インテルの新しいCPU、Core iシリーズの違いを簡単かつ判り易く。
3度のメシよりオーバークロック好きな自作マニアは、アーキテクチャやチップセットの違いなど熟知しているのかと思いますが、初心者のみならず普通にパソコンを購入しようとした際、専門サイトでは複雑になりすぎて簡単にならない。
そこで複雑な部分を省略し、CPUのみでどう違うのかを絵で比較します。
構想30分、調査1時間、図解に何と2時間の大作な割にアレですが気にせず。
[2010/03/15]Core-i5 700番に誤り有り大幅に修正した為、元の記事を丸ごとこちらへ残しました。初めて読まれるなら間違っている為、見ない方が良いです。失礼しました。(Core数とTBの有無が誤り)
[2010/04/10]最初と最後の図に誤り有り修正。元の記事をこちらへ残しました。(「映像出力機能内蔵」(オレンジの帯)の長さが違っておりCore i5の700まで入っている)
[2011/05/09] SandyBridge版を書きました
新Core i7とi5とi3の性能の違いを比較し図解(初心者用)
https://bto-pc.jp/select/core-i7-i5-i3-sandy-bridge.html
Core i7とi5とi3の性能や機能の違いを比較
i7に続きi5、i3まで出て何がどうなっているのか自分でも解らなくなり、徹底的に調べ気付きました。i7やi3などとインテルのロゴ通りに分けているから難解になる。
iの番号は今回無視して百番台(900~500)を御覧有れ。
下で更に切り分けるため何となくで結構。この絵だけでは判らない。
最上段の900番台がCore-i7の920~975、Core-iシリーズでは現在最高性能。今回はCore-iシリーズのみとして、最下段Core-i3の下に来る新しいPentiumは省略。
500から900番台まで5種類として、しつこいですがi7やi5は無視で。
Core-i7「900番台と800番台」の比較
どちらも同じCore i7ですが、900と800です。実際には920、975、860など有りますが十の位は切り捨てて考えましょう。
この絵では違いが判りにくいものの、CPUの大きさが違います。
正確にはLGAというソケットと接触する数が1366個と1156個の違いで同じi7ではあるものの別物。データ伝送の仕組みやメモリが3(トリプル)チャンネル、2(デュアル)かの違いも有りますが複雑になるため触れません。
とりあえず900番台は最高級な1366個も接触して動作するマニア向けのCPU、800番台は今年から主流になる一般的なCPUと覚えましょう。
Core i7「800番台」とCore i5「700番台」の違いを比較
この辺りから相当CPUオタクでなければ説明は難しいかと。私も実際どう違うのかはっきり知らなかった。実際には860、870、750ですが百番台で括ります。
理論的なコア数とするHT(ハイパースレッディング)の有無
物理的なコアが本当に載っている数とすれば理論的なコア数は疑似的のような意味で、HyperThreading(HT)というインテルの技術で並列に処理出来る数を2倍にする機能です。
古くはこれを書いている私のPC(Pentium4)に始まりCore2では使われなかったと思うものの、Core-iシリーズで復活したという事でしょう。CPUの絵の中に有る四角がコアで、斜線でHTと書いて表現しております。
Core-i5「700番台と600番台」の比較
900番(i7)が2008年末に先行し、2009年夏には800(i7)と700(i5)が発売され、2010年1月に出た600番(i5)で大混乱。750や650などの違い。
キャッシュの容量が8MBと4MBの違い
L3は3次キャッシュと言うCPUが処理したデータをどの程度の太さで伝送するかの容量です。絵には書いていませんが、700番は8MB、600番では4MBと2倍の差が有り。
3次と書いたように1次や2次を内蔵した外側になる為、Core2シリーズまでのL2キャッシュの容量でCore2のL2キャッシュ6MBとCore-iのL3キャッシュ4MBの比較は出来ません。
物理的なコア数が4個と2個の違い
一昔前のCeleronなどシングルコアと呼ばれるCPUは、「コア」が1つ。デュアルコアは2つ。Core-iシリーズではクアッドという名を使 わないようですが、現在4つまでコアが載っています。
800番台(i7)と700番では4コアで、単純にCPUの数として表示される事も有り、多ければそれだけ多くの処理が出来る事になりま す。
グラフィック機能が内蔵か無いかの違い
Core-iシリーズ、正確にはLGA1366と1156になり、今までマザーボードに載っていたグラフィック機能が無くなりマザーボードでは映像出力する事が出来なくなっております。
900~800番(i7)と700番(i5)は標準でグラフィックボードの増設が前提になったものの、600番台より下ではCPUに内蔵されているという、今までの知識はさっぱり役に立たない仕様。これからはマザーでは無くCPUの仕様でグラボの有無が決まります。
Core i5「600番台」とCore i3「500番台」の違いを比較
ラストは500番、実際には530や540がCore-i3のプロセッサナンバーです。
2コア、HT有り、L3同じ、グラフィック内蔵も同様。
TB(ターボブースト)とは?
クロック周波数(CPUの処理速度)を自動的に変更する機能で、正確にはIntel Turbo Boost Technologyという名前。同時処理が無く使っていないコアを停止し電圧を下げつつ、使っているコアにそれを回してオーバークロックするというものです。
今までオーバークロックと言えば、最速マニアがステッピングを見て電圧を職人芸のように微調整する趣味の領域でしたが、使わないコアを停めて温度などの環境を見て行けると判断すれば勝手にオーバークロックし処理速度を上げるものがターボブーストです。
改めてCore i7とi5とi3の機能の違いを比較して見る
各所の違いを細切れにして説明しましたが、それらが頭に入るといかがでしょう。
今回の説明では900番(LGA1366)とそれ800番以下(LGA1156)の違いは全てでは無く、CPUに限った比較でしたが、上の図を見ると何と無く自分の用途に合うCPUが見えて来るのでは無かろうかと。
グラボを増設する程の映像用途が有るなら800番。マルチスレッド(同時に複数のアプリケーションを使う)が滅多に無ければ700番。
ここで600番の存在意義が不明になりますが、600番台は650、660、670と種類が多く、661は660と価格が同程度ではあるものの、消費電力が高くGPU(グラフィック機能)性能が他の600番台より高いなど選択肢が多い。
500番(i3)は激安で、600番(i5)より価格が5千円から1万円の開き有り、手軽に新しいソケットLGA1156に移行するなら財布に優しく、BTOに限らず全てのデスクトップで安く購入出来るかと思われます。
Core iシリーズの比較まとめ
まとまる程詳しくは書いていませんが、漠然としていた性能や機能の比較が何と無く判ったでしょうか。私は判りましたが、忘れると思うのでここをブックマークしときます。
- Core i7の違い・・・900番と800番はピン数からして全く別物
- Core i5の違い・・・TB、HTの有無、コア数とキャッシュ容量が変わる
- Core i3の違い・・・TBは無いが、HT有りの2コア(理論4コア)
3月10日(米国時間)に発表されたCore i7-980xは昨年までCore i9と呼ばれていましたがCore-i7になったようで、コアが6つ(HTで理論12コア)と32nmになり、LGA1366のため上の図では900番台扱いです。
以上、デスクトップのみのCore iシリーズ比較でしたがモバイルはやる気出ず。
ノートはデザインと価格で選び、安いならCULV(Core iでは無い)、高額なノートは東芝が人気らしいのでCPUは気にしないかと。そこまでこだわる人は自分で調べているだろうと想像し、Core-i CPU(デスクトップ用)の簡単な比較としました。
追記:出典(この記事へのリンク)を入れて貰えれば記事内の画像は自由に転載して貰って構いません
<参考にしたサイト>
- インテル - 製品情報 - プロセッサー
- Processor Spec Finder
- Intel Core i7 - Wikipedia
- Intel Core i5 - Wikipedia
- Intel Core i3 - Wikipedia
- 集積回路 - Wikipedia
core i5の700番台は4コアでは?
うちのCore i5 750マシンのタスクマネージャーを見ると4コアになってます。
i5の700番台(といっても750しかないのですが)は物理4コアです。
また700番台は統合グラフィック(内蔵GPU)を持っていません。
そしてキャッシュ容量の説明ですが、メモリバスと勘違いされていませんか?
かいつまんで言うと、キャッシュメモリとはCPUの持つ小容量の高速物理メモリです。
どういう物かは、ご自身で調べ直されるとよろしいかと。
700番台は4コアでGPU統合無しですね。
LGA1366と1156は、メインストリームになるのでしょうが、なんでも来年にはSandy Bridgeなる世代の新型プロセッサが出始め、それらはまたソケットが変わるのだと聞きました。
そうなると、1366であれ1156であれ、どちらもその来年以降の新CPUは挿せないので、仮に現時点で最新のマザーでも、3、4年使って新CPUに換装してみようか~というプランはできなそうです。
そう考えてしまうと、がんばってもう1、2年待つか、今買うなら最低限の安価構成にしておいて、すぐにマザーというかPCごと買い換えてもいいようにしておくのがよさ気でしょうか。
実際、USB3.0なんぞが標準でマザーに載ってくるのは、そのSandy Bridge世代のプロセッサ搭載機からになると聞きますし、ほんとうのところどうなのでしょうね。
結局、欲しい時が買い時なのでしょうけれど。
むしろ、私的に気になったのは、変更されるというピン数が、聞くところによると 1156 → 1155(1366 → 1356)の予定だと知って、いや、同じでいいじゃんw。1ピン違いとかw。1ピンてw。ソレ変える必要あんの。しかもピン数減るってw。減るなら普通に互換性とれよw。とれるだろ互換性w。
などと素人的に思うわけですよ。
インてるフザケてるの、アホなの、死ぬのと、中の人を小一時間問い詰めたい。
だって昨年あたりは、中の人が
「LGA1156がこれからメインストリームになる。キリッ!」
とか言って気がするのだけれど、なんかもうね。
おかげで1156が、どう考えても地雷です。本当にありがとうございました。
とか思えて仕方がない。
今、買え、そして来年また買い換えろ by:インテル&マザボメーカー
こうですか!?わかりません!
ああ、なるほど、まだPrescottで戦えってことですね。わかります。
>匿名1,2,4
ご指摘有り難う御座いました。本命記事なので助かりました。修正すると読めない程ひどくなる為、追記して元の誤りを全文残しております。
他にも間違っているかも知れないため、修正その1としました。そのくらい情報が専門的過ぎて難解うという言い訳。
>匿名3
説明されるならリンクさせて貰いますが、これ以上調べる気は無いのでよろしくお願い致します。ここでやられても困る為、無料ブログなどでどうぞ。http://blog.fc2.com/
修正御疲れ様です。
i5 700番台には映像出力機能はありません。
i7 800番台のHTが無いのが、i5 700番台ですね。
LGA1155とは。全く知らなかった。
Sandy BridgeはSocket H2で2011年第1四半期に登場
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/20100304_352469.html
ラストに「新ソケットはマザーボード買い替えの動機になる」のような事が書かれていますが、買い控えの原因にもなるという事も言えるでしょうな。
しかしPC全体で言えばノートに押され、ナショナルブランドはi7よりi5やi3。デスクトップ用のCPUに気合いを入れられてもインテルの自己満足に思えて来ます。新技術は良いけれど、昔ほど自作に気合いを入れる人間は少なく、頻繁にピン数を変更されるとかえって冷静になり壊れるまで待つかという気分に私はなります。
これを書いているPCもPen4Prescott(550)。興味が無かった為今気付きましたが、D0のTDP103Wという大食らいでした。燃費が悪くうるさいクラシックカーのようなもんですな。壊れるまで乗りましょう。
ヒツジ先輩の550の数値を観て、ちょっと気になってIntelのサイトで調べてみましたが、私の530はTDP84Wのようです。400Mhzの差で結構違うものなんですね。
ttp://processorfinder.intel.com/List.aspx?ProcFam=483
Prescott=無駄に爆熱のイメージでしたが、上のサイトでTDPを見るとi7が半端じゃないですね。特に900番代の130WとかPrescottが可愛く見えるw。
もっとも、アーキテクチャがまるで違うでしょうから比べるものアホな話しですが、クロックが同じように400Mhz違い(920と950)であってもTDPが同じ130Wとかいうところがi7のようわからんところです。
とはいえ、凄まじいTDPであっても、それだけの処理をやってのけてしまうところが、さすが最新プロセッサ。
おかげでPrescottが如何に無駄に爆熱であるかが、引き立てられ過ぎて困るw。
いや、クラシックもアンティークも嫌いじゃないからいいんですけどねー。
むしろ好きな方だから余計困るw。
はじめまして
いつも楽しく拝見しています。
いきなりですが修正をお願いします。匿名5さんがコメントで補足されてますが。
最初の図です。
グラフィック内蔵CPUは黄色マークで(たぶん)あってますが、文字の映像出力機能内蔵のところでCORE-i5-750までくくられ、文字と図で表記が異なっています。
わかる人はスルーしているのでしょうけど。
勉強中の私から見ると、悪いのはインテルです。
わかりにくい。
詳しく調べるほどわかりにくい。
また、メディアもマニアにさえわかればイイという前提でしか書かない。
当然か。
メディアもこちらのブログを見習って工夫をし、このように分かりやすく書いてもらえると、私のような阿呆は助かります。
クレクレの戯言です。お気になさらず。
ではお願いします。
ご指摘有り難うございます。
当日に修正したものの、他のコメント騒ぎで報告遅れました。
図の映像出力機能内蔵を縮めて訂正と致します。
有り難うございます。
修正お疲れ様です。
毎日の更新に頭が下がります。
これからも頑張って下さい。
これから調べにゃと思っていたので、大変参考になります!
ところで、
Core i7 と Zeon 3000 との違いはどこにあるのですかね?
何を差別化しているのか判らない。。。
めちゃくちゃわかりやすかったです!
もやもやがすっきりしました!
わかりやすかったです。
ありがとうございました。
わずか数分でCoreiなんとかが理解できた。のつもり。
これからどれ買うか??悩み中だったので助かりました。
あざーす。
i7 i5 i3 と言う記号は パソコンノ力と聞きましたが 又大きい方が
力が有ると聞きましたが 本当ですか
授業でつかってまーす
お世話になってまーす