私。
技術的な事で、私的にサポートセンターへ連絡した事は無いですね。業務だとカスタマーセンターへの連絡は年がら年中。個人的に「サポートセンター=購入した客の相談先」で「カスタマーセンター=購入の有無に関わらない相談先」と思っていますが、合っているかは不明。
>ゲームやっててキレて画面殴って壊した
デスクトップならモニタ買い替えでOKのところ、ノートだと全損とほぼ同じ扱いですかね。殴る→液晶が後ろに倒れる→180度開いて接続部のパッキンが壊れる、のコンボも発動しそうですし。
>ショップ店員が馬鹿すぎるのは実は珍しくない
私はヤマダのバイトだった事もありますが、PCと音響とカメラとテレビ以外は素人でしたね。並んだ冷蔵庫の違いなど分からず。シンディじゃあるまいし、説明書を読んだだけでは「騒音はどれだけか?」とか「排気の熱で壁紙にどれだけ影響があるか?」とかは分からず。全商品でユーザ目線に立った説明をするには、1店員だと無理があると感じた次第。
説明書を読んだのよ (せつめいしょをよんだのよ)とは【ピクシブ百科事典】 http://dic.pixiv.net/a/%E8%AA%AC%E6%98%8E%E6%9B%B8%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%93%E3%81%A0%E3%81%AE%E3%82%88
>私「会社としてのルールがあるし、私には関係ない」
会社の規定はいろいろありますけれど、超法規的措置というか、経営理念に則って「後々に自社の利益に繋がる行為」であれば、多少の逸脱は許されて欲しい所もありますね。もちろんそれで自社の不利益に繋がったなら、できる限りの責任はとりますけれど。
>私「良いわけない。そういう事をやらかすときりがない」
これはあるある。数値化して考えると
融通してあげた客…………良客度100
融通してあげたい客1……良客度90
融通してあげたい客2……良客度85
融通してあげたい客3……良客度80
これで仮に「85以上なら融通しよう」とした場合、後に来る「84.9の客を切り捨てられるのか」が勝負どころ。切り捨てられる潔さが無いなら、オール・オア・ナッシングの精神で、最初から一切の融通を利かせない方が利口。
>二度と買わない
PCメーカに悪印象を抱いた方が良く言うセリフですね。「DELLのPCは二度と買わない」や「マウスからは二度と買わない」など。聞かされる方としては「勝手にすれば」で終わりますが、問題は解決していなくとも「不買という結論」で勝手に終わらせてくれるのは、助かる点でもありますね。
>Windowsのライセンス違反になる可能性がある
確かに、OSがOEM版だと「自分で交換」は「構成の変更」でライセンス違反かもしれませんね。扱いは「修理」ですから、MSサポートに電話でもすれば大丈夫かもしれませんが、微妙な線。
>判断したのは責任者なのだから私ら2人に責任は無いというからくり
私はそれが嫌いなため、問題が起こったら私の責任、問題が起こらなくても私の責任、利益が上がったら私の功績、という形にして手を打っています。私の給料が安い大きな要素は恐らくこの辺り。
本来クレームは改善の機会を与えてくれる、販売側にとってはありがたい行為のはずなのですがね。クレーマーという言葉がひとり歩きして悪印象を強めた結果、クレームをつける=難癖をつける、という図式になってしまったのは残念なところ。