仕様を自分で決めて注文をする。Build To Order。
「BTOパソコン」と言えば簡単ですが、他にもCTOやETOという言葉を御存知でしょうか。知らなくとも100%近く困ることは有りませんが、BTOパソコンのブログなので書きます。専門用語を極限まで減らして。
BTO:Build To Order ・・・注文生産方式
ビーティーオー(ビルド トゥ オーダー)は、注文があってから作るという意味です。BTOパソコンのメーカーは左のリンクに有る通り、カスタマイズ画面からCPUの性能やハードディスク容量などのパーツを選び、注文(正確には決済の後)に製造に入る方法を言います。
BTOの利点は、ピンポイントで部品の性能を上げるだけでは無く、例えばハードディスクは予備を持っているから容量は少なくて良いなど、性能を下げることで予算を抑えられる点です。構成したいパーツを細かく選べるパソコンがBTOパソコンです。
CTO:Configure To Order ・・・注文仕様生産方式
シーティーオー(コンフィギュア トゥ オーダー)は、BTOに似ていますが逆の考え方です。先にパソコンの購入者(ユーザ)が仕様を希望し、それに合うPCを見積もりPCメーカーが提案します。OKならば生産して販売となります。有名なメーカーでは、以前 書評をしたDELL のやり方です。
デルと言えば、安く有名でサポートは有料かつ冷たいイメージが有りますが、元は法人向けのCTOがメインで成り立ったPCメーカーなので、現在の個人向けBTOはその派生になります。DELLの法人用CTOは仕様を顧客に提案するだけでは無く、購入台数や経過年数を記録し、買い替え時を逃さず提案。更にその間は、有料サポートで年中無休24時間、最も高額なサポートは12時間以内に現地へ行きトラブルを解決するサービスも有ります。これがCTOの由来ではないでしょうか。
ETO:Engineer to Order ・・・システム設計生産方式
日本では聞くことがありませんが、大規模なシステムを構築する際、目的に合わせたコンピュータを技術者が設計やデザインする段階からを言います。ここまで来るとパソコンとは言えないかも知れませんが、逆にオーダーメイドのパソコンから派生したETOは有り得ます。
以上の3種類がアルファベット3文字の短縮で似ているものですが、広い意味で言えば現在はBTOもCTOも同じような扱いになっています。パーツの選択が少なければCTOという意味では有りません。PCユーザの求める仕様が先か、メーカーの用意した部品が先かの違いです。
個人ユーザが買えばBTO、法人(起業)が大量に買えばCTOと言えるかも知れませんが、CTOはDELLやHPのような大企業がやるからこそ知名度や信用が有り注文を取れるものです。パソコンそのものの価格や原価が下り、口を揃えて不況だと言っている今ではCTOは成り立たないか、凄まじく狭い範囲の商売になるでしょう。
と、私が経営を語っても仕方有りません。
まとまらないので、BTOパソコンに関する注意を数点書いておきましょう。
・ BTOパソコンの納期は表記に惑わされない
パソコンの組立は「決済後」であって「注文直後」では無いことがほとんどです。1日に注文し3日に入金、4日にBTOメーカーが決済を確認すると、7営業日で出荷と書かれていれば13日に出荷され、14~15日目に納品となります。(7営業日ならば土日が入るためプラス2日で9日になります)
・ BTOメーカーは保証があっても修理できないという嘘
ある個人ブログで「BTOパソコンはメーカーが修理をしてくれない」と書いている自称業者が居ましたが、富士通やNECなど普通のメーカーと同じです。工場の規模や現場のやり方は違うかも知れませんが、基本的にパーツ(または本体)を交換します。マザーボードのコンデンサを交換したり、電源を分解しているわけではありません。設備が違うだけで、自作ユーザと同じことをしています。
・ 自作をやめてBTOでPCを買い替える理由
2chなどで「今時、自作なんかやってられるか」という書き込みが良く有りますが、数年前からBTOの方が安くなってしまったからです。理由は大きく分けて取り出して2点。OS(Windows)がナショナルブランド(ソニー、東芝など)と同じOEMだから。そして、バルク品を数千や数万単位で大量に仕入れるから安くなるのです。
私が知っている日本最古のBTOメーカーは、フロンティア神代(こうじろ)です。購入したことは有りませんが、当時のフルタワーを持っている知人にパーツを見せて貰ったところ、どう見ても普通のリテール品が使って有り、数千や万単位の大量生産はしていなかったそうです。ユーザの希望に沿える仕様を作るメーカーだったそうですが、今ではヤマダ電機の子会社。昔の面影はもう有りません。
BTOの歴史を辿ると、フロンティア神代が成功した理由は、当時の国内標準ぼったくりパソコンがNEC(PC98シリーズ)で50万円していた頃に30万円で製造販売しており、世界標準のIBM(現、レノボ)が500ドルで売っていた時にデルが300ドル以下で製造販売していた事と似ています。
その後、秋葉原を中心としたドスパラ(サードウェーブ)やツクモ、パソコン工房が大きくなり、BTOに目を付けた中国のメーカー(MCJ、マウスコンピュータ)や台湾のSOTECが日本へ乱入して来ました。彼らBTOメーカーは、シャープや東芝などより数万円安くパソコンを売りまくり、しかも自作に近付けた仕様まで変更できるPCをさばいて大企業になりました。ツクモは昨年末に110億消化不良で噴きましたが。
そして今では、パソコン全体の価格が下がり、BTOメーカーとナショナルブランドが競合する状況です。昔は10万と15万円の差ならば、比率で言うと今では5万か7.5万円、2.5万円の差しか出なくなり、ULCPC(ミニノートやコンパクトPC)では同額さえ有り得ます。BTOメーカー、必死でしょう。そうなれば上から押される値下げと、競合する値引き合戦で、自作ユーザが大喜びの価格まで落ちたのです。
私ら消費者にとって安い事は良いことですが、あまりにも消耗戦が長引くと、パタリと逝ってしまうBTOメーカーも有るかも知れません。日立のように「パソコン業界から撤退」などできないからです。
長期保証は、持久戦に持ち堪えそうなメーカーを選びましょう。
そのBTO屋が無くなれば株券と同様に保証書なぞ紙切れです。
以上、BTOとCTOとETOの違いでした。
そして、BTOパソコン.comブログお疲れ様でした>ヒツジ先輩
嘘です。まだ終わりません。
オチが無かったので書いてみたかっただけです。
というか、ここまで良く読んで頂きました。お疲れ様はアナタの方です。
ご精読頂き有り難う御座いました。
>>長期保証は、持久戦に持ち堪えそうなメーカーを選びましょう。
そのBTO屋が無くなれば株券と同様に保証書なぞ紙切れです
一度吹っ飛んで、ヤマダの傘下に入ったTSUKUMOは
危ない部類に入るんでしょうか…
年毎に額は減るものの、長期保証や価格内容が気に入って
BTOメーカーの候補にしようかと思っています
はっきりと答えられるようなものではないと思いますが
ヒツジ先輩様の印象を伺いたいです
以前は訪問修理を基準に選ぼう、と考えていたのですが
よく見たら、平日の限られた時間しか受けられないことが分かり
無意味でしたorz
TSUKUMOとFRONTIERはヤマダ電機なので、より安心かと。
検索すると出てきた栗原氏は、ヤマダ電機の幹部。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20050812/113172/
フロンティアの社長名前で検索するとソーテックの元社長。
http://ijin.keieimaster.com/new/kaityou/881.html
フロンティアの保証は爆裂に高額ですが、100%保障の御様子。ツクモはワランティなので安いものの補償額が下がっていく理由は保険会社を通しているからでしょう。ヤマダ電機が飛ぶとは思えませんが、パソコンの低価格化が進行して赤字まみれになれば、尻尾を切る可能性は考えられます。しかし、そんなことをするならば最初からツクモを吸収しないでしょう。
訪問修理を本気でご希望ならば、法人並に保守料を支払う額になります。
安いものは、遠方から素人の電器屋が来て持って帰ることもあります。
企業で無ければ、訪問修理よりPCが2台あった方が良いと思います。
返信して下さり、ありがとうございます
危ない部類では、なさそうで安心しました
ヤマダ電機が直ぐに飛ぶとは考えにくいですよね
訪問修理は諦めて、後々2台構成にしたいと思います