アプライドから紹介依頼のお便りを受信。
西日本では有名でしょうか。福岡県に本社を置く家電量販店、その通販サイトで今年はゲーマー向けBTOパソコンを強化するとの事。安く良い物を売るなら協力したいので宣伝申し上げるけれど、金を貰いページを売る提灯ではございません。
ページを拝見しつつ書いて参ります。
提灯記事では無い事を前置いたけれど更にもう一つ書くと、この手の宣伝してくれメールにはより一層厳しく見る為、内容が偏っている可能性がございます。
ここは私の日記なので個人的な感想。それをどう取るかは読み手次第なので、洗脳されぬよう御注意有れ。
特設状態なアプライドのBTOパソコン販売ページ
BTOパソコンのページはこちら。パラメータが付いており不安なのでリンクせず。行くなら手数ながらURLコピペにて。
パソコン・デジタルAV家電専門店 アプライドネット
http://www.applied-net.co.jp/html/newpage.html?code=23
どれでも良いので、てきとうに選択したパソコンのページからトップページへのリンク(ホーム)をクリックすると、戻る所は何故かアプライドのトップページ。
これはリンク切れしないと思うので直リンクにて。
パソコン・デジタルAV家電専門店 アプライドネット
http://www.applied-net.co.jp/
私のWebブラウザがぶっ壊れているわけでは無く、普通のFirefoxを開き幅1000pixくらいで閲覧しております。IEやChromeではレイアウトが崩れない事を確認。
盛り上がっては参らず、心配になって参りましたが続けると、BTOパソコンのページは受注生産PCの機種を見易くまとめているようで、リンク先は全てアプライドの通常ページへ飛ぶ仕組。
選択した機種のページより、左上の「ホーム」ボタンを押すとアプライドのトップページへ行ってしまい、ブラウザの戻るを連打しなければ最初のページには戻れず。
本当にやる気有るのか?と疑ってしまうけれど、ページの制作効率を考えるとこれが良いのでしょう。消費者には分かり難いと思うけれど。
話を特設のようなBTOパソコンページに戻すと、性能と価格の一覧は分り易い。
有りがちなようでPCメーカーには維持が難しいと思われる、価格とCPU性能とGPU性能(グラボ)を混ぜた一覧。
y軸はCPUのブランドと性能、x軸にはグラボの種類が載っており、右上へ行くほど高性能かつ高額になる案内図。入れ替わりや価格変動の多いカスタマイズPCの標準構成では編集が手間と思われる所。
ゲーマー向けと謳っているだけは有りグラボ無しの機種は無し。最低でも6万円台からスタート。しかし17万円を超える物は無し。実用重視なのでしょう、おそらく。
自作PCより高くなり量産系のように詳細が判らない
おすすめとされる機種の仕様を丸ごと引用。
● 台数限定特別モデル PathFinder 特別モデル [kinen01-6] 79,800
CPU:インテル Core-i7 2600
OS:Windows 7 Home Premium 64bit
RAM:DDR3 1333 8GB(4GB×2)
HDD:2.0TB シリアルATAII
VGA:NVIDIA GeForce GTX550Ti搭載
DRIVE:DVDスーパーマルチドライブ搭載
価格は約8万円と有り、パーツ単位に分解し私の脳内価格コム最安換算で値付けをして行くと以下の通り。2012年2月現在。
- CPU:インテル Core-i7 2600・・23千円
- OS:Windows 7 Home Premium 64bit・・12千円
- RAM:DDR3 1333 8GB(4GB×2)・・3千円
- HDD:2.0TB シリアルATAII・・10千円
- VGA:NVIDIA GeForce GTX550Ti搭載・・9千円
- DRIVE:DVDスーパーマルチドライブ搭載・・2千円
ここまでの小計は約59千円。
続いて記載の無い物の価格を妥当な価格で。
- マザー:Intel H61 Expressチップセット・・6千円
- ケース:不明(Gabinete CODEGEN E6100?)・・10千円
- 電源:500W・・※ケースに内蔵
ここまで総額は約75千円。
結構良い所まで来ておりますが、電源付きケースの価格を甘く設定しており、やや不自然かも知れない。このケースは国内の流通が少なく、欧州の通販で見てきた価格を円換算しております。
ちなみにこれ。高さと奥行が50cmくらい有るミドルタワー。
ケースが気に入ったなら高いとは言えないけれど、安いとも言えず。しかし量産系BTOメーカーのような専門店では無い為、この機種に限れば結構頑張っていると思われる価格。
しかし他の機種で計算すると自作PCより若干高くなる物が多く、価格は組み立て代行屋と量産系の中間辺り。そして、組み立て代行のようなショップと比較するとこれは戴けない。
記載が面倒なのか意図的なものか。
量産系BTOメーカー(マウスやドスパラ)のようにパーツ個々の型番が不明。量産系では安さ優先で製造メーカーが変わる事を想定しており書けない所。
逆に自作代行系(サイコムやショップブランド)では、割高な代償としてマニアにも受け入れられるようパーツのメーカーや型番が記載されている所。
2行にして分けると。
- 量産系・・OEM(特定メーカー用)パーツを増やし薄利多売
- 自作代行・・パーツ毎に利益を出す為に詳細を明記出来る
アプライドの場合どちらかと言えば後者なので書けばいいと思う所を記載無し。これでは玄人志向やASRockで固められていると思われても仕方無し。玄人志向やASRockが悪いと言っているわけではございません。
最大の問題は、BTOパソコンという割にカスタマイズがほぼ無い事。
BTOパソコン=カスタマイズでは無く、受注後にユーザ指定の構成で組み立てるという意味では有りますが、変更出来るものは、OS、ソフトウェア、保証、モニタ、キーボード。
パソコン工房の即納PCでさえ変更出来る状態をBTOパソコンと言うには違和感有り。ハードウェアは何も変わっておらず、今後に期待としておく所でしょうか。
中途半端過ぎて何とも言えない。
強化する以前に改善した方が良いと思うコンテンツ
期待してしまい勝手に疲れて来たので少なめに3つ。
Web制作業もやる割に自社ページが崩壊
最初に突っ込んだ通り、Firefoxで表示するとメーカーのロゴなどレイアウトがぶっ壊れている状態。私がここで取ったデータによると、IEが約5割でChromeとFirefoxが各2割弱なのでWeb制作をいうならこれら3種の各バージョンで表示確認は必須。
source:Applied Direct アプライド ホームページ制作
このように専用ページの出来は素晴らしいけれど、家電の通販サイトを修正出来ていない時点で外注かと疑ってしまうレベル。
ちなみに2012年2月現在、問い合わせボタンを押すと暗号化されていないフォームで個人情報が入力必須になっており、個人的にこういう作りは感心出来ず。
長期保証は安いけれど免責の枠がでかい
長期保証の解説ページより。URL直貼り失礼。
アプライド延長修理保証は、メーカー保証に記載されている内容及び、下記の条項に基づいて表記の製品に発生する故障の修理金額の30%で修理お約束するものです。
source:http://www.applied-net.co.jp/html/newpage.html?code=3
2万円なら6千円はユーザが負担してくださいという仕組。
長期保証の価格としてはどうでしょう。私はBTOメーカーを基準にしているので、免責を考慮すると高めに思える設定。
15万円以上のパソコンは数が少ない為、実質3年なら5千円、5年は9千円という事に。しかしやはり3割はきつい。
更にメーカーの修理現場視点でいうと、悪い言い方をすると修理する側の言い値とも考えられましょう。
例としてマザーボード故障の場合、市販最安で1万円の物でも修理用パーツでは最安と同じになるとは限らず1.5万円になるとしてもおかしくは無し。
検査費用、交換作業費、その他てきとうに盛ればNECやソニーのような超セレブ価格もやろうと思えば可能。1万円のパーツ交換を3万円と言われて3割で9千円も出来なくは無し。センドバックなので送料片道分はユーザ負担。
言い過ぎな感は有るけれど、その不安が有る長期保証設定に5千円や9千円はどうなのかと。
強化という割に特設ページ状態が気になる
どうしても気になる所がゲーム用PCを強化すると言われる割にリンクによる導線が完成されていない事。
広告のようなページに掲載されたPC各種は良いけれど、クリックするとアプライドの通常ページへ。ブラウザの戻る以外で元の自称BTOパソコンページに戻る方法が不明。
私が見落としている可能性が無いとは言えないけれど、せめてトップ(ホーム)へのリンクで戻る事が出来なければ、本気でやっているとは思えない。
BTOパソコンも通販するアプライドを適当に評価まとめ
BTOパソコンとは言え、おまけ状態だった為に未完成な印象。
アプライドの各店舗を普段から利用しているなら良いかも知れないけれど、拡販目的で宣伝する程のコンテンツでは無いでしょう。
ここでゲーム用PCを宣伝したいならこれらが必要。
- グラフィックとCPU性能の詳細が必須(可能ならベンチも)
- ゲームメーカーの推奨認定は当然、特典もドスパラ並に
- 量産系BTOメーカーと競合出来る価格設定
3つ目の価格勝負は難しいかも知れないけれど、家電量販店でゲーム用PCを通販で売るにはツクモやフロンティア(ヤマダ電機)レベルは有って欲しい所。
BTOパソコンというフレーズを利用し情弱ホイホイをやりたいなら勝手にやれば良いけれど、本気で売るつもりならドスパラやマウスなどゲームPCの通販で強そうなメーカーのパクリからがよろしいかと。
現状では、ソフマップのバーガーPC(マウスコンピュータの代理店状態)に近いので、目の肥えたBTO変態も立ち寄る当サイトでの宣伝は逆効果。
個人的な印象としては営業力は素晴らしいと思うけれど、その速度に基礎が付いて来ていない為、基盤を固めた方がよろしいという印象。
現状ではアプライドファンな消費者以外にはお勧めとは言えますまい。
私の住んでいるところにはアプライドしかないので仕方ない。
・・・・あれ、パソコン工房があったっけ?なかったけ?
まあ、家から一番近いし。あったとしても。