エプソンダイレクトより性能低めの低価格ノートが発売。
エプダイと言えばやたら高額なデスクトップ、やけに安いコンパクトPCなどを過去ネタにしておりますが、ノートは結構普通の物が多め。価格は安めで性能はそれなりなので、業務用PCとしては良さそう。
今回のノートもそれ系なので、ITmediaの提灯記事に水差し。
「Endeavor NY3300S」はビジネスPCの決定版らしい
どの辺りが提灯(宣伝)記事かはタイトルだけでも見当が付く長さ。
今買えば、1200円でアップグレード「Windows 8優待購入プログラム」対象:ビジネスPCの決定版─コストとサポートを両立したグッドバランスPC「Endeavor NY3300S」 (1/2) - ITmedia PC USER
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1208/21/news001.html
どのようにして提灯持ちする企業を褒め称えるか、戦いはタイトルから始まっているのでしょうな。私は記事タイトル=本の背表紙、と思っているので長過ぎ=鬱陶しい、としか思わない。
2ページに渡る本文は全て良い事尽くめで、リンクはJavascriptで飛ばしアドエビスの広告計測タグを通過する仕様。画像のリンクまでエプダイに飛ばされるとは思わなかった。
この手のやり方は健全な経済活動なので悪いとは思わないけれど、良い事しか書かれない記事を鵜呑してパソコンを購入すると後悔の原因になる可能性が高めなので冷静に。
実機を借りているだけは有り内容はかなり詳しく、文章の内容自体はかなり良いと思うので、参考にさせてもらいましょう。
ITmediaの本体画像が拡大出来ないので、エプダイ公式より拝借。
source:http://shop.epson.jp/pc/ny3300s/
エプダイは全ページ変なコードを返すのでリンクは切っております。行くなら手数ながらURLコピペにて。
ITmediaの記事ではCPUがCeleron B815になっているので、バリューモデルと書かれた43,980円の方がレビュー対象。
主な仕様を引かせてもらうと。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- CPU:Celeron B815(1.6GHz、2コア/HT無し、2MB)
- マザー:インテル HM76 Express チップセット搭載
- グラフィック:インテルHDグラフィックス ※CPUに内蔵
- メモリ:4GBx1枚(PC3-12800)※動作はPC3-10600
- HDD:250GB(SATA2、5400rpm)
- DVD:スーパーマルチドライブ
- モニタ:15.6型ワイド液晶(解像度:1366x768)
- バッテリ駆動:約6.1時間
- 重量:約2.5kg
- その他:1000BASE-T、IEEE802.11b/g/n、USB3.0x2、USB2.0x2 など
これで約4.4万円なら妥当な構成。ノートなのでUSB3.0が2本は有利。
但し、Celeronなのでメモリの速度が生かされておらず、2GBを仕入れていないのか4GBが1枚となっており、HDDは今時最小と言える容量。しかしメモリのデュアルチャネルの効果は微妙、HDDは250GBも有れば充分とも言えましょう。
フォローのしようが無い気になる箇所は、バッテリ駆動が6.1時間にも関わらず重量が重過ぎ。会議室などへの移動なら有りでしょうか。バッテリはJEITA測定なので実際には4~5時間が良い所。LANの無線はn対応、有線1Gbpsはビジネス用ノートとしては落ち度無し。
これだけで見ると良さそうなものの、他社と比較するとそうでも無し。
他メーカーとエプダイのノートで性能と価格を比較
Celeron B800番台で私が真っ先に思い出すのは、以前パソコン工房から借りた3万円レサンセのノート。
既に販売終了しており、2012年の春発売のPCなので仕様は劣るもののエプダイと近い構成。USB3.0無し、メモリ2GBx1枚、バッテリは実測で3時間弱とか。
半年前のノートと比較するのはどうかと思うので、最近の物と比較すると、NECや富士通などナショナルブランドは約5万円でオフィス付。
NECや富士通などのノートは今から買い時(2012年 夏)
https://bto-pc.jp/select/nb-laptop-2012-08.html
性能や容量はエプダイのノートより高いか同じくらい。これらはオフィス2010のHome and Businessが付いているので、その価値が2.5万円とするなら、オフィスのライセンスが足りない企業のビジネスPCとしてはコストパフォーマンス良好。
オフィス不要で有名メーカーで無くとも良いなら、Acerのノートが約2.6万円。
Windows7仕様のAcerのノートが約2.5万円(2012年8月)
https://bto-pc.jp/select/windows7-acer-note-26k.html
メモリが2GBな以外はエプダイのノートより上。
というわけで、Endeavor NY3300S単体で見ると安い、または妥当な価格と思えるけれど、他社製品と比較するとそうでも無いという。今年の夏は春モデルの値下がりが大きい為、ショップ在庫が有利となっております。
エプダイならカスタマイズが出来ると言いたいけれど、NY3300Sのハードウェア構成は固定。選択出来るのはセキュリティやオフィスなどソフトウェアやサポート程度。
エプソンダイレクトなら保証が長く納期が短いから良いのか
私も認めるエプダイの良さは延長保証の長さ。今回は短縮。
Endeavorシリーズにはない3年間安心サービスセット(3年間お預かり保証+3年間安心プラス保証)をオプションで選択できる
オプションは有料で追加するサービスの事。
他のエプダイ製PCは修理保証1年でも部品保証は3年なので2~3年目は修理代が安くなるところ、このNY3300Sでは本体を安くする代わりに部品保証が1年へと減り、修理と部品の3年保証が有料。
また、ITmedia記事では
全製品2日配達保証
と説明に有るけれど、最初の画像の左上に有る「条件により2日でお届けできない場合がございます」は意味が分からない。
更に1日修理については詳細ページへ行くと、どう見ても2日。
発送処理が1日目で2日目に発送。修理は発送するまでが修理とするなら2日でしょう。更に言えば到着して納品までが修理なので1日という表現はおかしい。
ヤマト運輸や佐川急便に限るけれど、いずれも集荷の受付は21時頃が限度と記憶している為、エプダイは21時過ぎまで修理しているのかも知れませんな。
以上、ITmediaの記事ではCDMによるストレージ(HDD)や3D Markなどによるベンチマーク結果が掲載されているので参考に。
NECや富士通、Acerならそれ以上のスコアが出る可能性大。
宣伝の煽りや釣りを真に受けてはいけない(まとめ)
今回の宣伝記事はITmediaにしては下手。
いつもなら記事最後のまとめでチクリと2~3個くらい「ここは戴けない」など、難点を入れバランスを取る仕様。
エプダイトラップは別の表現も有り、今該当の記事を見ていると右の広告枠にエプダイの広告が表示されておりました。
嘘は書いていないけれど、この表現はどうなのか。
価格は69,990円から、メモリは最大32GB、i7-3770Kも選択可能。
私のようなオタク掛かった人ならエプダイはカスタマイズが有るから、と分かるけれど、パソコン=完成品しか知らない人には、メモリが最大の32GBも載っており、CPUは高性能なCore i7しかも 3770Kが選択されていると思われてもおかしくは無いでしょう。
行けば自分の勘違い、またはエプダイに騙されたと分かると思うけれど、現在エプソンダイレクトはこのような表現をするのでご注意有れ。
話を戻し、Endeavor NY3300SがビジネスPCの決定版かと言えば否定は出来ず、ITmediaがそう表しているだけなので必ず自分で判断しましょう。
パソコンの中でも特にノートや一体型を購入し後悔する人の多くは、店頭で店員に勧められた自称PC初心者なユーザ。決定したのは自分と思うけれど、他人の介入(判断)率が多くなるに比例し責任転嫁したくなるものなので後悔率が上昇。
価格の高さに比例し納得するまで選びましょう。金が有り余っているなら、時間を短縮する為に鵜呑みしても良いかも知れない。
以上。私が気に入らないのはエプダイでもNY3300Sでも無く、宣伝の表現や伝え方が汚いと思うだけ。エプダイは良いメーカーなので、この記事も鵜呑せぬようご注意有れ。
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