パソコンの組立と分解の手順を初心者用に解説(前編)

2011年1月 8日

パソコンの分解と組立。

自作PCではパーツが全て単品の状態から組み立て開始。BTOパソコンでは、自分で修理や増設などをする際の参考になるやも知れない為、一通りどこが難しそうか見ておいて損は無いでしょう。やらないなら得も有りませんが知識として。

手順は組立をやっていますが分解は逆なだけです。

お約束ですが、パソコンの分解や組立は全て自己責任にて。メーカーの保証期間内で自信が無いならおすすめしません。

一般的にどの程度の難易度か、A(難)~C(易)で付けております。難しい簡単のみでは無く、間違え易い、壊し易い度としてもどうぞ。

長くなる為、今回は前編として1から5まで。

  1. ケースの構造と配線の確認(B)
  2. マザーボード用の脚を取付(C)
  3. マザーを取付、CPUを搭載(A)
  4. CPUクーラーとファンを取付(A)
  5. グラボ、メモリの取付(B)
  6. USB、オーディオコネクタ接続(C)
  7. ケースファンと電源ファンの接続(B)
  8. システムパネルのピン各種を接続(A)
  9. ハードディスクの搭載とケーブル接続(C)
  10. 電源ユニットを搭載し各所に接続(B)

もちろんこの通りやる必要は無く私の例という事で。

前回はケースに入れず動作確認をしておりその後の話。解説する用に一旦全てのパーツを取り外して再度取付作業を開始。

自作出来る人は他人の作業や考え方を見ながらニヤニヤして御覧有れ。

 

パソコンの組立と分解の手順を初心者用に解説

ケースの構造と配線の確認(B)

側板(サイドパネル)を開けて広い場所でケースを寝かせます。

01-pc-case-innner.jpg

このケースは裏配線が出来る為、逆の側板も開けていますが普通は正面向かって左のみ開けましょう。右を開けても何も無いと思います。

  • 左上:マザーボードに付属のバックパネル(I/O Panel)は取付済
  • 上と右と左:ファンから細い配線が3箇所

バックパネルは内側から外側に向かって取付。安いケースや安いマザー、相性で入り難い場合も有りますが、コツは4角を指で強めに押し込む。辺部分やパネル表面は薄く曲がり易い為、力を入れるなら慎重に。

マザーを入れる際に邪魔なのでケーブルは全て外向きに引っ掛けております。

中身が入っていない軽い状態でフロントベゼルを取り外し。

01-pc-case-front-fan-200mm.jpg

先程からやたらケースが小さく見えるやも知れませんが、先の写真の上部分とこの写真のファンは直径20cmも有り、普通はこんな物は付いていません。大きくて12cm、やや小さめならおそらく9cm。

フロントベゼルを外している理由は外し方を一度実践しておく事で、パーツを満載し、立てた状態でも外せるよう一応練習したまで。  

マザーボード用の脚を取付(C)

同じ写真ですが赤丸で示した部分。

02-pc-case-6.jpg

マザーを載せる脚パーツはほとんどのケースで六角柱。

専用の工具が必要ですが、このケースは若干高級品(時価16千円)な為かソケットが付属しておりプラスドライバーで回せました。傷が付いて良いなら手回しの後にペンチでも行けます。

取付場所は実際にマザーボードを載せてネジ穴の有る箇所全て。

締め付けが甘い場合はマザーボードのビスを回す際にケース側の脚パーツが外れてしまい、マザーを丸ごと外すはめになるので強めでどうぞ。

マザーを外すという事はグラボや増設ボード、スイッチなどのケーブル、電源なども外す事を意味します。 

マザーを取付、CPUを搭載(A)

03-motherboard-cpu.jpg

ケースに固定する為のマザーボードのビスを付けていませんが、普通はここでマザーを固定した方がよろしいかと。

CPUの向きは一つしか無く、必ずCPUの縁(ふち)とソケット側の外周に目印や欠けた部分が合うので適当に載せてはなりません。私は6年くらい前にこれでCPUとマザーを壊しました。

注意する事は、緊張して落とさない、気休めに静電気を逃がしておく、ここだけは軍手を外す。

6年くらい前からの規格なLGA775以降、ピンはCPU側では無くソケットの中に有る為、軍手がピンに引っ掛かると曲げたり最悪折る、ゴミが付着する可能性が有ります。

私の例では、このマザーは約16千円、CPUは24千円、トータル4万円の接続。などとは考えない事にして、いつも通りに作業します。

カバーの外し方は、右に有るU字のレバーを押して右にずらし力を徐々に抜きながらレバーを上げる。詳しくは今度動画でやります。

CPUクーラーとファンを取付(A)

04-cpu-cooler.jpg

いきなり付いていますがCPUに載せた状態。

リテール(CPUの箱に入っている)クーラーは灰色のグリスが初めから付いているのでそのまんま載せるだけ。ファンはヒートシンクに固定されており外れません。

取り付ける手順はこれまた今度動画でやりますが、ヒートシンクの手前左右に見えているプッシュピンと呼ばれる脚部品を押し込む。LGA775の取付と同様。

逆に分解でヒートシンクを外すとこのような感じになっています。

04-cpu-grease.jpg

CPUの上に塗られた状態の灰色がグリス。

これは取り付けたすぐ後に外したので上品な方ですが、昔のCPUクーラーはごっそり載っている事が有ります。

ソケットまではみ出ているなら拭き取りはCPUを外さずティッシュペーパーなどでこぼさないよう取りましょう。経年で固まっている事も有り要注意。

時間が経つと基本的にグリスはCPUとヒートシンクが離れた時点で塗り直しになる為、グリスが無い、自信が無いならCPUクーラーだけは外さない方が良いでしょう。

CPUの放熱でかなり重要な部分です。 

グラボ、メモリの取付(B)

向きや留め具の種類さえ知っていればCクラス並に簡単。

グラフィックボードから。

05-graphic-board.jpg

最近のグラボはPCI-Express x16なので切れ込みが合うスロットは簡単に判るでしょう。ケース側背面のパネルを外してグラボを挿し込み。

この時、赤い矢印2つの違いが判るでしょうか。下はロックが解除された状態、上はロックが左にスライドしており右側に隙間が有ります。

ロックはスライド以外に、バネのように開くタイプも有るので当然ですが外して取付や取外し、取付た後はロックしましょう。

ここをぶっ壊しても自作PCなら支障は有りませんが、メーカーPCでは分解や改造した事がバレて保証内でも有料修理になる事が有り、修理はマザーボードになるので高額なためご注意有れ。

メモリはくだらない動画を撮影するも静止画を撮り忘れたので今撮影。

05-ram-in.jpg

白いスロットにそれぞれ3枚、DDR3メモリが挿入。

左右のレバーを外に開くとメモリが外れ、挿す時はレバーを開いた状態でメモリを押し込むと、てこが効いてレバーが勝手に閉まります。閉める時はレバーに触れません。

向きは切れ込みが左右で明らかに違うので、載せた際に合っていないならそれは逆です。強引に押し込まないように。

05-ram-ddr3.jpg

目薬は関係有りません。

 

インテルのグリスは塗り直しが基本(一旦まとめ)

先にケース無しで動作確認した際、リテールのCPUクーラーをそのまんま取り付けていますが、本来はいきなりグリスを拭き取り塗り直します。

理由は冷却効果が違う為。

00-intel-box-cpu-cooler.jpg

インテルが載っている場合はCPU36度、マザー31度。

室温は17度で1時間以上経過し、BIOSの設定画面で数分待ち温度が上下しなくなった頃合いを見計らって撮影という適当な物。

以前使っていたPentium4はリテールクーラーで70度超え、3千円の静音クーラーに交換し55度くらいまで低下。

上の画面を見た際、インテルのクーラーが優秀になったのかと思いましたが、室温は19度、ケースに入れて側板を開けた状態ですが、グリスを塗り直すと。

00-white-grease.jpg

クーラーマスターのファンが異様に効いているのやも知れませんが、それにしても10度近い低下は凄い。良く有る白い安物のグリスです。塗りには自信有り(キリッ

この後、CPUファンの回転数を1800~1900回転から1000~1200回転まで落とすも温度変わらず。アイドル状態の為かも知れませんが、インテルクーラーの冷却性能も上がっているのでしょう。だいたいLGA1366は大きい。

冗談で室温7度でケースの側板を閉めた状態では。

00-7.jpg

悪乗りして窓を開放し室温3度。早朝、結構酔いが覚めました。

00-3.jpg

シリコングリスの質を体感の適当で温度別にすると。

  • インテルグリス:40度<基準
  • 安物白グリス:30度
  • 高級銀グリス:27度
  • セレブ銅グリス:25度

質も重要ですが、とりあえずインテルグリスは塗り直しが重要。

次回は後編、ケーブルを繋ぎまくり完成させます。

コメント(8)

>相性で入り難い場合も有りますが、コツは4角を指で強めに押し込む
あとはそうですね。パネルのツメは若干多めに曲げとくとかですかね。

>ソケットが付属しておりプラスドライバーで回せました
私の3500円格安ケースでもドライバーでやれた記憶があるので、今はわりとそうなってるのかもですね。

>普通はここでマザーを固定した方がよろしいかと
私、ヒツジ先輩と逆です!
ケースに収める前にCPUとクーラー、メモリあたりまでは取り付けちゃう。
だってそのほうが広くて作業がやりやすいんだものw
キモはプッシュピンが貫通できるような柔らかいものをひいてやるw

>気休めに静電気を逃がしておく、ここだけは軍手を外す
精密機器用のゴム手袋って薄いやつがあるんですが、それ使ってます。
あの手術中のドクターがしてるみたいなヤツw

>このマザーは約16千円、CPUは24千円、トータル4万円の接続
おい、やめろw

>灰色のグリスが初めから付いているのでそのまんま載せるだけ
(´・ω`・)エッ? 今回は塗り直しやらないとですか?
130WのCPUだし、リテールだしやっといたほうがよくないですか?

>ロックはスライド以外に、バネのように開くタイプも有るので
なんかレバーみたいなヤツが古くからあるタイプですよね。

>目薬は関係有りません
何?最近コレ流行りですかw 画(え)がシュールw

>本来はいきなりグリスを拭き取り塗り直します
なんだ、ちゃんとやってたんですね。そらそうですよねw intelェ…

>以前使っていたPentium4はリテールクーラーで70度超え
しかし冬に暖房になるという利点はあったw

>良く有る白い安物のグリスです。塗りには自信有り(キリッ
なんか漢字かいてある200円くらいのヤツですなw
いや、私も使ってますが実際悪く無いですよ。
安物ケースにリテールでもidle30度いかないですもん。
つまり塗りこそが勝負ってことだな(キリッ

>悪乗りして窓を開放し室温3度。早朝、結構酔いが覚めました
何やってんだw
7GhzのOCとかは液体窒素で冷却とかの世界ですし、きっと低温なぶんにはいくら低くてもいいのでしょうね。

>質も重要ですが、とりあえずインテルグリスは塗り直しが重要
ここでBTOの場合に懸念が出るのですよね。
特に大量量産系のメーカーは、1台1台の手間的に考えてまず塗り直しはしてくれてないだろうな的な…
まあ届いてから自分で塗りなおせばいい話ではあるのですけど。

>右を開けても何も無いと思います。
光学ドライブやHDDの固定ビスを締めるために開けなければならないケースがあるので念のため。(私のもそうです)

>普通はここでマザーを固定した方がよろしいかと
私もTakaQさんと同じで先に取り付けられる物は付けちゃいます。

>グラボの取り付け
スロットが複数ある場合、優先順位が指定されているのがあります。
基本的には一番上からだと思うのですが罠の場合もある様なので。
以前ASUSのマザーでどうしても起動出来ず、取説を見たら・・・と言う経験があります。

>インテルのグリスは塗り直しが基本
グリスと言うより熱伝導シートの類なんでしょうか。
リテールからクーラーを変えたら温度が下がったというのは、クーラーの性能ではなく、コイツのせい?
AMDも同じかもしれないですね。
今度リテールでグリス変えて使ってみます。しかし爆音が・・・

私もCPUとクーラーは先に固定してから、マザーボードを付けますね。
大型クーラーはバックプレートがある場合も多いですし、リテールでもそのほうが初心者でも付けやすいかと思います。

あと作業全体の手順に水枕の取り付けと、注排水が抜けているようです。
必要でしたら水枕を・・・(笑)

>作業全体の手順に水枕の取り付けと、注排水が抜けているようです。
そうだ!確かにw
私もすっかり忘れてましたが、なんというキラーパスw

おや?偶然こんなところにソースがw (記事最後のほう)
http://bto-pc.jp/btopc-com/repair/diy-pc-core-i7-part2.html
確かにこの時点では950の場合水冷の流れになってるー

ケースHAF912で水冷だなんて素晴らしく最高の構成じゃないですか!

ほんとうはやりたかったのに残念ながら諦めざるを得なかった私からすれば
あーなんてうらやましー(棒


>普通はここでマザーを固定した方がよろしいかと
TakaQさん、通りすがりの偏屈ものさん、NegLockさんと同じく私も付けられる物は先に付けてしまいます。
>気休めに静電気を逃がしておく
個人的に冬は静電気が怖いですw私の体は帯電しやすいらしく、金属物を触ると静電気でバチバチいいますからww
なので、冬の作業は着る服も気にしますし、なるべく半袖でやります。
>ここだけは軍手を外す
私は河童の子孫なので、手汗が半端無いんですww
ですから、ここだけは手がサラサラな家族や友人等に、代わりにやってもらいますww

今回はまあ初心者でもある程度分かる部分なのでは?
むしろこれからの"ケーブルを繋ぎまくり完成"が面倒だ。
後編も頑張って下さい、ぜひ水枕の取り付けをw

>ソケットが付属しておりプラスドライバーで回せました。

見たい、見たい、そのソケット見たい! 
おおよそ想像はつきますが、見て「へぇ~」とか言ってみたいので後編で画像希望っ。

TakaQさんが書かれている「(I/O)パネルのツメは若干多めに曲げとく」は重要。良く有る例としてLANコネクタにパネルのツメが入ってしまい下手すると壊せます。

マザー取付中や後ならまだしも、グラボなど全部取付けて完成後に有線LANが挿せないと思えばツメが入り込んでいたなど最悪。ツメの弾力が要らないなら思い切り曲げても良いでしょうな。

CPUの取付は私が自作ユーザでは無くメーカーでやっていた作業方法という事で違いがあるのでしょう。

現場では、速度、水平、均等が求められる為、マザーボードを取付けた状態でのクーラー取付が最も効率良くグリスが水平に保て、いずれのPCも均等に作業出来るわけです。現場ではインテルCPUならリテール以外にバルクでもプッシュピンが多めな為も有りますな。

水冷は、くわえタバコでガソリンスタンドに入り給油するような度胸が必要と思っているので、いずれ検討する予定ですが未定な上に忘れるかも知れません(笑)

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BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。