新RyzenとRadeonが発売、価格とベンチマーク紹介

2019年7月10日

AMDの新CPUとグラボが7月7日午後7時解禁。

秋葉原のパーツ販売ショップでは合計700~800人が集まるほどの祭り状態になったらしく、パーツ単品販売なのだから自作PCユーザばかりと思えば割と何となく怖いと思ってしまった私も自作。

適当に見て参りましょう。

検索で来た人用として飛べるようにしておきましょうか。

 

新RyzenとRadeonの実売価格

新Ryzenの価格一覧

PC Watchの一覧が見づらいので書き直した。

新Ryzen価格一覧

source:AMD、第3世代Ryzenの国内価格を発表 - PC Watch

スマホだと拡大できず逆に見づらいかも知れないのでリンク先でどうぞ。

価格は右から2列め、予想となっているけれどリンクタイトルにある通り発表された価格なので各ショップ近い初値になったと思われ、コスパ重視なら3ヶ月くらい待機するところ。

最上位のRyzen 9 3950Xは発売延期で9月予定へ、他は全部発売済。

今回発売された最上位のRyzen 9 3900Xは3950Xの2つあるZen 2のダイからコアを各2個ずつ、計4つ無効化しており、それを踏まえると9月へ延期された3950Xは歩留まりに問題(製造時の不良率)でもあるのかと疑える。

上から見て行くと境界線が下から2と3行め、Ryzen 5 3600と3400Gにあり、GPU(CPU内蔵グラフィック機能)を削除と引き換えに合計キャッシュが桁違いに増え、TDPを維持しつつコア数も多いという、同じRyzen 5でも妙な違い。3400GはRyzen 3の間違いでは?と思えてしまう。

コスパで考えるとRyzen 5 3600でしょうな。2.4万円クラスで6コア、しかもPCIe 4.0レーン数40本はインテルの最上位級な多さ。

最安のRyzen 3 3200GもAMDらしいコスパの良さで、4コア3.6GHz~の6MBでRadeon内蔵。インテルでいう旧世代Core i5相当、私が今これを書いているPCのインテルCPUが当時2.4万円もしたので今のRyzen 3なら半値くらいでこの性能が使えるという諸行無常。

比較するとこう。上が私のメインPCのCPU。

  • Xeon E3-1226V3(3.3-3.7GHz、4コア、8MB、84W)
  • Ryzen 3 3200G(3.6-4.0GHz、4コア、6MB、65W)

キャッシュ容量しか勝てていない件。5年前のCPUなので仕方ないか。

話を戻し、私に言わせると4択。

  1. Ryzen 9 3950X:10万円切れるなら検討する?俺TUEEしたい人
  2. Ryzen 9 3900X:3950X待てない俺TUEEしたい人
  3. Ryzen 5 3600:コスパ重視な高性能
  4. Ryzen 3 3200G:安さ重視で高性能

ゲームとかしないなら4、グラボ挿す前提なコスパ重視ゲーマーは3、ただの変態は1または2。BTOメーカーもこの4つを中心に標準構成して来るとエスパー。

Radeon RX 5700とXTの価格

グラボも同時に発売されております。メーカー色々あるけれど、最安な玄人志向の価格はこちら。

予想実売価格はそれぞれ4万500円、4万5800円(税別)

source:Radeon RX 5700/XT販売開始 - ITmedia

価格差が微妙なのは性能差も微妙なためで、この価格帯になると1割程度の差ならば値段は気にせずXTを選ぶ人が多そう。

対抗馬なNVIDIAのRTX 2060/2070の各Superなエディションが7月9日22時に発売なので、Radeonはそれに合わせて発売直前に値下げを発表したのだとか。

 

新RyzenとRadeonのベンチマーク各種

新Ryzenベンチマーク

グラフ全部はパクらず1枚だけ拝借しているので詳しくはリンク先にて。 

RyzenとCore i9ベンチマーク対決

source:Ryzen 9 3900X/Ryzen 7 3700Xレビュー - PC Watch

何か間違えているのかと思えるRyzen 9 3900Xのマルチコア圧勝。CPU性能の比較がわかりやすいCINEBENCHの図。

青はインテルのCore i9-9900Kで、この手のベンチマークあるあるが格下の競合製品と比較してナニソレ?になるものが、i9-9900Kが格下扱いになってしまうという新Ryzenの凄さ。

i9-9900Kよりもコア/スレッド数の多いRyzen 9 3900Xが勝てるのはわかる、しかしインテル側のスコア4,600に対しRyzen 9の7,300は異様。というのが、通常はコア/スレ数が1.5倍でもスコアはそこまで行かないが、このスコアは1.59倍。

他のグラフでもCPUのマルチスレッドが有効ならばだいたいこのような圧勝さ加減で、あまり有効ではない場合は時々Core i9が勝つ感じなので、マルチスレッドが必要ならばAMDの時代か。

もう1つ、ITmediaからも。 

RyzenとCore i9ベンチマーク対決2

source:Ryzen 9 3900X Ryzen 7 3700Xをテスト (2/3) - ITmedia

Ryzという略し方は初めて見た。

こちらもCPU性能の比較がわかりやすいSandraベンチで、タイトル右端のMTはマルチスレッドの略、このグラフの下に1T(シングルスレッド)がございます。

マルチではやはりコア/スレ数の多いRyz9 3900Xの圧勝、どころかRyz7 3700XがCore i9-9900Kと同等とか、凄すぎてこのCPU何に使うのか用途がわからない。

私が何を言っているのか私にもわからなくなって来たので、主な仕様をリスト形式にて。

  • Core i9-9900K(3.6-5.0GHz、8コア/16スレ、16MB、95W)
  • Ryzen 9 3900X(3.8-4.6GHz、12コア/24スレ、70MB、105W)
  • Ryzen 9 3700X(3.6-4.4GHz、8コア/16スレ、36MB、65W) 

シングルスレッドならば最大5.0GHz出るCore i9が勝つは当然、マルチになると最大24スレッドのRyzen 9が有利、更にi9と同じ8C/16TなRyzen 7でもマルチならi9と同等、または勝ててしまうという。

価格は税込で上からおおよそ、6.5万、5.7万(価格コム最安)、4.3万。マルチスレッド重視ならば発売直後でもRyzen 7のコスパが良く、価格がこなれて来る頃にはRyzen 9がi9-9900Kと同じくらいの値段となり、i9-9900K値下げするしかなくなりそう。

しないならばAMDシェア広がるでしょうな。自作PC市場では。

Radeon RX 5700/XTベンチ

グラボ編。グラフ2枚拝借。 

Radeon VS RTX Superベンチマーク

source:Radeon RX 5700 XTのライバルとの差は? - PC Watch

総合ではRadeon RX 5700 XTがGeForce 2060 Superと同等、グラフィック性能でも同じくらい。CPUテストはどうでも良いのでスルー。

と言いたいけれど、2060 Superと同等なのはこのグラフがそうなだけで、他のベンチ比較では5700 XTが2700 Superと同等なものが割と多い。

ベンチマーク対決もう1枚

というわけで位置づけは、5700=<2060 Super<5700 XT=<2070 Superのようになるのだと思う。

これを書いている現在、Superシリーズの価格がまだ出ていないのでコスパがどうなるのかは不明ながら、海外の情報によるとこう。

5700が350ドル(国内価格4万5900円)、5700XTが400ドル(国内価格:5万1300円)

source:AMD Radeon 5700&5700XTレビュー | ギズモード

400ドルから500ドル

source:Nvidia RTX 2060/2070 Super レビュー | ギズモード

5700 XTは2070 Superより100ドル安い。

では終わらないのがNVIDIA製品で、通称ASK税という代理店の1ドル換算はだいたい160円くらいなので、Superの2060は6.4万、2070は8.0万円くらい、になるのだろうか。

もし当たっているか近いくらいの価格ならばSuperお披露目の7月9日の夜は文字通り通夜になるのでは。ドスパラが22時の夜販売するらしいので続報は「2070 Super ドスパラ」でGoogle検索するとニュースとして出るはず。

そう考えるとRadeonはASK経由していないのだろうか。ASK関税かかると350ドルなら5.6万、400ドルは6.4万円くらいになるはず。


公開前追記:どう見てもお通夜です本当にありがとうございました。

Super解禁が通夜

source:本日の主役はNVIDIA。GeForce RTX 2060 Super/RTX 2070 Superが22時より販売開始 - エルミタージュ秋葉原

左の店員が下向いて笑っているように見えるのは気のせいか。

Superの最安な玄人志向は2060が5万、2070が6.6万。さすがに無理があるとしてASKが税率下げたのか1ドル125~132円換算。

さらなる値下がり待ったなし。


ベンチもう1つ、ASCIIより。こちらは5700無印とXTの比較。

Gen 3と4のベンチマーク比較

source:ASCII.jp:Radeon RX 5700シリーズを徹底検証 (3/9)

プラスしてPCI-Express 3.0と4.0の比較もされており、3も4もそう変わらないことが普通に判明。確か2.0と3.0の違いもほぼ無かったと記憶しており、グラボ側が追い付いていないのか。

以上、勉強になった。私が。

実はRyzenの性能にも、AMDとNVIDIAいずれのグラボにも興味がないため、ネタにでもしなければ性能を覚えられない。

 

新製品は完成品のBTOパソコンより自作向け?

理由は簡単、マザーが高い。ASRock先生でさえこれ。

低価格なエントリーモデル「X570 Pro4」も同時に発売。税別店頭予想価格は順に、26,980円前後、19,400円前後、31,800円前後、20,980円前後の見込み。

source:ASRock、第3世代Ryzen向けX570搭載マザー7製品 - PC Watch

ASUSはもっと高い。

なぜ自作向けかと言うと、X570もSocket AM4なので旧製品となるX470マザーボードでもBIOSアップデートすれば新Ryzenが搭載可能になる仕様。

インテルは逆にSocket同じでもマザー流用できないよう仕込む、あれと逆なので新機能が使えなくても良いならマザーは買い換えなくても良いという、インテル入ってる人には考えられないウルトラCが可能。

具体的にはCore i9-9900Kと同価格帯かつ超える性能を持つRyzen 9 3900Xが自作ならばCPU代のみ、6万円くらいで搭載できるに対して完成品PCはやたら高額な(とはいえX470も高価だった)カネを積まねばならず。

しかも新RyzenとX570マザーによる最大と思われる特徴はPCIeが3から4へと移行しているものの、今のところGen4を活かせる何かは超爆速SSDを搭載するくらいなので、体感で差がよくわからないモノ用に高額なマザーは必要なのか。

自作ユーザならばGen 4を活かせるよう、今回の散財が回復するまで待ちSSDを後のせできるところ、完成品はCPUとマザー購入と同時に対応SSDまで載せることとなり、そうなるとBTOメーカーはバランスを取るものなので、要らなくともグラボまで搭載すると思われ更に高額化。

というわけで、新Ryzenは自作、またはサイコムのようなカスタマイズ前提な組立代行BTO、もしくはカネに糸目は特につけないセレブ向けと感じております。

また、バランスとして注意したいところはRadeon 5700/同XTの性能はGeForceでいうミドルレンジな2060 Superか2070無印クラスなので、CPUに6万出してもオーバースペック、Ryzen 9 3900XならばグラボはRTX 2080 Tiくらいでなければもったいない。

ここをどう上手くバランスを考えて標準構成するかがBTOメーカーの知識の見せどころ。しかし本当にRyzen 9とRTX 2080 Tiとかやると、それはそれで組合せとして美しくないと考えるのは私が自作ユーザだからか。

私がどうしてもRadeon RX 5700またはXTを使うならばCPUはRyzen 5 3600にする。それが正しいかは別としても、このくらいのバランス感覚がなければAMD製品を選ぶのは難しく、わかっていないBTOメーカーならばRyzen 7、ならまだしも9載せそうと思った。

今回の上位CPUは確かに高性能ながら、今回の新グラボは中程度の性能なのでご注意あれ。どうしてもRyzenというかAMD構成にしたいならば自作する知識を得て組み立ててしまった方が良いとも。

自作の何が難しいかは組立ではなく、数あるCPUやグラボの中からどう組み合わせるかであり、X570マザー + Ryzenどれか + Radeon RX 5700かXT、のように組合せ決まっているなら何も難しくはございません。

組立はYouTube検索し、見てマネてどうぞ。CPUのグリス塗り、ケースとマザーの接続、ここだけは自作できる人に見てもらった方が良い程度。

※グリスは多くても少なくてもダメ、マザーとケースの接続はマザーとケースにより違うため、全く同じケースとマザーを接続している動画がなければ難しい。

それが厳しいと思うならBTOパソコンおすすめ。よくわからないならインテルとGeForce入れましょう。

コメント(3)

下位2つは中身が旧モデルと同じリネーム品ですから、買うならR5 3600からですかね。逆に値下がりした旧モデルを買う手も。

>Radeon RX 5700/XTベンチ
前モデルのRX 590が2万円強くらい、RX 5700が5万円くらいですから、スコア差が2倍なら順当。私的に乗り換えるなら、1.5万円前後からあるRX 570あたりを狙っています。

>BIOSアップデートすれば新Ryzenが搭載可能になる仕様
ただし廉価版のマザボはアップデートしても上位モデルは搭載不可な場合が多いですから、ハイエンドのCPUを使うならマザボはなるべく上位モデルを選んでおいた方が良いです。

>AM4なので旧製品となるX470マザーボードでもBIOSアップデート
私の持っている変態先生のB350マザー(最初のAM4世代)でもBIOSアップすれば3900Xでも大丈夫なようです。(3950Xは記載なし。未販売のため?)
従ってチップセット自体は対応しているようなんで、マザーメーカーのやる気があるなら、たいがいのAM4マザーは大丈夫でしょう。
Intel様と違って「物理的に、はまれば使える」というのがAMDユーザーには毎度の事ながら有り難い話です。
予算不足のため、私は逝けませんが。

>PCI-Express 3.0と4.0
はっきり言ってどうでもいい話です。

AMDの次世代GPU「Radeon RX 5700」シリーズはNVIDIA陣営にくさびを打ち込めたのか - ITmedia PC USER
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1907/11/news058.html
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BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

高性能: ★★★★★ 保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安定: ★★★

初心者: ★★★★

性能とパーツの相場がある程度わかる人なら標準構成が多いのでコスパ重視で選びやすい。同じに見える同じ価格でも仕様の違いがどうなのか判る人には最適。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

10年以上前まではDELL=初心者向けの安いパソコン、それはもう通用しておりません。クーポン適用後が適正価格だと見抜けるパソコン詳しい人向け、または大人買いで割安になる法人向け。

日本HP

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★

初心者: ★★★☆☆

コスパと性能以外にも見た目も重視したいならHPのノートも選択肢としてアリ。自社製造状態なのでBTO=ダサい印象は払拭されるかと。デスクトップは法人用、ゲーミングは海外向き。

ツクモ

高性能: ★★★★★ 保証: ☆☆

コスパ: ★★★★ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

昔のマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。機種が少なく特徴的な少数精鋭状態なので選べる人を選ぶ。ヤマダ電機の一部、または自作PCのパーツ屋さん。

フロンティア

高性能: ★★★☆☆ 保証: ☆☆☆

コスパ: ★★★★ 安定: ☆☆☆

初心者: ★★★☆☆

フロンティア神代の解散後、現所長のパワハラがひどいとタレコミが複数あり、私から内情を運営会社へ伝えると逆ギレされて私を訴えるぞと謎すぎる返しがあり困惑中。

サイコム

高性能: ★★★★★ 保証: ★★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★★

初心者: ☆☆☆☆☆

PC自作したくない中~上級者向け、昔ながらの2chおっさん御用達な鉄板メーカー。動かない構成でも購入できるので初心者にはおすすめ不能。量産系BTOのようにコスパ悪くならないのでサイコムだけは自由なカスタマイズを激しくおすすめ。


※ドスパラはパーツの偽装疑いを誤魔化したり取引先を勝手に切る信頼性暴落した事件があり掲載中止(2020.11.26)

※マウスコンピューターは高いぞと書きまくったからか遠回しにリンク削除しろと言って来たので削除(2021.03.28)

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結果として宣伝になっていますが依頼されたわけでは無く、依頼されてもやりません。

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