結論から言うと無いはず。
検索してみたけれど、そのような製品の有無どころか誰も発想さえしていないようで、ストレージ(HDDやSSD)のクローンをスタンドアロン(独立)で実行する機能付のマザーボードは存在せず。
私が何を求めているのかから参りましょう。
※当記事は2015年12月頃のストックを放流しております。古い箇所が有るなら失礼。
デュプリケーター付マザーボードとは?
デュプリケータとはこれ。敢えて業務用で。
source:HDDコピー機・ハードディスク デュプリケータならYEC
機能は単純で、名前の通りduplicate(全く同じ)する機械で、この機種ならば左から右へ丸ごとクローンHDDを作成可能。
このような機械を丸ごとパソコンへ内蔵するのでは無く、せっかくこのようにSATAと電源端子が接続されているのだから、
マザーボードにデュプリケート機能が搭載されている物が有れども良さそうな気がするものの、冒頭で書いた通り存在せず。
おそらく需要が無いかそのような発想が無いのだろうけれども、ASRock辺りがやってくれても良さそうな変態機能。玄人志向辺りがPCIe制御で出してくれても良さそうとも思う。
XP後期のWindows以降は安定しており、リセットボタンを押す機会は年に1回有るかどうか。そのリセットボタンと電源を組合せ、例として、リセット押しつつ電源ボタンでデュプリケート起動、リセット2回連続押しでクローン開始。アクセスランプの点滅速度を制御し進捗を知らせてくれると良いのでは無かろうか。
普及している一般的なバックアップではなぜ駄目?
5種類。
1.同期バックアップは基本データのみ
例としてフリーソフトのFastCopy。
source:FastCopyで簡単かつ高速に同期でバックアップする方法 - BTOパソコン.jp
高速でコピーや同期可能なソフトウェア。
このソフトに何ら文句は無いのだけれども、仕組としてデータをコピーしているだけなのでWindowsなどのシステムに関わる部分までは同期出来ない。
具体的には起動用CドライブをDドライブへクローンした後、随時同期を行ったとしても、CドライブのWindowsアップデートは適用出来るもののDドライブは古いまんまな為、バックアップから丸ごと復旧させた際はアップデートが大変。
プログラムのインストールも同期やコピーでは出来ないので、これはクローンとは言えず完全バックアップでは無し。
2.Acronisなどはイメージになってしまう
例として有名なバックアップソフト、有料のAcronis。
source:Acronis True Image 2016
これならばOSも丸ごとでクローン状態となる為、データ以外の部分もクローニング出来るのだけれども、Acronis True Imageの名の通りイメージでのバックアップになってしまう。いや、それが本来の使い方なのだけれども。
イメージになるという事は、CドライブをDへバックアップしたとしてもDドライブから起動は出来ず、Acronisを起動しDからCなどへ書き戻す復元作業が必要。これも純粋なクローンとは言えない。
デュプリケーターの場合は中身が完全に同じ物となる為、CからDへクローンを作成したならDドライブからもCと同じように起動が可能。これが欲しい。
3.オンボードでのRAID1は信用ならない
画像はオンボードでは無く専用コントローラでのイメージ。
source:RAIDの基礎知識:RAIDレベルを理解しよう (2/3) - @IT
オンボードとはマザーボードに付いているオマケのような機能でRAID構成も出来るというレベルなので信用出来ず。実際、私は過去にオンボードでデータ吹き飛ばした事が有りトラウマ。
ではコントローラが有るなら良いかと言えば、信用できそうなコントローラは大抵が2万円オーバー。マザーもう1枚購入出来そうな価格帯になってしまう。
しかもRAIDを利用しつつ普通にWindowsを使おうとすると、RAIDコントローラが起動した後にOSの起動となる為、コントローラが故障するとOSが起動せず、いくらミラーリングしていても危ない。
高い、危ない、信用出来ない、しかもおそらく設定が難しい。サーバやNASなどでRAID5などを本気でやるなら良い機能だろうけれども、普通のパソコンには向いていないと思う。
4.デュプリケータはストレージ取り外しが面倒
最初に貼った業務用は軽く10万円を超えるけれど、一般家庭用は5千円前後のデュプリケーターが普及しております。私が利用している物の画像。
この機種の場合は、奥へ元となるストレージ、手前にクローンを作りたいストレージを挿し、電源を入れてボタンを数回押すとクローニング。この機能マザーボードに搭載して欲しいわけですな。私が。
機能的には満足しており、Windows上でクローンを作るより高速。しかし、パソコンから取り外してこれに挿してデュプリケートし、クローニング完了後に再びパソコンへストレージを戻さなければならない手間が鬱陶しい。
特に私のPCは見た目重視のメンテ性ガン無視な裏配線。
側板を両側外し・・・、という作業は非効率過ぎる。
5.業務用ソフトが有るには有るが・・・
中々凄い物を発見。
source:Provision Clone « TB-PRESS
ランチャーで操作可能、最大で8台、しかも別のパソコンへクローン可能というマジキチな製品。なぜここまでやっているかは、この製品はネットカフェ用で有り個人向けでは無し。
おそらくクソ高いであろう件、そして目的とは違うと思われ、ネカフェ運営するなら考えたいけれど、良く考えなくとも個人としては要らない。
デュプリケータ付マザーの必要性は無い(まとめ)
まさかの手のひら返し。私が求めていた機能とは、
- OSが起動出来なくともスタンドアロンでクローニング
- PCを起動しなくともクローニング可能
Windowsが起動しないならWindowsか起動用ストレージ故障の可能性大、という事は、その起動ディスクをデュプリケートしてしまうと起動しないストレージのクローンになってしまう。
データ用ストレージなら有効かと言えば、そこまでやるならWindowsをシャットダウンするなという話になり、多少の電気代を気にして危ない橋(スタンドアロン、特殊な専用機能)を渡る点はバックアップという安全と反してしまう。
しかし無いよりは有る方が良いわけで、但しその機能をマザーボードに搭載する必要性はオンボードRAID以上に低いわけで。
中継アダプタではどうなのか?(悪あがき)
私が所有しているような個人向けデュプリケータのガワ(ケース部分)を排除し小型化し、PC内蔵のアダプタと化してSATAと電源ケーブルを中継。
ボタンは独立したハードウェアスイッチでも良いけれど、リセットボタン用のピンを2つ搭載してリセットボタン1つの押し方によりクローンが開始する設計。同時に電源ボタンのピンも連動させ、クローニング中はPC本体の電源が入らなければ安全。
パソコンの電源ユニットからの給電流用に無理が有るなら、そこは妥協してACアダプタなどを背面の水冷用窓口から外へ出すとか。
センチュリー、マーシャル、玄人志向に期待。価格は5千円以内で。
ウチのデルさんにはSSDとHHDがSATA接続してあって、easeUS Todo backupで、週一か半月に一回くらいでCからDにクローンバックアップしています。
(通常の業務で消えるとやばいデータバックアップは毎日しとります)
常時起動ディスクを接続するな最悪両方壊れるとか、ライセンス的に違法では?とかもしかしたら問題あるのかもしれんですが、Boot順を変えると普通にクローンから起動できてしまいます。クローンで起動するとHDDなので激遅ですが。
なので、常時マザボに繋ぎっぱなしにして、クローンバックアップ運用しているわけですが、これってまさに今日の記事みたいな感じですよね。
でもライセンス的にまずいのかな。
あとウチの型のデルだからうまくいってるだけかもしれんですね。
>デュプリケーター付マザーボード
私なら要りませんね。SATAでPCに繋がっているストレージ間でクローンを作るなら、クローンを作成可能なソフトを使えば良いだけですし。
クローン作成作業を見つめる必要はありませんから、速度は遅くとも構わず。私が使いやすかったのはAOMEI Backupper。日本語対応、イメージバックアップ可能、ドライブ単位でクローン作成も可能と便利。Cドライブのクローンから起動も、もちろん可能。
AOMEI Backupper - 窓の杜ライブラリ
http://www.forest.impress.co.jp/library/software/aomeibackup/
>オンボードでのRAID1は信用ならない
私もあまりRAID 1は信用していません。信用度は10%くらい。バックアップは差分と増分を混ぜるのが良い派。同期は失敗が多発するため、バックアップ用途では使用しません。
>デュプリケータはストレージ取り外しが面倒
5インチベイを潰して、2.5~3.5インチのホットスワップベイでも取り付けたらどうですか。
Amazon.co.jp: Silverstone 5インチベイ用 ホットスワップユニット SST-FP57B
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