BTOパソコンは普通のPCとどう違うのか。
BTOパソコン.jpにも関わらずBTOパソコンとは?でサイト内検索するとヒットせず、当サイト開始から5年以上が経過しているけれど今更ながら解説。パソコンやBTO初心者向けとしてトップページからリンク予定。
これを書いた時期は2014年1月なものの情報として古くはならないはず。
BTOパソコンとは?
Build to Orderの略で意味は受注生産。
家電量販店などの店頭で販売されているパソコンは完成品で、基本的に在る物をそのまんま購入する物。
弁当に置き換えると、スーパーで並んでいる物を選んで買うか、器を持ち調理者へ「その焼肉とチャーハン、グリーンピース抜きで」などと発注する違いのような。
BTOパソコンの特徴として良く言われる事は、自分用にカスタマイズ(仕様変更)したパソコンが購入出来るというけれど、マニアでも無ければそのようなカスタマイズなど不要でしょう。
自動車に置き換えると、完成品は車種や色を選び予算からグレードを決める感じで、BTOのカスタマイズは「強化クラッチにしてパワステ切ってくれ」と言っているようなもの。
2000年代前半の完成品パソコンはCPU性能が低くメモリ容量も少なかったけれど、2014年現在は店頭販売のPCでも性能や容量が不足するようなパソコンを見かける事は滅多にございません。
BTOパソコンの利点の一つはカスタマイズ、これはマニア向け。そしてもう一つの利点はNECなどのナショナルブランドよりBTOパソコンの方が安い事。
これらの話は後ほど。
ホワイトボックスと呼ばれる事も
ホワイトボックスとはブラックボックスの逆で、本来は仕様が公開されている、オープンな状態を意味しております。
ブラックボックスは非公開という意味も有ると思うけれど、仕様や構造を知らなくとも使う事が出来るという意味とするなら、完成品はブラックボックス、BTOパソコンはホワイトボックスという分け方も。
実際、数年前に私が見た某家電店内の案内で「ホワイトボックス高額買取中」というフレーズが有り、それはナショナルブランドではないBTOメーカーなどのPCを買い取るという意味。
BTOパソコンがホワイトボックスという言い方は滅多に使われないけれど、覚えておいて損は無いかと。得もしないけれど。
MacやVAIOなどもBTOパソコン?
BTOパソコンがカスタマイズして発注した後に生産するPCというくくりとするなら、現在はホワイトボックスなメーカー以外にナショナルブランドも通販でカスタマイズや受注生産(と思われる)しております。
ソニーのノート、VAIOよりCPUカスタマイズの例。
出典:http://www.sony.jp/vaio/
Appleのノート、Macbook Airの例。
出典:http://store.apple.com/jp/buy-mac/macbook-air
他には富士通などのナショナルブランドも通販ならカスタマイズ可能となっております。では仕様が解らないかと言えばそれも違い、紙のカタログには詳細が書かれており通販でも仕様詳細を掲載。
出典:http://121ware.com/lavie/
以上より、カスタマイズ出来るからBTOパソコン、BTOパソコンメーカーならカスタマイズが出来るという意味では無くなって来ており、NECなども受注後に生産しているならBTOパソコンになってしまう。
しかし何故これらをBTOパソコンと言わないかは、そうしてしまうとドスパラやサイコムのパソコンを何と呼べば良いのか、ホワイトボックスという名前を強引に当てはめるのかという事にもなり、自然にBTOパソコン=ナショナルブランド以外のメーカーやショップのPCという意味になっております。
仕様を見なければならない理由
ハードウェアに詳しくない普通の人なら、デザインや大きさ、価格、ブランド、店員の勧めなどで選ぶものでしょう。
仕様を見るとしても、並んでいるパソコンのPOPを見て「2.0GHzより3.0GHzの方が性能良さそう」とか「500GBより1TBの方が大きいのか」程度かと。
上で書いたように2014年現在のパソコンは大抵が高性能で大容量なのだから昔ほど神経質に見なくても良いけれど、現状では逆に性能や容量の低さでは無く、性能が高すぎないか、無駄に容量が大きく多機能過ぎていないかという点に注意したいところ。
ナショナルブランド(富士通など)の完成品PCは無駄に高性能、多機能、色々なソフトを突っ込み高額にしたがるもので、普通の人に「ここまで高性能なCPUが必要なのか?」「このような機能を本当に求めているのか?」と疑問に思う仕様が多々ございます。
週4~5日、1日1時間程度の利用頻度で用途がメールの返信と通販での買い物程度なら高性能CPUや大容量HDD(ハードディスク)より、CPU性能を控えSSD(HDDより遥かに高速)にした方が安く快適になるという感じ。
ナショナルブランドの店頭販売では、値下崩れする前にいかに早く高額な機種を売るかが目的となっているけれど、BTOパソコンの通販は性能や機能が見劣りする前に次のパーツへ移行出来る為、ぼったくる必要無し。
そしてナショナルブランドのように多機能でも無駄なソフトが満載でも無い為にそのような宣伝をしようが無く、購入ユーザへ性能や容量などを解説して特長を出しており、無駄な金を使わなくて済む可能性が高いという売り方と買い方へ。
「量産系」と「組立代行」の違い
先に、これら2つは私が勝手に名付け分類しているだけなのでご注意有れ。当サイト以外で使えども通じない。
BTOパソコンのメーカーやショップの大きな違いは以下の通り。
- 量産系・・・機種が多い、カスタマイズが分り易い、自作より安い
- 組立代行・・・カスタマイズが多彩、パーツの詳細が判る、マニアも納得
意味を逆にして上下入れ替えるとそれぞれの難点。
量産系はDELLやマウスコンピューターなどの軽く数百億円以上売り上げる大企業が多く、組立代行は大きくても年商10億少々のサイコム、小さなところでは億も行かない数人で営業しているショップも有るという違い。
量産系はその名の通り同じ部品を大量に仕入れ、時には数千や万台単位でケースから作ったりする為に価格の安さが特長。
組立代行系は主に自作PCと同じパーツを仕入れ組み立てて売るのでやや高くなるけれど、パーツの型番など詳細が判る為、自作できるけれど組立が面倒とか時間が無い人に好まれる売り方。
サイコムのストレージ(HDD、SSD)カスタマイズ例。メーカー名や型番、性能などが細かく載っており種類も凄まじく多いのが特徴。
マウスコンピューターの場合。容量別の価格差程度となっており、細かな情報が掲載されていないので見易いのが特徴。
なぜこのような違いが出るかは、量産系はコストダウン重視で極端にいうと、HDDを1メーカーだけから大量に仕入れる為に更に安くなり、組立代行系は価格では無くマニアを満足させる為に多くの種類を取り揃える為。
安さ重視なら量産系BTOパソコン、こだわるなら組立代行BTOパソコン。言い換えると、パーツの種類とか知らず興味も無いなら量産系、メーカーや型番で選び自己満足したいなら組立代行系。
量産系は完成品や非カスタマイズが割安
上で貼った画像のマウスとサイコムを比較してみましょう。
いずれも標準構成ではHDDは500GBなものの、例として1TBへカスタマイズするとサイコムは+1,380円、マウスは+3,150円と2倍以上の差。
量産系BTOパソコンはこのようにカスタマイズすればするほど割高になって行き、逆にいうと標準構成が最も割安。
理由は簡単、量産して量販するから安いわけで、カスタマイズは一応出来るけれど、あまり数が出ないパーツへ変更されると利益が減ったり、生産工場での流れ作業にも変更が出て手間になるので手間賃や在庫事情が絡むわけですな。
量産系は「BTOパソコンはカスタマイズ出来る事が特徴」はあまり当てはまっておらず、その為に標準構成の機種数が多くなっております。
組立代行系BTOはカスタマイズ前提
上のHDD比較でサイコムの方がカスタマイズが安かったように、組立代行系はカスタマイズして当然という前提なのでパーツ変更の差額でやたら高額にはならないもの。
理由は量産系の場合は標準構成の薄利多売に対し、組立代行系は標準構成の時点で利益を乗せて売っている為。
組立代行系の中には「組立料1.5万円、パーツの価格はそのまんま」と明言しているショップも有るらしく、いくらパーツを変更しようと利益は組立工賃のみという考え方も。
私の主観になるけれど、主要パーツ(CPUやビデオカード)を3箇所以上カスタマイズにて変更するなら量産系BTOは全然安くないので、変更後になるような標準構成を選ぶ、またはパーツの勉強をして組立代行で買った方が比較的安くなるはず。
自作パソコンと比較したBTO PCの利点
量産・代行問わず、自作パソコンと呼ばれる自分で組立てるPCと比較すると、BTOパソコンの利点は以下の通り。
- パーツ選びや相性問題や作業の失敗が無い
- 故障時に何が原因か調べなくて良い
- 保証期間終了後も有償で購入5~7年間くらい修理してくれる
- WindowsやHDDなどの不具合なら再インストールも代行
- パソコンやWindowsの使い方を教えてくれる(一部有償)
- 自作に興味を持ったならパーツ流用可能な筐体が多い(ノート除く)
自作出来るのにしない人は1だと思うけれど普通の人に強調したいのは2~4。自作している人の多くは趣味でやっており、組立が楽しく不具合が出てもワクワクして自力で解決する事に快感をおぼえる変態。
それは言い過ぎなものの、比較的安く売ってくれる上、自力でメンテしなくて良く、ナショナルブランドと比較し格安で修理してくれる、それがBTOパソコン。
私はパーツの流用で費用をケチりたく、当ブログを書く為に無駄に知識が付いてしまったので今は自作PCになっているけれど、普通の人には(量産系)BTOパソコンをおすすめしております。
以上。ここで書いた事と一部かぶるけれど、まだ疑問が有るなら下に出ている関連リンクもどうぞ。
<更新履歴>
- なし
>BTOパソコンとは?でサイト内検索するとヒットせず
過去記事で一番近いのはこの辺じゃないかな
http://bto-pc.jp/btopc-com/select/bto-pc-373.html
>「強化クラッチにしてパワステ切ってくれ」
峠攻めるんですかね(白目)
>某家電店内の案内で「ホワイトボックス高額買取中」というフレーズ
ウチのはケースが黒だからと諦めたユーザーも居たに違いないw
>ソニーのノート、VAIOよりCPUカスタマイズの例
どこがキャンペーンなのかわからん+価格加算ワロタ
>Appleのノート、Macbook Airの例
おお、りんご様はCPUのモデルナンバー載せないんだ ちょっと意外
>BTOパソコン=ナショナルブランド以外のメーカーやショップのPC
コレやな、ココで言うところのナショナリストに目の敵にされるしなw
>性能が高すぎないか、無駄に容量が大きく多機能過ぎていないか
ソレ言ったら全部Celeronでよくなってしまうんですが今は
>CPU性能を控えSSD(HDDより遥かに高速)にした方が安く快適になる
それなら後で格安シリコンパワーSSDに交換するのがさらに安くなるw
コレ、やたら売れとるなー いったいなんだろ? とか思ったら
http://kakaku.com/item/K0000495407/?lid=shop_pricemenu_ranking_1_image_0537
普通に Intel、東芝 超えしてた(白目)
http://botchyworld.iinaa.net/ssd_v55.htm#end
>サイコムのストレージ(HDD、SSD)カスタマイズ例
目が、目がぁ~! 痛い
>マウスコンピューターの場合。容量別の価格差程度となっており
あらためて見てみると どんぶり感 がパネェw
>カスタマイズすればするほど割高になって行き
>カスタマイズ出来る事が特徴」はあまり当てはまっておらず
ナショナルブランドの高い完成品に対して安い完成品てことでええな
>組立代行系はカスタマイズして当然という前提なので
>パーツ変更の差額でやたら高額にはならない
Reginは結構カスタマイズに乗っててやたら高くなる印象(小声)
>組立代行系の中には「組立料1.5万円、パーツの価格はそのまんま」と明言
1'sあたりか? もっともOSインスコ込工賃でも10Kとからしいけどなw
>不具合が出てもワクワクして自力で解決する事に快感をおぼえる
んなわけねぇし、故障交換を口実にパーツ強化キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
とかちょっと夢が広がりングになるだけだし
>パーツの流用で費用をケチりたく
実はきっとコレが一番大きいw
>「強化クラッチにしてパワステ切ってくれ」
>週4~5日、1日1時間程度の利用頻度で用途がメールの返信と通販での買い物程度なら高性能CPUや大容量HDD(ハードディスク)より、CPU性能を控え
>性能が高すぎないか、無駄に容量が大きく多機能過ぎていないかという点に注意したいところ。
たまにGT-R買って雨の日乗らないたまの休日に街をたらたら走るだけの方がおられますが、そのような「用途」もありますねw(あれ?
見方によってはシビックの中古を買ってこつこつカスタマイズしているオトーサンのほうが幸せそうに見えなくもない(かも)(あれ?
ごめんなさいPCの話題ではない例えでコメントしてしまいました。
残念なのはPCでは街に繰り出せないことw
時々の買い物街乗り程度ならマウスコンピューターのセロリン仕様あたりを箱蹴り特価(もしそういう販売形態があるのなら)で買うのがいいのかなと思いましたです。私程度なら。
>ソニーのノート、VAIOよりCPUカスタマイズの例。
今は終了したんじゃないですか? 新会社でもできるのでしょうか?
>性能が高すぎないか、無駄に容量が大きく多機能過ぎていないか
家に例えると、一人暮らしなのにただっぴろい屋敷に住む必要があるかってことですね。
事務用ならCore 2 Duoでも十分ですしw
>自作できるけれど組立が面倒とか時間が無い人に好まれる売り方
私は自作できないのにサイコムで注文しました…。確かに組立は面倒だし、時間はありませんけどw
>主要パーツ(CPUやビデオカード)を3箇所以上カスタマイズにて変更するなら量産系BTOは全然安くない
特殊な機能がほしい場合は組立代行のほうがいいですね。私はケースを選びたい、無線LAN内蔵させたいという理由でサイコムにしました。
>自作している人の多くは趣味でやっており、組立が楽しく不具合が出てもワクワクして自力で解決する事に快感をおぼえる変態。
昔は自作のほうが安かったので、必要に迫られて自作をしていた人も多いようですが、今は自作のメリットも薄れ、趣味ぐらいしかないですね。今でも組立代行でも対応していないような特殊な機能がほしい場合は自作一択ですがw
BTOパソコンの元祖、フロンティア神代なんぞは家電量販店でも完成品が購入できますし、BTOパソコンとナショナルブランドの境界は、かなり曖昧な気もしますね。
>ホワイトボックス
これは初耳。すると中途半端に仕様が公開されているならグレーボックスでしょうか。個人的にブラックボックスの逆はクリアーボックスですね。
>性能が高すぎないか、無駄に容量が大きく多機能過ぎていないか
現状では「CPU:Core i3、メモリ:4~8GB、HDD:0.5~1.0TB、SSD:120~256GB」くらいがコストパフォーマンスの高い構成になりそうですね。営業職の人間にCore i5搭載のノートPCを支給した、弊社の言えた義理ではありませんけれど。
>自作パソコンと比較したBTO PCの利点
>パーツ選びや相性問題や作業の失敗が無い
ひとつ3万円を超えるようなパーツ、特にビデオカードなんぞはこの利点が大きいと思います。落として壊すことも無ければ、電源選択をミスしてシステムが不安定になることもありませんし。
>自作に興味を持ったならパーツ流用可能な筐体が多い
中途半端に価格と性能の高いパーツがあると、流用するべきか捨てるべきか悩むこともあるでしょうね。例えば1年前の容量120GBのSSDとか、2年前に流通価格2万円だったビデオカードとか、24型でTNノングレアのディスプレイとか、その類。
>BTOパソコンは普通のPCとどう違うのか。
一言で言えば、量販店のPCはセットメニューで、BTOはバイキング?
予算内でバランスよくまとめられている量販店のPCに対して、
BTOは、同じ予算でも自分の好きな部分を多めに盛ったり出来る。という事ですね。
わたしが今のPCに買い換えるにあたって最終的にBTOを選択したのは、
ひとえにグラフィック性能の高いPCにしたかったからです。
前のPCは、某量販店で買った当時出たばかりの富○通のPCで、
買った当時としてはそこそこがんばったつもりだったのですが、
たかが2.3年後に試した3D系のオンラインゲームでは、快適に動くどころか
グラフィック性能の不足で、わずか数分で画面が縦縞になってフリーズしました。
またそんな思いをしたくなくて、『グラボだけはいいのにしよう!』と、
それだけ考えていろいろ探したのですが、量販店のメーカー物のPCは、
基本的にオンボードが主流で、グラフィック性能を上げようと思うと、
全体に高スペックのマシンになってしまうので、BTOで組みました。
今のオンボードのチップは、高性能になっていると聞きますから、
グラボに拘ってBTOにした事が、どれぼと効果があったのかは判りませんが、
いろいろ見ていくうちに、グラボを始めとしてPCのパーツや性能について
興味も持てましたし、勉強にもなったので、わたしはBTOにして良かったと思ってます。
まあ、わたしのようにどこかのパーツの性能だけ上げたい。というのでもなければ
メーカーの信頼度まで加味すれば、値段としてはそこまで安いとも思いませんから、
特に使用目的がはっきりしているのでなければ、量販店で買われても良いと思います。
ただ、メーカー物のPCに『ジャパネットタ○タかいっ!』と言いたくなるほど、
これでもかと詰め込まれている、一見、便利、でもほぼ不要なソフトの大群を見ると
『この分も値段に含まれてるのかなぁ』と、思ってしまうのはわたしだけではないはずw