インテルのCPU、Skylakeの不具合情報。
CPUの中身や性能などの話では無く、物理的に基盤部分が曲がってしまう事が有るそうな。とは言え、インテル純正おまけクーラーでは高負荷時の温度上昇が不安なところ、どうしたものか。
BTOパソコンも無関係ではございません。
Skylakeは基板が薄くクーラーの圧力で曲がる可能性
海外記事の日本語版まとめ。
Skylakeがサードパーティ製CPUクーラーで損傷する危険性 - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20151207-intel-skylake-broken-cpu-cooler/
source:Skylake: Kühler können Sockel-1151-CPUs beschädigen
歪んでおります。もっと分かり易いやつ。
source:Skylake are bending under the pressure of some coolers - PC Gamer
曲げすぎワロタというやつですな。いや、笑えないけれど。
何故こうなるかは、おそらく基板が薄い為との事。
source:Core i7-6700Kの殻割りでTIMを確認し殻割りの意義をチェック - PC Watch
本文によると、Core i7-4770K(Skylakeでは無い方)は約1.1mmに対し、Core i7-6700K(Skylake)は約0.8mmらしいので7割ほどの厚み。部品の都合なのかコストカットなのか、前者と信じましょうか。
ちなみにSkylakeもTIM、次世代ポリマーとかいうダブルグリスサンドになる仕様で有り、溶接の厚みなどではございません。
この件は海外の話で、ドイツは荷物を投げまくるのでこうなったのでは無かろうかという話も有るけれど、日本でも曲がってしまった人が存在。
source:やさしくしてね | nana1451@たぶん日記 - 楽天ブログ
左はi7-6700T、右は6700Kで右のK付が曲がっております。基板の厚みは同じなので、Skylake全般で起こり得る現象なのでしょう。
ちなみにCPUの基板のみならず、マザー側のピンも曲がる御様子。
写真が上下逆なら矢印が指し示す部分はソケット内のケース上側。ネジを締め過ぎたか、デカいクーラーを搭載し上下に振動させたか。CPU基板の厚みは関係無い気がしたけれど、薄いので湾曲しピンを押し込んでしまったのでしょう。
以上、Skylakeで自作する人はネジの締め過ぎや、重過ぎる変態クーラーを積んでいるなら移動の際は御注意有れ。
なぜ基板やピンが曲がるのか自作しない人用に解説
CPUをマザーボードから外した状態。「こちらが下」はケース底面の方向を指しております。
source:XeonとASRock先生のZ97とSSDで自作PCを組み立て - BTOパソコン.jp
分かり難いけれど、裏返しているCPUには金色のグリッドと呼ばれる平面の接触面が千個少々有り、マザーボード側は短い針のような突起が同じくらいの数突き立っております。
Skylakeは従来のCPUより緑色の基盤部分が薄く曲がり易く、押し付ける事によりその基板が曲がり、マザー側の針のような突起が曲がり寝てしまう可能性が有るわけですな。
ちなみにこの針のような部分は一度寝ると起こすのは凄く困難、というか不可能に近いと思う。修理現場で一度見た。Socket478用のCPUのピンを戻すより256倍くらい難しいレベル。
CPUをセットしフタを閉め、クーラーを載せた状態。
これはPCケース左のサイドパネルを開き、斜め上から中身を見ている感じ。奥にマザーボード、手前はサイドフローのクーラー、見えないけれど間にCPUが挟まっております。
クーラーの留め具は主に2種類で、下の画像の3本見えている足の先端部分の違い。クーラーマスターの製品ページが消えているのでリンクは省略。
左はインテル純正クーラーでも採用しているプッシュピンというやつで、上から押し込むと下の突起がマザーの穴の裏で開き固定される仕組。
右は重量の有る大型クーラーや水冷で採用されるネジ式で、マザーボード裏でバックプレートという金具にてネジ締めでの固定方法。
今度はケース正面からのイメージで。画像はドスパラから拝借、勝手に編集しており失礼。
source:http://www.dospara.co.jp/monotech/news/6405.html
右がマザーボード側で、小さな矢印の右辺りにCPUが有ると想像を。
ヒートシンクが重い場合、大きな矢印のような力が掛かる、という事はテコの原理で赤小矢印方向へCPUが押し付けられ、上部はオレンジ小矢印方向へ浮いてしまう力が掛かる。実際には浮かないだろうけれど。
ピンの留め方関わらず、ヒートシンク全体が重いならば支障として有り得る力の掛かり方。上下に揺らすとマズい=移動時にマザー側のピンが押されてしまうわけですな。
もう一つはクーラー固定がネジ式の場合。
ピンなら四隅で一定の力が均等に掛かるところ、ネジの場合は力加減は取り付けた人間次第、電動ドライバーならトルク次第だけれども調整はやはり人間。締め過ぎると締めるに比例しSkylakeの薄い基板を曲げてしまう可能性が上昇。
私が知らないだけかも知れないけれど、CPUクーラーの取付マニュアルにトルクの上限(電動ドライバーの力加減)の数値など書かれていないはずなので、心で感じるしか無さそう。
締め過ぎると全体的に基板を圧迫し、逆に緩すぎると上下の振動に弱くなってしまうので危険。
BTOパソコンでもSkylake+大型クーラーは存在(まとめ)
サイコムが分かり易いので例として。青い行2箇所をご覧有れ。
i7-6600Kと大きめなクーラー虎徹が普通に組合せ可能。
虎徹の重量は480gなのでカスタム用クーラーとしてはやや重い程度だけれども、高さが16cmくらい有るらしいので縦置きした際の下方向へ掛かる力は大きめになるはず。※幅16cm以上のケースはほぼ自作用と言えるほど太い
サイコムから送られて来る際にヤバいかと言えばそうは思わない。サイコムに限らず、メーカーがデスクトップPCを発送する際、梱包時は必ず横置きになっているので縦で上下に振るような力は加わらない。佐川急便は除く。
なぜ完成品のパソコンを立てて送らないかは単純な理由で、左右逆方向(通常は向かって左)へ倒されてしまうとCPUクーラーが宙吊りとなり、クーラーがプッシュピンの場合は足が折れてケース内でクーラーが1個にも関わらずジェットストリーム・アタックを繰り広げる可能性が有る為。これも修理品で一度見た。
虎徹くらいならまだ良いとしても、500gを余裕で超えるような超デカいクーラーや、ネジを締め過ぎた場合はまずいかも。
メーカーは安全に軽く小さめなCPUクーラーに限定した方が良いかも知れない。サイコムに限らず、量産系でも大きめなクーラーへのカスタマイズは存在する為、Skylakeでカスタマイズするなら気に留めておきましょう。
Skylakeの見分け方は、Core iシリーズなら6千番台、PentiumはG4千番台、CeleronはG3千番台。多分。というか、2015年12月現在ならメモリがDDR4とかPC4~とか付いているならSkyrakeのはず。
Skylake搭載PCをメーカー修理する際に注意する事
梱包時はマザーボード側(通常は向かって右)へ倒した状態、かつ箱の中でPC本体が横揺れしないよう緩衝材を詰めましょう。但し、佐川急便は(もういい
もう1点、もしマザーボードの故障などでCPUを外す作業になるような場合、メーカー側が今回の件を知らずに客側の過失としてCPU代を物損として見積もって来たなら、GIGAZINEの記事とかを提示しつつCPUやクーラーには触れていない事を説明しましょう。
メーカー側がこんな情報を知らないわけが無いとは思わない方がよろしい、その理由は、修理作業担当者の誰もがPCマニアなわけでは無く、現場へ周知されていない可能性が有り、パートのオバちゃんからコールセンターの派遣社員へ見積りが行く可能性が無いとは言えない。
ポイントはCPUなどに触れていないと言える事なので、グリスを勝手に塗り直したりは量産系ではやめておいた方が無難でしょうな。
グリス塗り直しが出来るくらいなら、その時点で自作PC組立出来るはずなので、そういう人はとっとと改造してしまえば良いとも思った。
なぜ完成品のパソコンを立てて送らないかは単純な理由で
おぉ、そうなんや・・・。
ワイ引越し軽トラに立てたまま積んではしったわ。(簡易水冷やけど大事情報ありがとなす
インテル系はあまり組んだ事が無いので良くワカランのですが、ピンの強度とソケット側の少しばかりの出っ張りでCPUを支えてるんですかね。
そうすると、AMD式(インテルも昔は同じ)のソケットのほうがこの面では安全と言う事ですか。
クーラー外す時、CPUスッポンの恐れはありますが。
CPUクーラーのネジを締めすぎてマザーボードが曲がる現象は、自作あるある。酷いとクラック(割れ)まで行きます。
従来品ならスサノヲなんぞ取り付けても問題なかったものが、厚みが3割ほど減ると大型のヒートシンク如きで曲がるのですか。i7でやれとは言いませんから、安いCeleronの従来モデルとSkylakeモデルで、基板の曲げ強度でも測ってみたら良いだけの話なのでは。
株式会社サイズ | 商品詳細 |スサノヲCPUクーラー
http://www.scythe.co.jp/cooler/susanoo.html
>基板が薄い為
この件に関してコメントしたい事は山ほどあれど、身バレしないでいる自信が無いのであえてだんまりします...。
CPUの基板の縁(ふち)の数mmで支えているはず。そう思うと無茶ですな。
LGAマザーはピンの頃とは違いスッポン防止と思われるカバーが付いてはいるものの、ピンでは無いのだからスッポンしても問題無し。今度は逆に押し付ける力が問題になってしまったという、何か中学生でも解りそうな耐久性問題。
LGAのマザー(ソケット)側のピン強度は弱くはございません。しかしそれが難点で、弱くは無いのでピンが寝転がると起こすのは至難。ピン起こす10倍くらい難しいと思う。
※他の人へ:スッポンとは・・・サーマルグリスはモノにより1年程度で固まってしまい硬化ベークライト状態になる為、クーラーを真上方向へ外そうとすると、CPU側にピンの有るAMDや昔のインテルCPU(LGAでは無くSocket時代)はリテンションバーを無視してヒートシンクとシンクロしCPUがスッポンと外れてしまうという意味。