iPadが販売好調だからタブレットPCが来るとは短絡的

2010年5月10日

今年はタブレットPCがシェアを拡大とどこかで見ました。

発売前から国内に限らず大手ニュースサイトでは失敗するのでは無いかと言われまくっていたiPadが1ヶ月で販売数100万台を突破したそうです。これはすごい。のか?

アップル iPad 、発売28日で100万台突破
http://japanese.engadget.com/2010/05/03/ipad-28-100/

Engadgetより、アップルCEOジョブスさんのコメント。

「28日間で100万台の iPad。これは iPhoneが同じマイルストーンを達成するために要した74日の半分以下です」

Appleの中ではiPhoneとiPadの比較をして当然かも知れないけれど、携帯電話と板パソコンを比較するのはどうなのか。スマートフォンとパソコンの境界線が良く判りませんが、勢いとしては凄いのでしょう。しかし100万台の価値や基準が良く解らない。

この数値は海外での話、日本国内では話が変わる事はパソコンの出荷台数が良い例かと。2009年の出荷台数では以下の順番。

  • 世界 1位:HP 2位:Acer 3位:DELL 4位:Lenovo 5位:東芝
  • 日本 1位:NEC 2位:富士通 3位:DELL 4位:東芝 5位:HP

認知度や宣伝力、古くからのユーザ数などが関係していると思われ、世界で売れたからと日本で売れるものでも無く。しかし売れるかも知れない。

 

おそらくこける年内の(Apple以外の)タブレットPC

昨年の夏頃にHPからノートPCの液晶モニタが横に回る自称タブレットPCが出ておりましたが、今はどうなったのか。ノートを一通り見るも販売されておりません。

今年の1月にプレスリリースを流したと思われるLenovoからは、6月発売予定の999ドル(日本では12~14万円程度になるでしょうか)は、ノートPCとしてWindows7を使ったり、モニタを外して独立したLinuxのタブレットPCになるようですが、どうにもやっちまった感が漂います。本当に発売するのでしょうか。

最新では、ASUSのEeePadがGoogleのAndroid(Lnuxベース)を搭載して6月開催のComputex2010に出すとの事で、発売が近い、iPadに対抗など書かれていました。日本円に換算すると45千円~の予想。

iPad対抗の「EeePad」がまもなく登場へ、GoogleのAndroidを採用しFlashなどをサポート - GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100426_asus_eeepad_msi_mpad/

記事内ではMSIも出すように書かれていますが、おそらくこけます。売れない。

 

DELLとHPのタブレットPC戦略はどうなのか?

出荷台数ではネットブック(ミニノート)が伸びたAcerに抜かれて世界シェア3位に落ちたDELLは、来年の春頃にタブレットの中と小を出すと来ております。もちろん海外の話で日本では数ヶ月遅れるか出ないかも知れず。前倒しするかも知れない。どっちだ。

デルのAndroidスマートブックは"Sparta" と "Athens"、11型SVGA
http://japanese.engadget.com/2010/04/25/android-sparta-athens-11-svga/

DELLのタブレットPCロードマップ

FY(Fiscal Year)は会計年度で11が2011年、手前のQ1~Q4(Quarter)は第n四半期のnが3ヶ月毎に区切られた数値です。来年6月頃に中くらいのタブレット、8月頃にでかいタブレットを予定しているようです。

HP(ヒューレット パッカード)は何をしているのかと言えば、Palmを買収しWebOS(クラウドコンユーティングの一つ)を開発し、自社で本格的にOSを開発するらしい。

HP、webOSへの投資を拡大。スマートフォン以外にも採用
http://japanese.engadget.com/2010/04/28/hp-palm-webos/

9個有る抄訳より初っ端を引かせて貰います。

Q:他社のように、もっと勢いがあるAndroidを採用しない理由は?費用上の相乗効果は?

A:スマートフォンやスレート(タブレット)、ひいてはネットブックのあいだには大きな機会がある。投資によって、webOSを現状よりもさらに魅力的に できる。マイクロソフトとも戦略的パートナーであり続けるが、Palmにはそこにしかない機会があると考えている。

買収完了後に開発や改善をすると考えれば、まだ先の話。年内にHPから気合いの入ったタブレット(海外ではスレートというようですね)PCは出ないと見て良かろうかと。

 

アップルのやり方は他社には出来ない良さと悪さが有る

なぜiPadが売れているかはiPhoneの派生のような感覚でiPhoneの実績有ってこそ。購入ユーザはタブレットPCを買っているのでは無く、アップルのガジェットと提案に金を出しているという事です。

タブレット(マルチタッチ操作)は駄目だろうと過去に何度か書いていますが、まず初めに用途が判らない。タブレットPCと言われても使い所が解らないわけです。しかしAppleは違う。

電子書籍読込装置として(但し海外に限る)

AmazonのKindleに対抗するiBookというカラーのブックリーダとしても使え、海外のApp Storeで販売されております。日本語には対応していません。

アップルが胴元のアプリケーション

iPhone(iPad)用に開発された無料と有料のアプリケーションが数十万本有り、ダウンロード販売で用途や目的、遊び方に合ったものをいつでも手に入れられます。

タッチ操作をこう使うという提案

テレビCMやYouTubeで流れているように、何に使えるのかを更に絞った「こういう事が出来る」を常に発信しており、その1つに対して購入する人間も多いでしょう。セカイカメラがtwitterで流れた直後にiPhoneを買ったというつぶやきも多く見られました。

これらはAppleがやっている事で、ASUSには出来ない。HPは準備しているのかも知れませんが、DELLは市場が成熟するまで待つというDELL本来の方針に則っていると見えます。

 

独占型のAppleは他のタブレットなどとは方向が全く違う

アップルがなぜ独占かはOSがWindowsでは無いからなどという見方では無く、Apple製品で固めて来ている為です。知人の開発者から聞いた話では、iPadのアプリケーション開発は敷居が高いそうな。

アップル - iPad - SDK
http://www.apple.com/jp/ipad/sdk/

iPad(iPhone)アプリの開発環境にはMac必須

WindowsやLinuxでは駄目、MacでなければiPhone(iPad)アプリは作る事が出来ないそうな。エミュレーションでMacにしてしまえば行けるという話も聞きましたが、基本はMacオンリー。Mac買わない人間は開発に参加出来ません。

アプリ登録に年間1万円以上+収益の数割を胴元が吸取る

上のリンク先、下の辺りに書かれております。

  • スタンダード 10,800円/年
  • エンタープライズ 33,800円/年

更にアプリケーションはAppleの審査が有り通らなければならず、有料アプリなら収益の2~3割をアップル親方に上納する事になっているらしい。

色々と英語

1万円コースに進んでみるといきなりこれです。

アップルIDの登録

アップルデベロッパーとしての第一関門はこれかも知れません。

このようにアップルはお金お金システムと、Apple以外の利用を認めないかのような方針になっており、英語の出来ない貧乏人は参加さえ許されない環境となっております。

良い面としては、アップル親方の審査が有り、ショバ代を取られる前提のため、質の低いものはハナからリリース出来ない(App Storeで見る事さえ無い)、アップルお墨付きの状態となります。これら全て合わせてiPad(iPhone)で有り、Appleワールドへようこそなのでしょう。

 

拡散型のGoogleは、Apple以外で自然に広まるまで待つ方向

アップルとは真逆と言えましょう。

  • 自社でハードウェアを製造していない(2010/05現在)
  • 現在はAndroid、2010年末頃にChromeOSを無料で提供
  • OSそのものが世界中の開発者を中心に作られる
  • 本業は広告収入でOSのリリースは片手間のようなもの
  • 低価格で低性能なネットワークPCの普及を目指す

GoogleはChromeなどのOSそのもので儲けようとはしておらず、先に広めて後から収益化を目指す企業です。Googleが無料、またはそれに近い状態でPCのハードウェアメーカーへAndroidやChromeOSを提供すると、タブレットPCの価格は数万円下がります。マイクロソフトが入っていない為。

タブレットPCが流行るという言い方なら、Appleは自社内部から膨れ上がる方法を取っており、競合はApple以外。Googleの考え方は外部の協力により自社開発のOSを広め、パソコンの用途を絞る代わりに価格も絞りまくる事でGoogleインターフェイスのPCを普及させる事。Googleに競合は無いと言えます。

マイクロソフトの話が一度も出ていませんが、Appleシェアの増加とGoogle協力者の浸食により、PC(DOS/Vパソコン)を独占出来なくなるマイクロソフトは蚊帳の外。Windows8とか頑張って下さい。

 

タブレットPCが年内に流行る方法

  • 2万円以内、出来れば1万円台前半(冗談で買える額)
  • Googleがとっとと日本語でChromeOSを出す(Androidでは弱い)
  • Apple製品以上のものを標準で搭載(Webカメラや無線など削らない)
  • バッテリーで20時間くらい駆動、充電4時間以内(就寝中以外常に使える)

今の価格、4万円以上でタブレットPCを販売しようと思っても、Apple信者やガジェットマニアにしか売れないでしょう。ネットブックより更に使い道が解らず、ユーザが使いながら使い方を考えるようなものだからです。

コメント(3)

はじめて書かせていただきます
iPhoneアプリを作っていますが年会費のほかに売上から30%手数料と
海外エリアの売上は送金手数料が2,500円発生します
エンドユーザーあってのアプリなんで込価格にしたかありませんがどうしても微妙にのっけてしまうんですよね
困ったものですがしかたないですね

おそらく,ipad とタブレットpcについて、
まるで予想がはずれるとおもいますよ。
皆が興味を持ち購入する動機があなたには、おそらくずっとわからないでしょう。
車が発明された時に、馬車の方が便利だし、そんなものが流行るはずがない
と言っていた人と同じです

ぱっと見、この記事の予測は外れたかんじですねえ。
未来予測はむずかしいw

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