ドスパラがPCを評価して欲しいと送って来ました。
以前書いた通り私は金目当ての評価はせず、見て感じた事をストレートに書く為もしかすると叩き斬るかも知れない、自信が無ければやめた方が良いとアドバイスしたにも関わらず、それでも結構との事。
サードウェーブは阿呆なんじゃないかと思ったものの、そこまで自信が有るとは大したものです。良い度胸をしている。私がドスパラの担当なら、もっと当たり障り無いマニアックなブログや評価サイトへ依頼し、間違ってもBTOパソコン.comブログなどには頼まない。
本音を言えば面倒なのでやりたくなかったのですが、Windows7とCore-i7の動作を見たい好奇心に負けました。私が今これを書いているPCは4年以上経過しており、買い換えるならCore-i7かi5(安ければCore2)になるだろうと思い良い機会として。
条件は、Windows7、LGA1156、デスクトップ、ならば何でも良いと伝え来たPCがこれ。
ドスパラ - BTOオリジナルパソコン Prime(プライム)
http://www.dospara.co.jp/5goods_pc/pc_detail.php?h=g&f=g&m=g&mc=1152&a=1
現在、上から2番目に掲載のWindows7-32bit版。
64bitが来たらどうしようかと思った事はドスパラには秘密です。
- 型番
- Galleria HG 32bit モデル
- OS
- Windows7 Home Premium 32bit インストール済み
- CPU
- Core i7 860 (2.80GHz/TB最大3.46GHz/L3:8MB/HT)
- マザーボード
- インテル P55 Express チップセット ATX
- グラフィック
- NVIDIA GeForce GTS250 (512MB / PCI Express2.0)
- メモリ
- 4GB (DDR3 SDRAM PC3-10600 / デュアルチャネル)
- HDD
- 1TB (シリアルATA Ⅱ)
- 光学ドライブ
- DVDスーパーマルチドライブ
納品されパソコンと液晶モニタを取り出す
そこからなのかよ と突っ込まれそうですが、実はここが最も重要。スペックが何だろうと不具合や破損があっては使えない。
私が現役でBTOメーカーの修理担当をしていた時、故障原因の集計をすると配送中の事故が3番目に多く、電気店などの仲介を通さないユーザとメーカー直接のやり取りでは2番目に多いという事になります。
1枚毎に上げようかと思ったものの、アップロードが面倒なので1枚にしました。
最下段3枚がLCD、他は本体。
上3枚は外観で特に問題無いように見えますが、送り状の奥側にぶつけたかと思われるヘコミが有ります。これは後ほど。
2段目、カッターの刃を1段階しか出していませんが、これで透明のテープを箱の切れ目に沿って切ります。刃の長さが数mmになるため、そのまま切れば中に傷が付かない。
箱を開けると簡単な接続方法やスペックの詳細、収納方法が書かれています。中々よろしいかと。梱包材は白いクッションのようなものが2つ。これだけで大丈夫なのかと心配になりますが、ダンボールの素材が堅く頑丈なため考えてこの形なのでしょう。ドスパラ程のメーカーなら耐衝撃テストもしていると思われます。
LCDは23.5インチで箱にもPrimeと書かれており、どうやら中国で自社用に大量製造しているようです。普通のLCDなら品質はどこも変わらず、安くするためにフォーキャストというコンテナ単位(主に数百から数千)の購入予定を製造工場に約束するものです。
さて、先に書いた箱のヘコミ。
幅5cm程度、深さは1cmも有りませんが破損です。
しかし角であった事と、ダンボールの質が良かったためこの程度で助かったのでしょう。結構強めにへこんでいましたが、内側まで突き抜けてはおらず問題無し。
先日、ドスパラの通販でパーツを購入した時もヤマト運輸だったので、全てヤマト運輸なのかと思われます。地域によってはドライバーの質がよろしくないものの、要冷蔵を2週間遅れて腐らせるS急便よりは遥かに良いと思います。
ケーブル外れやパーツの落脱が無いかを確認
PC本体の外観から内部まで見て行きましょう。
毎度の事ながら撮影が下手ですがご容赦あれ。
本体が小さく見えますが、手前の液晶モニタが23.5インチ(16:9ワイド)のためで、キーボードと比較すると判り易いかと。ミドルタワーの奥行よりでかいわけです。外す必要が無いため液晶パネル周辺のベゼルに貼って有る保護シールははがさず進めます。モニタ右下には「Prime」のロゴ。
思いっきり逆光ですが気にせず。
ドスパラの通販ページでは毎回同じ画像が使われており今一質感が解らなかったものの、私がイメージしていたケースのデザインよりはマシでした。
BTOはデザインよりコストパフォーマンス重視。いかに安くエアフローという機能面にこだわるかという作りが多く有ります。このケースも然り。私が今使っているInwinケースと吸排気の位置がほぼ同じ。
カメラがへぼい為か灰色に見えますが、つや消しの銀色。
パワースイッチとリセットボタン共にフニャっと弾力の有るものでは無く、沈みの少ないカチッと手応えのあるタイプ。弾力の有る方はプラスチックをバネにしている事が有り壊れやすい。考えてカチっとタイプにしているのでしょう。何という名前かは知りません。
おー、見たまえ、このきれいな配線を。これこそドスパラの力の根源なのだ。素晴らしい。700年もの間、王の(もういい 「ムスカ セリフ」で検索しました。失礼。
遥か昔の記事で、修理現場に入りたての頃パラレルケーブルの配線に感動したという変態っぷりを発揮した私ですが、どこぞの水冷屋に見習って欲しい程の理に適った取り回し。
電源ケーブルがまとめられている事は当然、メンテナンスやパーツを増設交換しやすいよう空間を考え、私が最重要としているSATAケーブル(赤い細いやつ)が見事に回されています。最低限で抑えるよう考えられておりテンション(張力、緊張)がほとんど掛かっていない。
自作ならそこまでしませんが、テープで固定してある理由は配送や模様替えの移動に備えており、安いケーブルでも高価なものと同様の機能性を出しており、これ以上書くと褒めすぎなのでやめておきましょう。
右上、光学ドライブのケーブル接続部分に縦方向へテープが貼られているのが解るでしょうか。SATAは抜けやすく、特に電源は良く外れます。
ハードディスクの下から撮影。
光学ドライブ同様、テープでSATAと電源が固定されています。光学ドライブよりハードディスクの方が抜け易く、こちらが接続されていない場合はもちろんOSが起動しない。初回起動で真っ黒な画面に白い文字でsystemが有りません(boot failure、invalid system disk)などと表示されるならここを疑いましょう。
しかしテープも良し悪しで、経年で汚れれば黄色くなりケースやパーツに汚れが付き、特に喫煙で黄色や茶色い跡が付く事も有るため、クリーニングなどでケーブルが外れても気付く自信が有れば全部はがした方が良いかと思います。運送の耐衝撃用。
構成パーツの詳細を調べる
ドスパラのよろしくない所は、一覧やカスタマイズにパーツのベンダー(製造メーカー)が書かれていない事。フロンティアやマウスコンピュータもそうですが、パーツを大量に仕入れるBTOメーカーは生産工程に何かあるとメーカーさえ変更しなければならず、書けないのかと思います。(これは私の妄想)
電源はDELTAの「GPS550-A B A」
勘違いしている初心者の方々のために太字で書きますが、VAIOと同じ電源メーカーです。この電源が特段高品質という意味では無く、ごく普通の電源ユニット。パソコンの中身はナショナルブランドもBTOも同じという事。
ピーク(MAX550W)と有るため、Core i7(860)とGTS250なら余裕。容量の大きさに比例して価格も上昇するため無難な選択。気に入らなければカスタマイズすれば良いものの、電源の製造メーカーはもちろん書かれていません。こだわるなら自作か換装か。
HDDはSAMUSUNGの「HD103SI」(1TB)
家電での印象はよろしくないSAMUSUNGですが、私が修理現場に居た時のノートPCにSAMUSUNGのHDDが採用されていました。東芝や富士通も入っていましたが、熱も少なく良いメーカーという印象。個人では持っていません。私はSeagate派。
そう言えばVAIOはWesternDigitalでした。どのメーカーが良いかは人それぞれ、好みになりますが、ハードディスクは運で壊れます。それは今回関係無いか。
奥に見えるはフロントのファン。静音どうでしょう。
やばい気がしますね。動作が楽しみです。
光学ドライブはLGの「GH24NS50」
どこのPCメーカーでも採用していそうな普通のDVDスーパーマルチドライブ。バルクで販売されていたり、特に突っ込みどころなど有りません。
メモリはADATA
どれが型番か不明な為、画像を参照下さい。
片面8チップの両面16チップ。当たり前ですが同型が2枚のデュアルチャンネル。
チップはHynixです。良いメーカーかと。
マザーボードはMSIの「P55-SD50」
チップセットP55、MSIの型番でP55-SD50という物は無くOEM用(PCメーカー用)のマザーボードと思われます。普通のマザー。
ビデオカードはPalit Microsystemsの「NE3E250FHD52-PM8F92」
聞いた事の無いマイナーなベンダ「Palit Microsystems」
中身はNVIDIAが作っている為、基板はどこでも良いかと思いますが、ヒートシンク(放熱用の板)やファンの質が気になります。こればかりは実際に使い続けねば分からないため、何とも言えず。
電源に6pin補助電源が2本刺さっています。消費電力は130W前後かと思われ、CPUが70Wとして小計200W程度。高負荷時にファンの静音性が気になる所。
CPUファンはnpowertek
何だこれ。大丈夫か。本当に行けるのかドスパラ。
形はインテルのリテールファンに似ており特徴無し。
大きさやヒートシンクのフィンもインテルのファン同様。
このPCにはファンが5つも付いており、電源、CPU、ケースのフロントとリヤ、そしてグラボにも1つ搭載。騒音は回転数が主な原因ではあるものの、5つのファンがどこまでの音を出すのか気になり面白そうです。
マニュアル一式を見てみる
今回のPCは貸出用のため、Windows7のメディアは付いておらず、プロダクトキー(コアラベル)が貼って有る部分もドスパラのステッカーが貼られています。というわけで、OSを除く付属品一式。
左上から
- マザーボードの修理依頼書(マニュアルに付属)
- CyberLinkのアプリケーションCD(DVDコピーや動画再生ソフト)
- マザーボードのドライバディスク
- ビデオカードのドライバディスク
- PC-DoctorのドスパラPrime専用ソフト
マニュアルを開いてみました。
約170ページにわたり写真や絵入りで解説。最近のBTOメーカーはここまでやるのかと関心したものの、ドスパラが勝手に気合を入れているのみかも知れず。
右下の一覧はサポート料金リストとなっており裏表紙。有料かつ高額ではあるものの自作や他社PCも修理できるようです。さすがパソコン専門ですな。
下段中央の左ページを拡大。
ポイントを押さえています。私が過去に書いた記事の通り修理の際は
- ハードディスクのデータ消去に同意するにチェックし署名
- 不具合内容をとにかく詳しく具体的に書く
- パスワードを答えなければOSの動作は検査しない(できない)
マウスコンピュータやフロンティアはオンラインでダウンロード出来ますが、パソコンが1台しか無ければ意味が無い。上の写真はマニュアルの1ページなのでコピーして使いましょう。いや、買った直後にコピーしておいても良いかと。
納品から開梱、PC内部のチェックまとめ
私は元修理人のため梱包やマニュアル、配線などを重視しますがケチの付けようがほとんど無く、この点はさすがとしか言いようがありません。特にケーブルの取回しは見事でした。
あったとしても配送中のケーブル抜けは誰も悪くは無く、初期不良で却って来たものを見た時最も脱力する不具合。故障では無く衝撃または運で外れる事も有り。テープが嫌なら自作しろという事。
気合が入り過ぎ次回が不安ですが、Windows7での動作や良く有るベンチマークなどを適当に取って行こうかと思います。私はベンチマークでハァハァする変態行為はやった事が無いため、何かおかしい事をするかも知れませんが。
今回書いた以外のスペックはこちらに書いて有ります。
しかし静音が気になりますね。
いつも貴方のブログを拝見させていただいています。
質問なんですが、Galleria HGでSLI接続できる
スペースはあるのでしょうか?
お暇なときにでも回答お願いします。
結論から行くと、ドスパラに聞いた方がよろしいかと。
GalleriaのHGシリーズは「HG」という名をを引き継いで構成が変わって行く可能性が有り、私が見たHGには載らない(SLI不可)と言っても別の仕様の違うHGシリーズになっているやも知れずという事です。
今回のHGで言えば、PCI-express x16が1スロットしか無いため物理的に載りません。
http://product.pconline.com.cn/pdlib/388012_bigpicture.html#id=0
ビデオカードの厚みを考えたSLI可能なスロット配置のマザーボードが有るため、マザーから探した方がよろしいかと。また、BTOで購入し増設でSLIにするとメーカーによっては保証対象外になる事も有る為ご注意を。
しかし、そこまでやるなら相当な高額になるので自作した方が良いと個人的には思います。
今GTS250を持っているので、HGを買えばSLIに出来るかなって
思っていたんです。
やっぱりマザーボードから探したほうがいいみたいですね。
回答ありがとうございました。
今後もヒツジ先輩のブログ、楽しみにしています!
1年前に他人様が書かれた記事ですが参考になりましょう。
http://kishinkan.jugem.jp/?eid=3282
水冷やOC然り、SLIはロマンと思っているため止めはしませんが数値をご参考あれ。
>パワースイッチとリセットボタン共にフニャっと弾力の有るものでは無く、沈みの少ないカチッと手応えのあるタイプ。
>何という名前かは知りません。
Ans, 「タクトスイッチ」と言います。
アルプス電気 http://www.alps.com/WebObjects/catalog.woa/J/HTML/Tact/Tact_list1.html の登録商標ですが、なかば一般名称化しており、ググると他社の同様製品も引っ掛かります。