エアコンは早めにオンにした方が良い話の派生。
夏場なら冷房をオンにする事で室温は下がり、同時にパソコンから出るファンの騒音も減少するもの。という事は、室温は低い方がパソコンの消費電力は下がるのでは?と思ったので2種類のPCで比較実験。
個人的には驚きの結果。
何をしたかは以下の通り。
- 2013年8月の空調無しとクーラーオン時を比較
- Windows起動後、アイドル状態でワット数を見る
- 全てサンワサプライの安物ワットモニターで計測
空調について、正確には空調無しの自然な状態の室温と、エアコンの設定温度まで下がった後の比較。
ワットモニターはこのような感じ。
私のPCのみでは個体差とか有るかも知れない為、以前も協力戴いたクリエイターのパンツ脱ぐほど暑いらしい西日部屋に設置のデスクトップPCでも計測。
実験その1:私のメインPCで消費電力を比較
室温の影響で消費電力に関係しそうな仕様を一覧。
- CPU:Core i7-950(3.06-3.33GHz、4コア/HT、8MB、130W)
- クーラー:※CPUのBOXに付属のインテル純正クーラー
- マザー:Intel X58 Expressチップセット(ASRock X58 Extreme3)
- グラボ:RADEON HD 6670(SAPPHIRE HD6670 1G GDDR5)
- ケース:ミドルタワー(CoolerMaster HAF 912 Advanced)
CPUは3年くらい前のCore i7で、クーラーはそのCPUに付属していた純正品。
マザーボードがLGA775用のクーラーに対応しており、ANDY SAMURAI MASTERというやや変態気味なクーラーも持っているけれど、純正でも最近のインテルクーラーは結構静かなので、そのまんま使っております。
押し入れで眠っている侍はこれ。
いくら静音とは言え、私の感覚は爆音Pentium 4(プレスコット)との比較なので、普通の人には全然静音では無いと推測。最近、慣れてしまった為か夏場は結構うるさく感じております。
マザーボードを入れた理由は、このマザーには小型なファンが搭載されている為。ASRockのページより画像を拝借。
source:ASRock > X58 Extreme3
右上の小さな黒いファンがそれで、回転数の表示が無いので分からないけれど、常時2千回転/分前後は回っている感じ。
グラボはとりあえずで載せているHD 6670で、大きめなファン1つのもちろん空冷。ケースには20cmファン2個とか12cmも付いているけれど、速度は固定しているので深い意味はございません。
そして、室温30度とエアコンの効いた26度で測ったワット数がこちら。
良く見なくとも、どちらも124ワットとなっております。
実際にはいずれも121~128ワットの間をふらふらしており、その中央値となる124ワットで入力。全然変化しておりません。
パーツの温度やファンの回転数の比較。室温は左が30度、右26度。
室温4度の低下でCPU温度は7度下がり、CPUクーラーのファンも350回転/分程度下がっておりますが、しつこいけれどワット数に変化は見られず。
アイドル状態なのでCPUやメモリの使用率はいずれもこのような感じ。
室温を5度くらいまで下げ、CPUの温度を見つつケースファンの回転を落としたり止めると消費電力は数ワット変わるかも知れないけれど、そのような変態行為は出来ないのでここまで。
続いてクリエイターPCで実験。
実験その2:クリエイター仕様のデスクトップで比較
主な仕様はこちら。
- CPU:Core i7-860(2.93-3.60GHz、4コア/HT、8MB、95W)
- クーラー:※CPUのBOXに付属のインテル純正クーラー
- グラボ:Quadro FX580(512MB)
- ケース:ミドルタワー(マウスコンピューターの量産品)
マウスコンピューターのBTOパソコンで2010年11月頃の購入品。ちなみに毎日10j時間以上稼働しているらしいけれど故障は一度も無し。
マザーにファンなど付いておらず、ケースファンも背面に12cmが1つ。CPUクーラーは私のPCと同じインテル純正が載っております。
サイドパネルと開けると、うっすらCPUクーラーのヒートシンクにホコリが付着しており、掃除前と後も計測。
普段からクリーニングするよう忠告していたけれど、ヒートシンクが3割ほどホコリでふさがっておりました。取り外してグリス塗り直す勢いで掃除したので新品同様。
エアコン無しのクリーニング前と後、クーラーオンで室温28度の比較はこちら。
またもや全部141ワット(中央値)
厳密には33度掃除前の中央値が140ワットになったものの、不自然なので誤差という事にして141ワットへ修正しております。
掃除前と掃除後でファンの騒音は大して変わらなかったものの、室温33度と28度では体感でかなり違う、との事。私は28度の計測時、現場に居なかったので見聞きしていないけれど。
しかし消費電力は変わらない。パソコン内部のパーツの使用率や負荷が変わっていないのだから当然と言えばそれまで。
私の予想としては10ワットくらいは変わるだろうとして、企業などで「デスクトップPCが10台有るなら100Wくらい違うのだから冷房はとっととつけろ」と言いたかったけれど、室温とPCの消費電力は関係無いという結果に。
まとめ:電気代は変わらないけれど室温の低さは重要
パソコンで特に高温になるパーツはCPUとGPUで、CPUは電源オンから一瞬で100度を超えるほどの高熱になり、GPU(ビデオカードのCPU的な箇所)もおそらく同じ。
CPUはクーラーを載せずに指を置いてみましょう。みましょうというか、危険なのでお勧めしない。私は阿呆なのでやった事が有るけれど、1秒と触っていられない程の高熱になり、熱いと感じる以前に激痛が走り反射神経で指を離すほど。
CPUやGPUの次に発熱するものはハードディスクドライブや電源ユニット内部と思われ、100度までは行かないものの、内部で室温より数十度高めで発熱しております。
以前、ツイッターで「サーバの事を知らない上司が節電の為にサーバルームのクーラーを切れ」と言われ、サーバ管理者と思われるつぶやき主が嘆いておりました。
パソコンという物は車やバイクのエンジンのように冷却する為の装置が必要。幸い、PCは室内で使う物なので室温を下げると今回の私のPCで実験しているようにCPUなど全体の温度が低下。
パソコンが故障する原因がパーツなら、そのパーツは熱が原因による事も多くございます。その為に
- 室温を下げる
- 随時クリーニングする
- 良好なエアフローを確保(ケース内の空気の流れ)
というわけで、デザインのみ重視したケースでは無く、BTOパソコンや自作PCのような良いケースを。騒音やホコリを吸いまくる原因にもなる室温の高さを改めましょう。
以上。室温と消費電力は全然関係無かったけれど、PCに与える全体的な影響としては重要という事で茶を濁して終わり。
これはねぇー、やっぱり電力どうこうより騒音ですよね。特に夏はw
私のとこもQ9650の2nd機がエアコン28℃設定だとわりとぶん回っていて、25℃設定くらいにしてやるとだいぶ落ち着く感じです。
もっともCPUクーラーはPrescottのリテール品を流用してるんで、微妙に対応TDPが足りてない(87W→95Wだったかな?)のが一番の原因な気はしてますがw
i7-875KのやつはOC常用なのもあって、CoolerMaster製のサイドフロー型にファン増設してヒートシンク2サンドにしてるのでエライ静かです。
そういうことからすると、若干ハードル上がりますがCPUクーラー交換するのも有効ではあるんでしょう。
私はPCの電源を常時落とさないので、夏季に部屋のエアコンを停止するというのは有り得なくて、温度管理としては在室中は25℃、外出時等も常時28℃でつけてる感じでしょうか。
就寝時や外出時であってもPCの電源を落とさないことについての話は、主旨からズレますが一応触れときますと、やれ壊れるとか負荷がとかそういうことではなくて、単にバッチ処理だのその他スケジュール機能をガッツリ利用してますので、落とさないのじゃなくて落とせないというのが正しいw
具体的には日次のバックアップ処理を毎晩走らせてたり、いくつかの同期処理であったり、セキュリティ系のスキャンだとかプロセスのリスタートとか・・・
こういうのは処理同士を被らせないように分散させてスケジュールするので、どうしても一日中稼働させておかざるを得ないわけですな。
決して起動が面倒だからだとかそんな横着なことは半分くらいしか思っていないから(震え声)