タイトルの電源は電源ユニットのこと。
自作PCするならば、そのパソコン故障時も自力修理の覚悟が前提。私がメーカーで修理を経験したからというわけではなく、おそらく多くの自作慣れした人たちは電源ユニットさえあれば故障原因の切り分けが可能。
どういうことなのか説明申し上げましょう。
ほぼ新品で在庫している電源がこれ。
source:価格.com - Corsair CX450M CP-9020101-JP
セリフでリペアしない人には意味がわからないかも知れないのでもう少し詳しく書くと、動いているデスクトップPCとは別にこの電源ユニットを余らせているという意味。
確か2度ほどデスクトップパソコンの故障の切り分けで使用しただけなので実動時間は数分な意味でのほぼ新品。
私の場合は自分のパソコン以外に友人PCも不具合出ると出張したり持ち込まれたりする、それで確か2回使用した。
なぜ在庫しているかは修理時の切り分けに必要な以外、メインかサブPCの電源がガチでぶっ壊れたならばこいつを使えば良いためで、そうなると別途また1個電源ユニットを購入して在庫する。
PC故障の切り分けは電源ユニットあれば良い
パソコンというものは最低でも数種類のパーツで構成されているので、それら全部の予備パーツを所有していなければ切り分けができない、自作や自分で直さない人にはそう思われていそう、ながら、そんなことはござらない。
ガチな不具合が出て検索して来た人用の目次。
- 電源が入らず、うんともすんとも言わない
- 電源入らないが一瞬だけCPUファンが回る
- 電源入るが画面が真っ暗で何も起こらない
- 電源入るがビープ音がして画面表示しない
- 画面表示はするが背景が黒い画面で止まる
1.電源が入らず、うんともすんとも言わない
修理依頼品の多くがこの症状を訴えられていた、「電源が入らない」について、まずは第1段階の確認項目。
- コンセントにプラグ挿さっているか
- マルチタップなら本当に通電しているか
- 電源ユニットに電源プラグを奥まで挿しているか
「バカにしてるのか?」と思うかも知れないけれど、これら割と多いので困る。バカにはしてはおらず、PC初心者に限らず私でさえ修理現場でさえこれらが原因で不良パーツの切り分けが迷宮入りしそうになるほど人間は基本おっちょこちょい。「そんなミスをするわけない」的な思い込みでしょうな。
電源が入らずサポートへ電話して、「コンセント抜いて放電してみろ」と言われるアレは、「プラグ挿さっているか確認して」を意味しております。直接そう言うと多くの人は、「バカにするな」と怒るため。
マルチタップ使用ならばそのタップが故障とかもありえる話、特に100円ショップの200円くらいなやつ。直接、壁のコンセントへプラグ挿してみるかマルチタップ交換してみましょう。
電源ユニット側の挿し込み不足は私が時々やらかすやつで、なぜか半挿しになっており通電できていないパターン。奥まで押し込みましょう。
それでもダメならパソコン内部を疑い始める。
- 電源ユニットを予備電源に切り替えてみる
いきなりネジ外して本格的な電源ユニット丸ごと交換をするのではございません。そのパソコンの最小構成で良いのだから、以下2または3ヶ所へ予備電源ユニットのコネクタを挿して電源プラグを予備電源ユニットへ挿して電源オンしてみる。
- 主電源(24pin、まれに20pin)
- CPU用(CPU付近の4か6か8pin)
- グラボ有りで補助電源有り(6か8pin)
画像貼りたかったけれどGoogleのサイト内画像検索がバカ過ぎて出ない。
これでモニタ表示できたならば電源ユニットの故障と特定できる。できなかったならば残念ながらマザーボードの故障が濃厚すぎる。
なぜ自作PCユーザがこのような検証をするかは、電源入らない=電源ユニットかマザー故障か判断するためでございます。簡単に言えば、電源入らないなら電源かマザー(またはコンセントから給電されていない)のいずれか
電源入らない=電源交換してみる->それでも電源入らない=デスクトップPCあるあるであり、電源入らないので電源が故障とは限らないのがパソコン。
予備電源ユニットで行けたなら電源交換するだけ。ダメだったなら価格コムなどへ行き新たなマザーボードとCPUを、そしてWindows再インストールの準備。
2.電源入らないが一瞬だけCPUファンが回る
かなり限定的ながら、一部のマザーボードではこの症状が出てくれることがございます。サイドパネル外してCPUクーラーのファンを見ながら電源ボタンを押すと、0.数秒だけファンが回るが一瞬で止まり起動しない。ファン1回転もしない。
どういうことかは給電はできているけれどマザーボード故障で起動したくない状態に陥ってしまったから、の可能性が高いものの、電源の電圧低下が原因かも知れないので予備電源ユニットへ切り替えてみる。
動いたならラッキーまたはアンラッキー。何がラッキーなのかは、新たな構成へと組み替える口実になるためで、家庭内財務省(奥方ともいう)が厳しい人にはラッキー、運悪く散財と解釈する人にはアンラッキー、な意味。
なお、この症状の場合にもう一度試してみる際はコンセント抜くか電源ユニットに付いているスイッチをオフにして放電(電源ボタン長押し)して再び入れ直しましょう。そうしなければ一瞬の回転が再現できない。
3.電源入るが画面が真っ暗で何も起こらない
通常、ここまで来たなら電源ユニットは9割方正常。但し、まれに電圧低下による起動不良もありえなくはないので予備電源ユニットへ交換してみる。
それでも多分ダメだろうから、そうならば元の電源ユニットは正常と判断でき、次に疑うのはメモリ、グラボ搭載しているならグラボも怪しい。
メモリの場合。
- 2枚以上搭載・・・1枚ずつ抜いて正常起動を試みる
- 1枚しかない・・・抜いて別のスロットに挿してみる
グラボの場合。
- CPU内蔵GPUありマザーに映像出力端子あり・・・グラボ抜く
- ない・・・詰み ※この場合は予備グラボも在庫が必要になる
というわけで、私のパソコンは2台とも映像出力端子あるしCPU内蔵GPUもアリだけれども、グラボは数千円の使い古しが2枚あるので詰んだ友人のパソコンでもグラボ交換を試せる。
メモリ1枚しかないような構成はBTOパソコンのような完成品だろうから、そこはメモリ増量できてラッキーくらいに思いつつ、同じ規格のメモリを1枚買い足しましょう。在庫しておく必要はございません。その時に買えばOK。
BTOパソコンに限らずグラボ搭載しているならば廃棄する際に予備としてストックを。メモリも合うやつなら外してストック。電源ユニット買わなくともやはりそれを外して在庫すればOK。
4.電源入るがビープ音がして画面表示しない
高確率でメモリ不良にてメモリを物理的に認識していない、またはメモリのスロット側(要するにマザーボード)が故障しております。
但し、低確率でこれまた電圧不足も考えられなくもなく、ここでも電源ユニットを予備へ交換してみる悪あがきもアリかと。
いや、ないか。私ならそうしてみるだけな気がする。
5.画面表示はするが背景が黒い画面で止まる
ここでも一応電圧不足を疑ってみるべき。
多くの自作PCユーザには否定されそうながら、実際に修理現場では12Vが11V半まで下回っており、犯人は電源ユニットだったパターンがございました。
電源が入り画面表示までしてくれるならばBIOS(UTFI)画面を出して+12Vが低くなっていないか確認可能なことが多く、延々と11V台を叩き出すようならば予備電源ユニットへ切り替えてどうなるか試す。
許容範囲はパーツの構成によるので何とも言えないけれど、私ならば常時11.5V切れているならアウトと考えるが根拠はございません。
以上、電源の予備があればここまで切り分けできるという具体例。
電源ユニットもマザーも関係ない場合
電源が入る+画面表示もする+電圧(+12V)下がっていない、ここまで来たならば電源ユニットもマザーボードも、ついでにCPUも、グラボ搭載ならそれも、これら全て正常動作している可能性大と。この段階ではメモリは微妙。
それでも不具合が出るならば?
- CPUは正常と言える温度まで冷却できているか
- SATAケーブル断線や端子の接触不良など無いか
- ストレージ(SSDやHDD)が故障していないか
- Windowsはまともに起動し正常動作しているか
- ブルースクリーンで止まったりする故障なのか
ムダに色々と書いてみた、これら全てパソコンが起動できている上での不具合であり、電源+マザーボードの外で起こっていることなのだから、パソコンを正常に起動できている状態で切り分けて行けばOK、なので予備パーツは不要。不良として特定できたパーツを取り替える。
一応、上から潰しておきましょうか。
- CPUの温度は高負荷時でも80℃切れるなら一応OK
- 起動ドライブのSATAケーブルをDVDなど別と交換
- ストレージ故障疑惑はCrystalDiskInfoなどで確認
- サポセン「Windowsを再インストールして下さい」
- ブルースクリーン出るならSTOPコードを検索する
もっと簡単にいうと、予備電源ユニットで試した内容以外はPC自作あるあるな切り分けと関係ないわけで、要するに電源ユニットさえ予備があれば後は適当に入れ替えたり試せば良いので、電源ユニットさえ予備があれば(もういい
以上。パソコン故障の切り分け方法に電源があれば良い理由。
自作PCユーザがノートや一体型を嫌う理由
その理由は性能が低いとか何かと要因はあるとしても、修理とか切り分けの意味でなぜ嫌われるかに限定すると、ノートや一体型は電源系の故障の切り分けが難しすぎるし、できても買い替えた方が安いほど修理代が高いので嫌われるのだと思う。
私はメーカーでノートPCの修理も担当していたので切り分けもクソもない例を存じております。
セパレート(分離型、本体単体)デスクトップPCならば上で書いたような切り分けができるけれど、ノートPCで電源が入らない時にどう切り分けるか。
- マザーボードを交換してみる
いきなりマザー、本当。
自作ユーザならば、「いきなりマザー交換とか罰ゲームかよ」と言われそうながらマジでマザー交換から。ノートはバッテリ搭載なのでACアダプタとか電源ケーブルの断線とか99.9%くらいありえず、電源入らない=マザー。
デスクトップPCでさえマザー交換=ほぼ全取替のような作業になるため、慣れていない人なら半日仕事、私でさえ30分以上は要するクソ面倒な作業。
それがノートとなると、しかもマザー交換ならば全分解に近いほど面倒。やったことはないけれど一体型PCもマザー交換となればモニタの裏側全部外すレベルの作業になるはず。
ということは自動的にノートや一体型の電源入らない系故障は工賃(工数)的に修理代がクソ高くなるわけで、修理をキャンセルしても元に戻すならば工数が倍プッシュされてしまうため、キャンセル料5千~1万円くらいもらわねばメーカー側も割に合わないのでしょう。
いつもどおり話が脱線したけれど、分離型デスクトップPCならば電源ユニットさえあれば不具合箇所の特定ができるため、自作PCユーザならば予備電源1個は持っておくべきという話。
ちなみに元ネタ。
初期不良引いたら切り分け出来ない パーツ沢山持ってる自作er以外詰む
source:PCの自作って一見簡単に思うが : 汎用型自作PCまとめ
私が今まっさらな何も所有していないところから自作PCを1からやれと言われたならば、電源ユニットの予備を1個買うだけ。または友人などが捨てたいデスクトップPCあるなら引き取り予備電源在庫とする。
初期不良を引いて電源入らないなら電源ユニット交換してみる。それでも電源入らないならマザーボードの初期不良として販売店へ文句言えばよろしい。電源さえ入ればどこがおかしいのか予備パーツたくさん持っていない自作erでもわかるのでパーツの在庫の問題ではございません。
電源ユニット在庫するとか自力で不具合切り分けのような変態行為に及びたくないならば、メーカーサポートのあるBTOパソコンをおすすめ。
>自力修理の覚悟
いやいや。
自作なら修理をしない人がほとんどでしょう。
原因の切り分けをした後は、良いチャンスだから新しいの逝っちゃえ。
更新のタイミングと言う事ですね。
私が遭遇した珍しい例はSATAケーブルとマザーボードのコネクタの同時故障ですね。
とき時認識するのも相まって切り分けが難しかったです。
>パソコン故障の切り分け方法に電源があれば良い
あと必要なのは覚悟ですかね。
>ほぼ新品で在庫している電源がこれ。
安い割にそこそこ性能の高いモデルが低価格帯に多いですから、私もCorsair電源は自作の構成を選ぶ際に有力な候補です。最有力と言っても過言では無し。
>マルチタップ使用ならばそのタップが故障とかもありえる話
値段が高くとも壊れるときは壊れますね。差し込んだ後に回してロックするタイプの少しお高めのタップを使用時、繋がっているPCもろとも電撃破壊したことありますし。コネクタは燃えて真っ黒に焦げました。なお壊れたコネクタ以外は生きていて使えました。
>グラボは数千円の使い古しが2枚ある
そういえば私、今後ずっと使う機会が無いだろう「Radeon HD7750」と「GeForce GTX460」は何となく手元に残してあります。
なるほど故障時の緊急徴用と考えればいくら在庫していても心は傷まない。
>4.電源入るがビープ音がして画面表示しない
これCPUクーラーの掃除後に起こったことあります。原因はCPUクーラーの4pinを繋ぎ忘れたこと。