最近発売のBTOパソコン1月前半分。
海外企業の決算は年末が多いためか、今回は珍しく米国のDELL&HPの新製品が出まくっており、一体型や奇抜なノートをお求めならば一見の価値あり。国内メーカーは定番風な製品ばかり。
適当に見て参りましょう。
最近発売のBTOパソコン(2021年1月前半)
5メーカー11記事分。画像は意味のあるモノだけ。リンクは全てPC Watch。
パソコン工房(3)
プレステ2かと思ったけれど8コア/16スレッドのCPU搭載は20年くらい前のゲーム機には無理があり、現代でもこのミニさで8コアCPUは無茶な気がしないでもない薄型&小型。
安い方。
Core i3-10100、メモリ4GB×2、Intel H410チップセット、250GB NVMe SSD、OSにWindows 10 Homeを搭載し、価格は6万2,678円。
パソコン工房のプレスリリースは税込なので見た目で比較するならば税別56,980円として。6万でこの仕様ならば強引に小さくまとめたとしても割高感はあまり無い。
上位2機種も7万と9万なので割高くはございません。どうしてもケースが小さくなければ死んでしまう人には最適。
2番はリフレッシュレート300Hz(300コマ/1秒)が最大の特徴で、CPU違いの2機種、グラボがRTX 2080 SUPERなので2080Sでも300Hzを活かせるのでしょう知らないけれど。
問題は価格、Core i7搭載が322,278円(税別292,980円)、i9は361,878円(税別328,980円)は厳しすぎないだろうか。いずれもデスクトップ用CPUを無理やりノートにぶち込んだ形なので冷却の騒音気にせず30万円以上出せる人向け。
3番は12月後半分でも紹介したCGWORLDとのコラボモデルで、CPUにハイエンドなスリッパ採用+グラボはQuadroの中の下あたりか、PC自作しないけれどVFXで開発やりたい人向けにパソコン工房が30万円コースをご用意した感じ。
但し上位モデルは異様。
価格は934,978円。 おもな仕様は、Ryzen Threadripper 3990X、256GBメモリ(32GB×8)、Quadro P2200、1TB M.2 NVMe SSD(PCIe 4.0接続)、800W 80PLUS Titanium電源、Windows 10 Proなどを搭載する。
グラボは同じP2200なので市販単品5万円くらい。対してCPUが50万円、そしてメモリ32GBを8枚となるとマザーボードがワークステーション用になるため、オーバースペックすぎないかパソコン詳しい人に聞いてみましょう。
マウスコンピューター(1)
LTEも選択可能な税別約7万5千円の15.6型フルHDノート
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1299686.html
早とちりで「7.5万でLTE対応とかどれほどのクソ性能?」と思いきや「選択可能」となっており、さすがに7.5万+αになるは必然。
こやつの本当の価格は9.5万円と予想するも+1.5万円で税別9万。
LTE対応とは簡単にいうとスマホに挿して使うSIMカードをパソコンに直接挿せることを意味しており、大抵の場合+1.5~2.0万円の範囲で加算される設計。
毎日のようにキャリア回線でパソコン使うなら便利かも知れないけれど、通信量はスマホやタブレットどころではないのでご注意あれ。私がノートからテザリング(スマホ経由の通信)した時は半日で1GB以上吹き飛んだ。
SIMスロットはあれば便利。しかし使わないなら1.5万円高いだけ。
DELL(3)
- 台座と一体の省スペースパソコン「OptiPlex Ultra」シリーズ
- 再生カーボンとバイオプラ仕様のQuadro搭載モバイルワークステーション「Precision 3560」
- 次世代GeForce搭載のゲーミングノート「Alienware m17/15 R4」
1の一体型PCはこういう手もあると教えてくれたDELLの発想好き。
昔の一体型(オールインワン)PCはモニタ側にノート用のパーツを内蔵していた上にテレビも受信できたりしたのでクソ高かった。確か30型以上で30~50万円クラス。
今は小型PCをモニタの脚の部分へ内蔵することで多少はコスパが比較的良くなり、修理の際も10万円オーバーとかしないはず。多分。知らないけれど。
2の再生カーボンは何年か前にHPがやっていたノートと同類のはずで、少し傷が付いても時間の経過で傷が消えるという気持ち悪いやつ。全然流行らなかった理由はお値段以下だったからだろうか。
最高構成の場合、CPUがCore i7-1185G7(4コア/8スレッド、4.8GHz)、Quadro T500メモリ64GB、PCIe 4.0 NVMe SSD 2TBを搭載し、OSはWindows 10 ProやUbuntuなど。
ノートなので見当付かないけれど多分50万は切らない。グラボだけでVRAM64GBとか聞いたことないのでQuadroだけで50万オーバーしそう。
3番。
価格は2,149ドルからで、発売日は1月26日。 GeForce RTX 20シリーズを採用する現行の同R3の後継モデルとなり、ノートパソコン向けGeForceの次世代品が搭載される。
「日本で発売するとは言っていない」パターンで、日本上陸するならばその頃にはRTX 30シリーズ、3070出てないか?と疑えるリリースなので話半分で。
Alienwareもデザインが大人しくなりましたな。日本市場でゲーミングPC展開したいならこのくらいシンプルで良いと思った。ただ、RTX 20シリーズ20万円オーバーで日本襲撃に来るなら場違いになると思う。
日本HP(3)
- 第11世代Core i5+GTX 1650 Tiの14型ノート
- 5G対応のSnapdragon 8cx採用13.5型2in1など
- 5G対応のTiger Lake搭載13.3型2in1「Elite Dragonfly G2」
1番。
第11世代Core i5-1135G7、およびGeForce GTX 1650 Ti with Max-Qを搭載した14型ノート「HP ENVY Laptop 14-eb0010nr」を発表した。日本国内でも投入される見込み。
Core i5とGTX 1650、そして14型にMax-Qデザインのグラボぶち込んだのは正しいと思うけれど、日本でモバイルゲーミングノートPCとか必要か?的な疑問。価格が出ておらず価値がわからない。多分14万円オーバー?ならばコスパがアホ。
2番。
画面中央を支えるヒンジ機構で、クラムシェルとタブレットに変形可能。ワコムペンでノートを取ったりスケッチをしたりできるほか、着脱式のキーボードでノートパソコンのように使ったり、液晶をキーボードの手前まで引いて映画の鑑賞をしたりできる。
米法人向けらしいけれど「業務用でそんな使い方するか?」と思う、これも価格不明、日本で売るとは言っていない製品。
SnapdragonはIntelでもAMDでもないARMという、スマホやタブレットで使われるプロセッサなのでOSがWindowsとも言っていない、ながらリンク先のイメージ画像はWindows 10なので互換性大丈夫なのだろうか。
3番。
13.3型ビジネス向け軽量2in1「Elite Dragonfly G2」および14型個人向けクリエイターノート「ENVY 14」を国内向けに販売する。前者は2月下旬より、後者は1月下旬より発売し、直販価格はそれぞれ21万4,800円(税別)から、14万9,800円(税別)から。
そんな価格設定にするとNECや富士通を選んでしまうのが日本人。
からのどこまでクーポンやら限定などで値引きして公式や楽天で安売りするかまでがHPに限らずDELLとかLenovoのやり方なため、プレスリリースの価格設定は真に受けない方がよろしいかと。
見た目214,800円なら15万、149,800円なら99,800円まで落として来そう。
ツクモ(1)
3万2,780円のテレワーク向け14.1型ノートパソコン
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1299473.html
「まだあったのか」感が強い3万円(税別29,800円)ノート。
低価格モデルながらeMMCではなく、SSDを搭載するほか、USB PD対応のType-Cポートも備えている。
なにそれすごい。但し、こう来た。
おもな仕様は、Celeron 5205U(2コア/2スレッド、最大1.9GHz)、DDR4-2400 4GB(最大16GB)、SSD 64GB、14.1型IPSフルHD液晶、OSはWindows 10 Proを搭載。
微妙すぎるeMMCがSSD化は大進化ながら、3万円では無理があるのか割とクソ性能なCeleronは相変わらず、メモリは最低限と言える4GB(速度差は体感できないはず)、SSD容量64GBはせめて120GBにならないのか。WindowsがProな点は納得できない特典。
まともなノートPCを低価格で販売しているのではなく、3万円で構成できるよう、価格設定優先で作られているモノなので素人は手を出すべきではございません。
ただ、価格維持し先代モデルよりもわずかながら進化している点では凄い。
ヤマダ電機がなぜかツクモなどを吸収合併
独断と偏見で勝手に評価。
- 途用次第で大アリ・・・パソコン工房製品全部
- 納得の構成・・・ツクモ
- ワケガワカラナイヨ・・・DELLとHP全体
パソコン工房の重箱のすみをつつくというか、路地裏で商売するようなピンポイントな提案は昔のマウスを思い出す。パソコン使用する職人がハードウェア詳しいとは限らないし、私もそういう職人用PC提案しろと言われても詳しくない。
ツクモのノートはせめて私程度にはハードウェアの知識がある人用で、安いから買うはヤバい、後悔するもと。ドンキの2万円ノートと同様、どれほどクソ性能で、いくらSSDになったとしても64GBの意味がわかるなら。
DELLとHPに関しては、なぜ日本でまだ販売や価格決まっていないのにプレスリリースばら撒くの?的な疑問しかございません。めちゃくちゃ凄い何かを発明したレベルならば良いけれど、マジメにリリース文読んで時間のムダを感じた。
今回のオマケはこちら。
ヤマダ電機、ツクモやベスト電器など子会社を吸収合併し一本化
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1300902.html
お騒がせしております🙇♂️
— ツクモ (TSUKUMO) (@TSUKUMOofficial) January 18, 2021
ツクモ(TSUKUMO)の屋号は残り、今まで通り、かわりなく営業となりますのでご安心ください
サポート・保証につきましても今までとかわりません
スタッフ一同、今後もみなさまのお役にたてるよう頑張ってまいります
今後ともツクモ(TSUKUMO)をよろしくお願いいたします❗️ pic.twitter.com/dt9oyWJfJK
過去13年半くらいで見た、これはツクモがフェードアウトするパターンか。
同社の完全子会社である株式会社ヤマダデンキを吸収合併存続会社とし、株式会社ベスト電器、株式会社九州テックランド、株式会社Project White、株式会社マツヤデンキ、株式会社星電社、株式会社黒川デンキ、加藤商事株式会社の7社が吸収合併されるかたちとなる。
「同社」とはヤマダホールディングスのことで、2020年10月にヤマダ電機から商号を変更しているホルダー(持ち株)会社。その本来のヤマダ電機が現在は株式会社ヤマダデンキとなり、ここへツクモ(株式会社Project White)含めた7社が吸収されるとのこと。
わかりやすい図があったので拝借。株式会社Project White=ツクモ。
source:ヤマダHD/組織再編で子会社整理、家電はヤマダデンキに集約 | 流通ニュース
他、ニッケーの記事によると7月の株主総会で決定しても当面は屋号維持の方向らしいものの、いずれベスト電器などは消える、ヤマダデンキになるだろうとのこと。
事業縮小に向けて混ぜ混ぜしているように見えるものの、同じくヤマダデンキ子会社なフロンティアを持つインバースネットが蚊帳の外は何なのか。
ならばツクモはこうなる予感。
ツクモ(TSUKUMO)の屋号は残り、今まで通り、かわりなく営業となりますのでご安心ください。※但しいつまでも残るとは言っていない(というかツクモの中の人もそこまではわからない)。「我々がその気になれば屋号の消滅は2年後1ヶ月後ということも可能だろう・・・ということ・・・。」ざわ・・・ざわ・・・
ヤマダデンキがツクモ製品のサポートを反故にすることはないだろうから良いとしても、ツクモのブランド名消滅のカウントダウンが始まった感。
もしそうならば、1年前から私を唸らせる構成やそのバランスの良さでプレスリリースばら撒いていた「ここからツクモのBTO復活来るか?」と思っていたので残念すぎる。
とりあえず6月までは現状維持、7月以降はどうなるかわからん。
>容積1.2Lで8コア/16スレッドCPUを搭載できる超小型パソコン
20cm×18cmですから、B5用紙の長辺を上5cmほど折ったくらいの大きさですね。A4の長辺を5分の2に折っても、同じくらいの大きさになりますが。確かに小さいですが、手のひらサイズのPCもある現代、小ささを求めて買うには中途半端な大きさ。薄型PCでも高性能でコストパフォーマンスを重視する方には僥倖なのやも。
>LTEも選択可能な税別約7万5千円の15.6型フルHDノート
これ搭載されるSIMスロットのサイズが不明ですね。説明欄には「Mouse F5 シリーズとMousePro NB5 シリーズはmicro SIM、11.6型タブレット P116シリーズはnanoSIM」としか書かれておらず、今回の機種「mouseB5シリーズ」は不明。ProのNB5がmicroSIMだからB5もmicroSIMだろう、という予測しかできず。1.5万プラスのオプションなんだからもっと詳しく正確な情報を渡せ。
>ツクモ
フロンティア化か。住み分けとしてツクモブランドはゲーミング向けPC感が強くなるやも。
私がProject White=ツクモの社長だとしたら吸収されて消滅した方が良いと感じる。実店舗閉鎖ラッシュもその前触れだろうし、だいたいこれからのPC市場氷河期入り待ったなしなパーツの在庫問題(フリーキャッシュフロー絞首)がデカいはず。
ゲーミングPC市場向けとしてはツクモブランドは大アリだとは思うものの、九十九電機(の良さ)を知っている年代がゲーマーとして生き残っているのかがハードルで、その歴史をヤマダ~が知っているか、重視しているか、と思えば重ねて疑問。
一行にすると、パーツの在庫問題でツクモは消えると見ております。
私の知る限りで。
・マウス・・・ネット通販主力、パーツ販売なし、実店舗極小
・PC工房・・・実店舗主力、パーツ販売あり、実店舗全国展開
・ドスパラ・・・ネットと店舗半々?、パーツ販売あり、実店舗全国展開
・ツクモ・・・ネットやや優勢?、パーツ販売あり、実店舗少ない
・フロンティア・・・ネット主力、パーツ販売なし、実店舗なし
こうして比較するとネット主流の現代&PC氷河期を迎えるとして、在庫販売しつつ店舗数も減ったツクモに生き残る道は無さそう。マウスとフロンティがが正解、PC工房とドスパラは全国に店あるのでいきなり畳めない。
しかしツクモは中途半端。
ツクモでパーツ発注すると群馬県のヤマダ本店から発送されていたあたりも在庫の件で問題視されていたなら、私がProject White=ツクモの社長だとしたら(一行目に戻る)
ではフロンティア(インバースネット傘下の量産系BTOメーカー)に吸収させるかとなると意味が無い(在庫問題が解決しないし、ツクモブランド消えるなら更に意味皆無)
個人的にはツクモはインバースへパスしてツクモがフロンティアブランドを吸収すれば良いと思うのだけれども、フロンティアはフロンティアでブランドの力無いとは言えないので消すには惜しい。
というわけでツクモは負の遺産(在庫とキャッシュフロー問題)を抱えているだけの昔のメーカー、置き換えるとクレバリーとかレインのような扱いになり7月から1年もつかどうかとエスパー。