オーバークロックを設定する方法(CPUクーラー交換・後編)

2009年8月20日

CPUクーラーを交換し、ケースのリヤファンも静音にしました。

その後、トラブルがあったものの何とか自力で復旧。
3連載ラストになります。

LGA775のCPUファンとケースファンの交換(前編)
https://bto-pc.jp/repair/bto-pc-370.html

ファンを交換するとPCが起動しなくなった?(中編)
https://bto-pc.jp/repair/bto-pc-371.html

今回はOC(オーバークロック)について触れますが、私はOCを一度もやったことがありません。これは車のチューニングと似ており、速さを求めた保証外の改造PCを作ることです。念のため書きますが自己責任なので、壊れても良いならどうぞということで。


CPUへの冷却性能はどうなったのか


前編で交換したCPUファンとヒートシンク、リヤファンも交換しましたが、温度はどのようになったのかを掲載します。元の写真を撮っていなかったので若干面白くありませんが、私のPCに使われているCPUは、Pentium4-550 Prescott(プレスコット)という爆熱で有名な石です。

Pentium4 550 プレスコット

どの程度の爆熱かは、前編で外したリテールファンで起動後1分くらいでBIOSで65度、Windows起動5分後に65~75度、動画などを再生しCPU負荷が70%を超えるとファンが3000回転を超え、80度近くまで上がります。室温は25度前後。

それはおかしいだろう、と言われるかも知れませんが、プレスコットにリテールファンは元々無茶なのです。今でこそそう言えますが、当時は80度でも結構余裕。90度超えたらヤバイかもね、というPentium4全盛期でした。Hyper Thread(ハイパースレッディング)マンセー。


普通に80度を突破してしまうCPU。
自作変態クラスの巨大クーラー、侍マスターに斬られてどうなったのか。

CPU温度

Windows起動約5分後のアイドル時、どう見ても52度です。本当にありがとうございました。
その前にBIOSからも確認しています。偶然ですがこちらも52度。

BIOSから見るCPU温度や電圧

侍クーラーの凄いところは負荷をかけてもほとんど温度が上がりません。H264(重い動画)を再生しCPU負荷100%を7分放置しましたが58度から上がらないのです。室温は真夏の29度でした。

今これを書いている夜はクーラーを入れており、室温は26度。CPUの温度は42~46度を維持しています。もっと早くやれば良かったのですが、ファンが高速で回転すると使っている感があって気にならなかったのです。

さて、ということは、CPUの性能を上げてしまえば良いじゃない。

と、自作マニアはハァハァするのかも知れませんが、私は速さを求めないのでやりません。順序が逆になりますが、マザーボード(MSI)のユーティリティでソフトウェア制御するOCがあるのでテストしてみましょう。コアセンターというやつです。初めてインストールしました。


MSIのコアセンターでOC制御


毎回デザインが変わっている気がしますが、MSIのユーティリティです。
同じく毎回思うのですが、どういうセンスなのか私には理解できない。

MSIのユーティリティ、コアセンター

右上のモニタの見方を初心者の方のために一応。

CPU TEMP ・・・CPUの温度で49度のようです
SYS TEMP ・・・マザーボードの温度です。42度。

CPU fan speed ・・・CPUファンの回転数。1231rpm、低いです。
NB fan speed ・・・NB(ノースブリッジ)のファンは付いていません。

ノースブリッジ(north bridge)はマザーボードを地図と見たてた時に北(上)に位置するチップセットの一部で、前回の写真ではCPUの真下にヒートシンクがちょこんと載っています。これの右に写っている銀色のギザギザです。

ヒートシンクの取り外し(奥)


左は電源なのでそのまま。VcoreはCPUに直接関わり、後は3.3Vや+5V、+12Vのように基準のような数値が有ります。自作マニアしかいじってはいけません。特にVcore。

左の羽が出ている表示でOCできます。
やりたくなかったのですが、ビビりながらFSBを209まで上昇し確定。

オーバークロック

クロックは定格3.40GHzですが、3.55GHz(209x17)になりました。
撮ってすぐ元に戻しましたが、この程度は許容範囲のはずです。

しかし、メーカー(この場合はインテル)の決めた定格を超えて動作させるわけですから、動作しなくなる可能性は上げるに比例して危険度が増します。

Pen4-550、OCで検索すれば情報は出るのですが、どこの国で作られたものというリビジョンのような細かな種類もあるため、実際にWindowsが落ちたり、BIOSが起動しなくなるまで調整して行かなければ限界は判りません。だからやりたくないのです。

※私はソフトウェアでの制御と思っていますが、BIOSを上書きしているのかも知れません。コアセンターの仕様をご存じの方がおられたら、ぜひコメントにてご助言頂けたらと。


BIOSでオーバークロックをする方法


こちらが本当のやり方ですが、初心者は手を出してはいけません。


MSI915のBIOS設定を開きました。右上のCell_Menuを選択しEnter。

BIOSメニュー


CPU(FSB)Frequencyでクロックを調整できます。

オーバークロックできるところ


順序が逆ですが、CPUのクロックを変更する前にメモリのFrequencyを変更し、CPUの速度に合わせなければ最悪起動しなくなります。もちろんやりませんが、固定した例ということで。

メモリ フリークエンシー


数値を変更してEnterを押し、再起動するとOC完了。(私はしていません)

オーバークロック


Pentium4 550 では、OC耐性が3.60GHzや4.08GHzなど情報は有りましたが詳細は不明です。メモリのフリークエンシーはFSBを上げると同期して上がるため固定が必要。他にもVcoreの調整も必要になるため、しつこいですがやってはいけません。

どうしてもOCしたいならば、ネグロックさんに金を払って相談しましょう。(冗談です)

但し、誰に聞こうと調べようと、実行は100%自己責任です。


思わぬ事故で3回になってしまいましたが、前編にあった通り、たかがファンの交換、CPUクーラーを交換するだけと軽く思わないことです。自作や改造慣れしていれば少々のトラブルは当たり前、トラブった方が萌える本格的なマニアもいるかも知れません。

オーバークロックまでかじってみましたが、エンジンまで自分独りで調整する改造車のようなもの。止まれないチキンラン。壊れて当然という意識でOC中毒にならないように。なっても別に良いのですが金が面白いくらい無くなります。


最後に余計なことを書きますが、メーカーの修理現場ではOCで起動しなくなった不具合は原因が判りません。判らないことは無いのですが滅多に調べません。メーカーPCでやらないようご注意ください。

何をどうご注意するのかは知りませんが。

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