4Kディスプレイの価格やゲーム用の条件(2015年6月)

2015年6月11日

4K解像度モニタ普及への途中経過。

パソコン用の4Kは、UHDと呼ばれる3840x2160の横約4千ピクセルを指しており、現在主流のフルHD1920x1080の縦横2倍、面積は4倍となる超高解像度な液晶パネル仕様のディスプレイ。

値下がって来たので適当に見て参りましょう。

4Kディスプレイの価格やゲーム用の条件など

価格は最安で約5万円まで値下がり

4Kモニタ価格の安い順

source:価格.com - 液晶ディスプレイ スペック検索

最安はDELL製品の約24型が5万円を切っております。

パネルがTNだとか60Hzに対応していないわけでは無く、視野角上下180度のIPS液晶、DP接続なら60Hzにも対応しており、少し前まではこの性能なら10万円は軽く越えていたかと。

最安から10件中で人気ランキング20位以内に入っている製品はDELLの2機種のみ。4Kモニタが必要と感じる人は価格重視では無さそう、イコールまだ一般向けとは言えなさそう。

人気の機種は40型のフィリップス製品

4Kモニタの人気順

4K内の1番人気は何故かPC用モニタなのに40型というデカい液晶。

満足度4.23は高い方と感じるけれど、レビューを読むと詳細では星の数が1とか3など低めなところ、満足度は5という良く分からない評価が多め。

何故かはこの価格やサイズに対してならば、現状の4Kモニタの中ではというコスパや相対的に見た場合の満足度と思われ、ピンポイントで4Kモニタとして凄いという高評価では無し。

40型なら20型モニタ4倍弱。弱とはベゼル、液晶の枠のサイズは省略されるのでやや小さいものの、40型を1m無い距離で見て作業効率が良いかは疑問。3mくらい離れて映画でも見るなら有りとは思うけれど。

激重ゲームで4Kは13万円級グラボでもきつい

4KゲームをTitan Xで

source:4Kゲーミング用グラボの決定版GTX TITAN Xレビュー - 週アスPLUS

Titan Xは、2015年6月現在も大きな値下がりは無く12~15万円。

そのXでさえアサシンクリードというクソ重いゲームになると4K表示は厳しいようで、20fpsまで低下すると私でもコマ落ちを体感出来るレベル。

GTX 980などと比較すると確かにXは凄い。しかし、4K対応ゲームと10万超えグラボで対決すると負けてしまう事もまだ有るという現状。

一般用途で4Kは超高解像度がアダになる

4Kのブラウザ表示

source:31.5型4Kの高精細:FlexScan EV3237レビュー (1/3) - ITmedia PC USER

31.5型4Kは、15.75型フルHDを4枚並べた感じの表示へ。

30型オーバーのモニタでも文字や画像が1/4となり、16型フルHDモニタで映る大きさは普段使いとしては厳しい。

ならば4倍近くに拡大すれば良いだろうと思うかも知れない。しかし、そうなると普通のフルHDで良いわけで4Kの意味が薄れる。

4Kの何が凄いかは写真や動画、4K対応ゲームのような画像が精細に表示される点が特長。パソコンの作業領域が広くなるなら表示が小さくなるわけで、拡大すると意味が無くなり、モニタを大きくすると目からの距離問題が出てしまう。

パソコン側はDisplay Port出力が必須?

S277HKwmidpp

source:4K/60fpsでもサクサク動く「Acer S277HKwmidpp」レビュー - GIGAZINE

フルHDまでは特に考える事は無かったけれど、4Kで60fps(60Hz)表示するならDP1.2というDisplay Portの上位版、またはApple製品で採用の多いThunderbolt 2という同名の上位版が必要。Thunderbolt対応グラボは現在まだ無い為、Windows PCなら選択肢はDPのみ。

私のように30fpsも60も良く分からない、動画で見てもどちらが60か見分けが付かないならHDMIでも良いだろうけれど、判ってしまう人にはやや厳しい条件付。

価格コムのレビューを見ると、30fpsではマウスのポインタを動かすと残像やコマ落ちのような感覚が有るとの事なので、私でも普段見ている60HzフルHDでの動作と比較すると判ってしまうやも知れず。

 

4Kモニタ普及はWindowsでは2020年以降か?(まとめ)

いくら値下がって来たとは言え、4Kモニタ普及がまだ先になると思う原因をいくつか挙げて見ると、

  • 用途僅少
  • 価格がまだ高い
  • DP1.2接続が普及していない
  • ゲームでは10万円超えの高性能グラボが必要
  • 対応するバージョンのWindowsの普及が未来過ぎる

現時点の4K用途は動画の閲覧とゲームくらいでは無かろうかと。価格はフルHDモニタ4枚買うより安い機種も有るけれど、そこまで大画面や高解像度が必要になる使い方が不明。

60Hz対応も増えて来たけれど、今度はパソコン側の映像出力がDisplay Portに対応していなければならず、古めなマザーや安物では今のところ厳しい。当たり前だけれども、DVIやHDMIから変換しても低速な方の最大転送速度になるので無意味。

最たる難点は、Windows 7の利用率が高く、せめて8.1以降のシェアが7を超えなければフルHD主流の時代は終わらないはず。7は既に延長サポートに入っている為、マイクロソフトからの4Kネイティブ対応のアップデートは期待出来ない。

というわけで、高価な割に用途が見当たらず、ユーザ側の接続環境が整っていない現状で4Kはまだまだマニア向けのおもちゃ感。

動画は4Kテレビの方が良いのでは、ゲームの為に15万円級のグラボを買う価値が有るのかと考えると需要の低さには納得出来るところ。

私のような普通の人は、Windows 7の次のWindowsへ移行する時期が来て、必要性を感じたなら、という考え方でよろしいかと。

私が過去、19型4:3モニタから23型16:9へ乗り換えた時は、縦サイズが1024から1080へと56ピクセル増えた程度で違和感無く、横は1280から1920なのでモニタが横へ1.5倍広くなり作業領域が増えて満足。

そこから1/4へドットを小さくされても困るわけで、個人的には手持ちのフルHDモニタ1台を4Kへ無料で交換してくれると言われても断るくらい欲しいと思わない。

やはり4K以上はテレビやプロジェクタ用では無かろうか。

コメント(9)

倍々進化が支持されてきた背景

・WEBでやりたいことがあった
・現状のハードでは厳しい
・WEBの機能追加に追従するため
・さらに快適に

このあたりだと思う。

4Kに関しては
メーカー:「できるからつくりましょうか」
的なけしからなさが滲み出ているため嫌気。

しかもそのとばっちりでPC側のグレードアップまで迫るとは
ほんとうにけしからんぬ。

こう置き換えましょうか。

フラグシップ(試作)→ミドルレンジ(少数生産)→ローエンド(大量生産)

4Kはフラグシップ、フルHD(とその他)はミドルレンジ~ローエンド。

個人的な考え
4K
・出たばかりの規格でパネルの生産技術が安定していない(=コストが高くなる)
・画像フォーマットは出てるけど統一していない(業界によってバラバラ)
・現在ある技術をとにかく盛りまくる(=仕様が決まらない)
・HDMI、DPでの扱いをどうするのか未だに決まってない(=主導権争い)
・Web標準は2K(フルHD)、4Kはテスト段階(8KはNHK、Google様のネタ)
・大画面による作業領域の提案がされてない(メーカーでも使い方が分からない)
・PC側のハードウェアが追いついてない(=オンボレベルは出力だけ可能)

2K(フルHD)
・枯れた規格でパネルの生産技術が安定している(=コストが安くなる)
・画像フォーマットは統一済み(ただしフルHDかどうかは別)
・現在ある技術から必要な物だけ入れられる(=コストが安くなる)
・HDMI、DPともに安定した規格(DVIは将来的に廃止だが機器を用意すれば移行もしやすい)
・ゲーム特化、事務用、プロ用御用達などなど色々なモデルが出ている(=提案しやすい)
・大量生産なのでぶっ壊れても調達しやすい(=故障による財布へのダメージが少ない)

番外編
・保証は長い方がいい(=EIZOを選ぶ理由その1)
・何かあっても代替機を貸してくれる(=EIZOを選ぶ理由その2)
・形が良い意味でも悪い意味でもモニターのままである(=EIZOを選ぶ理由その3)

値段は安く、色ムラが少なく遅延は感じにくく、目が疲れにくく、ってここまで書いたらムチャぶりですな。
EIZOは値段高いけど良い物です(=他社製品だと2台買えます)と言ってみたかっただけです。

>Windows 7の利用率が高く、せめて8.1以降のシェアが7を超えなければフルHD主流の時代は終わらないはず
業務用アプリでは未だにWindowsフォームでの開発が多い時点で…w WPFは標準で高解像度にも対応しているんですけどねw
過去記事で貼ったリンクを再掲w

WPF の基礎知識
http://www.kanazawa-net.ne.jp/~pmansato/wpf/wpf_base.htm#unit
WPF での高 DPI 対応 | grabacr.nét
http://grabacr.net/archives/1105
WPF の概要
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/vstudio/aa970268.aspx#Graphics
>解像度およびデバイスに依存しないグラフィックス。 WPF のグラフィックス システムにおける基本単位は、デバイス非依存ピクセルです。これは、実際の画面解像度に関係なく 1/96 インチであり、解像度およびデバイスに依存しないレンダリングの基礎となります。 デバイスに依存しない各ピクセルは、レンダリング先のシステムの dpi (1 インチあたりのドット数) 設定に合わせて自動的にスケーリングされます。

Windows 8 で解像度に対応すること 【考え方編】 - 高橋 忍のブログ - Site Home - MSDN Blogs
http://blogs.msdn.com/b/shintak/archive/2013/04/19/10412273.aspx
Windows 8 で解像度に対応すること 【横画面実装編】 - 高橋 忍のブログ - Site Home - MSDN Blogs
http://blogs.msdn.com/b/shintak/archive/2013/04/19/10412479.aspx
Windows フォームにおける自動スケーリング
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ms229605(v=vs.110).aspx

マルチ解像度対応アプリ作成の近道 「PlusPak for Windows Forms 7.0J」の魅力に迫る! (1/3):CodeZine
http://codezine.jp/article/detail/7167
「MultiTouch」のズーム機能で、高DPIに最適なWindowsフォームアプリケーションを作成する (1/2):CodeZine
http://codezine.jp/article/detail/7529
Windowsフォームにおけるディスプレイ解像度多様化時代への対応 - Yuya Yamaki’s blog
http://d.hatena.ne.jp/Yamaki/20130319/1363682409

>動画は4Kテレビの方が良いのでは、ゲームの為に15万円級のグラボを買う価値が有るのかと考えると需要の低さには納得出来るところ。
強いて言えば4Kは写真用かなw

再生機器はこれから:YouTubeが8K動画に対応? 投稿と設定が可能に - ITmedia LifeStyle
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1506/11/news072.html
タイムリーな話題w YouTubeに8K動画を投稿できるようになったようですw 私の環境(i7-3770/4GB/GTX660/フルHD×2)では映像は止まるし、音が途切れるw

訂正
×(i7-3770/4GB/GTX660/フルHD×2)
○(i7-3770/16GB/GTX660/フルHD×2)

>EIZOは値段高いけど良い物です
同感ですw 疲れ目軽減のために2台ともEIZOにしましたw 将来はWQHDでトリプルディスプレイをするのが目標ですw

同じ1,920×1,080の解像度であるモニタでも、EIZO製とAcer製では画質が違いますし、同じIIYAMA製のモニタでも、仕様やグレードによって画質には差が出ます。ということは、4Kモニタ=フルHDモニタより表示がキレイ、という事にはならない訳で。

良さ気な仕様でも実物は残念画質、という事態はよくあることですから、PCを使う=モニタを見つめる、である以上、できればモニタは実物を見て決めたいですね。

通販で4Kモニタを買った私が言うのもなんですが。


>価格は最安で約5万円まで値下がり
24型くらいで4Kは目潰しだから止めた方が良いです。経験上。EIZO製なら期待はできるやも。

価格.com - EIZO ColorEdge CG248-4K [23.8インチ ブラック]
http://kakaku.com/item/K0000740392/
最安価格:約26万円、直販価格:27万円


>人気の機種は40型のフィリップス製品
VAパネル、狭縁ベゼル、標準コントラスト比5,000:1と、なかなか良さ気なスペックですね。4Kモニタですから表面処理がグレア(光沢)なのも理にかなっています。40型と大型なのにランキング3位とは、最近のトレンドは大きな机なのでしょうか。

>30fpsではマウスのポインタを動かすと残像やコマ落ちのような感覚が有る
これは確かに。私の環境でもはっきり分かるくらいの差が出ます。ただテレビは30fps、Blu-rayは24~30fps、アニメ辺りは24fpsが標準ですから、映像視聴がメインだと60fpsにわざわざ対応させる効果は薄いとは思いますが。

>現時点の4K用途は動画の閲覧とゲームくらいでは無かろうか
イラスト作成辺りも入りそうですね。あとは「せっかくだから」とか「ネタで」とか「試しに」とか。

>そこまで大画面や高解像度が必要になる使い方が不明

PCハード的には高速バスインタフェースが当たり前になって、今の中上級グラボ性能がオンボードになるくらいまでコストがこなれなければ普及には無理があると思います。ソフト的にはやはりゲームを含む動画くらいしか思い浮かばないですね。私は50型以上の画面いっぱいに広がったExcelのセルとか見たくないですねー。

4Kだの8Kは素晴らしい技術だと思います。Win8や10の画面設計がどうなっているのか興味ないですが,Win7までは72dpiだったか100dpiあたりが基準だったような気がします。これを,144dpiとか200dpi(8Kなら更に倍かな?)にすればいいだけかなと。つまり,画面上の文字数はかわらないけど,文字が精細になるわけです。

仕事でパワポとか使っていて,画面表示と印刷物の見栄えが違うのはよくあるので,WYSIWYGに近づけて欲しいものです。モニタとの距離や視野角を考えると,作業用モニタって24インチあたりが適度ではないでしょうか?仕事で27インチも使いますが,とても首がコリます。

PCもそろそろ基準のDPIを変えたほうがいいと思いませんか? > ALL

>WYSIWYG

DTPでは大事なワードなんですね。プリンタとモニタのチューニング差から起こると思われるフォントやレイアウトがこれじゃない感は私如きでも感じます。大事なプレゼン資料はいったんpdfにして確認してから出力するようにしてます。

蛇足ながら、MacintoshがWYSIWYGをさらりとこなした点は出版、デザイン関係者に好まれて今日に到ると業界の友人が申しておりました。

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