経年で進化し巧妙になりつつ有る詐欺ソフト。
ワイドエリアネットワーク(WAN、インターネットやパソコン通信)を古くから使っているマニアックな人なら騙され難いと思うけれど、パソコンの普及によりユーザの属性も様々になり罠に掛かる人が増えているそうな。
国民生活センターの情報へ補足する形で参ります。
国民生活センターより注意喚起「そのエラー表示は本物?」
珍しくGoogleリーダーに直接掛かっておりました。
エラー表示などでパソコンソフトを購入させる手口に注意-そのエラー表示は本物??-(発表情報)_国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120817_1.html
何の事か冒頭より一部引かせてもらうと。
全国の消費生活センターには、「パソコンを操作しているうちにエラー表示などが現れ、エラーを解消するためにはソフトをダウンロードする必要があると表示されたので、ソフトをダウンロードした」という相談が寄せられている。
なぜそのエラー表示を信じたのか、どうしてダウンロードしたのか疑問に思ってしまうけれど、資料によると年々相談件数が増加しているそうな。
2012年8月10日まで、と有るので2012年の見込を推測すると610件くらい。減るのかと思ったけれど、8月10日までに処理済の件数と考えるが妥当でしょうな。
年齢や性別も載っていたので勝手にグラフ化。
性別は男性が約7割、女性は1/4くらい。年代は大差無いように見えるけれど、人口別で考えると今の30代後半から40代は分母が多いはずなので、高齢者の数は結構多いと言えましょう。
職業で気になるのは無職が1/4弱を占める事。無職は失業者以外に主婦や年金生活者も無職に含まれるので、ここでも高齢者数が幅を利かせていると予想。
この調査で私が最も驚いた数値は、平均購入金額と決済方法。
平均契約購入金額は、約4万円で、約半数がクレジットカードを利用したもの(販売信用) である。
予想では平均4千円くらい、9割以上がカード決済だろうと思っていたけれど、やらかす人はその10倍以上の金額を支払っていたり、カード以外の決済方法でも支払ってしまうという。
あきれると同時に日本人はお人好しが多いと感心。
詐欺ソフトに騙されない方法と日常的な心掛け
偽のエラー表示で金銭を騙し取るやり方の途中経過は、ソーシャルエンジニアリングとも言える手法で、騙す側と騙される側の間にソフトウェアが仲介。
ソーシャルエンジニアリングとはWikipediaによると
人間の心理的な隙や、行動のミスにつけ込んで個人が持つ秘密情報を入手する方法のこと
古典的な例ではターゲットに電話し宅配業者を装い、伝票が水に濡れて住所と名前が読み取れないと伝え聞き出す方法。
詐欺とまでは言えない物も有るけれど、具体的な偽ソフト解説を当ブログでも過去にいくつかネタにしております。
偽ソフトに騙されない方法も過去に書いたけれど、改めてどういう経路で騙されてしまうのか流れで5つ。
広告を広告と気付かず警告を信じてクリック
海外のフリーソフトを探している時に見掛ける「あなたのパソコンが脅威に晒されています 今すぐスキャン」のような案内。
そのサイトからの警告のように見えなくも無かったり、広告と気付かず誘導先のページへ遷移してしまう人も居られましょう。
ローカルPCの内部の状態を知るにはプログラムを実行しなければならず、インターネット(ウェブブラウザ)でページを読んだだけでは判らない。まず嘘なのでスルーしましょう。
高速化、レジストリ、修復、などのキーワードは怪しいと思うべし。
今、凄い表示例を見つけてしまったので引かせて貰います。
source:ダウンロード CCleaner
上の横長のバナー広告(RegClean Pro)、左下のテキスト広告2つ(PC Help SoftとSystweak)が全て偽ツール。
このサイトはsoftonicという善意と思われるVectorのようなフリーソフトの案内サイト。広告を表示させているのは大企業Google。私がアクセスしているサイトはCCleanerという有名かつ優秀なフリーソフト。
いずれも広告主が提供するサービス内容までの審査はしておらず、softonicが気付けばインチキソフトの広告はGoogle Adsenseの設定で停止出来るけれどしておらず。
例として、この状況は当サイト(BTOパソコン.jp)でも起こり得る事で、広告を見た人が判断しなければならない厳しい状況。
私は気付き次第停止しているけれど、もし怪しいサイトの広告が出ていたら info@bto-pc.jp までURLのタレコミを。
実行ファイルの危険性を知らない、見ていない
これはマイクロソフトが悪いと思うけれど、拡張子をWindowsの標準設定で表示しないのは、ファイル名を変更する際に拡張子まで変えたり消してしまう為でしょうか。
ファイル名の後ろに、.exe(実行ファイル)や .scr(スクリーンセーバー)などが付いているなら、出処が確かな信頼出来る物以外は実行しないようご注意有れ。
Windows7は実行ファイルの場合は警告が出るけれど、市販のアプリケーションソフトでも何でも出るので、無視されているのでは無かろうかと。
ダウンロードしたそのファイルは誰(またはどこの組織)が作った物か。答えられないならゴミ箱行きが正解。
警告やエラー表示の出処の信頼性を疑わない
偽ソフトをインストールしてしまうと大抵は常駐という状態になり、いつでも警告窓を出せる状態になる事が多くございます。
突然「深刻なエラーを検出しました」「システムファイルの破損を修復しますか」など表示され、OKボタンなど押して進めると大量のエラー報告。
これもダウンロードしたファイルと同様に誰(どこの組織)が表示し教えてくれているのか判らないなら、そのソフトウェアはアンインストールが正解。
但しここまで来ると削除出来なかったり、出来たように見えても消えずに忘れた頃に復活したりも有るので、PC初心者には厳しいと思われ、Windowsに詳しい人へ相談した方がよろしいかと。
本当に「高速化」や「修復」出来ると思ってしまう
Windowsの高速化の方法は多くが仕組や内容を理解し手動でやるものなので、ツールで自動的に出来るわけが無いと思いましょう。個人的には、高速化ツール=99.9%インチキと思っているくらい。
下の広告画像はレジストリーブースターという名前では検索にヒットするページの評判が悪くなり過ぎ、名前を変えて拡散している金を取って何もしないツール。
同時に良く有るものが修復するという案内。本当の意味で修復したいなら、Windowsを再インストール、または修復インストールする程度。
マニアックな人は問題点をピンポイントで発見し、レジストリを手動で変更したりもするけれど、自動で修復出来るわけが無いくらいに考えましょう。
高速化や修復を謳うツールの多くは何もしていないのでご注意有れ。何もしないならまだしも、本当にレジストリを書き換える悪質なソフトはWindowsを壊して起動出来なくするので実行しないように。
支払い先を見ずに簡単にカード決済してしまう
低速になる原因やエラーや破損が大量に発見され不安になり、それらを修復しようと案内に従うと、まず海外サイトに飛ばされるでしょう。ウェブブラウザが開いた時にURLのドメイン部分(当ブログなら bto-pc.jp の.jp部分)がjp以外のはず。
日本でも.comや.netなどは取得出来るけれど、更に良く見ると企業や組織の所在地も海外になっているはず。
下の画像はPCに不具合が出る事も有るらしいガンガンガン速というソフトの特定商取引法に基づく表示のページ。
日本国内の企業ならまだしも、海外の知らない企業へ良く分からないソフトウェア代を支払う人の判断力が私には理解不能。
身内や友人に高齢者が居るなら助言を(まとめ)
ここ数年で高齢者のパソコン利用率が高くなっており、とある調査の結果報告では東京の一部では有るものの60歳以上のパソコン利用率が8割を超えるとか。
自分は大丈夫、騙されないという自信が有るなら結構なので周囲を見てみましょう。両親や祖父母、友人や知人に60とは行かないまでも50歳以上のPCユーザが居ないか。
おそらく現在の50代以上は若い頃にパソコンがまだ普及しておらず、マニアの遊び道具だった時期で、仕事もPCでは無く紙にまみれていた世代。
記憶力が落ちると思う30代が過ぎた頃に仕事場にパソコンが導入され、良く分からず自宅でアダルトサイトなど見ている男性が結構居ると推測。
ここで「この記事を読んでもらおう」と言いたい所では有りますが、当サイトはオタク臭くて取っ付き難いと思うので、国民生活センターのPDFを印刷して差し上げましょう。
右クリックから保存し開いて印刷。
A4サイズで印刷範囲は全6ページ中5ページまでで結構。統計が要らないなら4ページまででもよろしいかと。
昔の人はパソコンより紙、パソコンオタクより行政法人を信頼すると思うので、下手に解説サイトやページをメールで案内するより効果的でしょう。
金が余っており安心を買う為に何もしないインチキソフトを導入するのは個人の勝手と思うけれど、不具合が出た時にメーカー修理でクレーマーに変身するのはやめて欲しい。
余談:パソコンが遅いという理由でPCメーカーへ修理依頼し、ハードウェアに異常が無ければWindowsの再インストールになる事が多め。
返却しインチキソフトを入れるとまた遅くなったりぶっ壊れたり。そしてまたメーカー修理を依頼し再インストールで返却。
メーカー側はソフトウェアが原因と思われる場合はサポート対象外なので修理報告書には書けず、検証する義務も時間も無く、憶測で「このプログラムが原因かも知れません」とは言えないもの。
「何度修理しても直らない、このメーカーのPCは最悪だ」などとお怒りのPC初心者を見た時は、そういう事かも知れない。
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