MM総研が2019年度通期の出荷台数などを発表。
普段はパソコンとモバイルで分けていた気がするけれど、長期休載していたところ3種類とも出揃っていたのでまとめて1記事。国内のデータはMM総研が一番正確と見ており信頼性はかなり高め。
適当に見て参りましょう。
パソコン出荷台数は前年比3割増で日本HP2位へ
source:2019年度 国内パソコン出荷概要 | 株式会社MM総研
2018年(上・左)のHPと富士通入れ替わっていないか?と思えば当たりで、下・右の2018年が元のシェア。
source:2018年度 国内パソコン出荷概要 | 株式会社MM総研
下の図の2018年度を2019年度の2018年度に不透明度を下げて重ねてみるとピタリと合うので文字を入れ間違えたのか。冒頭でMM総研は一番正確とか信頼性高いと書いた、その出鼻をくじかれるスタイル。
話を戻し、2019年度は富士通が部品調達上手く行かなかったとかでシェアを落とし、逆に法人絶好調で売上が前年比1.5倍くらいになった日本HPが大勝利しており、DELL据え置きで、HPと富士通入れ替わった歴史的瞬間。
- 出荷台数 1,530万4,000台 前年度比 29.3%増
- 出荷金額 1兆4,181億円 前年度比 30.7%増
久々の1500万台オーバーは、パソコンがまだ売れまくっていた2011年頃に匹敵する出荷台数で、逆に悪い時は約1千万台まで落ちたこともあるので、その頃と比較すると1.5倍も出まくったという。
要因はもちろんWindows 7終了による特需で、その特需期間は2018年10月から2020年1月まで15ヶ月間も続いておりました。※ソースはJEITA統計
20年度は新型コロナ影響の一方で、「GIGAスクール」で600万台の需要喚起見込まれ 11.7%減の1351.1万台と予想
子どもら向けで600万台はデカいですな。
仮に特需の反動で2020年代の一般と法人向けが合わせて1千万台行かなかったとしても、+600万台で1500万台を狙えてしまうという巨大な要因。
見どころは、MM総研は600万代の需要喚起が見込まれるとしているにも関わらず11.7%減の1351.1万台と予想しているところで、仮に350万台が年内に導入されたとすると1千万台まで落ちると見ていること。
なぜ350万台としたかは、MM総研調べの2015-2017年の3年間はいずれも約1010万台と低迷していたため、そこまで落ちる+350万台なのだろうと。
マズいのはJEITAで、NECや富士通などJEITA統計に参加している企業がGIGAスクール構想で採用されるなら良いけれど、不参加なDELLやHPが伸びれば伸びるほどJEITA置いてけぼり。
まあ彼らは数字を出すことが仕事。市場を本気で見ていないだろうし影響力も知れているとあきらめている印象があるのでどうでも良いのでしょう。困るのはJEITA統計見ても先が読めなくなる私くらいか。
再び話を戻し。
個人向けが前年度比21.5%増の433.1万台、法人向けが32.7%増の1097.3万台で、個人市場が台数で増加したのは2011年度以来
パソコンの行き先は法人72%、個人28%。この約7:3はここ10年同じ。
2011年は2012年まで(私が勝手に)PCバブルと称している、まだパソコン売れまくっていた時代の頃で、2013-2014年はXP終了特需、2015-2017年はPC氷河期、2018-2019年は7終了特需、なので個人向けの2019年はPCバブル並に売れた、と。
2位の日本HPは出荷台数で前年度比50%増と大幅な成長を遂げ、DELLも2番目に高い伸び率
法人で荒稼ぎしたという例の話ですな。
上半期(4-9月期)の伸び率は1995年度の調査開始以来、上、下を通じて半期単位で過去最高の伸び率となった。
MM総研、いつから1月ではなく4月起算になったのか。グラフの表記ミスと言い、担当が変わったとか?
2020年度のパソコン需要は(中略)通期で前年度比27.5%減の1,110万台程度と予想していた。(中略)「GIGAスクール構想」推進で、2020年度分特需が約240万台分増加
私の予想から約100万台ずれていた。
予想1351万台の前年比1割少々割れは良いとして、それはGIGAスクール構想で採用されたメーカーにだけの恩恵。
クソ高いだけになってしまったdynabookやVAIOに目は無いだろうし、エプソンダイレクトが今から乗ろうとしても遅いだろうし、法人に弱いパソコン工房、ドスパラ、ツクモ、フロンティアなども蚊帳の外になりそう。
GIGA~構想にはMicrosoftが先手を打っているほか、NEC、富士通、DELL、HP、もしかするとLenovoとマウス、ダークホースはAppleといったところか。いや、AppleはOS問題的に無いか。
スマホ出荷台数は前年比1割減でApple押され気味
source:2019年度通期 国内携帯電話端末出荷概況 | 株式会社MM総研
サブタイトルと概要の一行目より。
2000年度以降で過去最少、新料金プランと年度末の新型コロナの影響大きく
2019年度通期総出荷台数は前年度比9.6%減の3,125.4万台で過去最少
新料金プランとコロナは関係あるのか?
それよりも、AppleがiPhone 8のリネームかつ廉価版とも言えそうなデカいSEを出してしまったり、Huaweiへの米国お仕置き(Googleアプリ使えなくなる)ショックによるヘビーユーザの不安、中古端末が盛り上がっていたことの方がデカそうな気がするのだけれども。
SIMフリースマートフォン出荷台数は0.5%増の301万台となり、スマートフォン出荷台数に占めるSIMフリー比率(10.5%)は過去最高
要するに3大キャリアでは買わない率が1割に達したという意味で、9割は縛り付きでも大歓迎な変態仕様は個人的に意味がわからなすぎる。
余談ながら、一人だけ高齢者(私)が混ざる高校生グループの1人がiPhone SEを買ったと自慢しており、前の機種何だっけ?と聞くと7と返されアホかと思った。まあ新しいiPhneはマウント取りやすいのでしょう。
シェアはAppleがやや落としており、2018年度は50%をわずかに切れる49%くらいが今回のグラフでは大きめに割れているものの1位。
次いでシャープはよくわからないけれど、3位の韓国企業はドコモがしきりにGalaxy(SAMSUNGとは言っていない)でCMしこたま垂れ流した影響でしょうな。Xperiaがんばれ超がんばれ。
2020年度スマートフォン出荷台数は2,410万台、うち5Gは396万台(16.4%)と予測(中略)
2020年度総出荷台数は2,691万台(前年度比13.9%減)で2019年度から300万台以上減少して2000年度以降での過去最少を更新、そのうちスマートフォン出荷台数は2,410万台(14.0%減)と予測する。
スマホが普及して来た中での過去最低に加え、過去20年でも最低と予想。
5G率16.4%の根拠がよくわからないものの、5G対応の新製品が16%くらい混ざって売れる的な予想と見ており、5G目当てにその機種選ぶ人が増える的な意味ではないはず。
まだ楽天並に5Gの範囲は狭すぎるのだから。
タブレット出荷台数は前年比1割減で過去7年で最低
source:2019年度国内タブレット端末出荷概況 | 株式会社MM総研
タイトルとサブタイトル入れ替わっているので勝手に訂正。
そのサブタイトル+概要1行目を引用。
2013年度以降で最少の707万台
2019年度通期タブレット端末出荷台数は707万台(前年度比10.4%減)で、携帯キャリア各社がタブレットの扱いに消極姿勢を見せたことが響いた
スマホにしても過去最低祭りがひどいですな。そしてコロナのせいにできる言い訳も簡単で楽しそう。
タブレットは2~3年前には欲しい人には行き渡った感があり、これから買う人は旧型すぎるので買い換えるとか、手持ちのモノよりもっと良いFireタブレットが出たので買い換えるとか、買い替え需要と憶測。
私のように、タブレット入手->使わない->もう一枚衝動買い->やはり使わない、こういう人は二度とタブレット買わないだろうし、一度購入してスマホより不便だと気づいた人も二度と買わないでしょう。
GIGAスクール構想による学校の高速通信ネットワーク環境としてローカル5Gも検討されており、今後の文教市場においてICTの重要度が増すことが確実視される。
MM総研は何かしきりに5G5Gと言っているけれど、スマホはまだしもタブレットに5Gはあまり関係ないのでは。
MM総研では2020年度のタブレット出荷台数を前年度比11.7%増の790万台と見込む。
というわけで、5GやGIGA~構想に酔いしれているMM総研の予想は外れると見ており、個人的には更に前年(2019年度)比マイナス、700万台割ると妄想。
ところで引用の「ローカル5G」とは何なのだろうか。
学校の屋上にドコモなどが5G対応基地局を設置するとかそういう意味なのか?ローカルということは学校関係者以外使えないキャリア回線?ならば割と意味がわからない。
どの端末も成長急落成熟パターンへ
例のグラフを。
source:製品ライフサイクル - Wikipedia
青のAが台数、赤のBが利益率。
現在の様子から見るにBTOメーカーは3と4の間にある縦の線あたりで、NECや富士通などは人件費や広告費の高さから過去すでに右端に到達したと思われ実質撤退。東芝(dynabook)身売りは別の理由による撤退と思われ。
そしていつかはこうなる。
パソコンはすでになっているという図がこちら。JEITAなので国内PC出荷の一部ではあるけれど、相対的なデータなので問題ないはず。
盛り上がっている部分はサポート終了特需が2度あっただけで、2015-2017年度のように底が700万台で推移しているのが1つ上の図(1)の流れ。
スマホやタブレットもいつかはこうなるという根拠は、パソコンももうどう進化すれば良いのか迷走に入り、4Kやそれ以上の解像度とか画面をタッチ操作など需要が無かろうととりあえず何か出してしまう無鉄砲なスタイル。
スマホもやたらとカメラの機能ばかり上げたり、画面を折りたためる試みも、需要が無かろうと出してみるスタイルはパソコンと同じ。
唯一ブレないのはタブレット、と言いたいものの、カメラ強化するほどタブレットがモバイル用途とも言えないし、折り曲げても無意味に高額化するだけで、解像度上げても意味は無いし、本格的にやることが無いだけかと。
パソコンの世帯所有率の天井は7割くらい、スマホは個人所有率今7割くらい、タブレットは世帯5割行かず打ち止めな模様。※総務省調べ
現状の流れでマズいと感じることは、普通は売れるモノは廉価版や汎用品を出して値下げ合戦へ入るところ、無駄に機能や性能を盛り情弱をハメて利益を得る方向性。
そこで今、「うちのパソコン他社より全然安いぞ」としてAMDまみれにして、粗利率より粗利総額勝負で他メーカーを出し抜くべきだと思うのだけれども、コロナ頃から単価が高まる一方で萎える。
>日本HP
CMでも「リモートワークなら世界でいちばん安全なHPのPC」と大口を叩いていましたし、2020年度の前半も成長は続いていそう。なお、何が安全なのかCMではさっぱり分かりませんでした(虫眼鏡を使えば読める程度の小さな文字で3秒くらいなにか注意書きが表示された気がする)。
>Huawei
低価格なAndroidタブレットは80%くらいHuawei製ですから、Google Playが使えなくなるとけっこう痛いのですよね。社用でも私用でもHuaweiのタブレットを使っている身としては、いつかGoogle Playアプリが動かくなるのではなかろうか、と戦々恐々。
>スマホはまだしもタブレットに5Gはあまり関係ないのでは。
ためしにLINEのビデオ通話を外出自粛中に試してみましたが、いわゆる格安SIMの4Gでもまったく安定して通話できましたよ。映像の遅延や途切れなど無し。時間帯は13~20時の間に20~30分ほどを10回くらい。なおSIMはDMMモバイル(現 楽天モバイル)。
>ローカル5G
自宅の無線環境をWi-Fiから5Gに、でしょうか。光回線が不要になるなら引き込み工事も不要ですし、携帯料金と回線料金を別々に支払う必要もなくなりますし、帰宅したらスマホのWi-FiをOで外出時はOFF(Wi-Fiを探し続けるから電池消費が増えるため)の切り替えが不要とか、もろもろ楽になるため便利といえば便利。