昨日書いた、パソコン買うなら店頭展示が良いか、それとも通販か?
パソコンの価格について詳しく書いていませんでした。
結論から言うと、BTOメーカーならどっちも安いのですが、欲しいタイプによって変わります。
量販店はその名の通り量産パソコン
パソコンの部品を安く仕入れるには、MOQ(ミニマムオーダー何とか)という最低発注数というものがあり、最低○個単位で買うことになります。
ナショナルブランドと呼ばれるNECやSONYなどほど規模は大きくありませんが、例えばマザーボードなら1,000、大規模な製造ラインがいらない場合は数十、時には1とかありますが基板系はだいたい数百単位以上です。
製造はまず海外(中国、台湾が多い)なので空か海を使うことになりますが安くするため船で運びます。この場合コンテナで○フィートとか言う単位です。
ケースも似たような感じで、国内に代理店が無いメーカーは上のパターン。カードリーダーや光学ドライブは国内代理店があったり、製造は海外でも日立のように在庫やパッケージが国内だったりします。
上記は全部bulk(バルク)品なので、箱や説明書や付属ケーブルが付いておらず更に安くなるのです。ケーブルも別でまとめ買いし、説明書は組立後不要になるのでいらない。しかも保証が無い場合もあり更に更に安くなります。
こんな感じで買うので、工場のラインで数千単位で組立て、BTOメーカーと量販店が契約し、数千単位で流通して行きます。
通販は直販なので仲介料無し
仲介料ってのはちょっと違う気がしますが、当然ながら店舗通らないのでその分安くなります。利益や輸送料、その他カタログ、ポップなども不要。BTO(BuildToOrder)は注文来てから組み立てるので、構成の自由度が高くその代わり納期が数日かかります。
また、ラインで製造はするものの、注文の品によって部品が違うのでラインを使えない部分が多く出るためコストもかかります。部品は展示PCと同じくMOQがあって大量に仕入れるので安いです。展示PCと同じ部品を使うため、一緒に仕入れたらいいわけですね。
こうなると、
問屋から直接買ってる状態の通販が有利
となりますが、実はそうでもないのです。
その理由は、
1.量販店の展示パソコンは宣伝する必要がない
勝手に広告に載ったり特価にしたり叩き売ったりしてくれるので、自社の
宣伝費がゼロに近いのです。買取ではなく返品可能な委託状態では
話が別ですが、買い取るからこそ安く大量に卸します。
2.「必ず1社で大量に売れる」か「1台売れるかも知れない」の違い
お客さん1人に1台売れるかも知れないなら、計画的に長期間かけて宣伝
しなければ売れません。何台売れるか判らないので資金繰りも難しい。
量販店と契約すれば、確定してから大量に仕入れたら良いので、在庫せず
売れます。同じ1でも、対応する人の数やライン、時間も差が出ます。
もうお分かりかと思いますが、仲介があっても量産なら利益率を下げるので、直販とそう変わらなくなるのです。例えばこんな感じです。
通販) BTOメーカーの利益率30%
量販) BTOメーカーの利益率15%、量販店の利益率20%
これが成り立つので「1万円値引き!更にポイント還元10%!」ができます。
「ブロードバンド付きなら3万円値引き」は、プロバイダが量販に金払ってます。
まてまて、そうなると量販の儲けが10%以下、ヘタすりゃ1%とかなるじゃん となりますが、量販ですから会社全体で一桁%あれば良いのです。BTOメーカー側の利益率も減っていますが、利益額で言えば御の字です。
そして、何と言っても「パソコン」の「部品」ですから、価値の減り方がハンパじゃないでしょう。最新のマザーボードをもし1年在庫したらそれはゴミです。賞味期限が短すぎるため、大量に買い切ってくれるのは安全なのです。
長くなりましたが、パソコンのタイプがどう違うのかと言うと
通販=競合他社と性能を合わせて可能な限り製造メーカーのパーツを多く仕入れる
量販=性能を低めに抑えてオリジナルでパーツを大量に作って安くする
お客さんの求めるものが売り場によって違うので、こうなります。
「とりあえずインターネットとメール、できればオフィスも」は量販用。
「自分の用途に合ったパソコン、ゲームもするかも」が通販用。
使う方向が違うのですね。
インターネットとか言ってる入門者は、インテリアとして考えてることもあり
自分の用途が決まってる中毒者(こらこら)は、外観はできれば良い方がイイ
あなたはどっちですか?
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