広告が目に止まり、久々にデルの通販を拝見。
最近のDELLと言えばPC事業、特に個人向けの業績が悪いというニュースが多め。BTOパソコンは昔のデルほど激安感は無いというか微妙に高め。デルが高くなったのか、他社が安くなったのか、どちらも有るでしょうな。
妙なものを見てしまったのでネタにして参ります。
法人向けBTOパソコンを2万円台からで限定販売
広告から行った先のページがこちら。
上の緑色部分はリンクになっており、オフィスが無料~は別機種の事。リンク先へ行ってみるとオフィス2010の在庫を余らせたのか、無料と称し抱き合わせ販売中。
オフィスの価値を2万円とするなら、CPUはCore i3とやや性能高め。
デスクトップPCはモニタ付きで3万円くらい。4月末までオフィス2010は2013への無償アップグレードが有る為、手間は掛かるけれどこれは有りでしょう。
ちなみにオフィス2010無料は別途フォームからの申込みが必要となっておりややこしく、そして意味が分からないのは49,980円では無い件。
デスクトップも同様に70,980円。
1万円値引きクーポンの適用で調整されるのかと思ったけれど、入力し適用をするも使えず、やはり70,980円。
わけがわからないので話を戻しましょう。
注目は左の3機種で、最安はCeleron搭載のデスクトップPC本体単品。
しかしレビューの多さは左から2番めのPentium搭載で、なぜ人気が有るのかと良く見ると、画像の通りモニタがセットになっている割に安い。その右もモニタ付きの画像は基本的にセット。
仕様は全てWindows7。在庫処分と謳っているだけはありメモリやHDD容量は少なく、今時の最低限のような構成。しかし事務処理用なら性能的には充分かと。
価格が切れているので、左から3機種を書き出すと以下。
- Vostro 270s・・29,980円
- Vostro 260s・・39,980円 ※モニタ付、条件有りで更に1万円値引
- Vostro 270s・・49,980円 ※モニタ付、条件有りで更に1万円値引
モニタの有無どころか、CPUなど構成違いにも関わらず1と3の型番が同じ理由は不明。1万円値引きになる条件は、過去3年以内にデルPCを購入していない企業用。
要するに3年以内にDELL製品を購入した法人は損をするわけですな。この売り方は時々見るけれど、新規重視でリピータをないがしろにしていると思う。
1~3番、上からCPUはCeleron、Pentium、Core i3となっており、1万円引きが有効な企業なら2番が得。無効な企業はいずれも割高感が有りましょう。
クーポンコードは別のページ(見た目は5万、実際は7万円のコーナー)に書かれていたので、49,980円のモデルで試すと本当に値下がりを確認。
但し、DELLで新規購入など以外に従業員数6~99人、個人事業不可など条件が厳しく、嘘なら注文取り消しになるとの事。
売りたいのか売りたくないのか、目的が別に有るのだろうけれど良く分からない。ここで新規購入すると、3年ほど経過して営業が来るのかとか勘ぐってしまうほどの不自然さ。
とにかく、面倒過ぎて何がしたいのかよく解らない販売方法と謎の価格表記違い。わけが分からないのはこれらだけではございません。
量産系BTOパソコンとして適正と思う価格を試算
上の画像での価格表示は意図的に切っており、入れたものがこちら。
左から3機種の価格。カッコ内は通常価格とされている売値。
- Vostro 270s・・29,980円(通常:70,665円)
- Vostro 260s・・39,980円(通常:86,940円)
- Vostro 270s・・49,980円(通常:102,375円)
何と全機種が衝撃の半値以下。お前は新製品発売3ヶ月後のNECか、と思うわけがなく、相場を知らない人やPC初心者を騙す気満々、レノボ直販のようなやり方。
全部は面倒なので、3番の主要構成で試算してみましょう。右端の金額は自作PC用としたパーツ単品の最安相場。
量産系BTOパソコンなら、単品パーツ総額と同じか安くなって当然のところ。かなり甘め(単品を高め)に値付けして参ります。
- OS:Windows7 Professional SP1 32ビット・・14千円
- CPU:インテル Core i3-3220(3.30GHz、2コア、3MB)・・10千円
- グラフィック:インテル HD~ 2000 ※CPUに内蔵・・0
- マザー:不明・・10千円
- メモリ:2GB(2GBx1、DDR3 1600MHz)・・1千円
- HDD:500GB(3.0Gb/s)・・5千円
- DVD:スーパーマルチ・・2千円
- 無線LAN:IEEE802.11b/g/n(DW1506)・・2千円
- その他:マウス、キーボード、カードリーダ・・計4千円
- ケース/電源:不明・・10千円
- モニタ:18.5型(E1912H)・・10千円
総額は6万8千円くらいなので、通常価格との差は約3.4万円。マザー、ケース、電源は甘すぎると思うので、4万円近い差が有ると言えど過言ではないでしょう。
自社、下請けの製造、安さ最優先で生産しているパーツの塊でこの価格の盛り方はひどい。
販売価格は1万円引きでは無くとも確かに安く、特に左から2~3番目。但し、モニタが18.5インチの解像度1366x768、D-sub(アナログ)入力x1のみで良いなら。
DELLのパソコンを選択する理由が無い(まとめ)
デルを選択するPCユーザはこのような理由と想像。
- DELL(デル)ブランドの知名度が高い
- デスクトップもノートも安い
- 旧来からDELLパソコン
知名度による安心感、ファンや信者だからという人はそれはそれで良いと思うけれど、個人的にはメーカーを限定シない方が選択肢が広がるのでパソコン選びとしては正しいと感じており、デルの特長は安さくらい。
現在はデスクトップPCならマウスやパソコン工房などと同じか高め。高性能ノートはHPに負けている物が多く、低性能ノートならAcerやLenovoの完成品の方が安い。
納期が長い、延長保証が高い、モニタやプリンタが自社ブランドなので中身が良く分からないなど、個人用PCとしてデルを選ぶ理由が思い当たらず、業績が悪化している一因と妄想しております。
法人なら以前からDELL PCを導入しているから、という理由で置き換える企業も多いと思うけれど、今回のような販売価格のごまかしを見抜ける、または安ければ良いというならどうぞとしか言えず、個人的には売り方が汚くお勧めできない。
海外なら通用するのかも知れないけれど、日本でこういう売り方は信用を無くし、個人向けだけでは無く法人からも見放される可能性が有りましょう。それがサーバやソリューション事業に波及しないとは限らず。
デルは来年の予定で株式非公開の可能性有り。その後はやり方が変わる、または戻る可能性が有るとしても、年内には期待せずスルーでよろしいかと。
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