マウスコンピューターよりインテルSSDの新製品を搭載したPCが発売。
発売日の翌日にニュースリリースが上がっており、今のところBTOメーカーはマウスのみ。ドスパラなど他社はどうしたのか気になるものの、マウスは問答無用でSSDキャッシュを標準にする為、ネタになるのでしょう。
約10万円の高性能デスクトップ、適当に見て参ります。
高速なインテルSSDと大容量HDD搭載の高性能PC
新製品として3機種、購入ページに行くと4種類になっているけれど、いつも通り最安の標準構成より。
型番は「MDV-ASG8310B-SSD」。正確には99,750円なもののマウスは送料が高く、込にすると約103千円。
source:ニュースリリース 2012年|マウスコンピューター
主な仕様をテキストで一覧。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit ※セレクタブル表記無し
- CPU:Core i7 2700K(3.5-3.9GHz、4コア/HT対応、8MB)
- マザー:インテル Z68 Express チップセット搭載
- メモリ:8GB(4GBx2 PC3-10600、最大32GB、4スロット)
- グラボ:GeForce GTX550Ti-1GB
- ストレージ1:SSD インテル520 120GB(SATA3)※内20GBはSRT割当
- ストレージ2:HDD 500GB(SATA3、7200rpm)
- 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
- ケース:ミドルタワー
- 電源:500W
- その他:キーボード/マウス付属、USB3.0x2、USB2.0x10
CPUはオーバークロックしないならKは余計な気がするけれど、SandyBridgeで現在の最高性能とした競合対策と推測。今更i7-2600を在庫するのもどうかと思う事も有りましょう。
BTOメーカーとしてマウス独特のやり方は、Z68とSSDとHDDの組み合わせで構成するISRT標準仕様。SSD容量の内20GBがキャッシュと書かれておりました。ちなみにSRTの容量設定は約20GBと64GB(64GB以下のSSDなら全容量)が有り。
他は普通のパーツなのでスルー。
上位機種は価格が上がり、グラボ性能やHDD、電源容量が上がったり、光学ドライブがブルーレイになった程度で大きな違いは無し。
気になりそうな所を3点。
WindowsがOEMの割にセレクタブルは無し
Windows7のセレクタブルとは、マウスのようなOEM(マイクロソフトがマウス専用Windowsを提供)の場合に32/64bitがセットになっている事。しかしこの機種ではセレクタブルの表記無し。
OSの欄だけ見ていると分からなくなるけれど、組み合わせのメモリは8GBが標準、最小構成なので64bitのみなのでしょう。(32bit版のメモリ認識は3.数GBなので無駄が多すぎるという意味)
マウスのSRTは遅い方の拡張モード
遅い方という言い方はどうかと思うけれど、ISRTは二種類のモードが有り、マウスが設定しているものは拡張モード。マウスのSRT補足では赤文字の強調でこう書かれております。
具体的にはSSDの「読み込み速度」と、HDDの「大容量」という2つのメリットを活かすことができます。
違いは
- 拡張・・読込を高速化。SSDが故障してもHDDのデータは無事
- 最速・・読み書きを高速化。SSD故障でHDDのデータは消滅
最速モードにすると、確か価格コムでユーザが掲載していたベンチマークでは特にランダムがSSDに近い速さになるというもの。
安全を取ったと思われるものの、性能を殺しているとも取れますな。
この機種のZ68はグラボ有りが標準
この機種に限らないと思うけれど全部を見ているわけでは無い為この機種としておりますが、チップセットの注意書きより。
※2 インテル Z68 Express チップセット搭載モデルは、ソフトウェア互換性の向上のため、インテル・クイックシンクビデオ・テクノロジーを含むCPU内蔵グラフィックス機能は非対応です。映像出力端子は、グラフィックスカードのみとなります。
グラボを無しにすると1万円近く値下がりすると思われ、ゲームなどしないなら比較的安めでシンプルなSRT仕様の高速PCになると思いきや、Z68なのにCPU内蔵GPUは利用出来ないそうな。
マザーを安くする為に、出力端子を削ったOEMでやっているのでしょうか。それが悪いとは言わないけれど、そうならマウスでZ68のグラボ非搭載は期待出来ず。
以上、自作用のパーツ単品と比較すると、厳しく見ると同じくらいの価格。妥当と思う最安パーツでまとめると数千円マウスが安くなる計算。
Z68マザーとGTX550Tiに各1万円を切れる安物を割り当てても、インテルSSDの520シリーズは出たばかりで120GBはリテールが約2万円、バルクは1.9万円。
ではインテルの520シリーズはどういう物か、少しかじりましょうか。
インテルSSD 520シリーズの速度比較など
概要はEngadgetがまとまっており分り易い。
インテル SSD 520発表、25nm NAND - Engadget Japanese
http://japanese.engadget.com/2012/02/06/ssd-520-sf-2281-25nm-nand/
特徴を箇条書きへ。解らないところは飛ばしてどうぞ。
- 容量は、60、120、180、240、480GBの5種類
- コントローラはSandForce製SF-2281、フラッシュメモリは25nm
- MLC、SATA3、2.5インチ、60GBと480GB以外は厚さ7mm
- 公称シーケンシャル(最大)リード550MB/秒、ライト520MB/秒
- メーカー(インテル)の保証は5年
保証5年は凄いですな。
ちなみにこれは市販品(単品の箱入りセット)の事なので、例としてマウスに載っている物は別の話になり、メーカー(マウス)のPC本体の保証が適用されるので自作ユーザや組立代行ショップで無ければ無関係。
中身や市販の価格はASCIIより。
SandForceに25nmフラッシュ採用 インテルSSD 520シリーズデビュー
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/075/75303/
左の鉄板はEngadgetで書かれていたスペーサーと思われ、厚さ7mmを9.5mmにするマウンタでしょうか。その右の赤はSATAケーブル、右端は電源ケーブルも付属。
価格コムにはまだ掲載されておらず、アスキーの価格を一覧。
- 60GB・・12,400円
- 120GB・・19,600円
- 180GB・・31,500円
- 240GB・・44,400円
- 480GB・・87,800円
マウンターなどが付属しないバルク版は各容量1000円安となる見込
ベンチマークはASCIIにも載っているけれど、CDMの方が慣れている人が多いと思うのでPC Watchより。
Intel「SSD 520シリーズ」SandForce製コントローラ採用
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hirasawa/20120207_510153.html
左2列(520と510)で比較するとWrite(書込)が全体的に速くなったようで、特に4KのQD32が桁違い。
4K QD32とは、4KBのランダムアクセスを32本同時にやった際の数値で、HDDはプラッタ(ディスク)のシーク(ヘッドの移動)効率によると記憶しているものの、SSDの場合は不明。何か技術的な要因なのでしょう。
更に詳しく知るなら最初のEngadget記事よりリンクを辿りましょう。PC Watchの記事も詳しく書かれており、大容量でも速度が落ちる物も有る為、本気で購入するなら読破推奨。
マウスのインテル520 SSD搭載は宣伝用(まとめ)
インテルの6Gbps対応SSDの最新という事で確かに性能は上がっているものの、私に言わせると旧製品と大差無い割に高価。
その辺りをマウスは上手くやっており、SRT仕様で標準構成しているもののISRTの拡張モードで520シリーズを使う価値が有るのか疑問。
約10万円で、i7-2700K、8GBメモリ、GTX550Ti(1GB)、しかもSSD120GB+HDD500GBは数年前の感覚では意味が分からない程の高性能と思えるけれど、SSD標準のグラボ無しで購入し、HDDを増設した方がグラボが経年や環境で劣化せずよろしいかと。
簡単に言うと、使わないなら中途半端に高性能グラボが載る利点が無く、PC本体の故障率上昇や掃除しづらいなどの難点が目立つという事。
他メーカー製のSSDでは1GBあたり100円まで値下がったと思えば、インテルなど定番メーカーが新製品と称して容量を維持し性能と価格を維持。
BTOパソコンは未だHDD標準が多く、カスタマイズするとSSDが自作より割高になる為、まだまだ標準とは言えないストレージ。
今回のマウスPC新製品は悪いとは言わないけれど、過去の機種と比較しこれと言った特徴が無い為、何ともいえない新発売。
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