液晶画面と本体部分が分かれないWindows 8ノート。
Windows8になりメインの画面(モダンUI)がタッチ操作用になったものの、タッチパネル搭載ノートはまだ機種が少なめ。少ないとは言えいくつか発売されており、今月はエプダイが新製品を出したのでネタに。
エプダイ以外の画面が分離しないタッチ対応ノートについても言及。
エプダイ、スライド式タブレット変形ノート発売
エプソンダイレクトの新製品。
画像を見て「あれ?」と思ったBTOパソコンマニアはもう少し後で私も突っ込むのでお待ち有れ。
エプソン、11.6型IPSフルHD液晶のスライダー型Ultrabook - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20130423_596939.html
タイトルの通り、11.6型の小型画面がスライドしタブレットPCへ。
価格は今更驚かない約12万円というセレブ設定となっており、ニッケーを愛読する50歳以上のおっさん達がニヤニヤしつつカートへ突っ込む想定なのでしょう。
主な構成を全部書くのは面倒なので一部のみ。
- CPU:Core i7-3537U(2.0-3.1GHz、2コア/HT、4MB)
- メモリ:8GB
- SSD:124GB
- モニタ:11.6型IPS液晶(解像度:1920x1080)
CPUは高性能と言えるのか、2GHzで2コアという不思議なCore i7。メモリ8GBは充分と思われ、SSDもモバイル用PCとしてなら3桁容量はよろしいかと。
11型程度でフルHDはどうなのかと思ったけれど、タブレット形態でWindows8のお触りタイルを主とするなら有りかも知れない。何かと文字がでかくアイコンなどもでかい為。
同程度の性能で、タッチパネルどころかスライドさえ無い普通のノートを探すと、マウスコンピューターが約8万円で売っていたので、スライドとタッチに4万円くらいの価値が有ると思うなら、でしょうな。
取っ掛かりはこのくらいにして本題へ。
分離しないWindows 8タッチの変形ノート各種
先に分離しない型のWindows8タッチ対応ノートをいくつか。
スライドして板PC
エプダイと同じく、画面がスライドしタブレットPC型になるノート。
source:ドスパラ、タブレットスタイルでも利用できるUltrabook「Erdes Book ST1」 - ITmedia
私が(も)「あれ?」と思った、ドスパラのこのノート。エプダイの画像と比較すると細かな部分が一致しており、同じベアボーンなのでしょう。
ドスパラは約13万円でCPUはCore i5-3337U、メモリ4GBと何かと負けており、こちらを選ぶ理由が無くなっております。
スライド型は、東芝のダイナブック、ソニーのVAIOも有り。
360度回転で板PC
レッツファンとして発表当時は衝撃的な設計がこちら。
source:コンパーチブルなLet's Note AX2シリーズ : ギズモード・ジャパン
ファンとは言え見た目や設計が好きというだけで、このような馬鹿高いノートの購入予定は無い上、完全に遊んでいるとしか思えない為、もはやどうでもよろしい。
過去の記事でキーボードが接地面になるとか、HPのタッチジェスチャー風追加機能は誤魔化し、など突っ込みまくった記憶有り。
360度回転はレノボのIdeaPad Yogaもこの形。回転タッチPCはNECも有るけれど、Windows 8では無くRTなので別としましょう。
画面が回転し板PC
Windows8が出る前から見た事が有る、通称クルリンパ。
source:デル『XPS 12』はディスプレーがフチの中でクルン! Windows8 Ultrabook
なぜ回転する必要が有るのか、枠を除けて分離した方が良かったのでは、枠分の製造コストが上がるだろう、などと突っ込みどころは多数。
改めて感想文を書いていると、本当になぜ枠に固定してしまったのか謎。タブレットPCになれなかった、Surface以上に妥協を重ねた中途半端な製品。
この形はDELLのみで他社にはございません。
分離「する」Windows 8タッチの変形ノート各種
分離する形も、しない型と同じくらい出ております。
日本HP「ENVY x2」
日本HPより、ENVY x2シリーズ。
販売はHPの直販のみで価格は約7万円、プラス送料3千円くらい。
CPUがAtom Z2760でこの価格は高いと思うけれど、外れてタッチ操作が出来る為に3万円くらい値上がるしか無かったのでしょう。
CPU以外に非力な所は、メモリが2GBで増設の分解を考える以前にAtom Z2760は最大2GBなので天井。SSDが載っているものの64GBという低容量。
仕事に使うには無理が有り、高いおもちゃと言えましょう。
富士通「STYLISTIC」
東芝やソニーがスライドする中、富士通は分離。
source:ASCII.jp:11.6型Win8タブレット「STYLISTIC QH77/J」—キーボード分離型
発売当初の価格は16~17万円。発売から半年経過した現在でも、価格コムの最安は12万円を切っておりません。
Windows7までの富士通パソコンは、発売から3~4ヶ月すると4~5割引きは当たり前。このモデルは利益を相当削っているのか、底値が2~3割引き程度で終わってしまうのか。
CPUはCore i5なので一つ上のHP製品より遥かに性能は上。しかしSSDは64GBと少なく、バッテリ駆動4.8時間とか書かれている為、実際には3時間が良い所でしょう。
ASUS「VivoTab」、Acer「ICONIA」
台湾からの直球販売をまとめて2つ。
source:ペン対応Windows 8 タブレット ASUS Vivo Tab TF810発表 - Engadget Japanese
ASUS(エイスース)、Acer(エイサー)、いずれも自社で液晶パネルを製造出来る(と思う)為か、特徴は安さ。
とは言え、ASUSは現在最安約7万円でCPUはHPと同じくAtom Z2760。当然メモリは2GBの打ち止め。そしてSSDは小さく64GB。AcerのICONIA~は約6万円で似たような仕様。
分離しないタッチパネル搭載のノート型なら、ASUSのVivoBookが4万円くらい。Core i3、メモリ4GB、HDDになり500GB。VivoBookが安すぎると思うけれど、外れると3万円+性能が引き換えになる模様。
レノボ「ThinkPad Helix」(4月下旬発売予定)
発売前なものの詳細は出ているのでこれも。
source:脱着式Ultrabook「ThinkPad Helix」登場 - ITmedia ニュース
他の分離型とは一線を画しており、CPUはCore i5かi7、メモリ4~8GB、SSDは128~256GBとなっており、高性能な割にバッテリ駆動は7~8時間と長め。合体後は10時間とか。
価格は安物なイメージが定着していると思われるレノボらしく無く、最低でも約17万円から、上位モデルは24万円くらいとの事。
中身の性能のみで比較すると、分離やタッチなどの特徴へ7万円くらい乗っていそうな価格設定。レノボの十八番、発売直後からの数万円値下げとかクーポン祭り用でしょうな。
マイクロソフト「Surface Pro」(日本未発売)
ラストは一応これも。
source:マイクロソフト Surface Windows 8 Pro は北米2月9日発売 - Engadget Japanese
Windows RTの方は日本でも販売されているけれど、Windows 8仕様のProは少なくとも6月まで国内販売の予定無し。
海外では100ドルくらいで販売されており、それを輸入したか秋葉原では13万円前後で売っている店舗も有るご様子。
RTと比較したサイズと重量を引用。
本体の厚さは9.4mm→13.5mm、重量は680.4g→907.2gと増えている。
マイクロソフト「Surface」のWindows 8 Proモデルが直輸入
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20130301_589922.html
Core i5搭載で13.5mmは優秀と思われ、1kg切りも「ノートとしてなら」凄いと思ったけれど、キーボード無しのタブレット時の事と思われ普通かと。
非分離は板状にする目的を考えていない(まとめ)
分離しない方のように、なぜキーボード側とモニタ(タブレット)側を切り離す事が出来ないかは、CPUなどをモニタ側へ全部搭載するはめになる為。
最近の液晶パネルがいくら薄くなったとは言え限度が有り、タッチパネル機能を搭載するとガラスやセンサーで数mm厚くなり、更にモバイル版とは言えCore i5や7を搭載すると放熱や発熱の都合で更にタブレット側が厚くなる。
そしてCPU、メモリ、無線LANカード以外にカメラやCPUのヒートシンクなどを搭載する数に比例しタブレット側が重くなる。
これらを考えると設計としては分離させず、キーボード側を本体としCPUなどを入れようという考えになるのだと思うけれど、タブレットPCやスマホ型端末を利用している人間として言わせて貰うと、キーボード側と一体型ならタブレットPCとは言えない。
厚くなるほど収納に困り、重くなるほど携帯性が低下。となると、過去の大きめなノートのように重く厚くなり据置前提へ。
移動しないなら分離する必要は無いけれど、タブレット型へ変形する理由も無いでしょう。なぜ回転したりスライドしたいのか意味が解らない。
WindowsというOSと、携帯性、低性能、キーボード無し、が矛盾しているのだから、Windowsでタッチ操作のタブレット型という形態が矛盾するわけで、せめて分離してくれなければ何となく購入し後悔するユーザが気の毒。
しかし分離の難点は性能が限られる事。
Lenovoの新製品はCore i5やi7を搭載しているけれど、いずれも周波数低めの2コアとなっており、マイクロソフトに続きインテルまでビビってテンパり初めておりましょう。名前だけi7やi5で性能はi3か、と。
パンにラーメン、スパゲティに味噌汁をぶっかけて食わせようとしているようにしか見えず、こんな事をしていたら本当にWindowsやパソコンが終わってしまう。
モバイル用インテルCPUのi7とかi5という分け方は崩壊しそうなので、クロックやキャッシュなど詳細で見分ける事になりそうですな。
ターボブースト(未使用コアを休めて処理速度を上げる)の設計へ温度制限まで入りそうな予感。仕様上は2.0~(TB時)3.1GHz、但しこのタブレット型ノートは常時40度を超えているので実動作は2GHz固定とか。
さすがにそれは無いか、と思いつつも気になったので検索。
インテル・ターボ・ブースト・テクノロジーとは、自動的に定格の動作周波数より高速でプロセッサーを動作させる機能です。ただし、プロセッサーが電源, 温度, 電流仕様の TDP (熱設計電力: Thermal Design Power) の限界未満で稼働している場合に限られます。
既に入っておりました。
コメントする ※要ユーザ登録&ログイン