2018年4月1日より1.1.1.1が提供開始。
何の事か解らないならば当記事で解るので置いておき、何年か前にGoogleが8.8.8.8の提供を開始したと似た感じで高速かつ安全と謳う無料のDNSサーバーらしいけれど本当にそうなのか実験。
実測の前に説明を少々。
DNSサーバとは?
簡単にいうとIPアドレスとホスト名を変換するコンピューター。
Yahooを例にすると、人間には yahoo.co.jp や https://yahoo.co.jp の方が分かりやすいけれどコンピューターにはそれでは判らず、Yahooならば 182.22.59.229 または https://182.22.59.229 でなければならない。
実際、URL欄に 182.22.59.229 と入力してEnterを押してみればYahoo.co.jpと同じページが表示されるので同じ意味だと解るかと。※専用サーバーの場合
その変換用サーバーを新たに無償ボランティアし始めた組織が今回の話。
1.1.1.1とは?
公式はこちら。日本語版へリンク。
1.1.1.1 — the Internet’s Fastest, Privacy-First DNS Resolver
https://1.1.1.1/ja-jp/
INSTALLと書かれている部分は日本語用ページでは「始める」となっており、何かソフトを入れるわけではございません。OS内のネットワーク設定を変更すれば良く、なぜかWindows用だけ英語のまんま。
Windows使い慣れた人ならだいたい判りそう。
私は面倒くさがりなのでタスクバーから行った。
ネットワークのアイコンを押すと共有センターを開くリンクがあるので押せば上の窓が出るので、私の環境ならば「ローカルエリア接続2」と書かれた部分をクリック。図はWindows 7なので10の場合は1.1.1.1公式の動画をご参考あれ。
続き。
左の小窓が出るのでプロパティを押して右の小窓を出し、赤枠のIPv4と6のいずれかを選択してプロパティ。
IPv4の方がこちら。
上半分は気にせず。私はLANのIPを固定しており、通常は自動になっているので空欄のはず。
赤枠の中、手動による指定へ切り替えて1.1.1.1と入力。気に入り常時で使うなら下段の代替DNSサーバは1.0.0.1を入れておきましょう。1.1.1.1が使えない時用。
IPv6の設定。
こちらも2種類用意されております。
- 優先用 2606:4700:4700::1111
- 代替用 2606:4700:4700::1001
私はこの設定で使い続ける予定は無いため優先しか入力せず。
1.1.1.1は本当に高速なのか?
実測。フレッツ光100Mプラン、ISPはBBエキサイト。曜日は平日の火曜、ここからの計測時刻は23時頃からの約20分間。計測はGoogle検索「スピードテスト」で出るやつを利用。
各3回を連続ではなく、素の状態->1.1.1.1->・・・のように繰り返しております。変更しつつの12周は凄く面倒だが仕方ない。
まずは素の状態、Excite光の標準DNSサーバ。要するに設定は自動。
下り30~40、上り40~50くらい。
IPv4を1.1.1.1へ変更。
少し下がった。なお、レイテンシ表記の有無は謎。
IPv4に加え6も1.1.1.1の方で設定。
微妙ですな。
Google(IPv4 8.8.8.8)へ変更した場合。
再び微妙な結果に。
意味があるかは不明ながら、各上下を平均したグラフがこちら。
安定して速いのは自動だと思う。
筑波大学提供の無料ソフトによるVPN経由
速度が変わるという書込を見たので(そんな馬鹿なと思いつつも)どうしてもこの目で見たくなり、VPNを経由してみる事に。
VPN Gate 筑波大学による公開 VPN 中継サーバープロジェクト
http://www.vpngate.net/ja/
中継は日本。
テストは2回だけ。
変わらない。
1.1.1.1は何と比較して安全と言っているのか?
安全性に関しての作文を公式より。
残念ながら通常、DNSは遅い上に安全とは言えません。 お客様のインターネットサービスプロバイダー、そしてインターネットを盗聴している誰もが、たとえ内容が暗号化されていても、あなたが訪問するすべてのサイトとすべてのアプリを見ることができます。気味が悪いことに、一部のDNSプロバイダーは、お客様のインターネット閲覧状況に関するデータを販売したり、そのデータを基に広告を送りつけてきたりします。
というわけで、日本国内のプロバイダがそんな事をしているとは思えないため、海外のどこかの国のISPを指しているのかと。中国とは言っていない。
1.1.1.1の特徴をまとめるとこうなる。
- 高速・・・日本から海外の1.1.1.1を通す意味は皆無
- 安全・・・日本国内ならば関係無い(はず)
というわけで、速くなるわけは無いだろうと判っていたのは数年前にGoogleの8.8.8.8を試した経験から何となく予想はしていたけれど、2chまとめでは速くなった(但し体感)とか言われていたため実測してみた。
だいたい60ミリ秒が30ミリ秒になったとしても体感で判るとは思えず、Windowsパソコンならば名前解決はローカルにキャッシュされている事が多いため、体感できるほど速くなるようなら利用中のISPかパソコンがおかしいのでは。
では日本では全くの役立たずかと言えばそうでも無く、ISPのDNSサーバが1つしか無くダウンしているとか、2つとも障害が出ているようなあり得ない状況の際には覚えておいて損は無し。
- IPv4
1.1.1.1
1.0.0.1 - IPv6
2606:4700:4700::1111
2606:4700:4700::1001 - Google(IPv4)
8.8.8.8
8.8.4.4
これら全部覚える必要は無く、1.1.1.1とGoogleの2つさえ記憶しておけばパソコンかスマホのブラウザで1.1.1.1と打てばOK。
しかしこれら無料のDNSサーバが優秀で信頼できるとするなら、日本国内のISPが「弊社DNSサーバ使わないなら月額が少し安くなる」とかやり始めるかも知れませんな。
いや、値下げするほどの価値は無いか。
>Googleが8.8.8.8の提供を開始したと似た感じ
私も当時ためしてみましたが、速度の向上は微塵も無し。むしろ遅くなった記憶しか無し。どうせ今回も同じだろうと思う次第。
>1.1.1.1は本当に高速なのか?
よし、じゃあ私も試してみましょう。
結果
https://i.imgur.com/pvvQncp.jpg
かなり横長画像(横1920にリサイズ済)。上段がデフォルト、下段が1.1.1.1へ変更後。左2つはChrome、中央2つがFirefox、右2つがEdgeで計測(各ブラウザで4かいずつ計測という意)。
特に速くなった気配は無し。どうでも良いですけれど、EdgeでGoogleのスピードテストを実行すると、2回目からアップロード速度が低下して戻らなくなるのは私の環境だけでしょうか。
>安定して速いのは自動だと思う。
知ってた。
公開用メールアドレス宛を全文転載。なるほど、と思った。
---ここから
お世話になります。
いつも博識だなぁと尊敬して拝読しています。
私もデータセンターやIIJの営業をしていたので
少しは知識があります。
ブログはこちら
http://smart-life.blog.jp/
コメントユーザー登録をしてないので、こちらに送ります。
無料DNSサーバ1.1.1.1は本当に安全で高速なのか?
http://bto-pc.jp/btopc-com/repair/1-1-1-1.html
についてですが、
ダウンロードは速くなりませんので、速度比較は無意味です。
DNSが高速になるメリットは、ページ表示が速くなることです。
ご存知の通り、WEBページはテキストデーター以外に
画像やリンクの集合体で、数十から数百それぞれにURLが振ってあります。
それを高速に検索し表示することによって、表示速度が速くなります。
〉DNSを自分のパソコンに設定することでページを表示するまでの速度が上昇し、セキュリティもアップするとしています。
https://gigazine.net/news/20091204_google_public_dns/
従って
このような速度比較が正しいわけです。
https://gigazine.net/news/20180403-dns-resolvers-performance-compare/
自分のブログ末尾にも少し記載しています。
http://smart-life.blog.jp/archives/51890622.html
老婆心ながら
---ここまで
なるほどと私もそう思った。ただ、体感で差が判らないので意味無いという結論が当記事の結論。
Windows 10ミニTips(271) 最近話題のDNS「1.1.1.1」は本当に速い? | マイナビニュース
https://news.mynavi.jp/article/win10tips-271/
このような記事が出ましたが、速さはあまり関係ないようですよw