順序が前後しましたが、修理PC返却が遅れる原因の続き。
メーカーへパソコンの修理を依頼すると、PCメーカーが直接やる場合と下請けが作業するパターンと有りますが、いずれもライン(流れ作業)が多いもの。
中小メーカーならば店頭でそのまま直したり、1~3人の担当が最初から最後まで通して作業することもありますが、いずれも修理作業は人間がしています。
今回は、修理品を早く返却させる「方法」というより、心得とした方が近いでしょうか。複雑(微妙)な故障では無い限り、受付順になるものですが、少しでも効率良く流させるためのポイントを書いておきます。
梱包は緩衝材などで丁寧かつ頑丈に
第一関門はここから始まります。
ピックアップと言い、メーカーが運送会社を手配して自宅や仕事場へ直接取りに来て梱包してくれるなら良いのですが、自分で梱包しようと思うと、これが結構大変かと思います。
デスクトップ、特にATX(ミドルタワー)のような40x40x20cm以上有れば120サイズは余裕で越え、更に固定するよう緩衝材を詰めることになります。
素人がやると隙間が空いたり、多少の衝撃でケースが破損したりなど、200台に1台は最悪のパターンが見られました。
ケースが破損してまずい理由は、
- 初めからか、運送中か、到着後かを調べる時間
- ケース交換になった時の作業時間
- クレームになる事が多く、問い合わせの時間
これらが加算され、返却が余裕で延長します。梱包が甘かったのみで、誰も悪く無いと思われる事も有りました。運送屋によっては壊れ物だろうが何だろうが、投げていたりは日常茶飯事と思い、しっかり梱包して下さい。
不具合の症状は要点を簡潔に
俳句の如く短くしようと言っているのではありません。
要点を簡潔に。
不具合の症状が100%再現するなら良いのですが、時々発生する故障は検査をしてもエラーは吐きません。
人間ならば、風邪を引き朝9時に医者へ行って「夜中の1時になると咳が出る」と言っても、実際に喉が荒れていなければ程度が判らない事と同様。パソコンは喋らないため、言葉を知らない赤ん坊を医者に預けているようなものです。
- 悪い例:夜になると調子が悪い
- 良い例:深夜1~3時頃、週2回の頻度で38度から39度の発熱が有る
ユーザはもちろん、修理する側も完璧に直して返したい事は同様。稀に、などの症状は簡潔で無くとも良いので、とにかく要点は何かを可能な限り伝えましょう。
但し、プライドの高いオタク野郎が多い事もあるため、余計な事は書かない方が良いです。あまりにも詳しく書き過ぎると、これも医者に例えると「風邪を引いて頭痛がひどいのでボルタレンを1シート下さい」と言っているようなものです。
そのような人間ばかりではありませんが、率は高いと想定を。
データ消去を承諾する署名と捺印を同梱
データを消して良いという同意さえ有れば、修理品は単なるパーツの組合せとなり、作業の流れを止める事無く進みます。データを消す前提の大手は有りますが、BTOメーカーではそのような無駄はしません。
ハードウェアの他に、OSがプリインストールされていれば修理対象になるため、システムファイルが破損していればデータ消去が前提になります。嫌ならば自分で何とかするか、町の修理屋に依頼するしか有りません。
体感ですが、修理品の3割以上はこのデータの消去というやつが必要になります。簡単で良いので「ハードディスクのデータは全て消去しても良い」という書面と、署名に可能ならば捺印が有ればパーフェクトです。
私がしつこくバックアップを勧める理由でもあります。
見積の決裁(決済)額を伝えておく
修理費用に見当が付かず、故障原因を知らず上限金額を決め兼ねるものかと思いますが、これを決めておくと見積がいきなり発行できるため、事務作業への連携がストレートに決まります。
修理担当は現場に居ますが、ユーザへの問い合わせや見積のような事務作業は分担になる事が多く、いずれかで止まると時間の無駄が生じます。
先にも書いた通り、何に対していくら支払うのか納得してからで無ければ見積上限金額を先に決める事は難しい。私でも書けません。が、これを例えば「2万までなら払う」としておけば、見積をスルーして請求が来るため止まりません。
データの消去同様、署名が有れば完璧です。
メーカーと直接やり取りする
一概に全メーカーがそうとは言えませんが、BTOという中小企業に毛が生えたようなメーカーでは、電気店にマニュアルが無かったり連絡先や担当、責任者も不明というパターンが多く有ります。通販で購入した物を店頭へ持ち込むと最悪です。
BTOメーカーと直接でも下請けが絡んだりで遅れは出ますが、結構な確率で仲介する行為は無駄です。手数料をハネているのみならず、独自に受付費用やキャンセル代を取る店も有るため注意しましょう。
直接の利益に繋がらず、メーカー側も人手不足や回線不足も考えられますが、コールセンターの対応から直感で判断しても良いかと思います。
これを読み、私が元修理をしていたからこそ頭に来る人も居るかと思いますが、現場から見た正直な修理状況という事で、次回の不運時には前置いて考えて下さい。
メーカー修理では、最速でも工程内で2泊はかかります。
往復各1泊で4泊は、出荷(修理品が集荷)されて早くとも5日後に戻り、直営以外の店を通せばプラス1~2日。これで約7日ですが、人間社会には営業日というものが有り、シフト制で無ければ週休二日で9日間は最低でも使う計算です。
9日プラス、上で書いた事が原因で更に返却は遅れます。
全てやれと言っているのでは無く、協力してやって下さいという事で。
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