BTOとはビルド・トゥ・オーダー。
受注後に組み立て始める料理屋のような方式とするなら、店頭などで完成品として売るパソコンはコンビニ弁当。ITOとは私が先ほど考えた頭文字で、そんな言葉はございません。
何の事か具体的に説明したい。
パソコン工房より2種類の新製品が発売
いずれも2016年6月中旬の発売。先にカスタマイズ出来る方から。
BTO:Celeron搭載スリムデスクトップパソコン
PC Watchでのプレスリリース。画像は販売ページ。
ユニットコム、SSD標準搭載コスパ重視のスリムタワー - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1005665.html
安さ重視の割にSSD 240GB搭載で5万円切りは上手い仕様。
SSD以外は最低限の性能や容量となっており、Celeron搭載メモリ4GBならば事務用途とかほぼウェブブラウザくらいしか使わない人用ですな。
もちろんCPUなどカスタマイズ可能。
なので、これをやるなら他のPCで標準構成を探した方が良いと思うけれど、私ならCeleronのまんまか、3千円程度でクロック3GHz超えならPentiumへ変更するかも知れない。
他は変更する必要性を感じない上、Pentiumへの変更は個人的な自己満足であり、このバランスのPCの用途では体感でCeleronとPentiumの差が判るかは微妙。
メモリは4GBで良く、DVDスーパーマルチも無いよりは有る方が良く、SSD 240GBは変更する理由無し。
唯一スリムケースが気に入らないものの、それを言い始めるなら最初からこのモデルは選ばない。
もし友人がこれどうよ?と聞いて来たなら構成変更するのは無駄金の可能性大としてカスタマイズは勧めないと思う。
即納:MN5100-i5-FRM [Windows 10 Home]
同じくPC Watchより。
ユニットコム、Core i5-6500搭載の即納デスクトップPC - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1005373.html
こちらはBTOパソコンとは言えない即納と称した完成品での販売。
画像では仕様が解らないので詳細より主な部分を書き出し。
- OS:Windows 10 Home 64bit
- CPU:Core i5-6500(3.2-3.6GHz、4コア/HT、6MB、TDP65W)
- マザー:インテル H110 Express チップセット
- グラフィック:インテル HD Graphics 530 ※CPUに内蔵
- メモリ:4GB(DDR3-1600、4GBx1)※スロット空きx1
- HDD:1TB
- DVD:スーパーマルチドライブ
- 電源:450W(80PLUS STANDARD)
用途が何向けなのか良く解らないアンバランスな印象。
どうしてこの構成でCPUがCore i5なのか?i3やPentiumでは駄目なのか。ストレージのHDD 1TBがCore i5の足を引っ張ると思われ、HDD 1TB搭載するくらいなら120~256GBのSSD標準として同価格か+2千円の69,980円にした方が良かったのでは。
難癖レベルになるけれど、もっと言えば即納として構成こだわらない人向けならば、こちらこそスリムケースが良かったのでは無かろうか。
即納、完成品なので仕様変更不可。
選択可能な部分は、保証期間、モニタ有無、セキュリティソフトの3点。
Core i5搭載HDD仕様で良いと思う人には手軽だろうけれども、自作ユーザに言わせると今時起動ドライブにSSDを使わない手は無いだろうし、私に言わせるとi5は無駄金オーバースペックなので他のCPUにしたい。
他にも「逆じゃないか?」と思える部分
画像をもう一度。先にBTOパソコンのスリムケース。
見出しは、Skylake版Celeron搭載スリムPC。右の枠内には主な仕様が書かれており判り易い。おそらくPCに多少詳しい人向けとしてこのような書き方が良いとされているのでしょう。
しかしやや詳しい人向けならば、後々型番で検索した際に一目で判るよう型番を見出しに持って来た方が良いという考え方も出来、仕様は変更できるのだから表に書く意味が有るのか?という疑問。
次に即納、完成品でカスタマイズ出来ないやつ。
こちらはPC詳しく無い人向けに作られているとするなら、第6世代~とか書いても解らないだろうし、主な仕様を書いても鬱陶しいだけだろうと考えたのか。
逆の見方をすると、見出しに型番を持って来る意味が不明。仕様は変わらないのだから一目で構成が判る方が親切とも言えないだろうか。
量産系BTOメーカーはITOも販売して欲しい(まとめ)
IoTとまぎらわしい上に伊藤PCとも読めそうなのでこの省略は流行らないとは思う、ITOとはインスタント・トゥ・オーダーの略。
インスタントの意味は、
瞬間、瞬時、(特定の)時点、時、今すぐに、今この場で、…した瞬間に、…するやいなや
source:instantの意味 - 英和辞典 Weblio辞書
らしいので瞬時にパソコンを届けるというわけには行かないとしても、今すぐに、今この場で、(発注した)瞬間に、の意味として置き換えると、カスタマイズのあるBTOとは逆のITOはパソコン工房でいう即納。
カスタマイズせずボタンを押した直後に構成が決まっていると解釈するならすぐに発注出来るわけで、BTOより納期が早いならば相対的にインスタントしていると考えられる、として。
なぜITOが必要と思うかは3つ。
1つは買う側の視点で、私が他人に頼まれパソコンを選び提案した後、最終的に標準構成以外では発注した事が無い。なぜならカスタマイズすると割高になり、やればやるほどクソ高くなって行くから。
標準構成で良いとする理由は、メーカー側で大量に採用しているパーツの組合せだろうから安い、売れそうなパーツを仕入れているはずなので標準構成で納得出来るバランスのPCが多いのでパーツ変更する必要性を感じない。
もう1つは買う&売る側の視点で、BTOに混ざった状態で即納などの完成品が売られていると、BTO=カスタマイズ前提の印象を持つパソコン詳しく無い人が即納に気付かずBTOの迷宮へと迷い込みストレスになる可能性。
具体的にはマウスのようなG-TuneというゲームPCブランドとして独立したページが有ればゲーマーに判り易い、ITO(仮)PC「コーナー」では無く、マウス風にいうとNo-Tune「ブランド」として独立させた方がPC詳しく無い人には判り易い。
具体的には今回挙げたパソコン工房の2例。
スリムケースの方は即納で良いくらいバランスが良く、カスタマイズの必要が無いと思うけれどパーツ変更ページが有るので分かり難い。対してCore i5搭載の方はすぐ買えるけれどSSD搭載したくても出来ないところは難点。
ならばスリムケースの標準構成も即納としてNo-Tuneブランドのページで別途掲載しておき、型番の最後にNTが付いた物は優先的に出荷するようにすれば売る側も買う側も楽なのでは無かろうか。
最後は売る側の視点で、NECやVAIOがあの状態、東芝や富士通がPC事業縮小したり、DELLとHPとレノボも個人向けPCに力入れないとするならガラッとふすまを開けるのは量産系BTOメーカーでは無かろうか。
その部屋のノートの間で呑気に茶をすすっているのはASUSとAcer、今は(NEC)レノボと東芝も。デスクトップ部屋には誰も居らず、ノートの間は国内メーカーの力が弱まるのでNo-Tuneブランドで席捲できそうな気がする。
BTOメーカーはいずれも、「好きな構成へカスタマイズ」とか「自分仕様のオリジナルPC」などと特徴的に宣伝するけれど、私から見た量産系BTOは単なる標準構成PC販売所なので完成品と同じ。ちなみにカスタマイズ前提なら最初からサイコム行く。
ITOパソコン、No-Tune、合わせてNTOパソコン(ノー・チューン・オーダー)を勝手に作ってしまえば良さそう。
しかしおそらく結構難しいと思う理由は、需要がどこにあるか理解していなければ見当違いな標準構成となり売れず、見極めようとするなら市場調査が必要となり金が必要。
用途に対する構成は簡単。問題はその構成を求める人がどこまでの予算を考えているかが難しい。性能を削れば安くなるけれど足りなくなり、需要を無視した自己満足仕様では高額化してしまう。
そう考えると量産系メーカーでのBTOパソコンという形は、「需要が解らないので勝手に構成変えてくれ」という売る側の怠慢かも知れない。
どこのメーカーでも良いのでNTOパソコンやって欲しい。
ガラッとふすまを
ふふっ ふすまなんや 畳敷き上の間が見える
ワイはカラララっていうサッシで土間がええな
見極めようとするなら市場調査が
もう性格診断的な はい/いいえ 選択チャートにでもしてたどりついた先のPCを買えと
OSは10「今すぐ/今夜」
>ユニットコム、SSD標準搭載コスパ重視のスリムタワー
地味に良い点はPS/2ポートが2つ搭載されている所、難点は映像出力にHDMIが無い、辺りでしょうか。Celeronでも2コアで2.80GHzなら快適そう。
>ユニットコム、Core i5-6500搭載の即納デスクトップPC
どうでも良いと言えばどうでも良いのですけれど、右下に出てくる「チャットしませんかウインドウ」は邪魔な限り。コレが出てくると「早く選べよ」と急かされているようで気まずくなり、買う気が失せるのですけれど、皆さん活用しているのですかね。
特に「チャットで相談しませんか」→「※今は時間外だから無理です」の煽りフェイントポップアップは、殺意が芽生えそうです。
>合わせてNTOパソコン(ノー・チューン・オーダー)
いちいちそんなコーナーを作らずとも、ドスパラのように「構成を変更する」と「そのままカートに入れる」という2種のボタンを、注文ページで提示すれば良いだけでは。