ソニー様の御VAIOが5.5万円で販売中。
VAIOと言えば、昔はNECのLavieや富士通BIBLOに並ぶボッタクリブランドとして名を馳せておりましたが、何とノートでしかもタッチ操作を付けても54,800円という安さ。他、15.5型なら59,800円もございます。
適当に見て参りましょう。
「VAIO Fit 15E」は最小構成で約6万円
リンク切れが嫌なので行くならコピペにて。
VAIO Fit 15E/14E │ “VAIO” - ソニーストア
http://store.sony.jp/Special/Computer/Vaio/Vfe21/index.html
価格は47,800円になっておりますが、これは最小構成かつタッチパネル無しの価格で、タッチスクリーン液晶へのカスタマイズはプラス7千円で54,800円。
左の15.5型(以下、15型と省略)もタッチ対応液晶は+7千円なので59,800円。
タッチ操作が無くても良いなら、スタート画面側を真面目に使わないという事になるので、それならBTO PCメーカーのWindows 7仕様の方が良いでしょう。
ソニーのカスタマイズでは、タッチスクリーンはプラス7千円なものの、実際にはタッチ機能で数万円は原価が上がると思われ、タッチ無しなだけでコスパは変わり、7なら同じ価格でも性能は上になるもの。
話をVAIOへ戻し、14と15型の違いは上の画像に書かれているように幅が4cmくらい、奥行2cmくらい15型の方が大きめ。
重量2.2~2.5kgはモバイルとは言えない重さなので半固定設置が前提とするなら、大きさは好みによるでしょう。
サイズより重要な事は解像度で、14型は1366x768または1600x900ドットに対し、15型はフルHD(1920x1080)まで選択可能。
個人的にはこのサイズでフルHDは表示が小さくなり過ぎ、1366x768がバランス良いと感じておりますが、高解像度が好きなら約1.1万円の差で15型を選ぶべきでしょうな。※15型のフルHDへのカスタマイズは+6千円
解像度は1366x768で良いなら、数cmの差は大した事は無し。ノートはデスクトップPCより目から近くなり視界が狭くなるので、テンキーが不要な用途では私なら14型を選択。
というわけで、VAIO Fit 14Eの方をタッチスクリーン搭載へカスタマイズした場合の主な仕様がこちら。
- OS:Windows 8 64ビット
- CPU:Celeron 1007U(1.5GHz、2コア、2MB)
- マザー:インテル HM70 Express チップセット搭載
- グラフィック:インテル HD グラフィックス※CPUに内蔵
- メモリ:2GBx1(PC3L-12800 SO-DIMM)
- ストレージ:HDD 500GB(5400rpm)
- 光学:DVDスーパーマルチ
- モニタ:14型(解像度:1366x768)※マルチタッチ対応
- 有線:LAN 1000BASE-T対応、USB3.0x2/2.0x2 など
- 無線:IEEE802.11b/g/n、Bluetooth 4.0+HS
- バッテリ駆動:約6時間 ※JEITA測定法
- 重量:2.2kg
「うわっ・・・私の性能、低すぎ・・・?」とでも言いましょうか。
ぎりぎりでアウトと思う箇所はCPUの貧弱さとメモリの少なさ。人により今時HDD容量500GBでは足りないという意見も有るかも知れないけれど、そこを求めるならノートはやめた方がよろしいかと。
メモリ2GBはまだ良いとしても、デュアルコアとは言え1.5GHzは実用としてどうなのか。私が所有しているパソコン工房の3万円ノートもCeleronで1.1GHzというクロックの低さを誇るものの、本当にライトユーザ向けの性能。
もし仕事とかに使うなら力不足になりそう。しかし、私のように実験用として滅多に使わないとか、インターネット利用程度なら最近のCeleronは昔と比較し高性能なので問題無い、かも知れない。
目立って良いと思う点は、さすがソニー様だけは有り、この程度の安物でさえBluetoothの4.0が標準で内蔵。そして半固定設置ノートなら有難いと思うギガLANに対応。
バッテリの6時間はJEITA測定なので、行って5時間でしょうな。WiFi接続でYouTubeやニコ動を垂れ流しつつ仕事とかすると4時間行くかどうかと推測。
これは最小構成で、VAIOにしては安いという仕様で物言いを付けている為、嫌ならカスタマイズしろという事ですな。
店頭モデルとの違いや利点や注意点
店頭モデルと通販の違い
店頭モデルの特徴は以下の通り。
- 1TBのハイブリッドHDD標準搭載
- メモリは最低でも4GBを標準搭載
- MSオフィス2013 Home and~入り
注目すべきはハイブリッドHDDで、ソニーの能書きによるとHDDに8GBのNANDフラッシュ型メモリ(SSDのようなもの)を搭載しており、読込速度が通常のHDDの3倍くらいとか。これを通販モデルには付ず比較され難しくしているのでしょう。知らないけれど。
店頭モデルのメモリで気になる事はVAIO Fit 15Eの方で、合計8GBの内訳がオンボード4GB+スロット4GBになっている点。オンボードメモリ故障=マザーボード故障->修理代5万円以上コース確定、になるので微妙。
オフィスは抱き合わせなので、これに2万円の価値が有ると思うなら店頭モデルの方が得かも知れない。使わないなら無駄にオフィス代が乗っているという事に。
店頭モデルの詳細はソニー公式のプレスリリースをどうぞ。
VAIO Fit 15などVAIO夏モデル | プレスリリース | ソニー
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201305/13-0507/
では通販のBTO、ソニー風にいうとオーナーメイドのCTOの利点を3つ。
1.ソニーの直販は実は割安
最小構成の14Eの仕様は貧弱なものの、タッチスクリーン搭載で5.5万円はソニー、VAIOとしてはかなり安いと言えましょう。
それのみでは無く、ソニー直販の利点は以下の2つ。
- 標準で保証が3年
- 送料が無料
最近の量産系BTO PCメーカーは何かと厳しいのか、延長保証の値上がり傾向に有り、ドスパラは最低1万、パソコン工房でさえ5,250円から6,300円へ値上がり。マウスは一律7,350円。
だいたい7千円掛かるとするなら、ソニーの3年保証は優秀。更に送料無料もBTO PCメーカーでは現在やっておらず、2千円前後取られる有様。
というわけで、ソニーの通販なら長期保証と送料込が標準なので1万円くらいの価値が有るとするなら、14Eタッチ付ノートの5.5万円は4.5万円と思ってよろしいかと。
2.カスタマイズ価格が絶妙
例としてCPUの変更。
Celeronは標準なので0円。量産系BTOパソコンはカスタマイズすればするほど高くなるけれど、ソニーの場合は元の価格が高い為か、組立代行系のような安さになっております。
私がもしこれを買うなら、7千円でCPUがi3の1.9GHzになるのだから変更するはず。安いとは言えないけれど、実用PCとしてならCeleronは少し心配な為。
メモリも安い。どう見ても4GBx1が割安かつ安心。
気付けばこの時点で5.5万円が6.3万円になっております。8千円差でこれなら仕方無いか、と納得させる上手いアップセルと言えましょう。
ちなみに、タッチパネルの+7千円も安すぎる為、逆に考えるとタッチ無しの方が割高という考え方に。
3.無駄な物が付いていない
無駄とはMSオフィスの事。店頭モデルでは全機種普通にオフィスが抱き合わせになっておりますが、通販では後付。
何故かHome and~が安いですな。
BTO PCメーカーなら差額は約2.5万円の物が2.1万円になっております。MSとの契約が違うのか、ソニー様専用価格なのか。
その他、無駄なものと言えば、デスクトップ上に撒き散らされているバンドルソフトが有るけれど、NECや富士通ほど多くは無いらしく、10分有ればアンインストール出来る程度。
高性能かつオフィスが有った方が良ければ店頭モデル、無くて良いなら通販が安い。
では難点も3つ。
1.コスパが良いとは思えない
タッチスクリーンがプラス7千円は良心的。
しかし7千円差でタッチ対応になるとは到底思えず、今年の春頃の情報によるとタッチスクリーン液晶は200ドル以上との噂。
今は量産されて値下がっているとは思うけれど、Windows 8に対応する為に、少なくとも万単位が乗っているわけですな。
難点と言いつつ手のひらを返すと、タッチ液晶と無しパネルの差額が約1万円とするなら、5.5万円から1万を引き4.5万円。3年保証+送料無料が1万円の価値なら3.5万円。
最小構成では低性能なものの、3.5万円は量産系BTOメーカー並の安さ。この価格(価値)でVAIOロゴ付ノートは割安、なのか?
2.CPUは1世代前のIvy搭載
Celeronなら関係無いけれど、Core i3やi5、店頭モデルのi7などにするなら、全部3千番台なのでCPUは1つ古いCore iシリーズが搭載されております。
この夏モデルが出た翌月、今年の6月には第4世代Core iシリーズ(コードネームHaswell)が出ており、NECの上位機種などで採用。省電力性に優れており、価格差が大した事が無ければ新CPUの方が高性能と言えましょう。
3.失敗版Windowsの「8」仕様
ソニーやVAIOのせいでは無いけれど、個人的に8は有り得ない。
「デスクトップ画面だけ使えばいいじゃない」と思っている人が居るかも知れないけれど、何かしようとするとスタート画面に飛ばされるストレスは、使った事が無ければ体感出来ないかと。
また、7までの操作と変わっている部分が多く、直感では分からない、言い換えるとパズルや謎解きのような分かり難いOSなので、普通のWindows慣れしている人は、8という時点でやめた方が良いと思う。
値下げは販促なのか在庫処分か(まとめ)
ソニーは年に数回このような「VAIOにしては格安」な売り方をするけれど、時期的に違和感がございます。
夏モデルのセールをするなら、タイミングとして最適なのはボーナスが出る7月頃。8月の盆休み前後は一般的に他の事で散財すると思われ、なぜ今キャンペーンなのか疑問。
原因を妄想すると、これは販促というより在庫処分。
来月、9月辺りから大手メーカー各社が秋冬モデルの準備に入り、10月頃には発表。Haswellが出ているのに、今更Ivy Bridgeでマイナーチェンジとかして秋冬の新製品は競合的にきついでしょう。
10月はWindows 8が出て丁度1年。まだ正式には発表されていないけれど、8.1へのアップデートがこの辺りになると私は予想(憶測や妄想)しており、そうなると8が入っているPC、特に店頭モデル用の在庫処分は急がねばなりますまい。
更に妄想になるけれど、店頭と通販モデルを段階的に生産し在庫のバランスを取っているとして、店頭があまりにも売れなければ、同じベアボーン(ノート本体部分)と思うので通販で処分する方が楽、とか。
以上。VAIOが安くなるのはソニー信者には良い事と思うけれど、所詮Windows 8なので、普通の人は現在もWindows 7を入れて売っている量産系BTOメーカーのノートを選びましょう。
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