Windows 7の息の根が止まる予定まで約半年。
良い意味での意識高い企業では既にWindows 10仕様のパソコンに買い替えていたり、その時は代理店の提案を理解したり相談したりとしても、中小企業はセルフサービスになる可能性はあるある。
社内のパソコン詳しい人に相談するべきか?
「パソコン詳しい」は大別して2種類の陰陽がある
「2種類のワイン好き」に置き換えてみましょうか。私はワイン嫌いで、アレの何が美味いのか全く理解できないけれど。
社内の歓送迎会でイタリア料理の店を予約し、ワインに詳しい人が社内に居たとして、その人がどういうアドバイスをしてくれるか2つ。
- イタリア料理大好きでワインにも超詳しく、こだわりもあり、自宅にクーラーとか置いているAさん
- イタリア料理に詳しいけれどそれは自分の趣味であって、他人も自分と同じ感覚とは限らないBさん
罠はAさんで、Bさんは稀な存在と思えるソムリエ的な人。
この2種類の違いがパソコンでも当てはまるので、「私はパソコンに詳しいです」と自称する人が実は罠かも知れない的な話を簡単化してご説明申し上げたい。
会社PC買替えで自称PC詳しい罠人を見抜くポイント
具体的に7例。
- グラボはあった方が良いとか言い始める
- CPUにCore i7(Core i9)を勧めて来る
- 「オーバークロック」という単語が出る
- 言う事の半分以上が専門用語で意味不明
- やたらと楽しそうだとか興奮状態に陥る
- 今までWindowsなのにMacを激しく推す
- 「不具合は私が何とかする」なんて言う
上記をパソコン詳しくない人にもわかるよう解説。
1.グラボはあった方が良いとか言い始める
グラボとはグラフィックボードの略で、別名が色々あるけれど、グラボと称する人はパソコン詳しい人の特徴のような言い方。
何がおかしいかは、普通の会社のパソコンにはグラボは必要なく、CPUというパソコンに必須な部品の中にグラフィック機能は入っているので私に言わせると「無駄に高くなるだけなので無い方が良い」でございます。
グラボが必要な業種ならば、そういう人が社内に居るか代理店を通して適したパソコンをリースしたり購入していることでしょう。
グラボ(グラフィックボード、グラフィックカード、VGA)と発するパソコン大先生は罠。
2.CPUにCore i7(Core i9)を勧めて来る
ノートPCならばCPU(処理性能を司る部品)にCore i7(コア・アイ・セブン)もアリかも知れないけれど、普通は5(ファイブ)で止めるべきで、やたらと性能も価格も高いCPUを提案する人も割とトラップ。
性能は大が小を兼ねるため、とりあえず高性能な方が良いというのは簡単、デスクトップPCでCore i9とか言い始めるバカはマジキチ。
良い例として、私がパソコン選びした職場PCはノートが最大でCore i5、デスクトップはCore i3が上限、多くはCeleronというクソ安いCPUを搭載しております。なぜかはそれで充分だからにほかならない。
3.「オーバークロック」という単語が出る
昔の知識を振り回す、にわかPCオタクが大好きな言葉がオーバークロックというフレーズ。オーバークロックと言えばドヤることが可能とでも思っているのだろうか今どき。
オーバークロックとは、CPUの性能を体感ではわからないほどほんの少し上げる技術、その割に何かとリスクがある、CPUの製造元が保証していないブーストを勝手に手動でやってしまう自己責任な手法。
15年くらい前ならオーバークロックは実用的だったけれど、会社のパソコンでオーバークロックとか言い始めるとかただのバカ。そんな面倒かつリスクある体感差不明な無駄なことするなら1ランク上のCPUにしろとしか。
4.言う事の半分以上が専門用語で意味不明
3番に引っ掛けて作文してみましょうか。
安いパソコンでもチップセット次第だけれどもオーバークロックすると周波数を上げられるし、RAMのクロックと電圧もBIOSで調整して詰めて行けば安定するし、ミスってコールドブートしなくなってもCMOSクリアすればOK
頭おかしい、そんな人居るわけない、そう思ったなら甘い。
私は自分が昔パソコン好きだったのでこういう人を何人も見て来た。総じて自信過剰、浅知恵ドヤり、突っ込むとキレる、知ったかぶる。
専門用語を並べまくる人間は、その分野で知識があると思い込みたいとか、説明できる自信がないので誤魔化している、凄いと思われたいだけの中身の薄いアホなのでスルーが正解。
上の文章を強引に私が説明するならこう。
安いパソコンの処理性能を手動で無理やり上げるくらいなら、最初から高性能な部品を搭載したパソコンにするべきで、保証されていないことをするべきではない。
大幅に意味が変わってしまったけれど、仕事は遊びではないのだからオーバークロックの話にはならない感じ。
5.やたらと楽しそうだとか興奮状態に陥る
単純に、楽しそうとか、やたら息巻いてパソコン選びする人は避けましょう。ろくなことにならない。その人は会社のパソコンではなく、自分の趣味の方が重要なアホ。
自動車のオイル交換に置き換えましょうか。
- このオイルがオススメ。絶対これが良い。後々後悔しないように。
- 安さ重視なら最低でもこれ、少し高くても良いならこちらが良い。
趣味的な自己満足なのか、空気読める職人なのかの違い。
6.今までWindowsなのにMacを激しく推す
仏教なのにエホバが洗脳しようとしているような。
Macの良いところは特に何もないし、WindowsもLinuxの良いところも特にないので、今までWindowsだったならWindowsでOK。
但し、トヨタからホンダ車へ乗り換えるようなものではなく、フォークリフトをショベルカーに乗り換えるほど違うので信者は無視が正解。
7.「不具合は私が何とかする」なんて言う
これが出たならパーペキにアウト。
私は私なので会社のパソコンは部品さえあれば自力で何とかできると思うけれど、それは私にしかできないに近く、私が今すぐ死ぬか今夜死ぬと明日から誰が保守(不具合解決や修理など)するというのか。
自分が居なくとも組織に何ら支障は出ない、悪質なPC変態もしくはオタクな罠人にはこの感覚が盛大に欠落しているところも割とポイント。
正解は自称パソコン大先生に相談せず事務機屋へ相談
地元の何とか事務機でも良いだろうし、直接リコーだとかキヤノンの営業所などへお問い合わせするもよし、小規模でも彼らは相談に乗ってくれるので遠慮なく電凸が間違いございません。
「たった1台」でも次の仕事につながる可能性があるとして、1台でさえリースしてくれることを割と多くの中小企業の人らは知らない。特にベンチャー。ソースは私が勤める会社の商工会の人たち。
「パソコン詳しい」を自動車に置き換えるとわかりやすいかも知れない。
- サスペンション変えてホイールも軽量化してオイルはこれを(略)
- その用途ならこの車を5年リースにして5年後にどうするか(略)
※私は自動車素人なので表現変なら失礼。
1はいわゆる車バカのような詳しい人で、他人がどうとか関係なく自分の好きへ寄せて行くスタイル。
対して2は単なる優秀なディーラー的だとすると、それは事務機屋とかリース屋のような代理店であり、社内にそういう考え方ができる人間が居ると思わない方がよろしいかと。
私の環境では、偶然ヒツジ先輩がその会社に所属しており、縁があったのかPC導入(リプレース)に口を出せるし権限もフルパワーできるので下手な代理店よりも私が選ぶ方が皆さん納得されたと自負しております。
が、そんな人間を私は自分以外知らない。
PCハードウェア好き=オタク、であり、そのオタクの多くはアニメ、ロリコン、ゲーム、ベンチマークスコアなどでハァハァしてしまう変態が見受けられ、そんな変態に会社のパソコンどうすればよいか聞く方が頭おかしいという手のひら返しで釘刺しておきたい。
そのPC変態がコンシェルジュなのか、ただの自己満足やドヤりたいガチな変態なのか、見分けるポイントを書いたつもりだけれども、基本的にPCハードウェア好き=割と変わった人という認識でよろしいかと。
>ワイン
いわゆる「お高いワイン」は、一般的な味感覚で言うとマズいです。アレはワイン作りに掛けた手間と時間と情熱を五感で感じ取るための挑戦行為であって、美味しいマズいといった味わう行為では無いです。
普通の人は1本1,000円くらいまでのワインが良いかと。それくらいの価格ならば、美味しさ・飲みやすさを追求したワインでしょうから。
>グラボ
ファンが付いていれば騒音値が上がりますし、部品点数が増えれば故障率も高まる訳で。唯一の利点とすれば「グラボが壊れてもグラフィック内蔵CPUなら映像出力を切り替えてその場しのぎができる」でしょうか。
>専門用語
わざと難しく言い換える方は稀に見かけますね。頭が良いけれど馬鹿な人に多い印象。この手の医者に当たると面倒です。入院とか手術とかの説明を受けても訳が分からない。
>そんな変態
他人に迷惑を掛けて疎まれるオタクは、基本的に「リスク管理能力がない」からですね。目先のことしか考えず条件反射で行動するため、問題が起こらず上手くいった時にしか評価されません。
しかしそれは偶然の産物。自分の実力では無し。
> Macの良いところは特に何もないし、WindowsもLinuxの良いところも特にないので、今までWindowsだったならWindowsでOK。
Windowsならそうでしょうが、Linuxの場合はNGだと思います。
Linuxではバイナリ互換性をWindowsほど重視していません。
Linus氏は重視しているようですが、Linus氏の担当しているkernelだけではOSとして成り立たず、他の団体の開発しているライブラリ類も必要です。
それらの団体には後方互換性を軽視している所が混ざっています。
大抵のLinuxディストリのサポート期間がWindows XPほどではないのは、これら開発元に放棄された一部の後方互換用ライブラリをディストリ側で維持し切れないのが一因です。
ゲームソフトレベルの巨大ソフトでも、WindowsならXP時代に開発の止まったバイナリすら動きますが、Linuxではディストリのメジャーアップデートだけで、ライブラリの幾つかはバージョンが合わず動かない可能性が高うございます。
ソースコードの形でしか、Linuxは過去の資産を継承できないのです。
逆に、過去の資産がソースコードの形をとっているなら、Linux以外に有力な選択肢があります。
バークレー・ソフトウェア・ディストリビューションを先祖とする、いわゆるBSD系Unixです。
ご存知のとおり、Linuxのシステムコード部分はソースコードが公開されており、隠しAPIなど動作不明な点が存在しません。
Linuxのコードの使用許諾条件はBSDより厳しめなので、そのままソースコードをパクることはできませんが、Windowsのソースコードを読めないReactOSに比べて圧倒的に互換レイヤーの作成がラクチンです。
しかも、LinuxとBSD系はどちらも同じもの「UNIXのパチモン」を目指すOSです。
これらのため、過去の資産のソースコードを殆ど書き換えることなく、Linux上で動くアプリをBSD系に移植できます。
Gentoo LinuxやDebian GNU/Linuxでは、BSD系の派生ディストリ「Gentoo/Alt」「Debian GNU/kFreeBSD」が生まれるほどです。
結果、LinuxとBSD系の違いはディストリ並に小さなものになっています。
BSD系をLinuxディストリの一種と勘違いしている人がいるそうですが、この勘違い、あながち的外れとは言い切れません。
Windows XP終了のときは移行先として7と8がありましたが、LinuxとBSD系の差は7と8のと同程度だと私は思います。
しかもこのBSD系の普及率、パソコン用OSとしてはLinux系の10倍くらい。
Windows系の次を占めるという、メジャーな系統です。
マイクロソフト謹製の公式Microsoft Officeが用意されているほどです。
スマホ用でもAndroidに次ぐシェアを持ちます。
つまり、OS X以降のMacOSおよびiOSは、BSD系OS「Darwin」を基に作られています。
MacOSでは、FreeBSDから移植したパッケージシステムや、先のGentoo用パッケージシステムが動くそうです。
Mac OS X のパッケージ管理紹介/比較
https://www.slideshare.net/TomohikoHimura/ss-20115472
しかも、あくまでUNIXのパチモンに過ぎないLinuxと違ってDarwinは、認証機関のチェックに合格し「UNIX」を名乗ることを許された本物のUNIXです。
今まで使っていたのがパチモンだからといって、本物に移行せずにパチモンを使い続けるのがOKなはずはありません。
今使っているディストリのサポート期間が切れたわけでもPCを買い換えるわけでもないのに、それらを窓から投げ捨ててMacOSへ御逝去なされよ、とは言いません。
しかし、Windows系限定の過去の資産も継承できるWindows系と違って、様々な系統のOSへ持ち越せる形でしか、過去の資産をLinuxは継承できません。
Linuxで維持できる過去の資産は、他のOSでも同様に維持できるはずです。
よって、今までLinuxだったから、だけなら、Linuxを使い続ける理由として私は認めません。
ディストリのサポート期間中に、他のOSの検討をお勧めします。
どうせ、他のOSを検討できない資産構成なら、ディストリのメジャーアップデート時でも不具合続出でしょうから。
> 具体的に7例。
以上の書き込みを振り返ると、
4. 言うことの半分、専門用語では? ソースコードって何それ美味しそう。
5. 興奮せずに、この文章量は無理。
6. 今までLinuxなのにMacを推している
が当てはまるような。
ハードウェアではなくOSの話だから、罠人が狙ったって1,2,3は踏めません。
上記を真に受けてMacOSへ御逝去された人なんてサポートする気は皆無だから、7はセーフでしょうか。
FreeBSDやOpenBSD等へ移行した場合に対しては、7を踏んじゃうかも。